2016/04/10 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」にヴィールさんが現れました。
ヴィール > 日常を生きるならば普通は足を踏み入れそうにもない貧民街の隅。
人の気配が無い一角に立ち、薄汚れた壁を見つめる。

「………フン」

鼻で笑いながらポケットの中、小さな小銭を一枚指先で転がす。
別に誰が来ようとも構わないようで、一本の出入り口に向ける意識など無い。

ヴィール > つん、と鼻をひくつかせれば、鼻先に漂うのは性の臭い。
すっかり慣れ切ってしまっているから特に気に留めるでもない。
すぐに興味を無くした。

ふと、視線は袋小路の隅へ。
痩せ細った猫が身体を横たえているのを見て、漸く固まっていた足が動いた。
懐より取り出したパン切れを恵む。
傍にしゃがみ込み、食べているその様子を見つめる。

ヴィール > パンを食べ終わった猫の傍に、カツカツと踵を鳴らして追い払う。
自身の性格とはかけ離れたような行為に気恥ずかしさが湧いたのか、他に人の気配が無いことを改めて確認する。

「…………チッ」

舌打ちをすれば踵を返した。
ふらふらとどこへ行くでもなくその場を離れる。最後に弄んでいたコインを軽く放って、振り返らない。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」からヴィールさんが去りました。