2020/10/12 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にジーゴさんが現れました。
■ジーゴ > いつだっていつだって、いたいことされてばっかりだし、いつだっていつだってひどいことばかりだ。
「ころすぞ?」
夜も更けた貧民街の片隅で、物騒な言葉がこぼれ落ちる。
月の光を受けて、小さくきらめくのは少年が持った刃物。
その刃物は明らかに彼よりも小さくて弱い誰かに向けられている。
上がった悲鳴にミレーは酷く興奮して、より一層刃物をちらつかせる。ミレーの目つきはどこかすわっていて、夜の闇が吸い込まれるような仄暗さ。
「だから声だすなって言ってんだろ」
人気のない貧民街に響く、小さな悲鳴が心地よい。おもわずニヤついた口元からは獣の牙が見え隠れ。
なんでいつだっていつだってオレばっかり
いつだって悲鳴を上げていたのは彼自身だったはずなのに。積み重なった暴力は簡単に連鎖する。
「ちがうな。もっとこわがって泣けよ」
クスクスと笑いながら、相手の肌をなぞるように刃物を動かす。ギリギリのところで肌を傷つけないそれは、相手の恐怖を弄ぶかのように寸前のところを何度も繰り返す。