2022/04/02 のログ
シアン・ファーガーソン > そうして簡単な採取依頼を受ければギルドを後にする。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からシアン・ファーガーソンさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にタマモさんが現れました。
タマモ > 王都マグメール、貧民地区。
そこに建てられた、建物の屋根から屋根へと跳び移る、そんな人影が一つ。
とん、とん、とん、と軽やかに移動する。
その人影の正体は、一人の少女。
…とは言っても、明らかに、人間ではない、それは一目で分かるものだろう。
まぁ、それを見る者が、居ればだが。
異国風の着物、狐を模した耳と、複数の尻尾、それだけで十分か。

「………ふむ、そろそろ、温かくなってきたのぅ。
とは言え、やはり、なかなかに、見掛けるものも、ないものか」

軽やかに移動をする、とは言っても、普通に出来るものではない。
何せ屋根から屋根の間は、結構な距離がある。
それを、勢いを付けたりせずに、こなしているのだ。
とん、足を一度止めての呟きは、息を乱していない事も示していた。
そのまま、ぐるりと周囲を見渡すも、ふむ、と軽く頷き腕を組む。

その呟きだけ聞けど、少女の目的は分からないだろうが。
いつもの通り、碌でもない事である事だけは、間違いないだろう。
こうして、散歩をしている理由が、大体、遊べそうな相手探し、なのだから。

タマモ > 「まぁ、そうは言っても…
動かねば、見付ける事さえ叶わぬもの、じゃからな」

その場で、もう一度、軽く見渡した後。
再び、その場から、とん、と蹴って宙を舞う。

より高い建物、より遠くを、より細かな通りを見渡せる、そんな建物の上へと着地。
高くなる程に、風を遮るものはなく、より強まる風に、長い髪を、九つの尻尾を靡かせる。

「おぉ、さすがに高いだけに、よぅ見える。
さてはて、何か見えるかのぅ…?」

赤味を帯びる、金色の瞳が、薄汚れた街並みを見詰める。
少し離れれば、平民地区、富裕地区と、もっとマシな街並みが見えるだろうが。
しかし、少女からしてみれば、こちらの方が好みなのだ。
軽く額に手を当てて、遠くを眺めるように。
じーっと、もう少しだけと、探り続けるのだった。

タマモ > ぴくん、ふと、そんな時、少女の耳が揺れる。
視線が、眼下に見える街並みから、すぐ横、建物の屋根のある場所に。

「………あー…そうか、仕方無い…」

誰かに何かを聞いたような、そんな反応。
はふん、軽く溜息を吐くと共に。
たんっ、と少し強めに屋根を蹴れば。
次の瞬間、その少女の姿は、その場から掻き消えていた。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からタマモさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にサキ・クハラさんが現れました。
サキ・クハラ > 街道を歩いていたが結局は早くたどり着きたいという欲に負け、偶々通りがかった早馬車を捕まえ王都まで。
ただその代金は予想よりも高く所持金の殆どを使い切ってしまう事に。
そのお陰で平民地区で宿を取る分すら残っていなく、仕方がないと治安は良くないが安宿があるという話しを聞き貧民地区へ。

そこの所持金で如何にか宿泊できる宿を見つければ部屋に戻る前に一杯。

「ふー、疲れてる時のエールは美味しい。
一杯だけなのが勿体ないけど…仕方ないよね」

カップに入るエールを半分ほど飲んで息を吐いて幸せそうにし。
一番安い硬い干し肉をさけのつまみに口にして頬をゆるめ。
一口目以外はちびちびとエールを口に運んでそれなりに賑やかな酒場内を眺める。

サキ・クハラ > 「明日になったら仕事、探さないとね」

今日はどうにかなったが明日の宿代がないので嫌でも仕事をするしかなく。
その上にその日に稼ぐ必要があるので出来る仕事も限られる。

「簡単に稼げるのはあるけど…それは嫌だし…新人の手伝いでも探してみようか。
それとも……斥候を募集してるパーティーでもあればいいけど」

直ぐに稼げる方法は浮かぶがそれは却下と首を振り、ギルドで依頼に悩む駆け出しでも探してみるか。
それとも定数の足りないパーティーを探すか、そのどちらかが確実かと経験上考え。
カップの中身が残り少なくなれば舐める様に飲み、明日の予定を考えて。

サキ・クハラ > そうして食事を終わらせると借りた部屋へと引き上げて。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からサキ・クハラさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区 裏通り」にエレイさんが現れました。
エレイ > 「──む……」

人気も無ければ灯りもない、月光だけが差し込む寂れた夜の裏通りを、一人のんびりと歩いていた金髪の男は、
脇道から己の前に音もなく躍り出てきた影にふと、足を止めた。

『──ミャーオ』

それは猫だった。暗がりの中でなお黒く、逆に目立つシルエット。
その中で目だけが金色に浮かび上がっていて。

「……なんだ黒ぬこか。よう、見事な黒さだと感心するがどこもおかしくはないな」

などと声をかけつつしゃがみこむと、黒猫は気安く寄ってきて男の突き出した膝に
スリスリと顔や身体を擦りつけて来る。

「……愛想をしたってやるモン特になにもないから無駄だぞ。ってゆーか目ヤニまみれの
汚いツラだなと呆れ顔になる。もうちょっと自分でキレイにすろ」

眉下げてフンス、と鼻を鳴らしつつ猫の顔を見やれば、目頭にこびりつく大きな
目ヤニが確認できて。片手で首根っこを抑えながら、もう片方の手を顔に添え、
親指でぺりぺりと目ヤニを剥がしてやってゆき。