2015/10/17 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区/グロット魔法具店」にヴァイルさんが現れました。
ヴァイル > ――ありがとよ、これで復讐を果たせるぜ。

そう言って、その男は立て付けの悪い戸を開き、表へと去っていく。
その姿を大した感慨もなく、カウンターに肘をついて
呪物屋の売り子と職人を兼ねる長髪の少年は見送った。
魂砕きの魔剣。あらゆる鎧を貫き、対象の魂を滅ぼす剣。
彼に売ったのはそれだ。
目的を違えないかぎり、呪われた魔法具は恐るべき力を発揮する。
だが一度それを見失ったならば。

薄暗い店内の中で、袋に詰まった金貨を取り出し、弄ぶように数える。

ヴァイル > グロット魔法具店。
武具や薬、装飾品などさまざまな魔法具を扱う店だ。
客の願望と、人の血肉を材料に作られる魔法具に不可能はない。
頼まれたなら、対価次第でなんでも用意できる。
どうにも売れ行きが良いのは武具と淫具ばかりなので、
武具店やら淫具店やらに改名したほうがいいのではないか、と思っている。

「まったく物騒なものばかり売れる」

強い呪いと強い力を持つ呪物はいずれ課された誓約が破られる。
禁を犯した持ち主に振りかかる災いは死よりも恐ろしい。
そうして手放された魂はヴァイルへとフィードバックされ、
彼の力はますます膨れ上がる。
だから好都合なのだが。

「……人間とはかくも愚かなのか」

無表情にそう独りごちて手にする紙巻に火を付けてふかすと、
色とりどりの不可思議な煙が漂う。
『念じた通りの色の煙が出る煙草』という魔法具だ。
呪いなどのないクリーンな製品で、わりと気に入ったできなので
これみよがしに店頭に並べてみたりしているのだがあまり売れ行きはよくなかった。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区/グロット魔法具店」にワルセイ・イダーヤさんが現れました。
ワルセイ・イダーヤ > (グロット魔法具店。この地に来てから数日たつが、ある噂を聞いてこの店に来た。曰く、この店では何でもそろう。曰く、この店の魔法具や薬に不可能はない…等など。無論男は、不可能がないなどありえないと思うほどには年齢を重ねており、またそれを体験しているが、それでも、もしかしたら妹の助けになるのではないか…そんな思いを抱いてしまう。…そして自分の妹とは別件の事情もあり、この店に来たのだ)

……何とも薄暗いな…失礼する。

(そう言って男は店内に入る。店内には、やや青白く、男性的な感じの薄い、少年がいた。この少年が店主代理?だろうか)

……失礼だが、少年。店主はいるか?

(そう聞きながら、店内を見渡す。何とも怪し気な製品ばかりが並ぶ…だが、中に煙草のようなものがあって)

…この製品は面白そうだな。この店の雰囲気には合わぬが…一本買おうか。

(そういって、少年の前に、代金と煙草を置いて)

……店主が来るまで、この煙草でも吸って待つか。

(そう言って)

ヴァイル > 「いらっしゃい」

今日はなかなか客入りがいいらしい。素直に喜ばしい。

見本として立ち並ぶのは、
顔面をかたどった装飾のある大盾、決して鞘から抜けることのない剣、
毒々しい色の張り形、色とりどりの水薬、一転して清楚なドレス……
そう言った妙なものばかり。

煙草に言及されて、無表情だった顔が微かにほころぶ。

「ほう、見る目がある。
 ……おれが店主だよ。見目若すぎて信用に値しないかね。
 ご用向きはなんだ?」

年若い姿には不釣り合いな昏く低い声。
気だるそうに紅い瞳が男を見やった。

ワルセイ・イダーヤ > ほう、そなたが店主か…いや、失礼した。若くしてこれだけの店をやっているとは思わなくてな。

(目の前の少年が店主ときいて、若干の驚きを感じるも、すぐに謝罪して。信用に値しないかと聞かれれば)

いや、見た目の若さを重要視するのは抱く時だけと決めているのでね。君の見た目が若かろうが、信用するしないには関係ない。

(まあ、そもそも信用するしないの関係ではなく、お互い初めての顔合わせなのだからそれ以前の問題であると考え、そう言って。そして煙草を吸うと、真っ赤な煙を吐いて)

この店には何でもそろうと聞いた。それこそ、人の生死にかかわる薬もな…俺がほしいのは、安楽死用の薬だ。できれば無味…あるいは、甘い味がいい。飲んだ後、ゆっくりと眠り、良い夢を見ながらゆっくり死ぬ…そんな薬がほしいのだが、あるかね?

(そう聞きながら店内の清楚なドレスを見やって、目を細める。)

ヴァイル > 「そうか。何、おれが店主と知ると途端に侮る愚かものがいるのだよ。
 ……ま、そんな節穴にはおれの作品なんぞ使ってもらいたくないから
 ちょうどいいんだが」

男の話に耳を傾け、ふむ、と相槌を打つ。

「あいにくと劇物はいま置いていないな。
 だが新しく作ることはできる。それにはいくつかのものが必要だ。
 『効果』『目的』『材料』『対価』だな……
 効果は今聞いたからいいとして」

カウンターの上に置いてあるペンとインクと紙束を手元に引っ張り寄せる。
椅子の背もたれに身を預けて傾ける。

「『目的』だ。
 その薬を作って誰に飲ませる?
 飲ませる対象が誰なのか、何故飲ませたいのか、
 きさまにとってなんなのか、それを出来るだけ事細かに語れ。それが必要となる。
 不特定多数に飲ませるとか、話せないとか、そういうのはなしだ」

ワルセイ・イダーヤ > ……ふむ、目的…か。

(男は、その言葉に笑みを浮かべる。ここで薬をポンと出されたら、二度とこの店には来ないだろう…だが、ちゃんと売る相手を選ぶことはするようだと評価を上げる)

…俺は医者だ。まあ、ギルドなどには所属していないから、闇医者ってことになる。まあ、自分で言うのもなんだが、腕は確かだ。だが……

(そこで、表情を曇らせる)

今の医学ではどうしても治せない患者ってのも存在する。俺の妹のように…な。

(その表情は心底つらそうになり、強張って)

だから、俺は患者を治す対価に、その医療行為でどんな結果が得られるのか、そういうデータをとっている。妹の治療のために…ちなみに、その安楽死用の薬を使うのは、妹にじゃない。…すまんが、灰皿はあるかね?

(そして、灰皿へと煙草の火をを押し消して)

数日前になる。俺は貧民街で一人の少女を治療することになった。まあ、さっきも言った通り、俺にとって重要なのはデータだから、その少女は俺の妹と同じような年齢だから、気まぐれで治すことにした。だが…ここでも、今の医療の限界という壁が立ちはだかってな…

(そして、二本目の煙草を買って、火をつける)

その少女を治すのは、王国立のアカデミーでも無理だろう。それほどの難病だ。その少女は、俺に苦しいから死にたいと言ってきてな…だが、死ぬ前にドレスで着飾って、甘いものを食って死にたいといってきた。治せぬのなら、患者の願いを聞き届けるのも医者の役目だ。それに、な、情けない話だが、俺の妹を重ねちまって…

(そこで自傷気味に笑って)

信じれぬならいいが、これが俺が、薬を手に入れたい理由だ…ついでに、このドレスも買おうか。

(そう長い話を言い終わると、虹色の煙を吐いて)

ヴァイル > 例の煙草をふかし、陰鬱な青い煙を吐く。それが赤と混ざり合う。
男が煙草を灰皿に置くのを見て自分もそれに倣うように。
黙して男の述懐を聞き届ける。

「なるほど。……事情はわかった」

……ヴァイルにとってその話が信じられるかどうかは、実のところ二の次だ。
魔法を願う客にとってそれが、真実の物語でありさえするなら問題ない。
偽りであったなら、その捻じれは災禍となって客に振りかかるだろうから。

「良いだろう。物語としては充分すぎる。
 ……それにしても、きさまは、『少女の命を救う薬』は願わないんだな。
 まあ、そこまでする義理はないだろうからな」

もっとも、当然のことながらというべきか、生きている人間を死に追いやる薬と、
死すべき人間を救う薬では奇跡の重さ、対価の重さが違う。
……それは願わないほうが無難なのだ。

「気に入ったか。誰かの土産にでもするのかね?
 たしかそれは『着ている間声が自在に変わる』ドレスだったかな……
 まあ、普通に着物として楽しむ分にも悪くないだろう」

ドレスに目を向けたのを見て。


「では『対価』の話をしようか。これは『材料』も兼ねるのだが」

ヴァイルはまず、人一人を安らぎのうちに死に至らしめられるならば、
安すぎるであろうという枚数の金貨を提示する。
次に、

「それと、きさまの血か精をいただこうか」

唇を笑みの形にして、平然とそう告げた。
その一瞬、静かだった表情に、密かに火が灯る。

ワルセイ・イダーヤ > 薬ってのには副作用があるくらいはわきまえているさ。あの少女の病気を治す薬…興味深いが、少女への反動が怖すぎる。流石に願えんさ。

(命を救うことを願わないといわれ、そう返す。本当は、今も永久凍土の下で眠る妹のために喉から手が出るほどにほしいのだが、まだ、そこまでの薬を願うほどにこの少年を信用したわけではない。そして、対価の話になれば)

ふぅむ、やはり、命にかかわる薬品ってのは精や血のようなのが必要なのだな。

(そう言うと、こちらも笑みを浮かべて)

無論だ。死なない程度ならいくらでも払おうか。どちらの方が効果が高いのかね?

(寿命や命を対価にされるくらいなら安いものだ。そんな余裕のこもった同意の言葉。無論、減った分の血は造血剤で補えばいいし、精は精力増強剤でもって、ドーピングもできる…それに、寿命も、今までの研究で、減っても伸ばす方法はいくらでもある)

あと、血は注射器で抜けるからいいが、精はどうやって払うのだね?まさか、そなたが俺に奉仕するわけではあるまい?…まあ、別に俺は構わんが。

(最後の言葉はややジョークじみたふうに笑って言って)

ヴァイル > 「うむ。……きさまは人間にしては賢いな。弁えている」

老人のような笑みを向けて。

「……どちらでも構わないさ。
 両方くれるというのなら金貨は少し差し引いてやってもいい」

客の願いが血肉を纏って現世に降り立つには、そのどちらかが必要不可欠だった。
余れば余ったで、何かには使える。

「……そのとおりだが?
 望むなら、そのドレスを纏ってやったっていいぞ」

冗談めかした言葉には肩をすくめて、艶のある唇を人差し指でなぞる。
どうした、来い、とばかりに目を細めてカウンターの向こうから手招きした。

ワルセイ・イダーヤ > ……ふぅむ。

(男は、自分に奉仕して精を絞るという少年の言葉に、目を細める。別に今日は少年を抱きたくてこの店に来たわけではないのだが、まあ、相手が乗り気ならそれを拒否するほど禁欲的ではない。少年に手招きをされれば、すっと顔を少年の顔に近づけて、チュクリ…と、その唇にキスをする)

……ならば、まずは精を支払おうか。血を抜かれてふらふらの俺に抱かれても楽しくはあるまい?

(そう言いながら、店の売り物のドレスを持ってくると、少年の前に置く)

どうせなら、お互い楽しい方がいいだろう?少年、このドレス、纏ってはくれぬか?

(そう言いながら、少年の頭をなで、再びキス。今度はチロリと唇を舐めてやって)

…俺の名はワルセイという。少年、そなたの名は?

(名も知らぬ相手に抱かれるのは萎えるだろうと思い、名を告げる。男の目には、性欲の炎が燃え上がろうとしていた)

ヴァイル > 二度も口付ける遠慮のなさに軽く苦笑する。

「おいおい、そちらを熱心にしてもらっても別に安くはならんぞ」

置かれたドレスを手に取るとその場でくるりと一回転する。
すると不思議な事に、ヴァイルのまとう地味なチュニックと
清楚なドレスがまたたく間に入れ替わった。
その姿は一見、妖精じみた美少女としか思えない。
屍めいた色白さもまた、不気味なまでの美しさを演出している。

「おれはヴァイル・グロット。
 覚えずとも構わんよ、ワルセイ」

ワルセイをカウンターの向こうへと案内し、彼の前にかがみ込み、下を降ろそうとする。

ワルセイ・イダーヤ > (キスをしたことに苦笑されれば、男もまた笑い)

まあ、こう言うのには順序というものがあるだろう?だが、確かにいつもの癖でがっつきすぎたな。

(思えば、これはビジネス的な行為。ただ自分は材料を支払うのだ。あまり性欲をたぎらせても仕方ないな。そう思いつつ、カウンター向こうへと行き、ドレスを纏い、やや地味だった少年からは想像もつかない美しさに思わず目を開く)

ほう、似合うではないか…ヴァイル。

(これなら、ヴァイルに奉仕されている間萎えることはないだろう。そして、ヴァイルがズボンを下ろせば、まだあまり立ってはいないが、完全に立てばかなり太い凶器になるであろうモノが眼前に出るであろう)

ふぅむ、ヴァイル、奉仕している間、胸元をもっと開けてはくれぬか?胸が見えれば、もっと固くなるであろうからな

(そう素直な思いを言いつつ、ヴァイルの奉仕が始まるのを待ちながら、そのドレス姿を見おろして)

ヴァイル > 「着ろと言ったりはだけろと言ったり、なにやら注文が多いな、お客様」

皮肉げにそう言うものの、特に拒みはせずにその指示に従う。
双眸同様に白い鎖骨、あばら骨の浮いた少年そのものの胸部が顕になる。
淡い色を持つその頂が、つんと尖っている。

「リクエストには応えてやるが……
 あまり見て楽しいものとも、おれは思えんな」

呆れたようにそう口にして。
そして、しなやかな五指を操り、ワルセイの逸物に添わせる。
冷ややかなその指が強すぎず、弱すぎない力で揉みしだく。

「せいぜいいっぱい出してくれよ、おれときさまのために」

立ち始めたそれに甘く熱の篭った息を吹きかけて、裏筋にちろちろと舌を這わせる。

ワルセイ・イダーヤ > ああ、ありがとう。……っふ、まあ、個人的な好みでね。

(そして男は、感謝の言葉を口にしつつ、ヴァイルの少年じみた薄い胸と、美しい顔を見ながら、段々とそのペニスを固くしていって。)

ん、…っく、フ……上手いな。これなら、大量に…っふ…出せそうだ

(ヴァイルの舌使いはかなり心地よく、髪を指でなで、すきながらだんだんと高ぶってくる射精欲。思わず、ヴァイルの頭を掴んで喉奥へ突きたい衝動に駆られるも、そんなことをしたら精を採取できないと思い、理性で我慢する)

ん…っぐ、もうそろそろ出そうか。

(ヴァイルの奉仕が始まってしばらくして、男の射精欲は限界に達する)

どこに出せばいい?そなたの口かい?それとも、ビーカーか何かか?

(そういいながら、ヴァイルに指定された場所に。ペニスから大量の精を吐きだすだろう)

ヴァイル > 情欲に昂ぶった視線を感じると、奉仕して精を得るというのはなかなか悪くない――と思う。
客がこうして見せる性的衝動も、魔法具を製作するための情報として使えるからだ。
どこに出せばいいか――という問いには言葉で答えず、
代わりに放出された白濁を舌を出して受け止めた。
こぼれおちた精がヴァイルの胸元や、店内の床を汚す。

ワルセイの陰茎を拭い、自身は立ち上がって、ドレス姿のまま歩き
棚にあった白い陶製の器へとそれを吐き出す。

「期待以上に出してくれたな。おかげで少し飲んでしまったよ」

澄ました様子で笑い、べ、と舌を出す。
器に落ちきらなかった精液が赤い舌を染めていた。

「あ、血も頂いておいたぞ」

いつのまにか、ワルセイが下を下ろして露出した腿に
一条の赤い、切ったような軽い傷跡が走っている。
血は流れていないし、痛みもない。

回収した精を手に、店の奥へと消えていく。
少し待てば、可愛らしい小瓶に透き通った琥珀色の液体が収まったものがワルセイの前に出されるだろう。
彼の血と精からできているなどとは、想像もつかない見た目だ。

ワルセイ・イダーヤ > これが安楽死用の薬か…何とも綺麗だ。

(そう素直に感想を言う。これが自分の劣情の証である精と生命の血からできているとは思えない)

……では、代金だ。

(そう言いながら、薬と煙草の代金であるゴルド金貨を値段通りに数枚置く)

……これで、あの少女も苦しまなくてもよくなる…か。

(その表情は何とも言えず、救えぬ苦しみと、やっと苦しみが終わるという安堵が入り混じっていた)

ありがとう。効果のほどは後日報告させてもらうよ…ドレスは、俺の精で汚れちまってるから買い取り…か?

(そう言いながら少し笑い、ドレス買い取りなら買って、店を後にした。後日、店の扉に「っ少女は心地よく逝った。深く礼を言う。次があったらひいきにさせてもらう。今度は、安楽死用の薬という物騒なものでは無い薬を買いに PS 煙草、中々に旨かったぞ、また買いに来る」という手紙が挟まているであろう。)

ヴァイル > 「くれぐれもその少女以外に使わないように。
 その場合きさまがどうなるか、おれは責任を取れない」

そう釘を差して、着替えて元の着衣に戻る。
ドレスも買わせたが、もともと購入する予定であったようだし、構わないだろう。

「ああ、今後ともご贔屓に。
 ……買いもしないのに下の相手はしてやらんぞ」

鷹揚に笑い、満足気な様子で去るワルセイを見送る。


「……あまり商売ばかりが楽しくなっても仕方ないんだがな」

姿の見えなくなったあと、誰にも聞かれない自嘲をひとつこぼした。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区/グロット魔法具店」からワルセイ・イダーヤさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区/グロット魔法具店」からヴァイルさんが去りました。