2021/12/19 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区/宿屋」にレフェーリアさんが現れました。
■レフェーリア > 平民地区の中でも小奇麗な印象が漂っている二階建ての建物には、薄暗いながらも火が灯されている。
一階は小さく収まっているが酒場、二階は簡素なベッドのみが立ち並ぶ部屋が数室据え付けられた宿屋だった。
「…………」
夜中の開店時間を迎えて中に入ってみれば、そこには一人の女性が既に酒場の一角に収まっている。
ちびちびと安酒を傾けながらじっとたまに出入り口の方を向いているもので、傍らの席には箱を携えている。
『ああ、治療師やってるんだってよ。折角だから診て貰ったらどうだ?』
宿屋の主人に問い掛けたならば、そんな言葉が返って来る。
治療師としての診療代を引き換えに暫くの間の居候を任された。
「…………」
併せて、もしも満足な費用を主人に対して出せなかったならばどういった方法で払う事になるのか。
それとも、ありふれた治療や薬以外の金の稼ぎ方があるともしれない。
主人が時々睨み付ける様な視線をじっと向けて来るのを感じながら、静かにその場に佇み続けて。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区/宿屋」にハレスさんが現れました。
■ハレス > 「ああ、よく知ってるさ」
王都にはいろんな酒場がある。
大きくにぎやかなところもあればこじんまりとした静かに飲むところも。
ここは宿屋を兼ねた小さな酒場に過ぎないが、静かに飲むには良いところだし、こういった場所にしては質の良いものを出してくれる。
時折訪れていたその店の店主とはある程度顔なじみ…そしてその店の奥で独り酒を飲んでいる女性もまた同じく。
店主との軽い挨拶を済ませ、いつものやつを頼んだ後は既にお互いに認識しているだろうから声を掛けることもなく、傍の席に腰を掛けよう。
「…実入りの良い場所には思えないな」
彼女の口にしている安酒や、店主の態度から察するに稼ぎの良い状態ではないように思える。
最も、彼女の場合は特殊な事情ならぬ性癖が理由かもしれないが。
■レフェーリア > 『なんだ、知り合いかい?だったら特別な「サービス」もあるんだが……』
「…………」
寒さを紛らわせる為と言っても、色々と思う所があるのか安酒の中には潰した香草を入れて味を紛らわしている彼女。
そんな中で入り込んで来たよりも先に、馴染んだ気配のある空気に扉を開くよりも先に入口の方を向いて。
早々に隣に座り込んできた様子を見て、主人がにやにやと不穏に割りながら言葉を持ち掛ける。
『どうなってるかは知らないが、これだけの値段を包めば特別なお薬を処方してくれるんだとよ……』
「……そう言う事に、なってます、から……」
そんな言葉を投げ掛けながら、提示された金額は近場の娼婦よりも高額。宿代と加算しての値段であるのだろう。
併せて彼女もこれといって否定していない辺り、治療師だけでなく「サービス」を込みで承知しているのかもしれない。
■ハレス > 「おいおい、二人とも知り合いじゃなかったら物凄く怪しい持ちかけだぞ」
店主のいう特別なサービスやら提示された金額やらを見て、もし一見さんであったならば怪しすぎる美人局と思われてもしょうがない。
とはいえ、彼女が何かしらのサービスを提供してくれることについては興味深く。
「レフェーリアのことだから心配はしてないからな、買わせてもらう。
と言っても治療してもらうほどのもんはないから、そのサービスがメインになるんだろうが」
提供された酒を呷りながら特に悩むでもなく即決で買うことを決めて。
■レフェーリア > 『おっと、そりゃあ何よりだなぁ……奥の部屋だ。今後とも御贔屓に……』
「……は、はい…」
あっさりと此方の、宿屋の話を受け入れてしまった事に拍子抜けしながらも、提示した金額を貰った後は愛想笑いを浮かべながら二階の部屋へと案内するだろう。
グラスを傾けて中に残っている酒を一息に飲み干してしまってから、大人しく従って立ち上がる。
商売道具である箱を持ち歩くのではなく一旦主人に預けるのは逃亡防止の為か。
「……大体、半々ぐらい、です」
医者や治療師の類が足りていない貧民地区、治安の悪さを抜きにしてこの場に留まってくれる彼女の様な相手は引く手あまた。
そんな裏側もあるのだと小さくぽつりと呟きながら、万が一逃げ出さない様にと相手を先導して二階の部屋へと上がり込んでいって。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区/宿屋」からハレスさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区/宿屋」からレフェーリアさんが去りました。