2015/11/23 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」にドロシーさんが現れました。
ドロシー > 「……」

地理を頭に叩き込んでおくのはどこでも重要な話である。いざという時の判断材料は多いに越したことはない。
宿を探すにも、仕事を探すにしても、まずは一通り見て回ってからのほうが良い。
そういう理由から初めての土地は一通り歩いてみることにしているのだが――とはいえ。

「…………ぬぅ。」

流石に足を踏み入れる場所を間違えたか、と舌打ちする。
王都という名に油断でもしていたか。向いた足は明らかに治安の悪い地区へと踏み入れてしまったようだ。
遠くからは喚声や怒号、嗚咽――すれ違う、あるいは屯する連中も明らかに素性はよろしくないのだろう。同業者もいるようだが。
戦争中、というには戦場の雰囲気もない――戦地から離れれば当然か。
特異な風貌故に、視線こそ向けても話しかけてくるような輩がいないのは幸いではある。

ドロシー > 「……」

右を見る、左を見る――何処をどう通ったものかは定かではない。
入り組んだ路地は何処も同じようで、全てが違う。見上げれば、暗い空の見える範囲は狭く、方角すら定かではない。

「――ぬぅ。」

完全に道に迷った。
最悪『飛べ』ばどうにでもなるとはいえ、来て早々――風貌だけでも悪目立ちするというのに、更に目立ちはしたくもない。
流石に視線も定かではない浮浪者や破落戸に道を聞く気もなく――仕方なく歩を進める。

とりあえずは広い通りにでも出ればなんとでもなる。はずだ、多分。

ドロシー > 「――、と。――」

時折道をふさぐものを跨ぎ、あるいは気づかず蹴り飛ばし――
それらはゴミであったり、浮浪者であったり、使い捨てられた奴隷であったり――多種多様だ。
それほど明かりがあるわけでもなく、暗い路地では歩きづらいことこの上ない。

「ああ。――もう。」

苛立ちが口をついて出る。
喧騒は聞こえるもののまだ遠く、マトモに見える人間などまさに夢のまた夢。か。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」にカレリアさんが現れました。
カレリア > 「これで準備は万端ですわね」

そう呟き狭い路地を歩く少女
傭兵の契約を終え後は帰るか軽く王都の外へ出かけるのみ
何をしようかと進んでいれば前方に妙な物体を見つける

「あれは...ゴーレム?」

全身甲冑に浮遊する両腕
表情が見えないせいかドールタイプのゴーレムかと首を傾げる

ドロシー > 「――?」

前方に見えるモノに首を傾げる。
場違いなゴシックドレスは暗がりの中でも――いやがおうにも目につくものだ。
相手の方も首を傾げたようで、少なくとも碌な反応もしない他の連中とは違うようだ。

「違うが。……ああ、ゴーレム。なるほど、魔導機械。」

相手は――近寄ってみればなおの事、場違い甚だしい。
が、とりあえずは疑問に答えた。なるほど、ゴーレムに見えるのか、と納得すらしつつ。

カレリア > 「あら、それは失礼致しました」

ペコリと頭を下げ謝罪する

「えぇ、失礼ながらそういった類の者に見えまして...悪気はありませんわ」

言い訳がましいが一応理由を添えておく
近くで見れば肌の部分も見えるがほとんどが甲冑、このまま戦地に赴くと言われても頷ける

ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」からカレリアさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」にカレリアさんが現れました。
ドロシー > 「――や、いい。」

小さく首を振る。
このような格好で戦場以外を彷徨い歩けば当然の反応ではあるのだから。

「それで――宿を探して道に迷った。此処は何処だ。」

口元を――ほぼ唯一人間として認識できる――自嘲気味にゆがめ、浮いた篭手が肩をすくめる。

カレリア > 「宿を…?」

ふむ、と下から全身の甲冑を眺め…

「要らぬお世話かもしれませんが、このような場所に泊まる必要もないのでは?
もっといい場所もありますわよ?」

安物には見えない全身甲冑、こんな物を身に着ける様な者がわざわざ貧民街に宿泊する
その理由が気になる

ドロシー > 「いや。昼辺りから、この辺りも含めて――地理を把握してから決めようと思ったのだが。」

ほぼ半日この甲冑を着たままうろついていたわけである。

「そう、怪しまないでくれ――単なる迷子だ。」

いぶかしむ様子にうむ、と頷く。甲冑に身を包んだ迷子など怪しいにもほどがあるのは自覚しているが。

カレリア > 「そう…ですか、ではここらでもましな宿をお教えしますわ♪」

疑惑が消えたわけではないが、話してみた感じではそこまで悪人にも思えない
迷子と言うのも怪しいがそれはまぁ目を瞑り

「こちらですわ。それと、そこらの者に声を賭けられても無視してくださいませ♪」

そう言って路地を先導していく

ドロシー > 「――ふむ、すまん。」

頭を下げつつ――慣れた足取りで路地を進む少女を追う。
今更ながらにこのような場所に年端もいかない子供がいる疑問は浮かぶが――こういう場所では子供の方が逞しいのだろう。

「――ん?ああ。」

先導には従い――見失うことはないが。よくもまぁ、こんな路地でドレスを汚すことなく歩けるものだと妙な感心などをしつつ。

カレリア > もはやこんな道は慣れたもの、むしろこの格好のままダンジョンに潜るのだから足取り軽く衣服に汚れもついていない
順調に進む途中脇道が小さく声が

「そこの鎧のお方…少しぃ、お助け下さいませんか…」

視線を向ければ薄汚れた浮浪者
足が悪いのか地面に座り込み傍らには杖代わりの棒切れが

ドロシー > 「――ん。」

聞こえた声に――歩みを緩める。
視線を向けた先には――老婆か老人か。あるいは若いのかもしれないが――どうにも判別がつかない。

助けろ、と言われたところで。後がない、先が見えない。それは助けたところで助けていないのと同じ事。
無視するのが最善ではある――少女にもくぎを刺された所である。

だが。

「ふむ。――何をしろと。」

油断、といえば油断であるが。足を止める。元来、人は悪くない。

カレリア > 「えぇ、ちぃとばかしゴルドを頂きたく…この通り足と目を悪くしておりまして…」

フルフルと手を出だす
目は瞑ったまま体を捻じるように動く

「このままだとわしゃぁ死んじまう…どうかご慈悲をぉ…」

頭を下げる
声からして男の様子、その姿が無様に見えるか必死に見えるかはそれを見るものの思考による

ドロシー > 「――そうか。」

腕のない身としては――分からなくもない。自分の場合は運が良かった、というだけのこと。
浮遊する篭手の片方が篭手の内側を弄り――幾ばくかの貨幣を投げて寄越す。

「それ以上はない……達者でな。」

このような場所で金を撒く行為がどういう結果を生むのかは知ってはいる、のだが。
だからこそ早急に立ち去るつもりで、そのまま少女の後を追う――つもりが、立ち止まる。
さて、少女は何方に行ったのか。

カレリア > 「えぇ…ありがとうございます…」

貨幣を拾うために身を乗り出し、ドロシーに近付く
そしてそのまま甲冑に覆われていない太ももに向けて手を伸ばし…

「声には無視で、と申しましたのに…優しいんですわね♪」

ドロシーと男から3歩程の距離にカレリアは立っており、笑顔を浮かべそのまま男の腕を踏みつける
ミヂッ!と不愉快な音が響き男は絶叫する

ドロシー > 「――っと。」

突然の声に飛びのく――続けて上がる絶叫には僅かに口元を歪め。

「いや、すまない。――事実なればよし――と。それだけだが。」

骨の音から見て、確実に折れたか、砕けたか。
少女と男の様子からするに、事実ではなかった、というところか。一度伸ばした手を払うなら二度目はない、と様子を見る。

カレリア > 「仕込み針ですわね、皮膚に張り付けているので見にくいですが…
まぁこの通りここには危険がいっぱいですわ♪」

男の指先をよく見れば金属性の針がちらりと覗いている
スカートを少し上げ男の顔面に水平蹴り、魔力強化のおかげか見た目よりも身体能力が高く
男は鼻血にまみれながら仰向けに気絶する

「自分の事だけを考えた方が良いですわ、特にここでは」

そう言ってまた歩き出す
こんな場面を見ては誰も声をかけてくるはずもなく、数分もすれば大きな通りに出られるだろう

ドロシー > 「ああ、そのようだ、な――気を付けよう。」

忠告には頷く――が兜の奥の視線は男の持つ針よりも、少女の動きの方に目が行く。
あの打撃、音は年端のいかない少女の繰り出したものとは到底信じられないものだが。

「――っと。」

考えている間にも少女は先に行く。
倒れる男には最早一瞥をくれることもなく、後を追いかけて。

カレリア > 「ふぅ…やっと空気のいい場所に出ましたわね♪」

路地を抜け表通りに出る
開放感から過呼吸もしやすい

「さて、問題の宿はあそこですわ」

少し離れたところの店を指さす
貧民街にしては綺麗なその店、富裕地区の物にはとてもかなわないがそれなりに過ごしやすそうである

ドロシー > 「お――ようやく抜けた、のか。すまない、助かった。」

少女の声に、実感も沸く――狭い路地に比べれば窮屈さもなく、ようやく一段落、といったところで。

「ん――ああ、宿か。――悪くなさそうだな。」

示す指の先、見える宿は――周囲と比べて小奇麗な佇まいは浮いた感もあるが。
少なくとも真っ当な宿には見える。

カレリア > 「どういたしましてですわ♪」

ニコリと笑い礼に答える
深呼吸して気分も爽快、人助けもできて満足げ

「私はカレリア、冒険者をやっております。またどこかでご縁があれば、よろしくお願いしますわ♪」

自己紹介とともに頭を下げる

ドロシー > 「ああ――うん、ドロシー。傭兵だ――ゴーレムではなく、人間のな。」

少女の挨拶に――ようやく名乗っていなかったのを思い出す。

「暫くはそこの宿で――空き部屋があれば、だが。滞在していると、思う。護衛なら引き受けよう。」

この少女なら必要なさそうではあるが――とは内心では思う。
まぁ、恩人の頼みなら聞こう、とそういうつもりのよう。

カレリア > 「そ、それは忘れてほしいですわ…」

ゴーレムではないと言われあった時の事を思い出し苦笑する

「そうですか…では護衛を頼みたい時はぜひその様に♪」

コクリと頷く
有能な護衛、ダンジョンに潜るときにはどうしても必要になる

「それではドロシーさん、またどこかで♪」

別れを告げて歩き出す
目的地も特に決めずにのんびりと

ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」からカレリアさんが去りました。
ドロシー > 「ああ、その時は引き受けよう。ダンジョンは専門外だが。」

去っていく背を見送り――さて、と一息。

「――しかし、いや、はや。饒舌に過ぎるな……」

らしくない、と肩をすくめ。
推薦された宿へと足を向ける――中々、珍しい一日だったなどと考えながら。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」からドロシーさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」にドロシーさんが現れました。
ドロシー > 「――」

酒場の片隅。
座るテーブルの目の前には麦酒と幾つかの料理。
甲冑のまま座る人には好奇の視線が集まるが、いつものこと。
店員も愛想笑いでで料理を置いていった後は寄り付きもしない――気楽なものである。

「仕事――戦局は此方の国の方が有利か。」

寝床の確保が済めば――次は、というわけで。
黙々と料理を口に運び、麦酒を飲み干していく。
適当に選んだが――価格なりの料理である。今の時間から遠出をする気にもならないなら丁度よい店だった。

「雇い手があるといいけど。――ん。」

ふと、気になってすん、と鼻を鳴らす――
鎧のおかげでそれほど気にならないが、少し、汗臭い。

ドロシー > 「――まぁ。」

とりあえずは――諦める。風呂ともなれば鎧を脱ぐ事になる、そうなれば腕も使えないことだし。
人を雇うなどというのは贅沢極まりなく、なにより着いたばかりで路銀も心許ない。傭兵での雇い口がなければ護衛か――

「官憲ににらまれるのは、ね。」

襲撃か。そういう話は、こういう場所ならいくらでも転がっているはずだが。
今のところはお尋ね者になる気もなく。
目の前の料理を黙々と平らげていく。

ドロシー > 「――ふぅ。」

体力も魔力も浪費する甲冑を着込んでいる所為か、二人前に近い量を難なく完食。
引きつった愛想笑いを浮かべる店員に二杯目の麦酒を注文して――

「――……」

改めて酒場を見回してみる。
人と関わりたくないときにこの甲冑は便利なのだが――。
事、話を聞く、情報を得る、ツテを作る――そういった行為には全く向かない。
脱ぐわけにいかないのだから仕方ないのだが。こういう場合にはかなり困ったことになる。

「……営業妨害。」

余りに周囲に空間があると、そんな感じすらする。
別に荒らしに来たわけでもないのだが。

ドロシー > 「――ん、ありがと。」

店員から二杯目を受け取り、口をつける――
まぁ、治安のいい場所なら鎧は脱がなければならないだろうし、だからこそこういう場所を選んでいるのだから、店には諦めてもらうとして。

「まぁ、こういう場所だから。」

――特にめぼしい人物も見当たらない。
居ればいい、ぐらいの感覚であることだし――

ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」にマルティナさんが現れました。