2023/05/22 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にエデンさんが現れました。
■エデン > いつもの通りに危険度の低い依頼を受ける冒険者。
たまに受ける運搬の護衛の1つでやって来たのが孤児院ならばと、覚えのある顔を探してみるのだ。
冒険者とはいっても何度も顔を出した事があり、来た時間によっては子供達とも遊んでいる。
誰かしらに聞いて回れば、いずれ彼女が祈りを捧げている場所へと辿り着くのだろう。
礼拝堂といえば祈りを捧げる場所、さすがにそれくらいは知っている。
その邪魔にならないようにと気を配り、足音を静かにその場所へとやって来る。
そうすれば確かに彼女らしき姿を見付けるが、やはり祈りを捧げている途中。
席の1つの腰を下ろし、それが終わるまではゆっくりと待つ事にするのだった。
■ミルフィリア > しばらくすれば、祈りの時間も終わりを告げる。
ステンドグラスに注いでいた夕日もすっかりと落ち、辺りを夜の闇が支配していく。
本来ならば燭台の蠟燭に火を灯すところなのだけれど、それを買うお金がもったいないと節約して。
振り返ると、そこに先程までは居なかった参拝者の姿があり。
「失礼しまし―――あ、エデンさん。」
それが見知った顔であったなら、ほっと肩の力を抜くと同時に、どこか嬉しそうな表情を浮かべ。
黄昏の暗がりであれば、手が届く距離まで近づかなければ相手の顔は視認できないために、その微妙な表情の変化は相手に伝わったかどうか。
それでも声の調子から、歓迎しているとは取れるだろう。
「エデンさんもお祈りですか?」
この前のことを思い出すと、少し顔が赤くなってしまう。
そんな変化も暗がりのおかげで見えはしないだろう。
できるだけ平静を保って、そう問いかけて。
■エデン > 灯りの少なさは感じれるが、最低限見えれば問題ない。
そもそも、この地区の孤児院と考えればしょうがない事だ。
暫くすれば彼女の祈りも終わったらしい、こちらを振り返り、自分の存在に気付いた気配を感じられた。
「うふふ、こんばんは、ミルフィリアさん?」
近付いて、彼女が自分だとわかったタイミングを見て、彼女へと声を掛ける。
多少薄暗い程度でも近くに居れば見えない事はないのだが、席から立ち、彼女を確かめるように顔をより近くまで寄せた。
「いいえ?いつものお荷物の護衛。
せっかく来たのだし、大好きなミルフィリアさんの顔を見たくって、なんて思ったの。
色々と探し回ってしまったけれど、見付かって嬉しいわ?」
顔を寄せた事で、きっと彼女の赤らめた顔が見える事だろう。
だけど、わかっても、あえてそれはいわずで。
そう彼女へと言葉を返す際、大好きな、の辺りは彼女だけに聞こえるような小声で伝えるのだ。
■ミルフィリア > 大好きな、などと人目も憚らず言われてしまうと、こちらとしては照れるほか仕方がない。
ほんのりと赤く染まっていただけの顔が、一気に熟れた林檎のようになる。
それを手で覆い隠してから。
「うぅ、そんなこと言われたら、恥ずかしいです……」
ちらりと礼拝堂の入り口の方を見遣って、誰もいないことを確認するとほっとする。
こんなところを誰かに見られたら居た堪れない。
それが仮に、孤児院の子どもたちであったとしても、ませた子たちのこと。変に囃し立てるだろう。
何度か深呼吸を繰り返して、平静を取り戻し。
「えっと……もうご飯は食べましたか?
まだなら、ご一緒にどうでしょうか。子どもたちも一緒で良かったら、ですけど。」
わざわざ顔を見に来てくれた相手へのおもてなし。
これがレストランでの食事と言うならデートにもなるだろう。
一応はそれくらいの常識は持ってはいるものの、今できるおもてなしとしてはこれが精一杯もので。
■エデン > こちらの言葉に真っ赤になる彼女は本当に可愛らしい。
そんな事を思えば、ついクスッと笑ってしまう。
「あら、だって本当の事だもの?
ミルフィリアさんは、そうじゃないのかしら?」
ここまで来る時点で、誰かここに来るような事はなさそうであるのは確認済み。
だから恥ずかしがる彼女にコソッと、誰も居ないから正直に答えても大丈夫よ?なんていってみせる。
彼女には悪いけれど、可愛らしいところをもっと見たいと思ってしまうのは、しょうがない事だから。
「ああ、依頼を終わらせてからって思ってたし、良かったら貴女と食べたいって思ってたから、まだ食べてないわ?
貴女と一緒に、貴女の横で食べられるって事が嬉しいんだもの、私は大丈夫よ?
でも、もう少しだけ…2人で居たいけど、大丈夫かしら?
そんなに時間は取らせないから、どう?
あ、無理になんていわないわ?それなら、すぐにお食事でも大丈夫だもの」
伝えた通りに彼女へのお誘いも考えていたのだけれど、彼女からお誘いされるなら吝かではない。
でも、もう少し、せっかくの2人の時間を楽しみたいと、彼女にお願いはしてみよう。
彼女が快く受け入れてくれるならば、もう少し、ゆっくりとしてゆく事となるのだが。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からミルフィリアさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からエデンさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にホウセンさんが現れました。
■ホウセン > ちょこちょこと、王都…どころか、王国を駆け回る小さな人外。
商人という肩書を帯びているが故の必然ではあるのだけれど、こうにも飛び回っていては疲労感が無いでもない。
いや、元気になれるオクスリとか、寝ないでも活動できてしまう呪術とか、一通りを過ぎて何周したか分からない習熟度合だけれども。
そうはいっても、純然たる休養が精神の復活に最適だという経験則もある。
だからこそ、このちんまい妖仙は、この店に姿を現したのだ。
南方の異国に由来する煙草屋に。
「骨休めというのは、こう、健全と不健全の境目にあるような自堕落具合が良い気がするのぅ。」
煙草屋といっても、タバコの葉の販売だけをしている訳でもない。
こじんまりとした身体を左半身を下に横たえ、パイプを咥えながらぽそりと。
元より見目にそぐわぬことこの上ないが、愛用の煙管を持ち歩くぐらいには愛煙家。
だから、咥えパイプも格好つけのためではなく、血色の良い唇から真っ白な煙を吐き出して。
緩く立ち上るそれは、平素のものよりも密度が濃く見えるかもしれない。
「たまには毛色の違う煙草というのも悪ぅないが、もうちっと器具の取り回しがなんとかならぬものか。」
チラっと視線を向けた先には、吸い口に連なる管やら水を貯めた容器やら。
所謂、水煙草というものらしく、見た目の上では子供でしかない妖仙が煙をくゆらせているのは、些か不道徳な光景ではあろうか。
■ホウセン > 落ち着いた色合いの灯りで照らされているものの、店内は仄暗い。
脱力系といえば一端の響きを持つものの、傍から見る分にはパイプを咥えてダラダラしているようにしか見えない。
それ故に、王国内では退廃的だとの印象を拭いきれておらず、この嗜好が市民権を得るのはもう少し先だろう。
だから富裕地区でも平民地区でもなく、口うるさい干渉がまだしも少ない貧民地区に居を構えているにとどまっているようで。
また、煙を一吸い。
タバコの葉だけではなく香料の類も混ぜ込んでいるのも特色で、鼻腔を擽る香気は複雑。
それが店内の至る所で吐き出されており、強いて言うならばどれも甘みを帯びるような気がしないでもない。
「似たようなものを作れんでもないが…こうやって弛緩しきる状況も対にならねば片手落ちじゃろうしのぅ。」
商機だ…と、飛びつくでもなく緩々。
真っ白い煙を吐き出しながら、思考もきっと緩め。
尤も、酩酊してはいない。
妖仙が選んだのは、極々標準的で、且つ健全なものだ。
一方で、不健全な混ぜ物をして愉しむというのも、オーソドックスな楽しみ方ではあって。
赤と金が目立つ異国風の衝立の向こうでは、誰がナニをしていても不思議ではないし、密やかな声が良過ぎる耳に届いており。
「アレじゃな。
それはそれで風情はあろうが、折角なら思いっきり声を出せた方が良いのではなかろうか…」
斯様な述懐をするも、愉しみ方は否定しない。
事実、”そういうこと”を手伝う店員を雇い入れている店もあれば、商魂たくましく近くの娼館からデリバリーなんて提携をする店もある。
となれば、キマった客が不埒を起こさぬかと自衛のために用心棒を抱えている店があるのも不思議ではない。
骨休みめ中の妖仙ではあるけれど、興味を刺激されれば首を突っ込むのは目に見えていよう。
■ホウセン > 幸か不幸か、穏やか過ぎるぐらいに穏やかに。
自堕落な夜長はまだ続くようで――
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からホウセンさんが去りました。