2022/04/29 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にロスマリヌスさんが現れました。
ロスマリヌス > 「…………ええと」

王都の貧民地区。お世辞にも治安がいいとはいえない、むしろ最悪に近いそこに、幼げな少女が一人。
いかにも非力そうな色白の少女がブラついていれば何をされるかわかったものではないはずが、何もされずに放置されていたのは、その異様な風体のせいだった。
異常に鮮やかでドギツいピンクの髪。人形のように愛らしく大きな瞳。そして何より、あとからポンと付け足したような巨大な乳房。
ロスマリヌスは、悪趣味なほど大きく歩行にすら支障を来しそうなそれを、平然の揺らしながら裏路地まで入ってきていた。それにはもちろん明確な目的がある……わけではない。

「えっと、どこなのかな、ここ……」

はて?と首をかしげる周囲には誰もおらず、薄闇の中に冷たい風が吹くばかり。
端的に、迷子であった。

ロスマリヌス > 「うーん、どうしよう……」

と、首を捻ってはいるし、自分が迷っていることも自覚している。が、そもそも目的地などありはしない。
ロスマリヌスはまともな人間、いや生物ですらなく、毎日の糧や寝床は必ずしも必須ではない。そのため明確な目的もなく、ぼんやりとした『誰かの役に立ちたい』という願望に従って行き当たりばったりに生きている。
その極端な体型の需要を買われて、貧民地区の娼館で働くことも多いが、今夜はそのような酔狂な娼館も客もなかったようだ。

「うーん、こっちかな?」

とりあえず適当に歩けば知っている場所に出るだろう。迷子になる子供の典型的なパターンに沿うように、はぐれホムンクルスはたゆんたゆんと乳房を揺らしながらまた歩き出した。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にピーターさんが現れました。
ピーター > 「あークソ、ツイてねえな今日は。」

貧民地区にある賭博場、その扉から悪態を吐きつつ金髪の青年が路地へと現れる。
冒険者兼偽カウンセラーという肩書を持つ男は、今日は依頼の報酬を全部博打で使い果たしすっからかん。
ヤケ酒を呷るだけの金も使い果たしたので、宿に戻って寝てしまおうと路地を歩き出し

「……お?」

前を歩く女の姿を見つけた。
こんなところを一人で歩いているなんてよほどのワケありか、それともそういう商売か。
はたまた単に不用心なだけか。とりあえず気になったので声を掛けてみる事にして

「ちょいちょい、おねーさん?こんなところで一人で何してんの?」

ロスマリヌス > 「……あっ、はい、なんでしょう?」

くるりと振り返る顔が笑顔なのは、声をかけてきたのが男性だとわかったから。振り返る動きも心なしか勢いがついているのはその嬉しさからなのだけど、その勢いで巨大な乳房がぷるんと……というか『ぶるるん』というような勢いで揺れた。

「あ……でもすみません、私も迷子なので、道はお教えできないかもしれませんけど……」

その男性の碧の目をまっすぐ見つめながら、苦笑するようにそう言う。
表情はすぐに、彼の言葉を期待して待つようにきらきらと輝くものになった。

ピーター > 「うおっ、でっか……」

振り返った女を見て第一声がそれ。
後ろ姿からは荷物か何かの様に見えたものが乳房だと分かり、思わず目を丸くして言葉が零れた。
いやいや、いかんいかんと首を振って気を取り直し、

「迷子?あー、そういうこと。大丈夫、俺はこの辺、分かってるから。
 それよりどっか行きたいとことかあったわけ?何なら俺が案内しよっか?」

貧民区の路地なら食い逃げその他の逃走経路としてよく使うので地理はそれなりに明るい方。
目的地があるのなら、と案内を申し出つつも視線はどうしても大きな胸へと向けてしまう。

ロスマリヌス > 「……?あっはい、その、いいんですか?」

彼の呟くような声が何を意味していたのかよくわからなくて首をかしげるが、すぐに気を取り直す。
迷っていたのは事実で、案内してくれると言うならありがたいことには違いない、とにっこり微笑む。

「行きたいところと言いますか何と言いますか……私、どこに行くかも決まってなくて……よければですけど、ご一緒しても構いませんか?ええと……お名前は?」

ロスマリヌスとしては、例えどこの誰であれ、男性様のご要望に応えることに不都合はない。しかしどう呼べばいいのかわからないのでは単純に不便だ。

ピーター > 「良いの良いの、どーせ帰って寝るくらいしかすること無かったし。」

今すぐ寝なきゃならない理由も無い。むしろ不貞寝するにしても時間が早過ぎるくらいだ。
にっこり笑う彼女が意外にも可愛らしい顔立ちをしていることに気付き、体型とのギャップに再度目を瞠って。

「え?行く場所が決まってない?……帰る場所は?宿無しとか?
 あ、ごめんごめん。俺、ピーターっての。おねーさん……おじょーちゃん?まあどっちでもいいか。お名前は?」

後ろ姿から妙齢の女性に見えて声を掛けたが、顔立ちなどは子供っぽく、年齢が判断しづらい。
此方としても名前が分かると呼びやすいなと判断し、名乗ってから名前を訊ね返した。

ロスマリヌス > 「ええと……いつもあちこち、転々としてまして」

強いていうなら生まれた工房が『家』と呼べなくもないが、あまりいたい場所でもなく、外に出てから一度も戻ったことはなかった。

「ピーター様、ですね、よろしくお願いします。私はロスマリヌス。呼びにくいと思うので、『マリア』と呼んでください」

そう名乗ると改めて微笑む。ややあざとい表情も仕草も特別媚びへつらう意図はないけれど、男に媚びるのが本能なので一挙手一投足が媚びへつらっているのだとも言える。

ピーター > 「あー、なるほどね。」

そういう商売であれば納得がいく、と若干誤解をしつつも頷いた。
ピーターも王都に来てすぐの頃は孤児院や教会、知り合った女性宅に転がり込んで生活していたので、理解出来ないわけでも無い。

「ロス……マリアちゃんね、はいはい宜しく宜しくー。
 にしても春とはいえ夜はまだ冷える事もあるっしょ、寒くない?」

マリアの纏う独特な服装を指して訊ねる。
商売着かもしれないが、それでも呼び込みでもないのに着ているところを見ると普段着なのだろうと踏んで。
何故か逐一媚びる様な所作に違和感を覚えなくも無かったが、そういう商売なら、とまたしても納得。と同時、ムラムラとしてくるのも事実で。