2020/12/22 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にブレイドさんが現れました。
■ブレイド > 路地裏をすこしすすんだところにある、寂れた感じの酒場。
この街に来た頃から通っている。
店は狭く、客もまばら。外は寒いし酒が飲みたいやつは表の
少し賑やかな酒場に行く。
こんなところに来るやつは稀だ。
寡黙な店主がカウンターの奥で食器を拭いている。
自分はといえば、果実酒の注がれたグラスを傾けつつ、チョコレートを口に放り込んでいた。
「今日も雪かねぇ……」
■ブレイド > 窓はあいていないため、肌や目では外の様子はわからない。
だが、耳。
普段から静かな路地裏だが、更に静けさを増す。
空気が重さを増し、音が封じられるような…妙な圧。
雪が降ってきたのだろう。
「(帰りがめんどくせぇな…)」
などと思いつつも、果実酒のおかわりを注文した。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にソラムさんが現れました。
■ソラム > 突然の雪に目をぱちくりさせつつ近くにあった扉をくぐる。賑やかな酒場のカウンターの一席に腰をかける。
「........ジンジャーエール。無かったら...烏龍茶」
店主に小さめの声でそう言うと少しだけ自分の手を見る。
その手には何があったのか、若干血が滲んでいた。
事情を知っている彼女はポケットに入っていたハンカチでゴシゴシと拭きながら体についた水はないかとチラリと背中を見る。
■ブレイド > 静けさの濃くなった冬の酒場。
扉が開けば、その音と吹き込んでくる冷気に控えめにそちらを見る。
入ってきたのは銀髪の少女。
歳若く見えるが、その風体は、おそらくは冒険者であろうことが伺える。
市井のもので無意味に武器を腰から下げているものなどいないだろうし。
まぁ、寂れた店であろうが酒場である以上
客が入ってくることもある。
変に注目するのもやめて、再び前に向き直り、グラスに口をつけて。
「…(外はやっぱさみぃみたいだな…)」
などと、先程吹き込んだ冷気を思い出す。
■ソラム > 「.......ありがとう」
店主からジンジャーエールの入ったグラスを受け取り、コースターの上に置く。
手にそっと魔力を込めると手は簡単に暖まり、冷えた感覚を取り戻した。
「......やっぱり、冷たい」
ジンジャーエールを少しだけ啜りそう漏らすと、付け合せで貰ったドライフルーツを数個口に入れ、チラリと男性を見る。
先程視線を向けてきた男性はローブみたいなモノを着ているため表情は見えない。だが、男性の体から微弱ながら漏れ出る高い濃度の魔力を感じ取ると少しだけ首を傾げると前を向いて再びジンジャーエールに口をつける。
■ブレイド > なにか視線…というか、見られている気配を感じれば
顔をあげて、再び少女の方を向く。
少女の方を見れば、こちらをみていたのはわかる。
すぐに視線を外したようではあるが…いったいなんなのか。
店の扉が開けば注目するのは自然ではあるだろうが…少女がこちらをみた理由は思い当たらない。
少女の方をみたのがよほど気に入らなかったのだろうか?
「なんかようか?」
気になったので声をかけてみる。
勘違いであれば、むこうも軽く受け流すだろう。
■ソラム > 「.......高いね、魔力」
男性に声をかけられ、今度は視線を向けずに一言、そう言う。
彼からしてみれば隠し切れているようだが、彼女は無駄に神経を張り巡らせてしまう癖があった。
行ったことのない場所は危険地帯と言わんばかりの極論だが、その神経網が男性の微弱に漏れる魔力を感じ取ったのだった。
■ブレイド > 「……気のせいだろ」
一瞬、目を丸くした。
目深にかぶったフードに、薄暗い店内。
自分がミレーだということはバレてばいないだろう。
だが、魔力を感知されるとは流石に思ってもいなかった。
魔力から種族までは特定はできていないようだが…。
ごまかすように一言。
流石に、魔術師ですなどと言ってもすぐに足がついてしまうだろうし。
■ソラム > 「........そう、てっきり一昔前まで来ていた......なんだっけ。ミ……ミ……わからない」
彼女はそこで口を止めるとムムムと考え始める。名前が思い出せないようでブツブツと呟き続け、最終的には諦めた。ミまではわかるがそれ以降はわからない。そんな状態であった。
■ブレイド > 一昔前?妙なことを言う。
彼女が言っているのはおそらくはミレーのことだろうが…
種族として国に疎まれてはいるものの
その名を忘れている…というのも妙な話。
「あんた、他所の国から来たのか?」
そういえば、服装もよくよく見れば変わっている。
■ソラム > 「......九頭竜山脈、だけど」
ポツリとそう答える。
実際彼女の家ならぬ住処はその九頭竜山脈の奥地にある洞窟なのだから、そう言わざるを得ないだろう。
■ブレイド > 九頭竜山脈。
ミレーの隠れ里が多く点在する場所だ。
かく言う自分も、数年前に九頭竜山脈の隠れ里から王都にやってきたのだ。
…よほど閉鎖的なところから来たのだろうか?
「へぇ…山のほうか。オレも山の集落のうまれだけどな。
そんな服見るのは初めてだな」
少し訝しむように。
別に彼女に対して敵対的になっているわけではない。
魔力を感じ取ったことといい、ミレーを知らないことといい、少し奇妙だと思ったのだ。
■ソラム > 「.......これ?置いていったモノを、拝借してる、の」
群青色のコートを見せながらそう言う。ごもっとも、背中に背負っていたバスターソードは特注品なのだが。
男性の出身を聞いて思わず少しだけ目を見開く。男性の出身地は知っているのか。
■ブレイド > 「あっちにゃ山賊のアジトも多いが、あんたもそのたぐい…
ってわけじゃなさそうだな…」
置いてあった、というのも、それを拝借しているというのも
まともに生活していてはおかしな話だと感じるところだろう。
とはいえ、店での立ち居振る舞いは慣れが見て取れる。
少し変わった少女だが…ここで生活できる程度には、この国にも慣れているのだろう
おそらく。
「急に魔力の話をされたんでな。
少し気になったってだけだ。へんなこと聞いて悪かったな」
■ソラム > 「.....山賊...?たまに家にヅカヅカ入ってくる人の事.....?」
首を傾げながらそう聞く。
彼女のところにはたくさんの冒険者やトレジャーハンターが来るのだが悉く退けていたという出来事があった。
ジンジャーエールを口に運びながら男性の返答を待つ。