2021/02/09 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にエレイさんが現れました。
■エレイ > ──ある日の夜。
男は人気の少ない夜道を、傍らにいる女性に肩を貸しながらえっちらおっちらと歩いていた。
傍らの女性はだいぶ酒に酔っているようで、殆ど男にぶら下がるようにしながら千鳥足でなんとか歩を進めている。
「……こう激しく酔っ払ってしまってはもつわけもない。とりあえずここに入って休もうず」
ちらりと女性を横目に見遣り、その酔い具合を見て苦笑を漏らす男。
度を越して飲みまくったのか、あるいは極端にアルコールに弱かったのか、それとも何か他の要因か──それはまあさておき。
男は安宿の前で一度足を止めると女性にそう提案し、返事を待たずにその中へと入り込んでいって。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からエレイさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にリュシーさんが現れました。
■リュシー > ふぅ―――――む、……あー、やっぱ失敗したかなぁ……。
(―――その店を出て、1ブロックも歩かないうち、気がついてしまった。
なるほど、バカな人間というものは―――己は厳密に言うならば、もう人間ではないけれど―――
とにかくバカというものは、何度も同じあやまちを繰り返し、しかも成長しないらしい。
懐へおさめた、稼いだばかりの銀貨をドレスの上から握り込みつつ、
ちら、と肩越しに背後を振り返り、ため息ひとつ。)
うー、ん……まぁ、返せって言うなら返しても……、
問題は、返せば気が済むタイプかどうか、ってとこだよなぁ……。
(昔々から幾度か痛い目に遭っている、ちっとも活かされていない教訓のひとつ。
アヤシイ賭場で、ぼろ儲けしてはいけません。
―――たぶん取り返そうと尾行しているのだろうけれど、ゴメンナサイ返します、
じゃあね、で済ませてくれるものかはわからない。
わからないので、とりあえず、一定のリズムを保ち歩き続けているのだが。
いざとなったら、どこかの物陰に飛びこんで―――まぁ、やり過ごしようはある、けれども。)
■リュシー > うん、……うーん………久しぶりだからなぁ、ちょっと……、
(少し歩調を速めて、それから速度を落として。
年格好の物珍しさから、にしては、やはりしつこく尾けてくる、と判断した。
―――――となれば、面倒ごとを避ける手段はひとつ。
かつ、と硬い土を蹴って駆け出し、手近な曲がり角に飛び込む。
その先が袋小路でも構わない、むしろ尾けてくる側が少し油断して、
ゆっくり追い詰めようと考えてくれれば、しめたものだ。
わずかに稼いだその間に、物陰に身を紛れ込ませ―――――
一拍後には、もう、そこには誰の姿もなくなっていた。
まんまと銀貨をせしめた小娘はもちろん、その服の切れ端すら―――――。)
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からリュシーさんが去りました。