2022/08/17 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にエレイさんが現れました。
エレイ > 「──む……」

人気も無ければ灯りもない、月光だけが差し込む寂れた夜の裏通りを、一人のんびりと歩いていた金髪の男は、
脇道から己の前に音もなく躍り出てきた影にふと、足を止めた。

『──ミャーオ』

それは猫だった。暗がりの中でなお黒く、逆に目立つシルエット。
その中で目だけが金色に浮かび上がっていて。

「……なんだ黒ぬこか。よう、見事な黒さだと感心するがどこもおかしくはないな」

などと声をかけつつしゃがみこむと、黒猫は人慣れしているのか気安く寄ってきて男の突き出した膝に
スリスリと顔や身体を擦りつけて来る。

「……愛想をしたってやるモン特になにもないから無駄だぞ。ってゆーか目ヤニまみれの
汚いツラだなと呆れ顔になる。もうちょっと自分でキレイにすろ」

眉下げてフンス、と鼻を鳴らしつつ猫の顔を見やれば、目頭にこびりつく大きな
目ヤニが確認できて。片手で首根っこを抑えながら、もう片方の手を顔に添え、
親指でぺりぺりと目ヤニを剥がしてやってゆき。

エレイ > その後も暫く猫と戯れて過ごし…いつしか、男も猫もその場からは姿を消していて──
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からエレイさんが去りました。