2022/12/28 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にクレイさんが現れました。
クレイ > 貧民地区。小汚いバー。貧民地区ではどこにでもあるようなそこに1人の男が入店する。
 身なりはここにありがちな。つまりはいつものシャツにズボンというシンプルな物。

「よう、今年も飲みに来たぜ」

 とカウンターに座れば注文もしないのにその酒は来る。わかっていたと言わんばかりに。
 今年も生き残りやがったか。そんな憎まれ口を顔に大きな傷のあるマスターが叩けば男はニヤリと笑って。

「当然、俺を誰だと思ってんだ。俺としちゃてっきりテメェが酒の飲みすぎでぶっ倒れると思ってたが」

 なんて憎まれ口で返す。
 ここは昔から世話になっている店。子供の時にとある傭兵に拾われて初めて連れてこられた店であり、初戦争を生き延びた記念に飲みに来た店であり、初めて酒を飲んだ店であり、女を知ったのもこの店。師匠を見送って最初に来た店もここ。そして年内最後の仕事。というより年内最後の戦場を終えたら来る店として毎年来ているのだった。
 つまりこの店に来たという事は今年の間は安全な仕事しかしないという意思表示。明日もわからぬ傭兵稼業だが、少なくとも年越しは確定した瞬間である。
 まぁ恨まれてる相手に暗殺をしかけられたりどうしても来てくれと金を積まれれば話は変わるが。

「にしても、相変わらず客すくねぇな。いやまぁここが満席なんてまずみねぇけど」

 なんてのんきにマスターと話しながら見回している。 

クレイ >  
「ん? ああ、わかってるよ。いつもの通り頼むぜ。その代わり名前もしっかり宣伝すること」

 と何かの取引をする。そうするとニヤリとマスターが笑い、奥から看板を持ってくる。
 そしてそれを店の前に立てた。
 本日全品無料。合言葉は銀鷲クレイに感謝を。そんな看板が店の前に掲げられる。

「ったく、お前がクソ親父の戦友じゃねぇならこんな事しねぇからな」

 ホントもったいねぇとボヤきながらもどこか楽し気に。
 師匠の知り合い。師匠のペアだった人。
 引退して、師匠のサポートをする代わりに年末は師匠がこの店にくる客の金を支払う。それがいつもの年越しだった。
 この店で行われる告知もない自分達主査の小さなパーティー。それが自分流の年末の過ごし方だ。

「ほら、さっさと他の客の相手しろ忙しくなるからよ」

 そう言うとシッシッとマスターにやって自分は酒を飲み始める。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にアキラさんが現れました。
アキラ > 「……なるほど……」

(ポツリとした呟きは、天井の梁からだった。いつも通り匂いを辿って近くまでくれば、建てられた看板の文字に首をかしげ。何かお邪魔になるかもしれない、ではバレないように建物に忍び込もうと裏口の窓から音もなく忍び込み、天井づたいにクレイの真上まで移動して話を聞いていたという寸法だ)

「クレイのお父さんのお友達ってことか」

(腕組みつぶやくのは、天井の梁に両足と片手で逆さにぶら下がっている姿。スカートを押さえるくらいの嗜みは覚えたのが今年の成長)

クレイ >  
「……お前なんつー侵入の仕方してんだ」

 普通に来い普通にと笑えば隣の椅子をポンポンと叩く。
 ここ座れよと言う合図。

「お前は合言葉無しでかまわねぇ。というか、ああそうだ。おいマスター。銀鷲クレイじゃねぇ。銀鷲クレイとアキラに書き換えて置いてくれ」

 よく考えればお前もこっちサイドだと言えばマスターは出した看板を回収。雑に紙に言われた通りに書き換えてもう一度看板を表に。
 うんとうなずいた。

「お父さんじゃねぇ。師匠の戦友だ。俺を拾う前にペアだった人って感じだな。わかりやすく言えば俺の師匠にとっての俺とお前の関係に近い」

 相手を紹介する。
 他の客の相手もあるので適当にマスターは会釈するぐらいで会話に積極的に参加はしてこないだろう。

アキラ > 「ぼくは、みすてりあすがーるだからあまり名前を表に出してほしくないんだけどな……あとぼくもお金出すの?いやなんだけど?」

(悪びれもなくずいぶんとはっきりと言った。くるっと回って落下、ふわっと床に着地すれば勧められた席に腰掛け)

「クレイのお師匠、くそオヤジって言ってたからオス……マスターも、オス……なるほど……最近、小説で読んだ……びーえるってやつだ。」

(俺とお前の関係とやらを勘違いしつつ、マスターには会釈を返し)

「こっちは年末は美味しいものがたくさんでてくると覚えた」

(お腹すいたことを暗にアピール、会うたびに食べ物をたかるのは常)

クレイ >  
「ああん、そうかなら後で消しとくように伝えとく。後金は俺が出すから良い。というかお前には生活費しか渡してねぇし」

 でも大体宿代俺が出してねぇか……? なんて少し頭をひねるが。それはそれだ。気にしない方向で行こう。
 しかしその後のセリフを聞けば思わず酒を噴き出しそうになって笑う。

「アッハハハ! 親父とマスターか。なるほど」

 こりゃ面白れぇと笑う。マスターは本気で渋い顔をしているが、周りが楽しければそれでいいかという方向だった。
 お腹すいたアピールを受ければ食い物を色々と注文する。

「まぁ年越しだからな。どこもかしこもお祭り気分だろうさ。その代わり今のうちに食っとけよ。年明けは傭兵稼業の稼ぎ時だ。仕事が山盛り来るぞ」

 全てとは言わないが、年明けから働きたくないから護衛を傭兵になげる。戦場を傭兵に投げる。そんな事が多い。
 それ故今までも年明けは忙しい事が多いのだ。

 

アキラ > 「まぁ看板の名前くらいはいい、クレイとなかよしってアピールしとくと安全度上がるし………あとお金は生活費にはだいぶあまるから、あることはある……けどごちそうになる」

(頼んだミルクをごくごく飲んで、口元をぺろりと舐めてそんな事を言う。実のところ、クレイの所に泊まる時以外は森とかにいるし、食事も気になるもの以外は半分以上森での自給自足しているのでほとんど使っておらずちゃっかり溜め込んでいるのだ)

「人間は獣より強いけど、隠れるの下手だし、街は便利だけど外の仕事も落ち着くから嫌いじゃない。」

(根本的に街中だろうが野生だろうが生活力が高いせいで仕事もそんなに苦痛に感じていないというか、表情少ないなりにやる気はあるというアピール)

クレイ >  
「ったく、節約してたかれる時にはたかるとか。誰に教わったんだか」

 誰も何も自分以外いないのわかって話している。自身も出す時には豪快だが、基本はがめつい節約志向なのだから。
 いつもはアキラの隣では酒は極力抑えているが、今日はそういう日だったのもあって酒を飲んでいる。

「ん、そうか。来年辺りから戦場はともかく、護衛とか一部の仕事はお前にも任せようかと思ってたが。聞いた感じだと外の仕事の方が良さそうだな。商人とか、その辺の護衛」

 隣の村へ行く間の護衛とか。色々と仕事はある。冒険者が起用される事もあるが、傭兵にもよく回ってくる仕事のひとつだ。
 貴族は色々と怖いが、商人ぐらいなら任せても良いかと思い始めてもいた。

アキラ > 「……クレイだった気がする……」

(出てきた骨付きのチキンをかじりつつ返事)

「街は街で美味しいもの多いから好き……敵が来るとか、あっちは危ないとか教えながら動けばいいってことでしょ?……でもぼくは強いわけじゃないから固くて強いのと組み合わせないと……ぼくひとりなら森は快適だけど……」

(あーだうーだと仕事の話をしながら食事は進む。他に客は増えてきただろうか。ところで、食事をしているアキラの足はごきげんそうにパタパタ揺れているし、気づくとスカートの下から尻尾が出ていて左右に振れている。あとなんか少し顔が赤い、つまるところ)

「クレイ!なんか今日はご飯がすすむ!」

(匂いで酔っていた。目が輝いていて心なしか声が大きい)

クレイ >  
「だろうな、こんな事本には乗ってねぇ」

 余計な事教えたなとすねたように。まぁそういうフリではあるが。
 仕事の話をすれば少し笑う。

「仕事中に食う前提かよ……まぁそうだな。でも村と村程度ならやばい魔物はまず出ないし。武器持ってれば人間の盗賊位なら余裕だろ。最初しばらくは俺も同行するけどな」

 身体能力の差もあるし、外なら魔法で強化もできる。余程不味い相手でなければ盗賊位は行けるはずだ。
 しかしそれはそれとして同行はするが。
 と、見えている尻尾。酔ったと聞けばミルクの匂いを嗅ぐが変化なし。
 つまり……
 自分の酒に目線を落とす。

「これに酔ったか」

 匂いで酔ったのかと。だいぶ酒に弱いらしい。
 尻尾を気にするようなのはいないだろう。だが酔っているということは別の心配がある。
 腰の剣をアキラ側だけ外して反対側に置く。

「しゃねぇな、ほら、水飲んどけ。後、フラフラするなら俺にもたれとけよ」

 と注文した水を前に置く。