2022/06/11 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にセルウィさんが現れました。
■セルウィ > 安宿から一人の少女が姿を現す。
貧民地区にはどうにも似合わぬ、ふわりとした相応の衣装。
小柄なその体格も、ここに居るにはあまり相応しくはない。
ただそれだけで、何かしらの事情を感じさせる装いである。
とはいえ、その事情の実態はそう大したものではない。
冒険者である彼女が貧民地区の安宿を利用するのは珍しいことでもない。
たまたま、金銭的な折り合いで今日はここを利用することになった。
ただそれだけの理由で在り、そのまま彼女は人気のない路地を通りギルドへと向かう。
「……ふぅ。
…流石に、もうちょっと実入りの良い依頼、受けないとかな。」
その最中、誰にでもなく思考をまとめるように言葉を零す。
懐の中身…残りの金銭を確かめるように、無意識に胸元を握りながら。
■セルウィ > その最中にふと足を止める。
昼間でもどこか仄暗い雰囲気のある路地の途中。
……ふと、こういう場となると思い起こしてしまう。
かつて数度、あの日、純血を散らしてから得た桃色の記憶。
思い起こすだけで、嫌でもこの身体はゾクリと震える。
この感覚、この記憶は、きっと持っていてはダメなものだ。
けれどもどうにも…まだ、切り離せないでいる。
それを振り払うように道の最中で首を振る。
今はそれよりも、身を入れなければならないことがあるのだから。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からセルウィさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にセルウィさんが現れました。
■セルウィ > ゆっくりと、その歩を進める。
隠している胸の奥に、籠るナニカから逃れるように。
その足取りは、何処か重く。
……こうまで覚束ないのは、身が入らぬのは何故だろうか。
その理由が、少女にはまだわからない。
いいや、分かっていて、今はそれから目を逸らしている。
受け入れてはいけない、受け入れていいものではない。
そうした予感と、理性の楔が、少女にそうした行動をとらせていた。
■セルウィ > ギルドまでの道はまだ遠い。
重い足取りが、その距離を広げていく。
「……どうしたら、楽になるんだろう。」
燻ぶるように熱い腹部に手を当てる。
それに答える声は、今はない。
歩きながら、視線を周囲に彷徨わせる。
このままいつものように振舞う事が出来るのだろうか。
その返答を己の中で出すことが無いままに、少女は惑い、歩み進める。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からセルウィさんが去りました。