2015/10/16 のログ
ご案内:「王都マグメール 深夜の貧民街」にエルレストベーネさんが現れました。
■エルレストベーネ > (深夜の貧民街を回る絶世の美女
見るからに魔族の騎士であるが、こんな時間に回れば絡まれやすいことは必死である
もっとも、少女は美しすぎる
故に、逆に警戒され、おいそれと手出しはなかったが
少女は、特に見て回る店もなければ、目当てがあるわけでもない
……目的は人
少女は答えを探している
自らの感情を教えてくれる人を
ソードはきっかけはくれたが、自らで探すものと答えはくれなかった
アスタルテは答えの一部をくれた
答えをもっと知りたい
それが人形の行動理由である
それがいいことであるかどうかは知らない、だが、ひたすらにそれを求めていた)
■レイアード > (鬱蒼とした飢えと苦しみ、暴力、腐敗の街。例え魔族が人に紛れて堂々と歩いていようと、喚き立てる程の活力すら持たない程に枯れ切った心を持った貧民たち。果たして、そんな無味乾燥とした貧民街を貴方はどのような心境で進んでいただろうか)
「……?……アレは…」
(青年は、暗黒に包まれた路地裏より少女を見据える。見覚えのある出で立ち、人間のそれとは大きく離れた戦闘力…。あの場で後れを取った相手がこの場に現れた事、そしてこの国は魔族が平然と歩むほどに侵蝕が進んでいた事…衝撃的な事実のダブルパンチに、青年は思わず乾いた笑みを漏らした)
「…はは…は…随分と落ちぶれたものだ…。」
(あの少女が魔族である事は、じかに対峙して分かり切っていた。だからこそ、青年は痛感せずには居られなかった。……「人」の国が、今どのような在り方を続けているのか。アレほど憎いと感じた騎士や貴族が、魔族を前にして随分と取るに足らないものに感じられたのだ。どこか自嘲するような乾いた笑い声は、貴女にも聞こえたかもしれない)
■エルレストベーネ > ……誰か?
(このような裏路地で人の気配がする
あまりよい気配ではない、だがどこか知った気配のような気もする
怒り、憎しみ、妄執
そういった感情は理解はできるが、知らない
故に悪感情だということしかわからないがそれで十分だ
少なくとも好意ではない
そうした気配に対し振り向くと、剣に手をかけた
出てくるのを待つ構えだ)
■レイアード > (しかし、目にしてしまった以上は、黙って見過ごす気にはならなかった。馬から降り、冷気を纏う剣を手にすれば、徒歩のままゆっくりと闇夜から姿を見せる。……少女も1度は相まみえた、神経質そうな青年が、少女に対し執念深い視線を送りながらそっと歩み出てくる)
「……人間の街並みを我が物顔で歩く気分はどうだ?さぞかし人間がブザマに映る事だろう」
(冷気を纏った剣を片手に握りしめたまま少女へ淡々と声をかける青年。盛んな男なら既に押し倒して凌辱せん勢いの美貌を誇る少女相手でも、青年にとっては不運にも邪魔をしに現れた存在 と言う認識の方が勝る。初めて邂逅を果たした時に反して、頭は冷えていた)
■エルレストベーネ > ……あら、何方かと思えば
お久しぶりですね?
(青年の姿を見れば、にこやかに微笑みかける
相変わらずの人間離れした美貌だ
その笑みが向けられるだけでも羨望の眼差しが起こるほどの
……もっとも、今ここには2人しかいなかったが)
別に、どうとも
それとも、貴方は街を我が物顔で歩く趣味がお有りなのですか?
(つまり、そういう征服欲や所有欲というスタンスでは歩いていない、ということだ
そして隅に隠れていた青年に対しそう返せば痛烈な皮肉にもなろう)
ところで……まだこの間のお代を頂いておりませんがいかが致しましょうか?
今ここで取り立てるのもよし、どこか店で話をするのもよし
そのようなところに隠れて様子をうかがっているのですから、どうせこの間と同じような用向きなのでしょう?
(髪をなびかせるように流し目で微笑むと……この間の答えを取り立てに入る
どう取り立ててもいい
無理矢理にでも、会話でも、食事しながらでも
どうせ賊だ、衛兵につき出すなり何なりする方法もある、それに剣の腕のほどは大体把握している
取りたてはゆっくりやれば良い)
■レイアード > (青年は、静かに苛立ちを募らせていた。己は一度敗走した身なのだ。彼女からすれば、きっと夜襲をかけられようと取るに足らぬ存在と認識しているのかもしれない。…生きていく事で頭がいっぱいな青年にとっては、その劣等感や反骨精神を刺激されるには十分な振る舞いであった)
「相手が野盗と知った上で、嫌味な奴だ…」
(青年にはやはり癪に障る発言だったようで、ピリピリした雰囲気を放ってそう言い放つ)
「そんなもの、俺は知らん。俺はあの場でお前を襲い、返り討ちに遭った。…ただ、それだけだ…。お前の求めているものに興味はない。お前から得られるものがないならば、大人しく逃げおおせ、生き永らえるまでだ…。…もっとも、魔族に期待するわけではないが…」
(きりり と本心では反骨精神と復讐心で溢れかえる自分を必死に制止しながら、相変わらず執念深い目で少女を睨む。その余裕ぶりを、徹底的に貶めてやりたい…――そんな、一心で。)
「こんなところに来ても、お前の求めるものなど見つかりはしないぞ。…飢えて自分の明日しか頭にない連中しかいないからな、この街には。…奇特な連中が目当てなら王都にでも行けばいい」
■エルレストベーネ > ……貴方は、全部持ってるじゃないですか
妄執を持っている
憎悪を持っている
後悔を持っている
その他にもありますよね?
それを……教えて下さい
だって貴方、絶望していないんでしょう?
何を求めているんですか?
ほんとうに欲しいのは、日々の糧じゃないですよね?
(魔族の女は、抉るような言葉を吐いた
よりにもよって、全て持っているような女が望んだのは、本来持つべきでない、持ちたくもなかったものばかり
お前の過去をすべてさらけ出せというような態度ですらある
それを、笑顔で、優しく、天使のような声で、話しかけた
まるで悪魔としか思えないかもしれない)
■レイアード > (この女は人間をよほど弄ぶ趣味があるらしい…――青年はそう感じた。
己の生き方にどこか粘着質な様子で爪を立て、掻き毟り、覗き込もうとする女の素性がまるで読めない。青年はピリピリとした表情を向けたまま少女の一言一句に聞き入る)
「いちいち癪に障る女だ…」
(目を細め、少女を睨めば青年は気に食わないのか握りしめた冷気を纏う剣の柄を握り直す。その表情が、声調が、余裕が、青年には非常に腹立たしいものに感じた)
「目の前に金、食糧、女……それらがあれば全て手に入れる…それだけだ。…それを聞いてどうする?大人しく犯されるとでも言うのか?」
(眉を顰め、冷気を纏う剣をそっと向けながら問おう)
■エルレストベーネ > ……それが貴方の望むもの?
ほんとうに?
なら、貴方に女と食料を買える金を与えてみましょう
そうすれば満足する?
私は、しないと思うわ
貴方は何を求めているの
何がしたいの
何を望んでいるの
……貴方を教えてちょうだい
(女は更に抉ってくる
す、と距離を取ると、それを、楽しそうに語るのだ、まるで踊るかのように身を翻しつつ舞でも踊るかのように
そして、一瞬の間で
少女は殺気もなく髪をなびかせながらその美しい肢体の曲線を描き、その瞳で魅了するかのように近づいた
その剣を振り下ろさないのであれば、胸がふれあいそうなほどの距離に近づくだろう
■レイアード > (少女は何が目当てなのか。誘うような、挑発するような、そんな声調で己の目の前まで優雅にやってくる。だが、それは瞬く間の出来事であった。もう、すぐ傍に少女がいる。剣を向けてはいたものの、少女の言葉に眉を顰めたままとうとう振るうには至らなかった青年はじっと少女を見据えるが、男の何かがはじけ飛ぶ)
「……こう言えば満足するか?……お前を、この場で……滅茶苦茶にしてやりたいと」
(青年は、包み隠さず率直に言い放った。少女に対する復讐心だけならず、その肢体に抱いた歪な劣情を至近距離で告げる)
「これ以上言葉遊びに長々と付き合わせるな。…どうする?抵抗するか?」
■エルレストベーネ > ふふ、あははは……くすくす…………可愛い
嬉しいわ、率直に望みを言ってくれて
(近づけば、それだけでいい香りがする
あからさまに良い女であり、そして敵だろう
だというのに女は、男の劣情を嬉しそうに聞き届けると、嬉しそうに無邪気に笑った
本当に嬉しそうだ
そして更に抉るようなことを言った)
でも、この場じゃダメね
言ったでしょう……取り立てるのは私だもの
負けたのは貴方
だから……そうしたいなら、私の望む場所で私の望むようにしてもらうわ
別に構わないでしょう、今更屈辱がもうひとつ増えるくらい
嫌なら、代わりに衛兵に突き出すだけ
一夜の宿と食料と女を手にするのと、衛兵に突き出されるの、どちらがお好みかしら?
(剣を振るえなかった男はどうするか
誇りを取るのか、目の前の女に従うのか
どちらを選んでも地獄が蓋を開けて待っていた)
■レイアード > 「……言いたい事はそれだけか?人間をからかってそんなに満足いったか」
(間近で少女を睨んだまま、真意を問おうとするも、少女からは続けて要求が突き付けられる。…目の前の少女が、主導権を握らんとして取引を持ちかけて来たのだ。青年は、眉を顰めて見入るのが精一杯である)
「お前が秤にかけようとしているものが皆目見当がつかん。……この際、お前を理解しようなど考えない」
(ぴたり と目を瞑れば、そっと言ってのけて、相変わらず神経質な表情で少女を見据え)
「……お前が何を目論んでいようと、知った事ではない。…たかが魔族の女一人、これから犯すだけなのだからな…」
(青年の返す答えは前者だった。…一方で、目の前の決して理解し得ぬ思想を持つ少女には眉を顰め続けて。かつて勝ち誇った人間相手に対し、強気で傲慢に振る舞う少女には、反骨精神や憤りを煮やし続けていた)
■エルレストベーネ > なら、いらっしゃい?
城に招いてあげる
……もっとも、私のモノではないけれど
私が秤にかけているもの?
ふふ、あるわけないじゃない
貴方を教えて?
(少女は強気でも傲慢でもなく、純粋に、無邪気なのだ
単に知りたいだけでそれ以上でもそれ以下でもない
だが、男からしてみればそんな無邪気なはずなどないだろうとそう思えるかもしれなかった
魔族が、己の強さに任せて、やりたいようにしたいようにする、という意味ではどちらも一緒なのだから
そして、あけすけに青年の手を取ると魔族の居城へと案内するだろう
その手は剣を持っているとは思えないほど柔らかく、指は白く細かった)
ご案内:「王都マグメール 深夜の貧民街」からレイアードさんが去りました。
■エルレストベーネ > お疲れ様です、ありがとうございました!
次は部屋からですね!
と言ってもどのタイミングにするやら
ご案内:「王都マグメール 深夜の貧民街」からエルレストベーネさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」にエルザさんが現れました。
■エルザ > 「……出来ました」
精一杯の笑顔で、靴を磨き上げる。笑えてるのかなんて分からないけれど。
今日もその日暮らしだ、安いお金で靴を磨く。まあそれでも、あんまり疲れないから楽なお仕事だけど。
ぽいっと投げ捨てられるお金を拾って、お客さんを見送る。お金を払ってくれた、いい人だ。
結構、お金を払ってすらくれない人って多い。私を、せっかく磨いた靴で蹴っ飛ばして帰って行く人なんて何人いたかしら。
■エルザ > どうしてこうなっちゃったんだろう。
そう思う事は何度もあるし、思うたびに考えないようにしてる。
妹は元気かな、お母さんは、お父さんは無事に暮らしてるかな。
そんな事を考えても、私のこの生活は一向によくなるはずがないんだもの。
道の端に座り込んで、「靴磨きます」の看板置いて。
ぼーっとお客さんが来るのを待って、来てくれたら取り敢えず磨いて。
お金を払ってくれたらそれを受け取って。払って貰えなかったら諦めて。
今日はそんな日。今日じゃなくても、大体そんな日。
『おい、磨け』
どん、と台の上に足を置く人。ああ、多分この人、払ってくれない人だ。もうずっとこんなことしてるからか、そんな勘だけ働く様になっちゃった。
■エルザ > 「わかりました」
それだけ返して、布できゅっきゅと靴を磨く。
単純作業って、何も考えなくていいから気が楽だわ。集中してれば、自分の境遇だってその時だけは気にしなくて済むもの。
『おい、違うだろ。何やってんだ』
でも、そんなところに投げ付けられるこんな声。
私何か失敗したかしら……なんて事は考えない。
こう言う人の次に言うセリフって、もうお決まりなんだもの。
『奴隷が一丁前に布なんか使ってんじゃねぇよ。舌で舐めろ』
はいはい。お約束、お約束。
こう言う変な事言って満足する人に、抗議なんてしても無駄だわ。ああ、ちょっとハズレを引いちゃったみたい。
■エルザ > 「……わかりました」
だから、何も考えずにぺろぺろぺろ。
犬みたいにぺろぺろぺろ。
いえ、犬の方が上等ね。今の私は無様な奴隷、飼って貰える犬と違って、行きずりで使い捨てられる家畜以下の奴隷だもの。
ちろっと見上げると、意地悪な笑みを浮かべてる男。ああ、嫌な顔。でも、甘いわね。ここから蹴り上げてこないだけまだましだわ。
何も考えずにぺろぺろぺろ。
ただ適当にぺろぺろぺろ。
『ははっ、嬢ちゃん犬の真似っこが上手いじゃねぇか』
「……わん」
はいはい、お犬ごっこお犬ごっこ。
こう言うのは適当に合わせてあげると、気分を良くしてお金を置いて行ってくれる時があるの。
私のプライド?犬以下の奴隷がそんなこと考えても無駄でしかないわ。
■エルザ > 『よし、もういいぜ。ほら、餌代だ』
ぽいっと投げ捨てられる数枚の硬貨。
ああ、お金を置いて行ってくれるだけいい人だわ。これで今日もちょっとだけパンが食べられる。
「……わん」
感謝の一鳴き、これで気に入ってまた来てくれたらいいのだけど。
でも今日は収穫が多いわ。今日は体を売らなくて済むかしら。
いえ、体を売るのは割がいいけど、疲れちゃうから嫌なのよ。
■エルザ > ぼうっとそばの窓を見る。
お母さんに綺麗だわって褒めて貰った髪の毛は、見る影もなくボロボロに。
妹に羨ましいって言われたこの肌も、見る影もなくボロボロに。
私はエルザ、まだ覚えてる。でも、いつ忘れるかもわからない。
そんな事を考えるけど、それもすぐにやめてしまう。だって考えても疲れるもの。
「……はぁ」
溜息ついて三角座り。ただぼーっと客を待つ。
……誰か助けて、くれないかしら。
そんな夢も、見疲れて。
ただただ今日を、生きていく。
■エルザ > 今日はお客は、お終いかしら。
しばらく待っても誰も来ない。道行く人は見向きもしない。
街を歩けば声かけられた、あの日々はいつの日か。
何十年も前かしら?いいえ数年前の事。
でももう記憶も定かでない。
もうあの日々を、想えない。
「今日はどこで寝ようかしら」
そんな事しか、考えれない。
寝る場所はとても大事だわ、変なところだと襲われちゃう。
屋根があれば嬉しいわ、そんな場所が空いてるかしら。
もう少しだけ、待ってみよう。それで暇なら、寝床を探そう。
■エルザ > 「……今日はもう、お終いかしら」
せっせと布を片付ける。
せっせと台を片付ける。
稼ぎ過ぎは毒だもの、寝ている内に盗まれちゃうわ。
誰も来ないなら欲張らず、あくまで今日を暮らすだけ。
それがここでの生き方よ。
溜息吐いて立ち上がる。今日の寝床はどこにしよう。
いいところがあれば、嬉しいな。
■エルザ > そうそう、夜伽は疲れるけれど、寝床だけと割はいいのよね。
そんな事も、考える。でも自分からは売らないわ。
だって疲れるだけだもの。ホントのホントに疲れるの。
「だれかたすけておねがいよ」
何か喋った気がするけれど、自分でもなんていったか分からない。
ふらりふらりと立ち上がり、ゆっくりその場を歩いてく。
誰も私を見もしない。
■エルザ > 「明日はいいことあるかしら」
無意味な言葉を口にして、私の今日は終わってく。
いい一日なんて、この世には。残ってるはず、ないのにね。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」からエルザさんが去りました。