2021/11/19 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にエレイさんが現れました。
■エレイ > ──ある日の夜。
男は人気の少ない夜道を、傍らにいる女性に肩を貸しながらえっちらおっちらと歩いていた。
傍らの女性はだいぶ酒に酔っているようで、殆ど男にぶら下がるようにしながら千鳥足でなんとか歩を進めている。
「……こう激しく酔っ払ってしまってはもつわけもない。とりあえずここに入って休もうず」
ちらりと女性を横目に見遣り、その酔い具合を見て苦笑を漏らす男。
度を越して飲みまくったのか、あるいは極端にアルコールに弱かったのか、それとも何か他の要因か──それはまあさておき。
男は安宿の前で一度足を止めると女性にそう提案し、返事を待たずにその中へと入り込んでいって。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からエレイさんが去りました。
ご案内:「貧民地区・小さな娼婦街区画」にシャルティアさんが現れました。
■シャルティア > 貧民地区――小さな娼婦街
もともとは悪質なマフィアが人身売買の女を文字通り売っていた区画だ
中には子供の男の子すらいたという
それがいつしか、平民地区あたりでも『安い割に安全な穴場』として口コミがうまれつつある娼婦街になっている。
おかげで娼婦たちの肌や体付きも良くなり、益々繁盛している好循環だ
さて―――そんな娼婦外の路地裏。人気もない暗い路地裏に、小さな少年がいる。
真っ白な貫頭衣は生地をみるだけでも上等そうで、髪もサラサラな、女の子と見間違いそうな男の子である。まだ幼いまなこを、じぃっと積まれた木箱に向けている。
木箱の上には、でっぷりと太った黒い野良猫。 少年に目もくれずどっしりとくつろいでいる
少年は、野良猫を触りたいらしく、そぉっ、っと足を近づける
「こわくないよー、にゃんにゃん。にゃんにゃーん」
だが、一定距離以内にはいると、ヴヴヴ……といううなり声。怒ってはいないが露骨にお触り拒否の態度である。
ぷぅー、と頬を膨らませて数歩下がる。うなり声が止んでから。ほっぺたを膨らませたまま
「ちぇー、けちんぼー。さわるぐらいいいじゃーん!」
■シャルティア > 「もー、こうやってご飯はあげてるのにー」
ポケットから小さな紙袋。新鮮な羊の生肉の細切れだ。
いつもの塊に気づいたのか、猫も瞳孔をまんまるにして、近寄っても唸ったりはしない。
少年は、木箱の上に「あい♪」と細切れ肉を置いてからすぐに離れる。ご飯の邪魔はしてはいけないのだ
野良猫の方はさも当然かのように、羊肉をかじっている。猫とは我儘ではあるが、少年は自分の持ってきた餌を頬張る猫を見るだけで満足のようだ
「えへへー、おいしい?」
ニコニコと、何がそんなに嬉しいのかというような笑顔。野良猫は一瞬視線を少年に向けるが、羊肉の方が優先である。
あっという間に平らげると。満足そうに口元を舐めて、丸まってしまう
ご案内:「貧民地区・小さな娼婦街区画」からシャルティアさんが去りました。