2016/10/11 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区/路地裏」にリンさんが現れました。
リン > 「はぁ~、もうちょっと工夫してくれよ、きみ……」

立って並べば一回り以上も大きい、いかにもあらくれと言った男が
這いつくばって、リンのブーツに頭を踏みつけにされていた。
リンの細腕と組み合って負けたわけではもちろんない。
ひ弱そうなリンを追い剥ぎしようとして、逆に何かしらの術にかかって精神を掌握されてしまったのだ。
いつものバイオリンは、彼のそばにはない。

「むさくるしい男を踏みつけても何も面白くないんだよな……
 これが女の子だったらいくらかよかったんだけど」

別に性的高揚などはないが、日頃の鬱憤を晴らすべく執拗に踏みつけまくっている。
手には男から“貰った”財布が握られていた。
一晩飲み明かすことぐらいはできそうだ。

リン > 「まあ、女の子だったら踏むよりも舐めさせるほうがいいかな……」

ひときわ強く踵を振り下ろすとくぐもった音がする。
それきり男は動くことはなかった。死んでしまったかどうかは定かではない。

「本当にこの国は野蛮な連中が多い」

睫毛を伏せて憂いを帯びた表情でため息をつく。
自分はまだマシなほうだと信じている。
だいぶ溜飲も下がったことだしそろそろ離れたほうがよさそうだ。
周囲に誰かいないか様子を伺う。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区/路地裏」にユウキさんが現れました。
ユウキ > 「き、君!……何をしてるんだ!!」

国で他の王族や貴族を殺した身には、賑やかな街は少々居心地が悪い。
世紀の大悪党とまではいかないにしても、懸賞金もかけられているらしい、賞金稼ぎに出会うようなことは避けたい。
ともすれば、行き着くのは薄暗い貧民区のような街ばかり。
安い宿は無いものかと、疲れの浮かぶ顔で歩いていた時だった。
目の前に「男を踏みつけながら財布を手にしている少年」の姿が目に入ったのは。

どう見ても、強盗にしか見えないその光景に、思わず腰に下げた剣を抜いて少年を睨みつける。
正義感に燃える主人公を気取っているわけではない、しかし、目の前の悪事を見過ごすような教育は受けてこなかったためか、自然に声を上げてしまい。