2022/06/16 のログ
■リン > 「わわっ」
腕と壁に囲まれる。身長差で胸がすぐ目の前に。壁ドンだ!!
さっきまでずっと距離感近かったのに今更壁ドンなんかでドキドキしないような気もするが
この程よい圧迫感というのはやっぱり嬉しいかも……。
なんて思ってたらそれもそこそこに相手は靴を探し始めた。
「くそっ……! ぼくよりもそんなに靴が大事かよ~っ
途中では見なかったよ……」
めんどうくさいことを言いながらも一緒になって靴を探してやることにする。
■ジーゴ > 「だって、だって、ごしゅじんさまがくれたくつ…だいじ…」
言葉が途切れ途切れになるのはもう半泣きだからだ。
大切なものをなくしてしまったパニックと、ご主人様が怒るかもしれないという恐怖。
本当にご主人様が怒るかはわからないけれど、
パニックになったジーゴの頭の中ではもうすでにご主人様がカンカンに怒っている。
「ならあっちかな…」
相手が来た方とは逆の道を壁づたいによろよろと歩き始める。
■リン > 「そっか……ご主人さまが大事なんだね……」
好きな人がくれた靴ならしかたないのかもしれない。ちょっとジェラシーだ。
別にジーゴと特別な関係というわけでもないが……
リンはだいたい誰でも好きになってしまう。
相変わらず危なっかしい足取りの彼を、支えるようにして傍を歩く。
「泣かないで。大丈夫だよ、別になくしたって怒らないよ、きっと……
もし見つからなかったら……ぼくがジーゴの靴になるよ……」
意味不明なことを言っている。もう酔っ払っているのかもしれない。
■ジーゴ > 「だって…ごしゅじんさまだよ?」
リンちゃんのジェラシーに気がつく余裕はなく、ご主人様が大切な説明も全然できてはいない。
かなり自由にしているし、奴隷らしいことは普段ほとんどしていないけれど奴隷としての性質は彼の身に染み付いている。
ご主人様は絶対だし、ご主人様に捨てられたらどうしようという恐怖は常に心のどこかにある。
支えてもらってなんとか歩けている状態なのに、気持ちだけは焦って涙は止まらない。
「ならリンちゃんが靴ね。ごしゅじんさまにもそう言うから」
知らない小さな子を「靴です」ってご主人様に紹介しても
怒りはしないだろうが、呆れるか戸惑われるか笑われるか
とにかく、靴だとご主人様を納得させることはできないだろう。
「こっちかな…」
この通りは全て見てしまった。濡れた地面に靴は落ちておらず。
道が交差したところで左右をきょろきょろ。
酒を買ったと思しき店舗の方に歩いてみようかと角を曲がる。
■リン > 「ぼくはご主人さまについて何も知らないからなあ~
……うん。わかった。それで納得してくれるといいなあ」
突っ込まれるかと思ったら普通に受け入れられた。
納得はしてくれないだろう。
必死そうな訴えを適当に流して、一緒に角を曲がった。
店舗に人がいたら、その人に訊いてみたりするだろう……
■ジーゴ > 「ごしゅじんさま、悪いことしなかったらなぐらないし、ご飯くれるし、オレ用のベッドあるし、やさしいよ」
世の中の他のご主人様のことは知らないけれど、優しいことだけは確かだ。
彼を奴隷扱いすることはない、と言っても過言ではない。
ご主人様の話をすると少しだけ落ち着い、泣き止むと。
手を繋いでとばかりにリンちゃんに手を伸ばした。
「あった!!!!」
酒を買った店舗の近く。
崩れかけの壁の横にちょこんと2つ綺麗に並べられた靴を見つけて
リンちゃんの手を掴んだまま走り始める。
酔っ払いの走りだから、小さな相手でも簡単について来られるだろう。
「リンちゃん!!くつ!!あった!!」
びしょ濡れの靴を嬉しそうに拾い上げると、あったのが嬉しいとばかりに
リンちゃんに見せた。
なんの変哲もない靴を見せられてリンちゃんが困るなんてのは酔っ払いは気がつきもしない。
■リン > 「えっ、したら殴るの……?」
おしりペンペンレベルなのか虐待なのかわからないのでそれ以上踏み込んだことは聞けなかった。
大好きらしいし。
一晩中探しまわることを覚悟していたが、
手をつないで一緒に向かった先であっさり見つかって、安堵する。
「お~~~、よかったねえ~~~」
盗まれたりしてなくてよかった。
と言っても、わざわざこんな濡れた靴を盗もうなんて者もいないか。
頭を撫でてやろうと手を伸ばしたが、全然届かなかったので腰のあたりをタッチした。
■ジーゴ > 「悪いことしたらあたまゴチンだよ。リンゴ盗んだ時とか」
自分の頭を拳でゴチンと殴るジェスチャー付きで説明した。
でも、りんごを盗むのは確実にジーゴが悪いし、虐待ではないことが伝わるだろう。
「やったやった!ほんとよかった」
踊り出しそうなくらい喜んでいる。
さっきまでへにょりとしていた耳もピコリと喜んでいる。
片手は靴。片手はリンちゃんと手を繋いでいるから踊り始めはしなかったけれど。
濡れた靴をそのまま履くのは躊躇われて素足のまま。
「でも、リンちゃんオレのくつだから、オレんちくるよね?」
ちょっと酔いの覚めた頭は悪巧みを考える。
にやりと笑って問いかけた。
家と言ってもご主人様と住んでいる平民街の定宿だ。
相手の手を引いたまま、平民街の方に歩いて行こうとする。
■リン > 「あ、そういうことか~ よかった……」
虐待ではなかったらしいので素直に安心した。よかった~。
踊りはせずとも一緒にぴょこぴょこ跳ねた。
「……え? でも靴は見つかったわけだし……?
なに? 予備の靴にされるの?」
エスプリを効かせている場合ではない気がするが、
妖しく笑いかけてくるジーゴの言葉に強く逆らえず、
流されるままそこに向かってしまうだろう。
「……靴って何すればいいの?」
自分で言っておいて意味不明である。
■ジーゴ > 「んとねー、今日はくつのリンちゃんとシャワー入って、オレのベッドでねるよ?」
もはや、靴ではない。
靴ではないのは明らかだけれど、着いてきてくれる気はしていた。
貧民街をさっと抜けて、平民街の宿が立ち並ぶ一角。
「今日はね、ごしゅじんさま仕事だからだいじょうぶ。オレんち、ここ」
何が大丈夫なのかはわからないけれど、うなづいてみせて
宿を指差した。
■リン > 「あ、普通だ……
よかった、足置きにされるとかじゃなくて」
足置きは靴ではない。
「仕事じゃなかったら大丈夫じゃないってこと……?
召使いに手を出した罰で……やられる!?」
深読みして勝手に震え上がりながらも、宿に入るのだった。
■ジーゴ > 「えー、足置きはたいへんだからやらなくていいよ…」
足置きにされたことでもあるかのように言った。
「わかんない。おともだち家きたことない」
相手の手を引っぱってうきうきと宿にはいる。
もちろんご主人様がいるときにお友達が来てもご主人様は怒らないと思うし、おもてなしもしてくれるかもしれないけれど、確証はなかった。
「ぬれちゃったし、おふろはいるよ!」
リンちゃんが雨水に濡れたのはジーゴが地面に座るように促したからなのだが、
そんなことは完全に忘れて言った。
濡れた靴は玄関にそのまま放置して、相手を風呂場に押しやろうとして。
シャワー室のドアを開けて、脱衣所で服を脱ぎ始める。
■リン > 「足置き有識者め……
まあ……ジーゴの気が進まないなら、やらないほうがいいね」
気が進むならやるのもやぶさかではなさそうだ。
「あ~自分で行ける。行けるって」
半ば強引な形で脱衣所に押し込められて、
一緒に服を脱ぎ始めるだろう。
裾のダボダボになってる服はちょっと脱ぎにくい。モタモタ……
■ジーゴ > 「はーい、うでのばしてー」
自分の服はすぐに脱いでしまうと、リンちゃんの上着を脱がせにかかる。
相手の服を簡単に脱がせてしまうと、そのままシャワー室の中へと促す。
平民街の宿にしては、シャワーもあって造りもしっかりしている。
もちろんお湯もでる。
奴隷の少年が家賃を払えるような宿ではないことから、ご主人様がお金持ちなことが透けて見えるだろう。
「はやくおいでよー」
シャワーを出しっぱなしにしたまま、シャワー室の方からリンを呼んだ。
■リン > 「あ~~~~」
されるがままに脱ぎ脱ぎさせられる。
なんだかこうなるような気がしてた。
あんまり鍛えられていない、お人形さんみたいな肌が露わになる。
「きみいいとこ住んでるねえ…………」
感心しながらも、裸身でシャワー室に入る。
ピト……とジーゴにくっつくだろう。
■ジーゴ > 「そかな…わかんない…」
わからないのは、『家』で暮らしたのが初めてだからだ。
屋根と壁がある時点で彼としては100点だし、それ以上のことはよくわからない。
「おいでー」
ぴっとりとくっついてきたリンちゃんを抱きしめると、綺麗な肌をぷにぷにとした。
作り付けの小さな棚に置いてある石鹸を泡立てると、相手の頭に手を伸ばした。
「まずはあたまね」
自分の胸くらいまでしかない相手の頭は簡単に洗える。
石鹸のいい香りとお湯の暖かさで満ちた風呂場は心地がいい。
石鹸の泡をリンちゃんの頭から肩、体へと伸ばしていく。
肩から指先、胸からお腹。
立ったままで手が届く範囲を洗っていく。
■リン > 「いいとこだよ。
いまのご主人さまは絶対キープしな……」
などと言われなくてもそのつもりだろうけど。
裸体同士で抱きしめられて、いやらしいこと抜きでも
暖かくて気持ちいい。
彼の骨ばった体つきも、触り心地が面白くて好きだ。
「ん~……」
優しく頭を洗われ、身体に沿って撫でるように丁寧に泡を伸ばされる。
その手付きは生ぬるく、心地いい。
胸やお腹をたどられると、こそばゆくてひゃ、と声が漏れた。
「ぼくもジーゴ洗う……」
お互い立ったまま、自分の泡を手で腰や背中、脚へと
淡く揉んだりしながら、擦り付け返す。
■ジーゴ > 「うーん、ずっとのごしゅじんさま…の…はず…」
正直怖くて、ご主人様に確認できない部分だ。
もういらない、って言われたらどうしたらいいのかわからないし
想像したらけど、頭が真っ白になる。
「あたま、流すよ」
リンちゃんの頭が壁についているシャワーから出ているお湯にちょうど当たるように
肩のあたりを持って、リンちゃんの体を動かした。
早く、頭の石けんを流さないと、目に染みてしまうと思ったからだ。
頭の泡だけを流してしまうと、そのまま、自分に伸びた手を受け入れて洗われる。
性的な接触ではないからか、安心する気持ちよさで、しばらくなされるがままになってしまう。
でも、このままではのぼせてしまうなと思って、自分で頭を洗ったりして身づくろいを進めていく。
「リンちゃん、オレねむい…あがろ」
二人とも全身を洗いおわったか、終わらなかったくらいで
強烈な眠気に襲われる。
外で酒を飲んで体を冷やして素足で歩き回ってから、
家に帰って風呂に入っているのだ、疲れを感じても当たり前のこと。
自分の体の泡はすっかり落としてしまうと、リンちゃんをシャワーからの湯が落ちる位置に立たせて、洗い流していこうとする。
■リン > 「ん~」
むにゅむにゅと泡を挟んで洗い合う。
こうして密着しあっているとちょっとそういう気持ちにならないでもないけど、
たまにはただ触れ合うだけというのも悪くないな、とも思う。
相手は疲れているみたいだし。
「そだねえ。上がろうか。
あ~~~~」
だばだばだばだば。泡が流れ落ちていく。
■ジーゴ > 「うーんと、ちょっとまっててね。タオルはこれで…パジャマは…」
泡を流し切ってしまうと、ジーゴは一足先に脱衣所に上がって、棚の中をゴソゴソしている。
パジャマは自分の分を貸せばいいけれど、大きすぎるかもしれない。
ご主人様がジーゴの身長的な伸び代を考えて、大きめを買ってくれたからまだジーゴにも大きいくらいだ。
でも、上着をワンピースみたいにして着てもらえばちょうどいいかもしれない。
「はい、パジャマね」
相手の髪をタオルで拭きながらパジャマの上着だけを渡した。
長袖のロングTシャツだ。ボタンはないタイプ。
自分は、そのパジャマのズボンだけをはいて、タオルは首にかけたままだ。
「はい、おっけー」
ご主人様にはいつも怒られる。髪の毛や体を適当に拭いて風呂から上がってくるからだ。今もリンちゃんは随分しっとりしたままだけど、ジーゴ的にはおっけーらしい。
のぼせるのぼせる、と言い残して脱衣所から出ていくと、そのままベッドにダイブ。
ジーゴ用のシングルベッドだ。
■リン > 「はーい」
身体を拭いて上を着る。
上だけ?と思ったら相手は下しかつけてない。一着しか無いのかな。
それは別にかまわないけど……
「なんかスースーして落ち着かないな……」
初めて女装した時みたいなセリフを言いながら裾を伸ばす。
それから、後に続いてジーゴのベッドに。
狭くなったりしないかな?といらぬ心配をしながら、
いっしょになって抱きつくだろう。
■ジーゴ > 「ん?かわいいよ」
普段、ジーゴはパジャマの時は下着を身につけていないから、
パンツを貸してあげるのをすっかり忘れて。
忘れていることにも気がつけないで、見当違いに誉めた。
かわいいのは確かなのだけれど。
「ぎゅしよ」
タオルケットを二人でかけて、ぎゅっと抱きしめながらベッドで横たわる。
皮膚がたくさん触れてぬくい。
普段であればえっちなことをしたっておかしくないのに、簡単に眠りに落ちていってしまうのは、きっと雨に濡れて疲れたからだ。
朝になって、抱きしめあって眠っているところをご主人様になんて説明するのかは思いつかないけれど。
きっとリンちゃんとは一緒に朝ごはんも食べて、ジーゴのおうちでゆっくり過ごすことだろう。
■リン > 「ぎゅ~」
ひっつきあって、別にセックスもしないでいると
本当にただの子供になってしまった気分だ。
まあそれもたまにはいいかと思いながら、眠りに落ちていくのだった……
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からリンさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からジーゴさんが去りました。