2020/06/20 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区/裏路地」にヴェルソートさんが現れました。
■ヴェルソート > 【継続再開】
ご案内:「王都マグメール 貧民地区/裏路地」に番号215642さんが現れました。
■ヴェルソート > 「いや、何がって聞かれるとそれはそれで困るんだが…んんぅ。」
さて、なんだか妙な事になってきたぞ、なんて思えば少しばかり困ったような顔をする。
不信感を露わにしつつも、こちらが差し出した干し果物は食べてもらえた様子なので、まあとりあえずはよしとしよう。
「まだ食べるか?」
一応、まだ保存食の持ち合わせはあるので、グミの実を食べた彼に問いかけつつ…ほれ、と今度は焼き硬められたパンを…まあ、自分だとスープか何かでほぐさないと辛い硬さだが、ミレーならまあ大丈夫だろう、なんて。
「美味しそうって…食べても別に美味くはねぇと思うがなぁ…お前さん、名前は?」
ほれ、ととりあえず保存用の硬パンを差し出しながら…彼の言葉に心当たりはあるものの、とりあえずはそう答え、話題をそらすように名前を尋ね…近くによれば、明らかに甘い匂いは、雄の発情を誘うそれだが…もとより呪いは魔族の戯れなので、子供にまで効果があるかは、わからない。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区/裏路地」に番号215642さんが現れました。
■番号215642 > 「たべる」
食欲にはとても素直な少年は差し出されたパンにも手を伸ばし。さっそく口に運ぶと狼の歯は簡単にかみ砕いて咀嚼してしまう。その頃には不信感はなく、むしろ他にも何か食べ物をもらえないかと期待の眼差しで相手を見つめてしまう。無意識に。狼の耳も立って。
「ぜったいうまそうだって。お前、甘いにおいがする」
くんくんと匂いをかいで。惹きつけられるようにもう一歩近づいた。心身の昂ぶりを感じてはいるが、まだそれが食欲だと認識している少年。舐めたら甘いのかなと内心わくわくを隠しきれない。
「名前は…」一瞬の間の後に続ける
「名前は……秘密」
名乗るべき名前を持たないことの説明は毎回困るのだけれども。一番簡単な方法で誤魔化そうとして、いたずらっぽく笑った。
■ヴェルソート > 「おいおい…せめてもうちょっと、味わって食えよ。」
硬いはずのパンを簡単に噛み砕き、咀嚼する少年…いやまあ、保存食に味わって食べるだけの味があるかといえばちょっと困るのだが、あっさりと腹の中に収める様子に苦笑いしてそんな事を。
「あー…匂いだけな、齧っても甘くもなんともねぇぞ。」
だからそんな目で見るなよ食べても美味くねぇから、とまさかの捕食(物理)の恐怖に晒されるとは思ってなかったのかわしわしと自分より少し低い位置の頭を撫で回し。
「そうか…じゃあまあ勝手に呼ぶか、えっと…。」
何か、名前のネタになるような情報は無いかと…改めて、影から現れた彼の体に視線を走らせて…。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区/裏路地」に番号215642さんが現れました。
■番号215642 > 「おいしかったよ?」
食べ物への執着心が強い少年はいつだってご飯をがっつきがち。食べ物が食べられればいつだっておいしいし、いつだって嬉しい。
「いきなり何!」
突然触られると驚いて声を漏らすが。口角は上がっていて、満更でもない様子。なされるがままに撫でられる。
頭をわしゃわしゃと撫でられると、表面の少し堅い狼の毛と中の柔らかな毛が良いさわり心地を相手の掌に伝えるだろう。
「甘くないのかぁ、ぜったい甘いと思った」
リンゴや桃のような甘い果物を想起させる香りに食欲が刺激されたが、甘くないなら残念と声を漏らす。
既に至近距離から相手をきょとんと見上げている顔には獣の瞳。獣の耳も何?とばかりに上に大きく伸びて。
■ヴェルソート > 「あー…そうか、そりゃ良かった。」
がっつくように食べた後にそう言われると…流石にそれ以上文句は言えずにポンポンと頭を撫でにいき…そのままわしわしと頭を撫で回す事になるわけだが。
「ん~? 気にすんな、なんとなくだ。」
片腕しかない男は気まぐれになでただけなので、とりあえず適当に誤魔化すように言葉を返し。
硬い毛と柔らかい髪の二層構造めいた手触りにおぉ、とちょっとだけ感心したりして。
「人間の肉が美味しいと思う奴には美味いかもしれんが、それ以外だとオススメしねぇな。」
残念そうな彼に苦笑いしつつも、見下ろした彼の特徴…それこそ犬科めいた耳に尻尾…イヌ?いやいや、そんな安直な、知り合いの男じゃあるまいし。
「あー…いや、なんか適当な呼び名でもつけようかと思って…あ、俺はヴェルソートな。」
わしわしと、手は彼の頭を撫でたまま…立ち上がった獣の耳を、好奇心に負けてふにふにと指先が軽く揉もうとしたりして。
■番号215642 > 犬や猫が撫でられると喜ぶように、彼も撫でられると心地よくて触られるがままに。耳を倒して喜びを自然に表現する。そろそろ夏毛への換毛も完了する頃。触っていると抜けたふわふわの冬毛が相手の掌にまとわりついてしまうかもしれない。
「ヴェルソート。覚えた」
相手の名前を繰り返すと、覚えたと頷いて。
奴隷の軽い頭では直ぐに記憶から抜けてしまうかもしれないけれど、いったんは記憶に刻みつけた。
「オレ、人間は食べないよ」
生真面目に返答して。狼であることを誇りとしている彼に犬と言うととんでもないことになるので、危ないところだったと言える。
「やめ…くすぐった…」
奴隷として逆らわないように躾けられているから、耳を触られても物理的には拒絶しないけれど。耳からくすぐったさと小さな快感が伝わって、体を小さく震わせた。
■ヴェルソート > 「ふはは、くすぐったかろう。って…うわ、なんか手にくっついた。…え、髪?抜け毛…?」
心ゆくまで撫でて離した手に…わさわさと抜けた毛が絡みつくと…え、何、ストレス?…と思わずどこかに十円ハゲが出来ていないか探してしまう。
「ははっ、別に忘れても良いけどな。…そりゃあよかった。さて……どうするかなぁ。」
はいさよなら、という感じでもなく、それはそれで見捨てるようで据わりが悪い。
となるとまあ…選択肢は限られてくるわけだが。
「…お前さん、俺と一緒に来るか?」
とりあえず、寝るとこと食い物くらいはあるけど、と…少しばかり腰を落とし、目を合わせるようにして問いかけを投げる。
■番号215642 > 「ハゲじゃないよ。夏になったら冬の毛は抜ける。痛くないよ」
相手の焦った様子に、小さく笑うと事も無げに言って。自分でも手櫛を通して、抜けた内側のふわふわした毛が風に舞った。既に生え替わるために抜けた毛が、絡まっているだけだから手櫛程度でも簡単に。
「え?」
相手の申し出に数秒、固まった後。
視線の合った目を見開いて、耳が垂直に立ち、喜びを示すのにまた数秒。
あることに気がついて、眉がしかめられ、耳が項垂れるのにまた数秒かかった。
「オレ、野良じゃなくて。逃亡奴隷。名前は215642」
番号の名前を小さな声で、おずおずと述べた。
「だからお前、金持ちだったらオレのこと買ってくれたらいいけど、でも……買わなかったら逃げてる奴隷かくまってることになっちゃうから」
希望と絶望が入り交じって、視線を合わせることもできずに、小さな声は聞き取りづらいだろう。決して高くはない安価な奴隷だが、それでも昨今のミレー族の値段高騰の影響もあり、おそらく中級平民の一ヶ月分の稼ぎくらいの値段はするだろう。
「あー、でもオレ買ってくれたらがんばって働くから!肉体労働もするし、夜のお仕事だってできるから」
体の細さから肉体労働の適正は推して知るべしだが、なんとか熱意を伝えようと。
■ヴェルソート > 「……なんて便利な…世のオッサンが羨ましがる。」
手ぐしでささっと髪の毛の生え変わりを見せる彼に…世の髪に悩む男の無情をちょっとだけ憐れむ。ミレーに生まれたら髪に悩むことも無かったのかもしれないとか。
「……あー、まあそうだろうな、そうだろうとは思った。」
固まった後に、何やら言いにくそうに耳を項垂れさせて言葉を紡ぐ彼…まあ、見た目というか、路地裏にひっそり暮らしてる時点でそうだろうな、とは思っていたが。
「まあ、金ならそこそこあるけどな、これでも歌唄いの高級男娼なもんで。
……それ名前ってか番号じゃねぇか。…じゃあ、適当にもじってジーゴ(215)な。」
少なくとも俺はそう呼ぶから、と勝手に決めて。
「別に、買っても匿ってもどっちでも構いやしねぇけど…。」
これでも、一月5万ゴルトは軽く稼ぐ高級男娼だ、買ってやれないこともないだろう。…相手次第では、一晩タダで付き合って花代で相殺してやっても良いかもしれない、なんて。
「あぁうん、とりあえず俺片腕だからそれは助かるが…せめて俺よりデカくなってから言え。」
まずは喰って寝て、身体を標準に戻すのが先だろう、うん…なんか妙な拾い物をした気分である。
■番号215642 > 「ジーゴ!」
今までだって相手が勝手に付けてくる名前で呼ばれてきたから、どんな名前で呼ばれたって気にはしてこなかったけど。初めて自分の名前がもらえたような気がして、嬉しそうに繰り返した。
「お前、金持ち!」
高級娼婦がどれくらい稼げるのかは知らないが、恐らく自分のことを買うには十分なくらいのお金を持っているだろうと、項垂れていた耳も期待に膨らんで。
「オレ、働いてお金返せるようにするから……だから、オレのこと買ってもらえませんか」
小さな間は迷いや躊躇いが生んだもの。それでも稀に見せる真剣さで言葉を続けた。
「オレ、料理もできるし、洗濯もできるし、買い物もできるし、まだできなくてもがんばっておぼえるし」
相手の腕が片腕な事にようやく気がつき、助けになりそうなできる家事を思いつくだけ言った。
料理はそんなにたくさんのメニューは作れないし、字が読めないから買い物もあまり上手くないけれど、それは隠したままで。
■ヴェルソート > 「おう、ジーゴ。」
後半の数字3つはなかったことにする、なんなら名字も…と思ったが貴族じゃあるまいしと考え直したとか。
「……あー、うん。わぁったから…そんな目で見るんじゃねぇよ、俺だってガキ見捨てる程腐っちゃいねぇから。」
真剣に見上げて期待に耳を動かす彼に視線に耐えかねて、ついっと視線を左右に揺らすようにそらして。
「そんな必死に言わんでも、とりあえずそんなやせ細ったガキンチョ働かせる程俺も鬼じゃねぇから…ほれ、とりあえず…どうすりゃいいんだ?」
買うにしても、どの商人に言えばいいのやら…別にこのまま匿っても構いやしないが…さてはて。
■番号215642 > 「ご主人様?」
生まれたときから奴隷で、未だ主人をもったことがない奴隷だから、主人への隷属欲は強い。それでも、想像していた買われ方と少し違ったから、自信が無くておずおずと尋ねた
「なんで見捨てない?」
何で自分を買おうと思ったのか、わからなくて思わず首を傾げた。
檻の中から外を眺めるか、ひどい扱いをされながら働くかの2択かしか、これまでの日々がなかった少年は突然の幸運に驚いて、パチパチと瞬きを繰り返すばかりだ。
「今日はもう夜だから市場やってないから。また今度買いに行ってほしい」
王都の平民街に隣接する奴隷市場に彼の現在の持ち主である奴隷商が店を出している。本人を連れて行くなり、奴隷番号を言えば、奴隷商が買い取りの交渉に応じるだろう。売れる気配のなかった素行の悪い奴隷の買い取りに奴隷商の驚く顔が見られるだろうか。
■ヴェルソート > 「……辞めろ、なんか背中ゾワゾワする。ヴェルでいいヴェルで。」
その単語を聞くと背筋がザワつくのを感じて…実は割と境遇似たりよったりなのは…まあ、必要があれば話すかぁ、なんて思いながらもとりあえずはぺふぺふと頭を撫でて。
「あ?そりゃお前…今日のお前さんの運が良かったんだよ。」
人生そんなもんだ、悪いときは急転直下だし、良い時はそんなこともあるだろう、なるようにしかならないし、なるようにはなるのだと、見捨てる気にならなかったジーゴの運が良かっただけ、と簡潔に告げて。
「あー、そっか…じゃあまあ、とりあえず俺が借りてる宿に戻って、飯食って寝て…それからだな。」
まあ、せっかく買ったのだ…役に立ってくれよ?なんてニヤリと偽悪めいた笑いなぞして…ポンポンとまた頭を撫でながら…とりあえず、宿に向かうとしようか。
■番号215642 > 「わかった。ヴェル」
どうやら呼び名は『ご主人様』では正しくなかったらしい。敬語は知らないから、主と話すにはふさわしくない粗野な言葉づかいのままで。それでも、撫でられると尚更、抵抗はせずに素直に受け入れて。
「運?それならこれまでで一番運がいい日だ」
零れた笑顔は素直なもの。狼の少し尖った牙が自ずと目立つ。
「ごはん食べる」
主のいる生活はまだあまり想像ができないけれど、食事が与えられるのであれば、本当に満足。
屋根があるところで寝られればとても嬉しい。素直に相手について行こうか。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区/裏路地」から番号215642さんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区/裏路地」からヴェルソートさんが去りました。