2020/04/15 のログ
アカサギ > 「それも勉強、じゃない?
 実際、アタシなんかは物を知らないからさ。
 色々な意見が聞けて面白かったし」

アタシは護衛だから、あんまりでしゃばってもよくないしね。
退屈ではない、っていうか面白かったし。
アタシとしては参加してよかったとは思えるけど。

「ん。お友達。ね?
 んんっ……それは。なんていうか。
 あの時はまた別っていうかぁ……」

ネメシスは本質的に理解しているのかいないのか。
そもそも、肉体や精神を単純に『気持ちよく』するだけなら。
それこそ機械とか道具とかでいいのである。
そういうことではなくって……。

「うん。いいねいいね!
 ……まぁ、そうね。っていっても。
 時に時代がそれを認めない時とかもあるしねー」

仲良くしたくても、敵対することだってある。
逆もしかりなんだけど。
まぁとにかく。そういった組織の情報を知れば、どう接すればいいかもわかってくるだろう。

「……まぁ、うん。いいですよ?
 ただ、子供は……か、考えとく」

握手。暖かな手。
少なくとも、ネメシスが悪人でないことは分かった。
だったら、これからもっと仲良くなれるし。
もっと深くお互いを知れるだろうし。
それは、きっと幸せなことだ。

ネメシス > 今日はお互いのことを情報交換し、
多少距離が縮まったような気がした。

子供について、流石にその場で良い返事が聞けなかったことが少し残念ではあったが。

この日は特段何も起きず、終始穏やかに過ごすことになっただろうか。

ご案内:「貧民地区の宿」からネメシスさんが去りました。
ご案内:「貧民地区の宿」からアカサギさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にアルヴィンさんが現れました。
アルヴィン > 松明の燃える匂いが、廃墟の埃舞う空気の中に溶け込んでゆく。月影が破れた窓から射しこむが、それで灯に足りるわけがない。
騎士は、探索を進める中で、教会の燭台に蝋燭の残されているところには松明の炎から火を移し、その灯の届く範囲を増やしつつ、探索をの及ぶところを広げていた。

まず、墓地と庭園。そして、そこから通ずる地下墳墓。
懸念されていたとおり、そこは食屍鬼どもの巣窟となり果てていた。
墳墓に巣食う食屍鬼どもを駆逐し、墳墓から下水溝に繋がる穴までを調べ、塞ぐ。

それだけで、探索の日程には二日を要していた…。
放置されていた遺体の火葬、そして懸念となる墳墓の掃討を終えたことで、この廃教会の探索としては上首尾では、ある。
それでも騎士は、教会廃墟の探索へと手を伸ばす…。

アルヴィン > 建物は、存外丈夫なままだった。
食屍鬼共も教会の中にはあまり、入り込まなかったものらしい。湿気もなく、昼は陽光も射しこんでくる。
地下墳墓のような『居心地の良さ』は、どうやらこの廃教会にはなかったようだと、探索を進めつつ騎士は苦笑に近い笑みを口の端に過らせた。

松明が、騎士の手の中で爆ぜる。
炎の揺らめきが、廃教会の柱に、家具にと、不気味な影を差し掛けさせる…。

そこから、いつ何が飛び出してきたとて、おかしくはない。
一度、強い風が吹いた。
どこか、窓が破れているのだろう、その風が教会へと吹き込みそして、騎士の松明の炎を不気味に揺らす…。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にロロさんが現れました。
ロロ > (トン。騎士の背後。極軽い足音が一つ。
――実は存在していた、同行者という奴だった。
街の中で、こういう場所が残されていると。近隣界隈に手を拡げる飼い主の商売にとって、大きな邪魔となる。
その為に此処を訪れ調べていた、謂わば道行きの重なった立場だろうか。

先程まで。改めて少しだけ、周囲を再確認していたらしい。
入口辺りから。奥を見通す騎士の背中へ目を向けて)

 ――外は、もう。なんも居ない ね。安心して良いんじゃないか な。
後はもう…ココにさえ、何も居なきゃ良いんだ ケド。

アルヴィン > 「然様…。…幾度潜っても、地下墳墓と言うのは、おれには合わぬなあ…」

おれはもっと、陽の光の届くところでくたばりたいものだ、などと。不意に届いたその声に、騎士は振り向きもせずにのんびりと答えたのだった。
松明をかざし、壁の様子を確かめる。
傷みは、少ない。やはり、人の手が入らぬことで荒れてはいるが、十分に再使用に足りると騎士は微笑んだ。
そして…。

「…お見事だな。いつから…そこにおられた?」

気配に気づけたのは、言葉のかかるほんの僅か前のこと。
あやうく背を取られるところであったと、そう告げる言葉もやはりどこか長閑な騎士の声は、少女には呑気に響くか穏やかに届くか…。

ロロ > (振り向きもしない侭での返答も。別に気にする事はない。
気付いてくれる位の方が、手練れであると感じられて有難いし。
いちいち後方に振り返られていたら。その方が余程、前方不注意で危なっかしい。
さくさくと灰の混じった土を踏み、騎士の傍らまで進み)

 ついさっき。
今の今まで、アレだ、再確認してた。
……いい加減、動いてる屍臭ってのは無くなってきた な。

(だから大丈夫な筈、と続ける声は。何処か辟易気味な侭なのだが。当然といえば当然の事。
犬の嗅覚、魔の知覚。どちらにとっても。食屍鬼の臭いというモノは、「鼻につく」のだろう。
…さて、それでは。この空間は。如何なるニオイに満ちているのだろうか)

 で、前半に対しては…心底同意だ ネ。
とっとと済ませて。シャワー浴びて酒でも飲もう。
こういう所は――生きてる人間が長居するトコじゃない。

(まじっと。奥へ。松明すら届かない夜闇へ。細めた視線を、五感を集中しつつ…)

アルヴィン > 「であれば…よいのだがな」

騎士はそう、穏やかに告げる。
食屍鬼どもが蠢くような場所を、すぐ傍らの中庭に抱えているような建物だ。
浮浪者やごろつき、犯罪者が巣食っているとは、考えにくい。
潜んでいるとしたらその言葉通りに、不死者であろう公算が高いのは自明の理…。
その『理』があるうえで、『臭わない』というのはこれは、とても騎士には頼もしい言葉であった。

「ミレー…という一族の方か。
 おれの故国には貴女方のような一族はおらぬのだ。
 …ご無礼の段があったら、お許しあれ」

つい、まじまじと。人とは異なるその相に。ゆるりと振り向いた騎士はじっと見入ってしまったのだった。
松明の朱色の明かりを受け、夏空の色の騎士の瞳が今、少女へと橙の光彩を照り映えさせて向けられていた。

「…さて。依頼はもう、墳墓の掃討で済んでいるのだがな。おれはもう少し…この建物を探索してみたいのだ。
 いかがされる…?」

そんな愚行に付き合われるおつもりはおありか、と。騎士は少女に柔らかく微笑みつつ問いかけて。

ロロ > …大概アンタが薙ぎ倒したから ね。あれ以上は湧いてないっぽい。
でもまァ、最後までキチンと確認しなきゃァ。仕事したってコトにならないでしょ?
後一箇所位なんだし。最後まで付き合うってば。

(万が一、生きた犯罪者なりが潜んでいたとしても。
それこそ中庭などで、この騎士が繰り広げた大立ち回りを見ていたのなら。
我が身を危ぶみ逃げ出しているハズだと思う。
…まぁそれ以前に。当然と言うべきか。自分達二人以外、生者のニオイは。感じなかったのだが。

だからこそ。後は、最終確認だ。
彼へと答えてみせる通り。きちんと安全であるという確証を得なければ、片手落ち。
……それに。一つ、気にしているコトが有る)

 無礼とか…思うよなコト、無いよ。気にしないで。
…気真面目だなァっていうか。真面目に仕事してくれるんだ。ソレが一番。
で。…一応最後まで確認したいってのは、理由が有って サ。
くさったしたい、は散々ブチのめしたけど……アタマっていうか。
元凶的なのって、見てないじゃん?

(松明の光を受ければ。片手を振って。歩き出す。
…そう。気になっているのは、其処だ。
葬られた死者が黄泉帰ったにせよ、何処ぞから死人が集ったにせよ。
何らかの「原因」となるモノが――ココに、有るのではないかと)

アルヴィン > 「いたみいる…」

背後を託せる相手がいるというのは、頼もしいことだ。
この騎士は、遍歴の旅の間に背後を託せる者など、ほとんどいない闘いばかりを経てきた。
それこそ、見るに見かねた愛馬が背後を守ってくれたことすらあるほどだ。
そんな騎士が、出会ったばかりでまだ名乗りすら交わしていない少女へと、迷いもなくもう、背を託していた。

「…どうやら、同じところに懸念を抱いておられるようだ」

松明の明かりの届かぬ奥。
そこには、かつてこの教会の司祭が寝泊まりしていた私室があるはずだ。
昼間、訪れた時には鍵を騎士が開けられず、止むを得ずに探索を後回しにした。
…それもまた、少女は見ていたのかもしれないけれど。

ゆっくりと、二人の歩が進む。
時折窓が鳴り、風が強まってきているのが、察せられた。

廊下の暗闇のその奥に、次第に浮かび上がるもの…。
それは、封じられたように閉ざされたままの、かつての司祭の住まった部屋、その扉…。

ロロ > (実際。其処は少女も同じであるハズ。
どんな場合であれ、独りで出来る事には限りが有る。
それが二人になるだけで、取り得る方策が倍以上に跳ね上がるのだ。
…そんな実利で考えている少女にとっては。
生真面目と評した、その通りの答えを返されるのが。少しばかりこそばゆく。
ひょっとすると、照れ臭さが顔に浮かんでしまったかもしれないからこそ。先に歩き出してしまった、ハズ)

 そりゃぁアレだ。こういうのって、台所に出て来る黒い奴と一緒 だ。
一匹見たら、もっとたくさん居ると思え。根絶するなら巣ごと根刮ぎ。

(死者の尊厳もへったくれもない言い草だが。
残念ながら食屍鬼というのは、もう。バケモノなのだから仕方ない。

どこか軽口めいた言葉が…一旦、止まったのは。
事前調査では後回しとなったエリアへ、再び足を踏み入れた為だった。
解錠に手間取っている内に、食屍鬼共が押し寄せてくるかもしれない。
そんな懸念が有った内は、後回しにせざるを得なかった場所。

ただ。襲撃の懸念は、もう必要無いのだという安心が。少々、気を大きくさせたのだろう。
ちまちまピッキングを試みる…などという手間を省く如く。
経年劣化による歪みが、幾重もの影を踊らせる扉へと――
思い切り振り上げられた、少女の蹴り足が叩き付けられる!)

アルヴィン > 「はっはっは。そのような輩と一緒にされては、むしけらの方が迷惑とは思わぬかな」

松明を持ったまま、騎士はなんとも長閑に朗らかに、そんなことを言っては笑ってみせた。
ここが、不死者どもの徘徊する魔窟であるとは、到底思えぬような。そんな長閑な振舞は、おそらくは半ばはわざとであるのだろう。

道行きを共にし、背を預けると決めた少女はかなりの手練れと騎士は看た。
が、それだとて気心の知れぬ者の背を預かるとあれば、我知らず身は固くなるものだ。
それを、この騎士は軽口で笑い飛ばそうともしているのだろう。
であるからこそ…。騎士を通り越して先へ行こうとするその頬に浮かんでいた表情を確かめて。騎士は少女ににっこりと微笑んでみせたのだった。

けれど、長閑な探索が続けられていたのも、そこまでだ。

「…なんとも、なあ」

遠慮会釈もなくものの見事に扉が蹴り破られたのを見て、騎士は呆れたようにそう呟いた。が、手間がなくてよいことだ、などと言いつつ松明を差し出す。
そこはやはり…かつての司祭の私室に相違ない。
ベッドは荒れ果て、家具や調度も引き倒されて、何者かが随分と暴れた様子では、ある。
そして…部屋の中央には、既に朽ちた遺骸が、ひとつ…。
では、何者が鍵をかけたのか…?

そんな懸念が二人を見舞ったその時だった。

「…気を付けられよ」

騎士が不意に、そう告げる。
そして、手にしていた松明を床へと投げた。
炎はまだ、燃えている。そして騎士は、空いた右手をゆるりと伸ばし、左の腰間に佩いた剣の柄を取る…。

いる…。
気配だけが、こごってゆく。
そして…二人の耳に断末魔の悲鳴めいた絶叫が轟いた…。

眼の前の遺骸から、何かが立ち昇ってくるのだ。
それは、怨念の色も物凄まじい、幽鬼…レイスと呼ばれる不死の魔物…。

ロロ > いーや、女子にとっちゃぁ節足動物は天敵だから ネ。結構な強敵評価してると思うよ。

(大真面目に言い切った。オマケに副業じみたメイド業務で、台所にも立つ身。其方の意味でも、黒い奴は仇敵なのだ。
…と、いった軽口を。互い交わし合うのなら。興じる理由も、また似たり寄ったりだろう。
たまたま同じ目的で、行動を同じくしている。そんな二人。
此処から直ぐ、互いのコトを良く知る為に。先ずはそれぞれのご趣味から――等といった話をしている暇も無い。
多少ざっくばらんにでも。気心を見せておく方が。いざという時も動き易いだろうから。

とはいえ。人間関係に腐心していられるのも。決して長い時間ではなかった。
腐った木材が、錆びた蝶番が、それぞれの悲鳴で合唱し。最後に扉と床とがぶつかる音。
ひしゃげた木枠の向こうへと、騎士が松明の灯火を差し出せば…)

 あー…良いんじゃ ね?中も荒れてるみたいだし、今更一箇所二箇所増えたって、大差無いというかー…
ってゆか、アレだ な。誰が何をしてったんだコレ……

(照らし出される室内は。此方が今から暴れる手間を、省かれたかのように。既に散々な有様だった。
誰が誰と争ったのかも判らない惨状と。一つっきり残った、屍。
世が世なら。死体を残して犯人の消えた、密室殺人という代物だったのかもしれないが――)

 いや。いやいや、いやコレは…コレって、反則じゃね!?

(幸い。推理の必要は無さそうだった。早々に犯人が姿を現したのだ。
もっとも。矢張り、推理モノと呼ぶコトは出来ないだろう。
何せ被害者が、それもとっくの昔に死体となったハズのソレが。
同時に加害者を兼任した上で、新たな被害者を求め、探偵役達に襲い掛かろうというのだから。

ゆらり、ゆらりと。焔の如く沸き上がり立ち返る、かつては人であったモノ。
腐臭――ではない。より黒く純粋な、死臭。物理的な臭いというより、死の気配その物。
ざわりと尻尾を逆立てながらも。低い体勢で構え直しつつ、傍らの騎士へ)

 …アレって、蹴れるのかな。
駄目っぽいなら補助に回るから――アンタが、真っ向ぶった斬れ。

アルヴィン > 「なるほどなあ…」

アレはアレで、懸命に生きているのであろうがなあ、などと。そんな呑気なことをのたまうのは、見かけによらず幼い頃からの遍歴暮らしが常のこの騎士は、そういった生き物にも慣れていたのだ。
が…そのような呑気なたわごとをいつまでも長閑に口にできていられるような相手では、それはなかった。

白とも、緑ともとれるような色合いが、松明の橙を受けて闇に浮かぶ。禍々しい色の燐光を明滅させながら、幽鬼はまた一度、絶叫を放った。
恐らく常人であれば、その絶叫を耳にしたただけで凍り付く。そう、魂が、だ。

「…なかなかにな、剣が通ずる相手ではあるまいよ。
 尋常ならば…の、話だが」

お気をつけられよ、触れられれば、命が吸われる、と。騎士は少女へと告げる。生命そのものを憎み、欲するのが幽鬼だ。
ゆらり、ゆらり、幽鬼は揺れる。
その惑わすような動きにかまわず、騎士はゆるりと剣を抜き放つ。
その動きをなんと見たか。
幽鬼はまず、三度絶叫を轟かせると、天井近くまで舞い上がり、一気に騎士の背後の少女へとまず、襲い掛からん、と…!