2023/06/03 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にタマモさんが現れました。
■タマモ > まだ陽も傾き掛けているだけで、沈むにはまだ早いか。
そんな時間帯だが、時期的に考えて…
「………うむ、暑い」
そう、暑い。
口に出してしまうくらいに、今日は暑いのだ。
そんな日は…うん、そんな日でも、少女の行動は変わらない。
そんな呟きを零しながら、路地の中を練り歩く。
もちろん、その理由は日が当たり難いから。
いつもならば、面白そうなものが見付かり易いから、なのだが。
今回は、もう一つの理由が追加されている。
まぁ、結局は狙いが同じなら、余計に暑くなるんじゃないのか?と問われそうだが。
遊ぶ時の暑さは、あれだ、言うなれば別腹。
…ちょっと違う?
ともあれ、ふらりふらりと、少女は裏路地を歩く。
なるべくは日陰を、なるべくは、何かありそうな場所を。
■タマモ > 正直、向かう先に何があるのか、は覚えてない、覚える気もない。
覚えない方が、何が来るか分からない、と言う楽しみがあるからだ。
…道を覚えるのが面倒なだけ?ごもっとも。
まぁ、そうした楽しみも、また一つではあるものの。
やはり、出歩くからには、好き放題に遊べる楽しみは欲しいものだ。
いきなり襲うも良し、時間を掛けて追い詰めるも良し、日常の中での非日常とかも面白いだろう。
状況次第では、また別の事も起こるかもしれないか。
とは言え、そんな考えを浮かべていても、結局は目に付くような相手を見付けなければ意味はない。
こうして、のらりくらりと散歩して終わり、なんてざらにあるのだ。
期待ばかりを膨らませるよりも、歩き回る事の楽しみも抱くべきである、うん。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にサウロさんが現れました。
■サウロ > (入り組んだ貧民地区を巡回する任務は他の隊と合同ではあるが定期的にあり、
迷子や平民地区から入り込みそうな者があれば安全な場所へ声をかけて誘導して、
事件や暴力沙汰などが起きていれば介入する。
騎士風鎧を付けた金髪碧眼の青年は、そういう治安維持を行う自由騎士に属しており、
今日もまたその任務の一環で貧民地区を歩いていた。
こうした日が沈む少し前の時間、暗くなるのも早いので、一番危険な頃合いだ。
魔物が活性化する時間帯とも言われている。
そんな中で、貧民地区の大きめの通りから裏路地に視線をやった時に、どうにも年頃の少女らしき後姿を見かけた。)
「……君!」
(声をかけるには少し遠かった。聞こえていないかもしれない。
あんな場所をこんな時間から歩くのは、年端もいかない少女であればなおさら危険だ。
すぐに裏路地に入って後を追いかけ、少女の後ろ姿を探す。
ゆっくりとのんびり、そんな雰囲気にも見える。何より特徴的なのは、動物的な耳と尾か。
ミレー族だろうかとすぐに浮かぶが、一先ず距離を詰めて追いつこうと。)
「待ってくれ、そこの君!」
■タマモ > ぴくん、少女の耳が揺れる。
その声自体は、どこぞの男が、誰かに掛けている声。
まぁ、そんな風に聞こえるものだろう。
しかし、その声が向けられる方向、それが分かれば話は別だ。
明らかに、大通りから、こちらに向けられたもの。
もっとも…それが分かったからと、素直に答えては、面白味もない、と言うものだ。
今の己の目的を考えれば、特に…とも思うものか。
相手の声からして、距離はそれなりにある。
聞こえないふり、と言うのは十分通用するだろう。
だから、せっかくだから、それを行うのだ。
くす、と笑みを浮かべるも、それは見えずだろうが。
その歩みを、更に裏路地の奥へと向ける。
すぐに角を曲がり、男の前から一寸、その姿を見えなくすれば。
軽く地面を蹴り、見付けられるぎりぎり、な感じで次の曲がり角までの距離を取る。
そして、男が今曲がった角から遣って来れば、次の曲がり角に己の姿を捉える感じ。
それを繰り返し、繰り返し、更なる路地の奥へと誘おうとするのだ。
二度、三度…さて、何度目を過ぎて、男が怪しみ始めるだろうか?
そうした事もあるのだからと、ある程度、それを行ったところで…罠を張る。
素直に何度目かの角を曲がった途端、そのまま突き進めば、空間の歪みに突っ込む形となるように。
それに掛かれば、己もそちらへと向かおうか。
見事に回避されたのならば、対峙するのも悪くはない。
■サウロ > 「……!」
(声をかけても見えなくなる姿、追いかけて曲がり角を曲がるも、いつの間にか離されている距離。
視界には捉えられる距離だが、あちらも駆けているのは間違いない。
大きな声を出したせいで怪しまれている? それとも騎士職に対して疚しい事でも?
或いは、異性に対して恐怖心があるか。追うのを一瞬躊躇いかけたが、首を振って足に力を籠める。
一先ず追いかけて、真摯に話せばわかってくれる筈、と。
まさか追いかける側が誘われ釣られているなど思いもせず、サウロは少女の後を見失わないように追う。
だが、どこまで追いかけても追いつかない。
出鱈目に逃げているのか、あるいはこの地理を理解しているのか。
汗を滲ませながら息を整え、もういくつ曲がったかもわからない曲がり角を曲がり──。)
「────ッ!?」
(目の前にぐにゃりと歪んだ空間があった。
あまりにも急に湧いた異質なソレに気付けても、勢いよく駆けていた体は急には止まれない。
それでも反射的に周囲の壁際に手を伸ばして止まろうとしたが、
その場に柱など掴めるものがなくサウロの体はよくわからない空間の歪みの中へと突っ込んでしまっただろう。
歪んだ空間の中に入るという体験は初めてのことで、数歩よろけるように脚をもつれさせながら、
それでもなんとか倒れずに佇み、周囲を警戒するように見渡す。)
「……ここは……?」
■タマモ > さて、どうも相手はそれなりの腕はありそうだが…
物は試しと、軽く罠を張ってみれば。
案外、あっさりと引っ掛かってくれた。
男が入って行った空間の歪み、それを一度覗き込み。
うんうんと、満足気に頷いてみれば。
ぽんっ、と少女も、軽く身を投じるのだった。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からタマモさんが去りました。
■サウロ > 【移動】
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からサウロさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にマツリカさんが現れました。
■マツリカ > 貧民地区の孤児院で慈善活動に勤しんだ帰りのこと。少女は独り、廃屋でぽつねんと雨宿りをしていた。
元よりご機嫌斜めだった空が本格的に崩れ始めてしまうと、そこからは正しく急転直下と言うべきか。
しとしと、ざあざあ。濡れて帰るには少々厳しい程の雨水は、街をしとどに濡らしている。
「……これは、困りましたね?」
誰も居ないと思っていても、独り言は勝手にまろび出るもので。
申し訳程度に雨が凌げるだけの廃屋には、座って休める場所もない。
朽ちた床板の汚れや冷たさを気にしなければ、床に腰掛けることもできようが。
或いは、くたびれたボロのベッドめいた残骸も放置されているが、積極的に使いたくはない。
結局、少女は立ったまま、雨が止むのを待つのみ。人気のない周囲には、雨音があるばかりだった。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にユンジェンさんが現れました。
■ユンジェン > ──雨音の中を、きぃ、きぃ、と、音がする。
黒板を爪で引っ掻くような音にも似ているが、それよりもう少し重い。
何事かと訝って、もしそちらを見たのならば。
「あの、そこの人」
廃屋の、もう用を為さなくなった玄関の痕跡のすぐ外に、傘も差さずに少女が立っている。
異音の原因は、彼女の手にある得物──ハルバードの切っ先が、石畳を引っ掻いていたからだろう。
雨に打たれながら、空色の瞳を細めることもない。どこか現実離れした佇まいの少女が、
「少々……こちらで休ませていただいて良いでしょうか……?
どうにも、この近辺には、他に屋根のある場所がありませんようで……」
小首を傾げてあなたに問う。
……或いはあなたのことを、この家の所有者と誤認しているのかもしれない。