2020/09/26 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にセイン=ディバンさんが現れました。
セイン=ディバン > 「……」

貧民地区、裏路地にて男が細巻を咥えていた。
ぷはぁ、と煙を吐きつつ、どよ~ん、と無気力状態。
通りすがる知人やら娼婦やらには一応手を上げて挨拶するものの。
どこか、覇気は無く。

「かあぁぁぁぁ、退屈だねオイ……」

仕事はぼちぼち順調、と言ってもいい。
健康状態はまぁ、そこそこ。
ただ、とにかく退屈である。
何か、変化がほしい。もしくはハッピーな出来事。
そう思い、何らかの刺激を求めて貧民地区の裏路地に来た男だったのだが。
まぁ、そう簡単に刺激はやってきたりはせず。

「……くぁ」

また、あくび一つ、であった。

セイン=ディバン > 結局、男は適当にぼ~、っとした後。
裏路地を後にした……。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からセイン=ディバンさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にヴェルソートさんが現れました。
ヴェルソート > 「~♪……ん?」
ふらふらと、何をするでもなく、鼻歌まじりに貧民区をうろついていた男…何か、覚えのある気配を感じた気がして、脚を止めて周囲を見渡すが…さて。

ヴェルソート > ……どうやら気のせいだったようで、誰も居ない。
くぁ…とあくびを零せば寝ぼけてたかな?なぞと一人ごちながらも、歩くのにくたびれて貧民区ならたいてい転がっている木箱に軽く腰掛ける。
ぎしりと…木を軋ませる音が軽めなのは、男が腕一本分、他の人間より軽いからか。

「…眠りすぎたような まだ夢の中いるような 目玉が頭から 溶け落ちてしまうみたい、な…♪」
月を見上げ…ゆったりと歌を紡ぎ出す、聞いたものの思考がとろりと、溶けてしまいそうな甘く響くテノールが、裏路地にしっとりと広がっていき……。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にジーゴさんが現れました。
ジーゴ > 『クソガキが!』
歌声が響く通りの一本裏の道で、怒号と悲鳴、いくつもの足音が響く。追われるような慌てた足音は何回か角を曲がり、歌声の持ち主の方に速いスピードで近づいて。

「あ!ヴェル!」
全力疾走中の少年が、ご主人様を見つけて嬉しくて思わず暢気に出した声。そして、そのご主人様の目の前を軽やかに通り過ぎて走り去ってしまう。その数メートル後ろを追いかけるのは柄の悪そうな男が数人。

ヴェルソート > 「……あ?ジーゴ?…何やってんだアイツ。」
自分の目の前を軽やかに、風めいて走りさっていく少年に疑問符。
そして怒号と悲鳴が聞こえた方からやってくる数人の男のうち、一人の脚をひょいとひっかけるように転ばせて。

「おっとごめんよ……兄さん方、何をそんなに急いでるんだい?なにか困ったことでも?」
なぞと、いけしゃあしゃあと転んだ男に問いかける声は…トロリと、耳に媚薬入りのはちみつをかけたように甘ったるく響いて。

ジーゴ > 『んあ!?』
少年に追いつくことばかり考えていた男は、突然出された足に見事に引っかかり、その場にひれ伏すように倒れる。

『ンッ!』
男は耳から響く何かに身動きが取れなくなって。
他の男達はそれをみて、青ざめては踵を返して貧民街の奥へと駆けていき。
その場には歌を歌っていた男と、腰が砕けて地面から動けない男だけが残されて。

「ヴェル、なにした?」
自分を追いかけていたはずの男の奇声を聞きつけた少年が走って戻ってくる。
きょとんと首を傾げてご主人様の方を見上げて。

ヴェルソート > 「……失敬な、ちょっと話しかけただけだよ。」
青ざめて逃げていく彼らに眉根をよせながらも、戻ってきたジーゴに不満げに言葉を返しつつも、腰砕けになってしまったらしい男を覗き込むようにしゃがんで。

「それで…何があったんだい? いちおうこの子、うちの子だからねぇ…教えておくれ?」
そういって、首を傾げてといかける声は…少し離れて聞いているジーゴでも背筋がぞわりと快感が走るくらい、媚薬めいた甘さに満ちていて。
間近で聞かされている男は人によっては、半ば呆けたじょうたいになっているやもしれない。

ジーゴ > 『そい…つ、盗み…』
地面に倒れたままの男は、既に息も絶え絶えなのに再度話しかけられたことで、全身に走る快感に言葉を発している最中にがっつりと意識を飛ばしてしまう。

「あッ…」
近くで立っていた少年もあてられて、思わず声を漏らした。片方の手で口元を押さえて、これ以上声が出ないように押さえながら、もう片方の手を無意識に自分の下腹部に添えた。

「いや、オレ別に何にもぬすんでないし」
盗品を入れて不自然に膨らんだズボンのポケットは隠しきれないけれど、嘘をついた。
やや泳ぎがちの視線は主人の方を見ることないままで。