2020/06/17 のログ
ヴェルソート > ちょっとくらい餌付けしてもいいだろう、なんて暇つぶし気分で近づいてみれば…すっと立ち上がったように反射する一対の位置が高くなる。
明らかに人ではない位置まで上がったそれに一瞬ギョッとしつつも、好奇心に負けて近づいてみれば…襤褸を纏った、狼耳の少年の姿で。

「……あー、ミレー…か。…大丈夫か?」
ここではそれこそ奴隷扱いが普通の種族の少年の姿を見つければ…眉根を寄せるのは不快感からではなく、困ったようなそれ。
甘い…雄を誘う呪いの匂いを纏った男が近づけば…細身の体幹にむっちりと…脂の乗った柔らかそうな肢体をコートに包んだ風体が月夜に浮かぶ、甘い匂いのせいか、食めば甘そうな気すらするかもしれない。
とりあえず…ベルトポーチから保存食の干したグミの実を取り出して…掌に乗せて差し出してみようか。
それこそ、猫の餌付けに似た仕草だが、別に意図したわけでもないのだけど。
「ほれ、腹減ってるなら、食べるか?少年。」

番号215642 > 鼻をくすぐるいい香りに一瞬、意識がふわっと溶けそうになっていたが。
近づいてくる男の姿に我に返って。走って逃げ出すかどうかの瀬戸際。

「大丈夫?何が?」
貧民街で逃げ暮らしている少年は、もはや何が大丈夫で、何が大丈夫じゃないかさえ定かではない。
奴隷商に見つかれば追われるその身も、空腹も、特に何も大丈夫ではなかった。

無条件の好意は最早、恐怖さえ感じる。
好意と見せかけた悪意には慣れきっている。
不信感をあらわにした獣の目は自分よりも少し背の高い相手を見上げるも。

「たべる」
それでも空腹に耐えかねている奴隷は、相手の方に数歩近づいて。
手をのばせば届く距離まで近寄ると、おずおずと相手が差し出した掌に手をのばす。

望み通り、受けとることができれば直ぐに、お礼を言うような余裕なんてなくて、保存食を直ぐに口に運ぶ。

「お前、なんかおいしそう」
もらった食べ物を直ぐに咀嚼して飲み込んでしまうと、相手の方を見て思わず言った。
獣の敏感な鼻は甘い匂いがどうしても気になる。甘くておいしそうで、気になって仕方が無い。
無意識に一歩、相手の方に近寄って距離を詰めようとして。

番号215642 > 【継続】
ご案内:「王都マグメール 貧民地区/裏路地」から番号215642さんが去りました。
ご案内:「」にヴェルソートさんが現れました。
ご案内:「」にヴェルソートさんが現れました。
ご案内:「」にヴェルソートさんが現れました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区/裏路地」にヴェルソートさんが現れました。
ヴェルソート > 【継続】
ご案内:「王都マグメール 貧民地区/裏路地」からヴェルソートさんが去りました。