2021/01/13 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にエレイさんが現れました。
エレイ > ──ある日の夜。
男は人気の少ない夜道を、傍らにいる女性に肩を貸しながらえっちらおっちらと歩いていた。
傍らの女性はだいぶ酒に酔っているようで、殆ど男にぶら下がるようにしながら千鳥足でなんとか歩を進めている。

「……こう激しく酔っ払ってしまってはもつわけもない。とりあえずここに入って休もうず」

ちらりと女性を横目に見遣り、その酔い具合を見て苦笑を漏らす男。
度を越して飲みまくったのか、あるいは極端にアルコールに弱かったのか、それとも何か他の要因か──それはまあさておき。
男は安宿の前で一度足を止めると女性にそう提案し、返事を待たずにその中へと入り込んでいって。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からエレイさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にヴァレリー=D=ツインテイルさんが現れました。
ヴァレリー=D=ツインテイル > 「……う~~~、ん?」

昼下がり。貧民地区。商店立ち並ぶ通り。
場違いに目立つドレスを着た金髪女は。
商店の軒先の商品を見ては、首をかしげている。

「……いくらなんでも。商品の質にバラつきがありすぎじゃありませんこと?
 これじゃあ、安定した性能なんて期待できませんわよ」

ぼそぼそ、と文句を言いつつ。首を傾げては商品を見て。
そして、また次の商品を見る前に首を傾げる女。
どうやら、買い物に来たようではあるが。
その貧民地区特有の商品の質について。
どうにも納得できていない様子。

ヴァレリー=D=ツインテイル > 「……これなら、別の地区を見たほうがいいかもしれませんわね」

女はそう言うと、通りを後にする。
移動中も、気になるものがあれば立ち止まり、見るのだが。
どうにも、女は満足は出来なかったようだ……。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からヴァレリー=D=ツインテイルさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区の安酒場」にティエラさんが現れました。
ティエラ > 貧民地区にある、安酒場。そこは、お酒を薄めて安く売りだす酒場で、品質などは気にせず、ただ酔いたい金の無い冒険者や荒くれ者が集まる場所。
そもそもの話、貧民地区にあるという時点で、金があるかどうかでいえば無いのだろう、だから、此処に来る。
そういう場所故に、治安は良いとは言えないその場所、そんな場所で薄着で踊りを踊る女が一人。
酒場の主に話を付けて、店の中全体をステージにして、己の肌を見せつけるように、腰をくねらせて、腕を伸ばして男を誘うように近づいて、手が伸びる前にしゅるり、と滑らかに避けていく。
男達も、その肢体を目に焼き付けて楽しみたいのか、普段よりもこの酒場は盛況であった。
リズミカルに足を踏み、アンクレットを、ブレスレットをシャン、シャンと鳴らして女は、踊る。
くるり、くるり、とターンを決めれば、玉の汗が少し飛んで、きらめいて落ちていく。
真冬の安酒場は暖炉は有るがそれが店全体を温められるかと言えば否である。
然して、女は、踊っているから褐色の肌はほんのりと上気し、柄も言えぬ色艶を見せつける。
フェイスヴェールをしているから、口元は見えないだろうが、それがミステリアスを醸し出そう。

安酒場は、今宵も下品な野次と歓声が、飛び交っている。

ティエラ > 酒を飲み、赤ら顔の男がもっと腰を触れ、と言う。フェイスヴェールの下で女は笑い、その男に見せつけるように腰を振る。
ある男は、もっと胸を揺らせ、と言う。それならば、女は大きく上半身を揺らして見せる。
とある男に流し目を贈り、そっと腕を伸ばして近寄って、振れるかどうかの所でなでるようにして、避けていく。
甘い匂いが周囲にふわりと広がる、それは、女が身に纏う香水の匂い、酒場の酒の匂いや、たばこの匂いとはまた違う物。
それらを駆使して、女は、踊り、男達を誘い、逃げていく。
その度に、楽しそうに女は笑い、男たちは欲望の籠った瞳で女を見やる。
触れようとしても、触れられぬ、偶に慮外物が、立ち上がり、追っかけて来よう者ならば。
他の酔客が止めに入る。我先にと喧嘩が巻き起こる、其処から逃げればそれでおしまい。

今は未だ、そのようなことが無い。前に一度起きたときは、そのまま店を去ったので、酔客たちも理解しているのだろう。
因みに、お金に関しては―――後日マスターからもらう事になるので、其れの心配はしていない。
今は唯々、全力で踊りを楽しみ、彼らに見せつければ、良いのだ。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区の安酒場」にイザベラさんが現れました。
イザベラ > 腰をくねらせるたび、胸を揺らすたび。
饐えたような、それでいて仄暗い欲望の籠った視線がねめつけるように浴びせられる。
この場には似つかわしくない、女神の舞踏をもって興奮のるつぼと化す場末の酒場であったが。
これは神々の饗宴ではないのだから無限に続くなどということはありえぬこと。

あなたが契約報酬分の時間、その体を晒して踊り終え、
もっと踊れだとか、抱かせろアバズレだとかの野卑な声を背に、ステージを降りた時の事だった。
普段なら、革袋に入った報酬を渡してそれで終わりの酒場のマスターが、あなたに耳打ちをしたのだ。

曰く――『大口の顧客』とつながりを持てそうだ、と。

おそらくはマグメール貴族のだれか、次いで港湾都市ダイラスあたりの成り上がり商人か。
大穴でシェンヤンの公主あたりというメもあるが――。

あなたさえよければ、ぜひ取り次ぎたいとマスターはいう。
こんな安酒場の亭主に恩を売っても意味はないだろうが、
貴族とのコネというのは多くあって困ることではないし、報酬も高いだろう。
しかしながら、貴族というのは要求されるものも多いしなにより気難しく平民を見下すものばかりだ。

どうするべきだろうか?マスターは最終的に判断はあなたに任せるといって、
もし、受けるつもりならば、報酬と一緒に入った『羊皮紙』にかかれた場所に行けといって
興奮冷めやらず、殴り合いを始めた客たちを止めに入りに行った。

ティエラ > 「――――ふぅ、ん?」

踊り終わった頃、マスターからかかる耳打ちの声、その声に従い葡萄の色の瞳を向けてみれば、果たしてそこに有るのは一人の用紙。
この場所には似つかわしくない誘い方だ、しかし、考えてみれば、普通の女性が此処に来れば、此処の酔客に襲われる。
そういう場所なのだ、この―――貧民地区と言う場所は。
女が踊り子として居られるのは、そう言った酔客に対応できる能力があるから。
やんごとない人間からすれば、此処に来るのすら汚らわしいと公言し止まない場所でもある。

だからこそ、判らない。
こんな場末の酒場で踊りを踊るような女を誘う貴族が居るのだろうか。
貴族は騙るだけで罪になるというのは誰もが判って居る事のはずだ。
首を傾げつつ、それでも好奇心はそれなりに在る。

「物珍しいと言うのは。」

相手がそう思うのであれば、逆もまた真なり。
こんな場末の踊り子を誘う、物好きを見てみましょうか。
女はそう思い、マスターに受けるわと伝える。
今回の報酬の革袋と、道案内の記された紙を渡されて、女は、酒場を後にする。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区の安酒場」からイザベラさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区の安酒場」からティエラさんが去りました。