2021/11/25 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にレフェーリアさんが現れました。
レフェーリア > 役員からの依頼によって、貧民地区の慰労に赴く事になった女性が一人。
伝染病等を先んじて防ぐ為、と言ってはいるが、恐らく上役から貰った金を幾らか抜いているだろうとは何となく分かっている。
彼女からしてもそんな依頼主に乗っ取って、目立つ家を回って人を診るのではなく、薬を配る程度で事を済ませられもしたが。

「……これで、暫くは大丈夫な筈です」

治療師としての慈愛によるものなのか、それともそれ以外の何かを秘めている様に、入り組んだ細路地にまで足を運び、
何かしらの疾病にかかっている者達を丁寧に治療しては、持参した薬を分配するのを繰り返した。
当然ながら報酬は受け取らない。何かを差し出されようともしたが、丁重に断りながらまた次の家へと尋ねる行為を繰り返していく。

「…………ふう」

施術を終えた後は明日には死人が増え、翌月には人知れず家族が纏めて野垂れ死にしている、といった可能性も減ったかもしれない。
所持していた薬を残らず配り終えた頃には夜中になっており、護衛も何も付けられていない彼女ただ一人が貧民地区に一人取り残される事になる。
汚職の隠蔽を手助けしたかもしれないが、それでも近辺の者達を少しは助けられただろうか。
仄かな疲れと満足感を抱きながら、後は帰路に着くばかり。

治安の悪さと真夜中に、少しばかりの危ない期待を抱きながら。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からレフェーリアさんが去りました。