2021/03/29 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にゲーゲン・アングリフさんが現れました。
■ゲーゲン・アングリフ > 「……」
貧民地区、通りから外れたあまり人通りのない細道。
そこにある一軒の酒場兼冒険者の宿にて。
中年の男が、一人でグラスを磨いていた。
「……どうやら、今日も一日。
静かな営業になりそうですねぇ」
店内に客の姿はなく、男は、そうつぶやき。店内の清掃に励む。
もともと立地のよくない店である。
閑古鳥が鳴くのも、珍しくはないのではあるが。
「……」
それも長く続けば、よろしくない状況なので。
男は、少し困ったような表情で、外を見る。
通行人の数はまばらであり。やはり、客が入るのは期待できそうにはなかった。
「……辛抱辛抱」
はぁぁぁぁぁ、と。重いため息を吐きながら。
男は店内をピカピカに磨き上げ、カウンター内へと戻った。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にソラムさんが現れました。
■ソラム > 人通りがあまりない道を歩いているとふと足を止め、酒場に視線を向けているのは群青色のロングコートを羽織った少女。
白銀の髪を肩ぐらいまでのばしているが、その少女の額の右側には3本の黒いツノが縦に並んで生え、下から徐々に大きくなって生えているツノを見れば、彼女が人ではなことが丸わかりだろうか。
「.....入っておこう、かな」
そう呟くと、その店のドアを開け、カウンター席に座ると、店内を見回す。
店内には眼の前にいる店員と自分のみ、少し暇になりそうだなと思いつつ少女は赤い瞳で男性に視線を合わせ、
「お、お水...もらえますか?」
おずおずとそう頼むだろうか。
■ゲーゲン・アングリフ > 客がこないのなら、と。
男はそろそろ店を閉めようかとするのだが。
ちょうどその時、店内に人が入ってくれば。
「ん……いらっしゃいませ」
男はその客へと視線向け、声をかける。
入ってきた相手の姿をしっかりと見つつも。
男は、相手の注文に笑顔になるが。
「かしこまりました。
他には、いかがいたしますか?」
水だけ、ということにも男は表情崩さず。
よく冷えた水の入ったグラスを差し出し、次の注文を聞く。
もちろん、何か注文しろ、という圧をかけるわけではなく。
あくまでも、他に何かほしいものはないですか? という。
そういう意図での質問だ。
■ソラム > 「ありがと、ございます」
受け取りつつも他になにかないかと聞かれると、
「あとは...今は、ないです」
そう答えると水を喉に少し流し喉を潤すと、懐から黒いファイルを取り出しページをめくり始める。
ページに目を通しつつ、時折男に視線を向けるだろうか。
「(....喋りにくい.....)」
気まずい雰囲気の中、ふとそう思った少女は体の位置を変え、椅子を座り直すと、ファイルの中に何かを書き、ファイルを閉じると再び水を飲むと、口からため息が漏れるだろうか。
■ゲーゲン・アングリフ > 「いえいえ」
相手からの感謝の言葉に、男は笑顔を見せたまま。
追加の注文がないことを聞けば。
「かしこまりました。
何かあったら、お気軽に声をおかけください」
とだけ言い、カウンター内でグラスを拭き始める。
相手からの視線を感じつつも、目線を合わせることはせず。
しかし、相手がため息を漏らしたのを聞けば。
「……ふむ」
一度、男は小さく声を出し。
そのまま、カウンター内で、なんらかの料理を始める。
そうして、手早くスクランブルエッグを作ると。
皿の上にパンとスクランブルエッグを盛り付け。
相手の前に差し出し。
「自分の食事用に作ったのですが。
余ってしまったので、どうぞ。
もちろん、お代はいただきませんので」
と言い、ウインクをしてみせる。
■ソラム > 「ぁ、どうも」
そう言うと持っていたファイルをカウンターに置き、パンにスクランブルエッグを挟み興味津々に観察してから少しだけパンを齧り、咀嚼する。
「ん、美味しい」
あまりの美味しさに驚くと、目をキラキラとさせてガブガブと齧り始めるだろうか。
■ゲーゲン・アングリフ > 相手のお礼の言葉を聞き、男は小さくうなずく。
そのまま、男も残っていたスクランブルエッグを食べるが。
「それはよかった」
相手の、美味しい、という言葉に男は満足そうにうなずく。
そうして、賄いを食べ終えれば。
男は静かにグラスを拭く作業に戻る。
そのまま、静かな店の静かな夜は更けていき……。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からゲーゲン・アングリフさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からソラムさんが去りました。