2020/10/13 のログ
ジーゴ > いたぶる方法は幾つだって思いつく。
悲鳴をあげる浮浪児の腕を取って、手にした煙草を近づけては、その悲鳴が尚大きくなると、ニヤニヤしながら
煙草を自分の口に運んだ。

子どもの悲鳴に背中がゾクゾクする。
悲鳴を上げるなんて、弱い証拠だ。
ガタガタと震える子どもの腕を力強く握りしめたまま、少年は煙草で一服。
にやにやと口角をあげて、興奮した瞳は獣の特徴が色濃く目立つ。

いつだって、いつだって。
悲鳴が聞こえる場所で育ったし、その悲鳴をあげていたのは自分だったことだって少なくないのに。
痛みの積み重ねで屈折した少年は、いとも簡単に暴力をふるって。

ジュっと嫌な音がして、皮膚を焼く音。
子どもの絶叫が裏路地に悲しく響く。

ジーゴ > うでなんてまだいたくないほうだ

もう、一本煙草に火を付けて。
口にくわえると、浮浪児が身につけている襤褸布に手をのばす。
適当な背後の塀に浮浪児の体を預けさせて、片手で子どもの両手を塀に縫い止めるように押さえつけると
服の形を辛うじて保っている浮浪児の上着を捲り上げた。

くわえた煙草を火が付いたまま、子どもの薄い肌に近づける。ギリギリ肌には触れない距離を火がかすめると、
さっきの痛みの記憶を色濃く残す子どもは既に炎が肌を焦がしたかのように泣き叫ぶ。
それを眺める少年は、獣の牙をほころばせて嗤って。

まるでキスをするように、浮浪児の肌に口を近づける。
また、嫌な音がして子どもの体が跳ねる。
その様子にケタケタと声を出してわらうミレーは、
もう用はないとばかりに、煙草を取り落として。

「乳首ふえちゃったね」
クスクスと嘲るように言うと、相手から手を離して。
夜の闇にふわりと紛れる。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からジーゴさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にタマモさんが現れました。
タマモ > ここは王都マグメール、貧民地区。
建物や道が入り組む裏通り、そこに少女の姿はあった。

場所が場所だ、人気はそんなに感じられない。
この入り組む場所に住居を持つ者、客も疎らな店の店員や来客者、近道でここを使う者。
居るとしたら、そんなものだろうから、人気の無さは当然とも言えようか。

少女が、なぜそんな場所を歩いているのか、と言えば…
言うまでも無い、いつもの、気紛れの散歩であった。
まぁ、何か面白いもの、面白い相手、それらがあれば、それに限るのだが。
そんなもの、簡単に見付かるようならば、世の中苦労はないのだ。

行く先を、時折、建物の隙間から見える空を見上げながら、少女は歩み続ける。
のんびりと歩いている、そんな風に見える少女だが、周囲の探りはしっかりとしていた。
こんな場所であろうと、いつ何が起こるかなんて、誰も予想なんて出来ないのだから。