2015/12/11 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にマルティナさんが現れました。
マルティナ > 今日は久々にご主人様から命令が届いた。
貧民地区へ送っておいた人形を回収してくるように、という簡素なメッセージと目的地の住所が送られている。
指定された場所は結構距離がある。
意図も詳細も分からないがどうせまたろくでもない企みなのであろう。
だが拒否権もないので命じられたまま目的地へと出向いてきたというわけである。

(この辺りのはずですけど、そもそもどんな人形なのでしょうか……。)

形も大きさも不明である。
一応中身を空けたリュックを持ってきたが、これに入りきるのかどうかも分からない。
木箱に入れてあるらしいのでそれらしい物を探して歩きまわる。

(もしこれで見つからず帰ったらどうなるんでしょうね……。)

ふとそんな事が頭をよぎるが、ろくなことにならないのは分かっているので真面目に探しているとそれらしい木箱を発見した。
風化した様子もなくしっかりした造りで、最近設置された物のようである。
早速箱を開けてみた。
中には木偶のような人形が入れられていて、リュックに入れていくのは無理そうな大きさ。
仕方がないので担いでいこうと持ち上げた瞬間、人形が突然蠢いたので驚いて地面へと落としてしまう。
その目の前で蠢く人形は変形をしていき、そこにはマルティナそっくりの姿になった一糸まとわぬ人形が横たわっていた。
突然の事に頭がついていかず、暫し呆然と立ち尽くすマルティナ。

マルティナ > (……呆けてる場合ではありませんでした!)

とりあえず現状の確認。
人形を発見したら自分そっくりの姿になった。ついでに全裸。
命令は人形を回収して持ち帰る事。
確認をしたところで頭を抱える。
つまり自分そっくりの裸の人形を抱えて平民地区の自室まで戻れということである。

(ま、またこんな悪目立ちしそうな事を思いつくなんて……!)

何はともあれ命令には従うしかない。
抱き上げてみるとずっしりとした重みがあり、人間と同程度の重量をしているようであった。
触ってみた感覚も人間そっくりでとても人形とは思えない。

(本当に何なのでしょうこれは…。何であれ、運ぶしかないのですけれど…。)

運び方は色々試した結果、お姫様抱っこのようにして持つのが一番無難そうであった。
普段以上に不審な姿だが、誰にも見咎められないようにと祈りながら人形を抱えて平民地区の方へと歩き出していった。

マルティナ > なるべく人目を避けながら足を進める。
とはいえこの時間帯で誰にも遭遇せず、というわけにはいかずちらちらと好奇の視線が突き刺さってくる。
人形とはいえ柔らかな女体の感覚が手の中にあるので陰茎も勃起していて、見た目は不審なことこの上ない。
恥ずかしいというより色んな意味で身の危険を感じる。

(何かあったら、いつも以上に言い訳が利きません……!)

もし尋問でもされたら、飼い主の事は伏せるとしても残りを正直に言ったところで怪しいことこの上ない。

(たまたま貧民地区に行ったら自分そっくりになった人形があって、それを部屋に持ち帰るところ……。不審者でなかったら変態ですね……。)

冷や汗を垂らしながらも、落とさないように人形を抱きしめる。
本当に、人間と遜色ない感触でぷにぷにと柔らかい肌が気持ちがいい。
これ以上人形に意識を向けていると余計まずいことになりそうだったので、一旦その事は思考から追い出す。
今のところ直接どうこうしようという輩はいないが、ひそひそ声がちらほらと飛んできて非常に居心地が悪い。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にロッシュさんが現れました。
ロッシュ > 「…どうもありがとうございました。貴方に神の祝福が有らん事を。」

貧民街にひっそりと佇む、寂れた小さな教会の前で、そこの主らしき老人聖職者と一礼を交わす。
貧民街で布教を行う上でどのような部分に気を付ければよいか、などの助言を受け、それを終えてこれから帰路に着こうという所であった。
人通りの少ない時間帯、このような地区に居るにしては小奇麗過ぎる身なり故か、好奇心やら敵意やら入り混じった周囲の視線を感じるが縮こまりそうな背筋をしゃんと伸ばして歩みを進める。

(変に怯えてたら皆さんだって良くは思わない、そうですよね神父様……  あれ?)

先程まで教えを乞うていた人とのやり取りを思い返しつつ道を行けば、見覚えのある特徴的な後ろ姿。少し足を速めて追い縋らんとして、

「マルティナさん、今晩は!お久し振りです!」

笑顔で後ろから声を掛けた。尚、まだ荷物の正体には気づかない模様で。

マルティナ > 名前を呼ばれてドキリと心臓が跳ねる。
ぎこちなく振り返ると見覚えのある顔。
以前知り合った聖職者の若者だった。
一瞬走って逃げたくなったが、こんな物を抱えて逃げ出してはいよいよ不審者そのもの。
仕方ないので、何もやましい事はないという態度を貫く事にした。

「あら…、お久しぶりですロッシュさん。この前はどうもありがとうございました。」

まずは当たり障りのない挨拶。
しかし、このまま平静を装い続けられるであろうか。

ロッシュ > 知り合いと出会った事に感謝の念を抱きつつ、振り返る少女の近くに歩み寄って改めて挨拶、頭を下げる。

「いえ、僕の方こそ依頼探しとか、あのまま一人でやってたら上手く行かなかったろうっ……て ―――」

笑顔のまま顔を上げて、言葉を続けた所で―――ようやく彼女の抱えていたモノの全貌が目に入る。
彼女そっくりの、一糸纏わぬ真っ白な裸体。言葉を交わしている本物の少女が身に着けている、申し訳程度に股間を覆っていた布切れすらもなく、立派な逸物と玉袋、そして恐らくはその下に隠れて今は見えない女性器も露わになっているのだろう。
かぁ、と瞬時に顔を真っ赤にして。

「ま、マルティナさん……その、これ、なんで」

そう問いかけるので精いっぱいだった。

マルティナ > 「何でしょうねえ…。私にもさっぱり…。」

これは演技ではなく素の応答である。
実際何も分からないという点ではロッシュと大差ない。
唯一分かる事といえば、悪趣味な飼い主の仕業であるという事だけ。

「ええと、そこで落ちていたので……。そのままにしておくのも嫌ですし、持って帰ろうかと。」

今度は少し嘘。
だが箱に入っていたのを出したかどうかという違い程度だし、飼い主に関しての情報は明かせない以上このぐらいの嘘は許されると思いたい。

ロッシュ > 「そ、そうなんですか……  ! ご、御免なさいっ何かじっと見ちゃって!」

彼女のファッションの一環かと最初は思ったが、それを否定するような言葉。嘘を言っている様子もない。
そこで自分が彼女そっくりの人形を凝視していた事に気付けば、顔を覆って視線を逸らし。

「な、成程……放置しておいたら、変な事に使われちゃいそうですしね…。」

どうしてそんなものが放置されているのか。良く考えれば不自然極まりない事ではあるのだけど、頭に血が上った状態ではそこまで思い至らなくて。
故に、少女の嘘に気付く事もなく。

「…とりあえず、何か布とか、掛けておきましょうか? …このままだとその、色々、見えちゃいますし…」

そう言うと、自分の荷物などを探り始めて。