2020/10/19 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にミシェイルさんが現れました。
ミシェイル > 肌寒い夕暮れ時。
街角で小さな人影、ミシェイルは目を覚ました。
身の丈は子供のようだが、大きく膨らんだ胸部はとてもではないが子供のものではない。
その先端を両手で押さえながら、安っぽいローブだけを身に着けた彼はひとけのない路地裏にその身を潜める。
そして偶然近くを通りかかった労働者風の男に声をかけた。

「な、なあ。そこの男。安くするから、わ、私を買わないか?」

少女のような甲高い声に男は視線を向ける。
視線の先にはぎこちない、引きつった笑顔を浮かべているミシェイル。
みすぼらしい格好をしているが、顔立ちは十分可愛らしい。
声と顔とはミスマッチに男のような喋り方は気になるが、興味の方が勝った。
ローブの下に隠れた膨らみも、男の欲情と興味を掻き立てるのには十分な威力がある。
興味を持たれた事が分かるとミシェイルは一旦ほっとして、唇を湿らせると更に口上を続ける。

「それじゃあ、口で50でどうだ?口だけでも、そこいらの女よりずっと……。」

しかしその口上の途中、ミシェイルのお腹から大きな音が鳴りその言葉を遮った。
目の前の男にもばっちりと聴こえているであろう。
思わず黙り込んでしまったが、気を取り直して口を開く。

「い、良いなら奥に行こう!そこで相手を……。何?20ならいい?ふ、ふざけるなっ!あ、いや……。」

男はにやにやと笑いながら半額以下に値引き交渉を始めた。
あまりの安さに思わず怒鳴り返すミシェイルだが、再びお腹が鳴る。
奥歯を噛み、無理やり笑顔を作ると顔を上げて。

「わ、分かった。それでいい。着いてきてくれ」

完全に足元を見られているが、背に腹は代えられない。
この3日程ろくに食事を摂っておらず水だけで凌いできたが、それも限界が近い。
屈辱と空腹を堪えながら、何とか捕まえた男をスラムの奥へと誘導すると、ミシェイルは男の前で膝をついた。

「ここでいいな……。20だからな、忘れるんじゃないぞ……?」

スラムの物陰、そこで男のズボンを下ろすとミシェイルの目の前に男性器が現れた。
一日仕事をして、汗の臭いが染み付いている。
その臭いを吸い込むと、ミシェイルの口内には旺盛に唾液が分泌されていく。
早速、その男性器の先をくわえ込むと唾液で潤った口内で先端を転がしていき。
男の脚にしがみつくと、男は自然とミシェイルのツインテールを両手でつかみお互いの体勢を安定させた。
そうこうしている間に男は勃起を完了させる。
唾液に空気が交じる音を立てながら、頬をすぼめてそれを吸い上げるミシェイル。
早速の強烈なバキュームに男は上ずった声をあげるが、それで終わりではない。
密着を増した口内で、舌を使って尿道口をほじくる。
亀頭を中心とした責めに、男は堪らず早々と射精してしまった。
口内に放たれた精液を、ミシェイルは迷わず飲み込む。
ごくりと音を立てると、口を離して手の甲で口元を軽く拭った。

「ほ、ほら。良かっただろ?約束通り、代金を……。」

行為の余韻も何もなく、せっかちに支払いを要求するミシェイル。
その態度に少々不満そうな顔を見せる男だが、これだけの快感ならそのぐらいは気前よく払ってやろうと財布に手を伸ばした。
しかしその時、ローブの隙間からミシェイルのそそり立つ男性器を目撃してしまう。
それは男よりも大きく立派で、下にはずっしりとした陰嚢も見えていた。
それを見た男は舌打ちすると、「ふたなりかよ騙されたぜ。これで十分だろ。」と捨て台詞を残し5ゴルドだけを地面に投げ捨てて立ち去っていった。
慌てて地面に這いつくばり、最初の提示額の一割となった代金を握りしめるミシェイル。
空腹のあまりプライドを捨てて娼婦の真似事をしたのに、報酬はたったの5ゴルド。
悔しさで涙が溢れそうなのを懸命に堪えていた。
更にいえば、彼はこんな体だがふたなりでもなくれっきとした男だ。
ふたなり呼ばわりされた悔しさ。
口淫で火の付きかけた欲情。
精液を飲み込んで久々に活発になった胃が、旺盛に音を立てている。
様々な屈辱を噛み締めながら、暫くその場から動けなかった。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にエイガー・クロードさんが現れました。
エイガー・クロード > 貧民地区には、基本的に身分を隠して彼は活動する時がある。
ここは肥溜めのような者が多い、そしてその者共の中には、畏れ多くも王国を汚す者もいる。
故に彼のような者は秘密裏に活動をする必要があった。
今日もその活動が終わり、この地区から出ていこうと思った時だ。
あんまり自分はここに通おうとはしない、身分がバレた時が面倒ごとになる可能性が高いし、顔を覚えられたくはない。

だから、今日も足早に去っていくつもりだったのだが……

男の罵声と共に気の抜けた音が、路地裏から聞こえてきた。
あまり気にするべきじゃないのはわかっているが、その好奇心と、義務感を抑えることはできなかった。

「……」

覗き込めば、おそらくかなり若い子供だろう女性がいた。
男性の罵声は聞こえなかったが、その目の前に投げだされた銭を見る限り娼婦なのだろう。
しかし、あまりにも不当ではないだろうか……。
同情心というものは毒だとはわかっていたが、可哀想にしか思えなかった。
だから、ついその中へと足を進めてしまう。

「あの……大丈夫?」

今の自分は、薄汚れた布の全身を覆うフードで顔を隠している。
少し怪しい風景の男に見えるかもしれないが、その声色は純粋な心配の音を含んでいた。

ミシェイル > 人通りが少ないと思って油断していた。
尤も、消耗した今の体では満足に逃げ出す事も出来なかったであろうが。
こんな姿はあまり人前に晒したくないが、今更隠れる事も出来ない。
ミシェイルは声の主に向かって顔を上げた。

「な、何でもない。大丈夫だ……。」

やはり少女のような声や顔立ちとはミスマッチな男口調で応える。
そしてローブで体を隠しながら、とりあえずこの場を離れようと視線を巡らせる。
心配するような声をしているが、彼を捕らえていた魔族が討伐され自由の身になってからもこの体のせいで不当な扱いを受け続けていて。
ミシェイルはすっかり人間不信となっており、どうせ心配したフリをして後で乱暴するなり罵倒するのだろうと思いこんでいた。
打算のない親切程あてにならないものはない。
彼の心はすっかり荒んでいた。

「それじゃあ、私はこれで……。失礼する」

じわじわと距離を取りながら、物陰に向かっていくミシェイル。
とはいえローブで体を隠しながら、空腹と疲労で弱りきった体では己で思う以上にのろのろとした動きにしかならない。
こうしている間も、間の抜けたお腹の音はぐぅぐぅと鳴り続けていた。

エイガー・クロード > 少女はこちらを見るなり、その不信な視線を隠そうともしなかった。
まぁ、こんな仕事をしているのだ。あんまり人を簡単に信用できないのだろう。
それにしても、男勝りな口調というか、男そのものな言い方をするなぁと思いながら。

「そう?それならいいんだけど……」

そう言いながら、少女は立ち上がって離れていく。
しかししばらく食べていないのであろうその体、そして疲労によって衰弱しているのも見て取れる。
もう何日も食べていないのだろう。

「……あー……あなたって……一晩、いくら?」

離れていく声に、おそらく先ほどの行為を考えたらこうすることでしか引き留められないのだろうと察する。
そしてジャラリ、とわざとらしい金銭の音を聞かせた。

ミシェイル > 思わぬ展開にギクリと脚を止める。
確かに、こんなところでボロ布一枚を纏っただけの姿でいればはした金で買えると考えるのは自然かもしれないが。
先程意を決して行った行為を、まさか向こうから持ちかけてくるとは思わず。
渡りに船だと飛びつきたくなる気持ちを押さえながら、ゆっくりと首だけ振り返り。

「あー……、えーと……。100ゴルド……。」

振り返った瞳で、素早く相手を値踏みする。
顔が隠れており歳の頃は分からないが、体格はかなり良い。
そして身なりも。
正直このような場所には不釣り合いだが、鎧姿や体格からして騎士かそれに準ずる立場だろうと推測すれば仕事柄ありえない事でもないと納得する。
捕物なり警護なりで治安の悪い地域へ踏み入る経験は、騎士時代のミシェイルも何度も経験があった。
身なりも良いし、金払いは期待出来そうではあるが吹っかけ過ぎはよくない。
この手合に、スラムの浮浪者のような自分が舐めた態度を取ればどうなるかは想像に難くない。
だから、半分に値引きされても先程の提示額に届く100ゴルドとまずは言ってみる。
まるで本当に娼婦になったかのような値段交渉の駆け引きを自然と考えていて、内心自嘲的に笑ってしまったがそれは表には出なかった。

エイガー・クロード > 足を止めたところを見るに、この提案は相手にとっては望んだものであったようだ。
もしかしたら法外な額を指定されたりはしないかという一握りの不安がある。
しかしまぁ、それはそれとして目の前の少女を見捨てることはできなかった。

「100ゴルドね……はい」

躊躇せず、先に明示された金額の金銭を少女に彼は握らせた。
その金銭は偽物ではないだろう、その握り心地、におい、間違いなく本物である。
その手に握られた金銭は……もしかしたら少女にとっては大金に見えるかもしれない。

その身なりと体格がいい男は、先払いを躊躇せずに行った。
こんなスラムのような場所のこの少女に対して……。

「それじゃあ、宿に行きましょうか。こんなところじゃ始められないわ」

ミシェイル > 躊躇のない先払いに一瞬何が起こったのか理解出来ず固まる。
だがローブの中から手を出しそれを受け取ると、確かに本物のようで。
先程は5ゴルドを這いつくばって拾っていたのとは扱いが段違いであった。
貴族様の道楽というのであればそれでもいい。
何とか飢えずに食いつなぐ希望が出来た。
そして宿にいくというのなら止めはしないが、今のミシェイルには宿代など払えるはずもなく。

「あ、ありがとう……。けど宿代は、出せない……。」

先方が支払ってくれる事を確認するためにそう口にして反応と様子を伺う。
しかし、落ち着いて観察してみると妙な口調だ。
人のことを言えた容姿ではないが、見た目は体格の良い男のようだが、ここまでの少ないやり取りの中でも妙に女っぽい口調というか何というか。
まあ、どうせ一夜限りの関係である。
気にはなるが追求まではしない。
先方の返事を待つ間、もしかしたらそんな怪訝な表情が浮かんでしまっていたかもしれないが今のミシェイルにはそこまで気にする余裕はなかった。

エイガー・クロード > 固まった少女は、おそらく理解が追い付いていないのだろうと思う。
まぁ、先ほど這いながら握っていたモノと比べたら、重さも何もかもが違いだろう。
偽善と呼ばれても構わない。おそらく私は貴族として、騎士としてはやってはいけないことをやっていると思う。
だがこれでいいのだ。目の前で見なかったことにして、冷たくなった人間を見るのは嫌だから……。

「えぇ、大丈夫よ。宿は私が払うから問題ないわ」

そうにこやかに言って、少女の手を握った。
久しぶりに、人肌の温かさをキミは感じたかもしれない。
フードの中の顔が見えた。男性らしく、端正な顔立ち。
しかしその顔は、奇妙なことに女性のような化粧をうっすらとしていた。
だがその化粧が逆に、男の魅力を引き出していた。一瞬だけだが、女性かと思ってしまうほどに。

「ほら、歩ける?」

ミシェイル > 「あ、ああ……。歩くのは、問題ない。」

今の所裏のない親切な対応だが、ミシェイルはまだ完全に気を抜いた訳ではない。
差し出された手を、躊躇しながらも握り返す。
フードの中に見えた顔はやはり男のもので、気の所為でなければ化粧をしているようだ。
元来のミシェイルはそういった趣味はないのであまり理解は出来ないが、そういう趣味の男もいるという事だろうか。
とはいえ今は人様の事をどうこう言えた体ではない。
手を握りながら彼についていく。
ローブは股間の男根が露わにならないように気をつけ、大きく形の良い乳房が放り出されてしまうのはとりあえずそのままにしておいた。
女と勘違いするのならそれでいい。
また先程のように罵倒をされるのはやはり怖い。
とはいえ、宿に入ってしまっては隠し切るのも難しそうではあるが。
料金を払い宿代も払った後なら、向こうも妥協してくれるかもしれない。
とにかく代金分仕事をして、それから食事をして。
この後の時間を無難にやり過ごす事に思考を巡らせていく。

エイガー・クロード > 宿は綺麗な方で、事実今のキミには到底払えるような額ではなかった。
宿に入るなりローブを脱いだこの男の体格は非常によく、そして鍛えられていた。
騎士としての実力も、かなり高いものと推測できるだろう。
そして宿に入った君に、軽く召し物を用意させる。

「お風呂もあるから、先に入ってていいわよ。それとお風呂が終わったらこれに着替えてね」

宿側が用意したのは、女性娼婦用のローブだった。
淫蕩な見た目で扇情的だが、今のキミの持つ着物よりはずっと綺麗で、着心地も悪くない。
風呂もとても心地よい物だろう。まぁ、民間の宿にしては、と注釈がつくが。
今のところ彼はキミの体については気づいていないようであった。
食事の内容も、民間の宿にしては非常に温かいものだった。