2021/07/17 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にプリシアさんが現れました。
プリシア > 王都マグメールの貧民地区。
正しくは貧民地区と平民地区との境の近くか。
混雑している程では無いものの、疎らである程でも無い何処かの通り。
緩やかなウェーブの掛かった背中迄届く漆黒の髪に、フワフワヒラヒラとした髪に合わせた黒を主張するゴスロリドレス姿。
明らかに場違いな小さな少女の姿が在った。
そんな彼女が此の様な場所にやって来ている理由は目の前をゆっくりとした足取りで歩く一匹の犬だろう。
仔犬なのか、其れで成犬なのかは解らない。
兎も角小柄で可愛らしい犬である。

買い物目的で平民地区に来ていたのが少しばかり前の話。
道の端で見掛けた其の犬に興味を惹かれ、フラフラと後を付いて行っていた。
其の犬が足を止めれば同じ様に足を止めて。
再び歩き出せば、矢張り同じ様に歩き出す。
其の様子を見れば誰しもが其の理由に行き着く事だろう。

触りたい、撫でたい、抱き締めたい。
そんな思いを馳せているのも、興味津々にパタパタ揺れている身体に合わせ小さい翼や尻尾に現れている。
そうしていれば、其の犬は歩みの方向を変えて狭い路地へと向かい始めた。
当然の様に釣られて其方へと向かいそうに為る訳だが。
其れが只眺められているものなのか、誰かが止めに入るのか。
其れとも其れ以外と為るのかは今はまだ解らない。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にジギタリスさんが現れました。
ジギタリス > 「そこな少女」
狭い路地に入ろうとする少女を呼びかけたのは、同じく黒を基調にしているが【もっと場違い】な姿をした女だった。
女は疎らに人通りのある場所で腕を組んで仁王立ちしている。少ない人通りもあっという間に注目を集めそうな
奇妙な格好をしているのに、もしも少女が見るのであればこの女を見ているのは少女だけだという事が
分かるかもしれない。他の者達は女を目線にも入れず素通りしている

「明らかにココの物ではないとお見受けした。チョー可愛い恰好で何でこんな激烈ボロい路地裏を
覗き込んでいるのかを私に教えておくれ」

最初硬そうな口調かと思うと、あまり変化の無い表情筋をさせながら剽軽な口調で
少女が路地裏に入る前に話しかけた。

プリシア > 其の声にピコンッと尻尾が揺れる。
少女というのが自分なのかは分からないけれども、自分も其の呼び掛けに当て嵌まるのは解るからだ。

声の主を探して声のした方に眼を向ければ、其の相手は直ぐに見付かるだろう。
周りに同じ様な少女と指される様な人が居ないのもあるし、何より視線が此方を向いている。
自分と同じ様に、然し違う意味で場違いな姿をしている女性。
コクンと小さく首を傾げるも、其れは何か用事が在るのか気に為る素振りであり。
彼女の姿に対しての疑問を表すものでは無いのだが、其れを如何受け取るのかは相手次第とも。

「えっとね、難しいの、よく解らないんだけどね。
あそこ、あそこにね、可愛いわんちゃん、居るの。
おねーちゃん、わかる?あの子」

次いで何かを問う様な言葉に、其の全てを聞き取り理解は出来なかった訳だけれども。
取り敢えずは何をしているのか聞いているのは解って。
だからニコッと人懐こい何時もの笑顔を彼女へと向ければ、そう現状説明をし乍犬の居る路地の奥を指差すのだ。

ジギタリス > 「なにっ、わんちゃんだと」
「ちょっとお姉ちゃんに見せてごらんなさい。」
女は堂々としながらも、器用に少女を驚かせないような立ち回りをしつつあっという間にそばに寄った。
少女が裏路地を再びのぞき込むのであれば、後ろに付き従うようにして首を伸ばして路地を覗き込む
女も少女が見るちまっこい犬を見つけるかもしれない。

「あのワンコか、可愛いね」
女の距離感は大分近く、上から少女の後ろで同じ体制をさせて覗き込む。女の手は少女の頭に置かれており
ポテポテと優しく撫でながら一緒になって見ている。

「あの可愛いワンコをお嬢さんはどうするんだい?飼うのかい?」
女は本当に肌の露出が多い。後ろに至っては真ん中にテラテラ光るひも状の衣服が縦に走っているだけで
殆ど丸裸の肌を晒していた。恰好はともかく全く敵意の見られない態度で
二人小さな犬を眺めている。

プリシア > 「おねーちゃんも、わんちゃん、好きなの?
あ、うん、あそこだよ?」

彼女の格好に対しては、屹度暑いから薄着しているんだろうな、程度の考え方。
其れが度を越えている事に何ら疑問も抱いていない。
だからか怪しいとも何とも思ってないし、其の犬に興味を持つ様子に共感を抱いていたりもするのだ。

「うん、可愛いわんちゃんなの。
えっとね、誰かのわんちゃんかもしれないし、プリシアのお家、もうわんちゃんいるから、いいの」

可愛いね、には言葉で返し頷いてもみせて。
頭を撫でられれば気持ち良さそうに大人しく撫でられ乍、犬の方に眼を向けている。
如何するのか、にはちょっと残念そうな顔をしてからそう答えるのだ。

ジギタリス > 「嫌いではないぞ、可愛ければちょっと気になったりする」
少女は悪い感情は持っていないようだったので、こんな淫猥な格好で外をうろついているとは思えないぐらい
悪意の無い手つきで優しく頭を撫で続けている。恰好や表情の薄さに反して女は親しみやすい態度で
懸命に話す少女に対して、少女と同じように犬に目を向けながらも真剣にゆっくりと言葉を聞いてあげている

「ちっさくても案外強い奴なのかもしれないな、こんなめっちゃボロい通りを歩けてるんだから」
「そしてお嬢さんはプリシアって言うんだな。私はジギタリスだ、自己紹介が遅れてしまった」


路地裏の小さな犬が見えなくなるまで二人で犬の可愛らしい挙動を遠目から堪能している。

「…プリちゃは竜なのかい?」
というのも、目線にふと竜の特徴が身体のあちこちに見えたからだった。ただ飾りとして付けている可能性もあったが
興味が出れば女はすぐその旨を口に出した。

プリシア > 「えっと、えっと、嫌いじゃないなら、やっぱり好き?
可愛いから、プリシアも、とっても気になるの」

嫌いじゃないから好き、中間を考えてないとても単純な考え方が伺える言葉で答え。
可愛いのが気に為ると伝える彼女に、同意を示す様に元気に頷いて返してみせた。
頭を撫でる優しい彼女の手付きに、少しずつ自分からも頭を摺り寄せ乍。

「……あれ?本当だ、ちょっとボロボロなところだね。
プリシア、ずっとわんちゃん見てたから、全然気が付かなかったの。

うんっ、プリシアは、プリシアなの。
えっと、おねーちゃんは、ジギタリスおねーちゃん。
ちゃんと、覚えたよ?」

貧民地区に居る、其の事実を今正に知った様な反応を彼女に見せる。
実際に気付いたのが今なのだから仕方が無いのだけれども。
そして犬から彼女へと向ける眼に、気が付けば犬は路地の奥へと姿を消していた。
触れなくって残念、と思い乍も又今度会った時には撫でてみようかな、なんて思っているのだった。
そして彼女の自己紹介には確りと頷いて返し、身振りを加えて其れを彼女へと伝えて。

「うん、プリシア、ドラゴンなの。
あ、でもねでもね、怖くないよ?
学院のみんなともね、お友達なんだよ?」

彼女の質問には素直に答え、其れに続ける様にそんな言葉を彼女へと伝える。
ドラゴンは怖い存在、今だ一部の人達はそんな仕草や態度を見せるから、必死に身振り手振りを交え説明をするのだ。
其の動きに合わせ、小さな翼や尻尾も揺れたり跳ねたりしているのも見える。
尤も、其の説明は拙いものなので確りと伝わるかは解らないが。

ジギタリス > 「まさかの今なのである」
貧民地区であると気付いた少女。まさかその段階から気付いてないとは思わなかったと
一本取られた、と自分の頭をポンと叩いてみせる。

「飾りでなく本当にドラゴンだったのかー」

摺り寄せてくれるので、普通に慈愛を持って少女をふんわりと包み込み、抱きしめると
また優しく少女を撫でていた。表情は薄いが女も母性のある微笑を少女に向けていた。
柔らかく少女の身体を包み込んでいるので、女の大きな乳房が少女に当たる。

「心配するな、お姉ちゃんの故郷はドラゴンが空を守っていたんだぞ。ご近所さんみたいなものだ」
「しかもプリちゃは学校にも通っているからとてもおりこうさんだ、仲良くしたくなるぞ」

ムチムチと乳房を充ててはいるが、邪さは無く少女に好意的な感情を向け可愛がっていた。
そうした人目を付く光景であっても通りを歩く者達は女と少女を見ない。

プリシア > 「うん、それでね、ジギタリスおねーちゃん。
ここってプリシア、知らないところだから、後で帰りの道、教えて欲しいの」

貧民地区、此の場所へと足を踏み入れる事が今迄無かったから土地勘が全く無い。
彼女で在れば大人だから屹度解ってるだろうなと思い、そう御願いするのだった。

「ほんとのほんとに、ドラゴンだよ?」

コクコクと何度も首を縦に振り乍、抱き締められれば抗う事も無く素直に抱き付いて。
柔らかく当たる彼女の乳房には気にする様子も無く顔を埋める。
何か思うにしても、大きなお胸、程度のものだろう。

「プリシアのお店にもね、ドラゴン、いっぱいいるの。
ジギタリスおねーちゃんのところにも、いっぱいいるんだね?

うぅん…頑張ってるんだけどね、みんな凄いから、プリシア、なかなか追い付けないの。
それでもね、あのね、ジギタリスおねーちゃんとも、なかよくしたいよ?」

ギュッと確り抱き付く此方にも当然邪な気持ちは無い純粋なもので。
そんな二人なのに注目も無い事に関しては、あんまり気にしていない。
そうした注目とか、あんまり気にする様な事が無いのも在るからだ。

ジギタリス > 「任せなさい、方向感覚は良い方だ。」

乳房が当たっても、普通の少女の反応なので。女も其れに応えて優しいままに可愛がってあげている。
純粋な気持ちで抱き着いてくれると久々の感覚であり、女は普通に【お姉さん】として
愛情持って少女を抱き返し、包み込んだ。

「そうだ、私達と同じぐらいいたぞ。皆で自分の仕事をしてお互い助けながら暮らしていた。」
「追いつく必要なんて無いぞ。プリちゃだけのおりこうさんがあるから、それを頑張ればいいんだ」
「多分その内分かるから、お姉ちゃんはプリちゃと仲良くするぞっ」
「だからお姉ちゃんとも仲良くしてねっ♡」

クシクシと優しく少女の頭を撫でた後、挨拶の意味を持ったキスを少女の頬に落とした。

「家はお店をしているのかっ。何かを売っているの?」

プリシア > 「うん、ありがとうなの」

頼れるお姉さん、其の認識を抱けば。
案内を引き受ける彼女に満面の笑みで答えて。
抱き締める彼女が自分から手を離す迄、此方も抱き付いているのだった。

「行っても大丈夫だよってなったら、其の内、ジギタリスおねーちゃんのところ、行ってみたいね。

うん、みんなも、云ってくれてるの。
それでもね、いつかは、そうなりたいなって、思うの。
だから、いっぱい、頑張るよ?

ありがとう、ジギタリスおねーちゃん。
プリシアもね、なかよくしたいの。
だから、同じだね?」

手が離れれば、改めて上目使いに彼女を見上げるのだけれども。
再び撫でられる頭に近付く顔、そして頬にキスが落とされればちょっと擽ったそうに首を竦める。
其の表情はとても嬉しそうな笑顔を浮かべていた。

「えっとね、いろんなの、いっぱい?
トゥルネソル、って云えばわかってくれるよって、云われてるの」

トゥルネソル商会、此の王都でも云わずとしれた存在だ。
然しお店には何度か行った事はあるものの、自分が寄らない様な売り場も在る為にそんな答えに為ってしまう。
自分から其れをひけらかしたりはしないが、聞かれたら素直に答えてしまうのは性格か。

ジギタリス > 「いいってことよ。プリちゃは竜だから私の故郷もしばらく私から離れなければ危なくないぞ」

女の故郷、眼球渓谷は魔族の国の領土だが。戒律は確りしており竜の者であれば問題ない。
ただ偉く遠いので、何時かは…といった具合だった。

「同じかーっ、じゃぁもう私とプリちゃは友達だなっ。一緒に犬を眺めたしっ」
キスの挨拶に純粋に喜んでくれる少女を両手で頬を包んでスリスリと撫でた。
そして少女の口から出た名称。保護者の配慮通り、女はすぐにその場所が思い浮かんだ。

「結構大きい商会がお家なんだなー、私リンゴ酒買いに行ったことある」
この姿ではなく幻影で変装した姿だが何度か日用品を買いに行ってるので分かる。
まさかそこの子だったとは、王国も案外狭い物だと、しみじみ感じながら
少女にはそんな思考も知る必要はないので穏やかに可愛がっていた。

プリシア > 「その時は、よろしくね?ジギタリスおねーちゃん」

まさか国境を越えた向こうとは思っておらず。
其の時が何時来るかは難しい処ではあるが、そんな約束を交わすのだった。

「んっ…うん、プリシアと、ジギタリスおねーちゃん、お友達、なの。
また、可愛いわんちゃん見付けたら、一緒に見ようね?」

キスの後に頬を包み撫でられたり。
擽ったそうにはし続けているも、其の手から逃れる様な素振りはせずに。
嬉しそうに、楽しそうに、彼女を見詰めているのだ。

「あ、うん、おっきなお店だよ?
そうなんだ?プリシア、いつもはいないけど。
おかいあげ、ありがとうございまいたっ」

矢張り其れで通用するお店に頷き答え乍。
買い物に行った事があるとの言葉を聞けば、お店の店員を装っている様子でペコンと頭を下げてそう伝える。
勿論、彼女の其の考えが解る訳も無いのだけれども。

ジギタリス > 「その時も、任せなさいっ」
ポンポンと自分の乳房を軽く叩きながら嬉しそうにする少女を撫でる手を少し話すと
グローブに包まれた手で少女の手をふんわりと握る。

「そうしようそうしよう、あんまり昼間が暑かったら私の家に来ても良いぞ。お茶とか出せるぞ」
富裕地区に家を持ってるのでコレは故郷よりは格段に近い。

「こちらこそ、リンゴ酒をお売り頂きありがとうさんでしたっ」
頭を下げる少女にカックリと上半身ごと下げてお辞儀を返すと、何かお互いの動きがおかしくて
思わず肩を弾ませて一つ笑ってしまった。

「トゥルネソルなら分かるぞ。そこまで送っていく感じで良いかな?」
フニッフニと少女の手を握りながら、僅かに首を傾げ少女に問いかけた
少女の望むところまで貧民地区を出るように導いていくはずである

プリシア > 撫でる手が下がり、手を握られれば自分からも両手を包む様に添えて握り返す。

「それじゃあね、プリシアも、ジギタリスおねーちゃん、ご招待するの」

お家へと誘ってくれる彼女へと、此方からも御誘いしてみせるのだが。
いざ行ってみると案外同じ富裕地区、近いかもしれないが、其れは行ってみて解る事だろう。

「えっと…またのごらいてん、おまちしております?」

此方の挨拶に答えてくれる彼女へとそう締め括るも、言葉が難しいのか少しだけ疑問系。
其れでも、そんな遣り取りが楽しいのか此方もクスクスと小さく笑ってみせるのだ。

「うん、それじゃあ、お願いしますなの」

そろそろ空を見上げれば良い感じに太陽は真上に昇っている。
手を握り乍の彼女の問い掛けに答えれば、手は握った侭に其の横に付くのだった。
真っ直ぐに送るにしても、寄り道をするにしても、彼女に素直に付いて行く事だろう。

ジギタリス > 「任せるがいいさ」
女はちゃんと、離れないように。少女と共に貧民地区を出る。
時折、女の故郷の事、少女の事を話したり、女の故郷には竜にしか食べる事が出来ない物があり
それがどんな物なのかと、良ければ今度それを渡そうという話など、他には他愛もない事を話し
道で気になる物があれば少しだけ見て足を停めたり、散歩の様相で少女を家まで送り届けた。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からジギタリスさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からプリシアさんが去りました。