2020/04/10 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にアカサギさんが現れました。
アカサギ > 「いよっ、と」

本日も貧民地区のお散歩兼見回り。
これはアタシにとってはライフワークみたいなものだ。
基本的に、貧民地区は治安が良くは無い。
とはいえ、住人達の間ではルールもしっかりあるんだけど。

「うんうん、とりあえずは問題ないかな?」

状況によっては、住民同士のケンカや、諍いがあったりする。
なので、アタシは見回ったりして、そういうのを解決したりしてるんだけど。
今日のところは、問題は起きてないみたい。

「よっし、次は……」

路地裏、大通り、露天通りと見回って、次のポイントへ移動。
娼館が並ぶエリアで、きょろきょろと辺りを見てみる。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にネメシスさんが現れました。
ネメシス > 貧民地区であろうと、聖バルバロ騎士団の活動は留まらない。
今日も数名の団員を引き連れ、副団長のネメシスが闊歩する。

最近、団員の中にはミレー族が増えつつあった。
皆が戦闘経験を積んだ者たちであり、即戦力となる強者達である。

「あら~。」

退屈そうな表情を見せていたネメシスの顔が途端に綻ぶ。

「かーのじょ♪ 元気してた~?」

娼館通りで周囲を見渡すアカサギの背中を叩くネメシス。

口元に笑みを浮かべ、酷く楽しそうである。

アカサギ > 「……ん。問題なしかな」

特に娼館の並ぶエリアってのは問題がおきやすいんだけど。
今日のところは平和でなによりである。
と、そこでなんだか後ろから声をかけられて。

「……げぇっ……!」

振り返って、思わず声を出してしまった。
そのまま、後ろに二、三歩ほど下がって。

「……何の用さね。言っておくけど、アタシ。
 今アタシ、見回りしてたんだけど。
 ……そっちはいつもどおりっぽいねェ」

思わずイヤミを言ってしまうけれども。
いけないいけない。そもそも敵対しちゃいけないんだった。
一応、笑顔を見せながら、相手にそう言ってから深呼吸。

ネメシス > 「随分なご挨拶ねえ。

…妾なのにハグの一つくらいしてくれないの?」

両手を差し出し、ハグを要求するネメシス。
2~3歩ほど空いてしまった空間にはこちらからは近づかない。

「何の用って…見回りだけど?
そっちも似た様な者じゃないの?
それにそっちも潤ってるみたいね。」

能天気と言うべきか、ネメシスは終始笑みを湛えていた。
周囲の団員達も目の前のシノビの素性を知っているだけに左程警戒している様子もなく。

直前で出会ったのは例の会議か。
あの時はあまり話も出来なかった気がするが。

アカサギ > 「……ソコ、ソコだよ!
 アタシが文句言いてェのは!
 あれは、契約の関係上その場で言ったに過ぎねェ話だっての!」

んがぁ! と思いっきり叫んでしまうが。
周囲の目もあるので、一度咳払い。
いかんいかん。相手のペースに乗ったらダメです。

「……見回り? アンタらが?
 ……ふぅん……」

見回りと聞いて疑わしく思うけど。
相手だって騎士団って名乗ってる組織。
見回りくらいは普通にするのかもしれない。

「と、とにかく。
 ハグだのなんだのしてほしいなら、もうちょっとあるでしょうがよ。
 こぅ、妾に対しての扱いってのが。
 状況でムリヤリ従わせるんじゃなくって!」

百歩譲って、妾になるとして。
そこは、もっと気持ちよくなるように仕向けて欲しいものである。
丁度いい機会だ、ここでこの相手とハッキリそのあたりの決着をつけるべきかもしれない。

ネメシス > 「え~~、それは困るわあ。
そんなことされたら、この辺りのお店一件一件燃やしちゃうわよ?」

己の口元に人差し指を当て、困ったような仕草をして見せる。
その割には冷静な表情で、いつも通り物騒なことを口にしたりと全く響いていない。

「そりゃ、見回っておかないと不埒な輩が蔓延るじゃない。」

どの口がと言う意見が飛びそうであるが、あくまで自信を正当と思っている騎士団にとっては
当たり前の言動。

「そう言われてもねえ…今までああいうやり方で通してきたから。
貴女も随分と盛り上がったと思うのだけど。
ま、それはそれとして。
貴女はどんな扱いをして欲しいの?」

今度は両手を後ろに回し、首を傾げて覗き込む。
実際、力づくやそれに近い行動しか取って来ていない騎士団所属のネメシスにとって、
アカサギの言うことは理解はできるが具体的にどうすればいいのか分からない。
但し、妾にした以上、要望があればできる範囲で叶えようとするだろう。

アカサギ > 「ぐくっ……! そ、そういうところだっての!」

脅すような言葉に、思いっきり声を上げてしまう。
けれど、恐らくこれは挑発みたいなものなのだろう。
アタシは深呼吸して、相手のことを見る。

「……あぁそう。
 ま、少しは信頼しましょ」

相手の騎士団というのは、悪い噂も聞こえるけど。
かといってやることなすことすべてが悪事とも限らないわけだし。

「どうかと思うな! そういうの!
 ……そ、それは……!
 ……ま、まず! 妾ってのは言い換えれば愛人・恋人みたいなもんでしょ!?
 まず、脅すようなのはナシ! それと、アタシはあくまでも血盟家側の人間だってのを忘れないこと!」

どんな扱いをしてほしい、って言われると。
それはまぁ、正直難しいところなんだけど。
とりあえず、アタシは思いついた条件を口にする。

「……ちゃんと。アタシの立場のこととか考えてくれて。
 その上で接してくれるなら、こっちだって……。
 その……あ、アンタに……ネメシスにサービスしないわけでもないんだし」

直感だけど。この相手は、人非人ってわけでもない。
ただ、ちょっと……力づくってのが多いわけで。
だったら、こっちから条件をしっかり提示してみたらどうかと思ったのである。

ネメシス > 「はいはい、落ち着いて落ち着いて。」

炊きつけたのは自分であることを棚に上げ、両手を翳して静止を求める。
燃え滾るアカサギに対し、あくまでマイペースであった。

「は~~~い。」

アカサギが口を動かしている間、黙って話を聞いていたネメシス。
間の抜けた相槌を打った後に。

「ちゃんと血盟家側の人間ってことは尊重してるわよ?
だから一度もこっちに呼び出したりしてないじゃない。
そっちも忙しい時期なのはなんとなくわかっているし。

まあ、貴女の望むことは良く分かったわ。
と言うことなら、そうするけど。
まあ、貴女も大変よね。
要は私とあっちの彼の両方を立てないといけなくなったわけですものね。」

アカサギから提示された内容を鵜呑みにしていくつもりのネメシス。
元より、手元にやってきた相手は大事にする所があり。
他の妾や団員など、身内には基本的に優しくしている。
接し方が不器用ではあるだろうが。

アカサギ > 「アンタが言うな!」

ホント、一々腹立たしい相手だ。
……そんな相手なんだけど。どこか、憎めないっていうか……。

「……ホントに分かってるの?
 ……ま、まぁ確かに。呼び出されたりとかはしてないけど。
 ……別に。そういうんじゃない。
 アタシはアニキに忠誠を誓ってるし、アニキのために働いてる。
 けれどそれとは別に、アンタみたいに。
 外の組織の人間に協力はするな、とかは言われてないし」

アニキを助ければネメシスを。ネメシスを助ければアニキを裏切る。
そういう状態ではないので、そこまで深刻には考えていない。
まぁ、もしもバッチバチの敵対状態になったらマズいんだけど。

「とにかく! アタシが、アンタに自然と協力したくなるようにしなさいってこと!
 脅されてとかで従わせられても、アンタへの信頼なんて芽生えないでしょ!
 ……うん。せっかく知り合ったんだから。信頼させてよ」

そこまで親しい仲、でもないっていうか。
一段飛ばしの全力ダッシュで関係が築かれちゃったからこそ。
信頼させてみて欲しい。じゃないと、どうしても不安だから。

ネメシス > 「…怒られた。」

これ以上刺激すると、本当に怒らしてしまいそうなので、口ごもることに。

「まあ、理解力が乏しいことは認めるけど、一応分かってるわよ。
貴女が元々誰に忠誠を誓っていても、何してても何とも言わないし。
それに、貴女が居る限りはそっちの組織とは揉めないから大丈夫よ。」

実際、配下の業種で言えば競合する分野もあるのだが。
先日の取り決めを遵守したネメシスの指揮の元、概ね落ち着いている。
細かい小競り合いはたまにあるだろうが、それが大きな争いになることは無く。

「それが貴女の望みならそうするわ。
でも、信頼って急に言われてもねえ。
貴女達の組織に手出ししてない時点で信頼と思って欲しかったんだけど。
貴女こそ、私と信頼関係気づく様な何かした?
今から何かするってのなら付き合うけど。」

実際、信頼と言われると難しい。
有象無象が蠢く世界に居るだけに、あまりそういった事を考えたことが無かった。
アカサギの言葉に、どうしようかと天を見上げる。

アカサギ > 「わざと怒らせるようなこと言ってる癖に……」

あるいは、それがこの相手の交渉術の一つなのかもしれないが。

「……それなら良いですけど。
 ま、こっちだって。そちらさん相手にいきなりケンカ売ったりってつもりはないから。
 そこは安心してもらってもいいかな……」

少なくとも、アタシ個人の話で言えば、騎士団にケンカを売るつもりは無い。
騎士団側がこっちに対して何かしないなら、全然衝突する可能性はないだろうし。

「それは組織間の契約と、騎士団の人間としてのアンタへの信頼でしょ?
 ……だ、だから。そういうんじゃなくって……。
 アンタって人間が、一人の女性として信頼できる相手だって思わせて欲しいってこと。
 ……う、そ、それ言われると……。
 ……いや、もう見回りは終わって帰るところだったんだけど。
 逆に、アンタこそ。アタシとしたいこととかないの?」

組織の偉い人、ではなく。一個人として、信頼させて欲しい。
そういう話なんだけど。確かに、アタシからコンタクトしていなかったのも事実。
なので、ここでちょっと話を振ってみる。
もしもしたいことがあるなら、付き合うのもやぶさかではないのである。

ネメシス > 「…えへへ。」

赤い舌を見せてほほ笑む。
図星だけに何も言い返せない。

「その方が良いわ。
うちとやりあってもそれほど良い事無いと思うし。」

ネメシスなりに、アカサギの言葉は信用していた。
万が一、本当にやりあうことになりそうな場合、もっと早い段階で伝えてくれるだろうと。

「そうは言うけど、私は産まれながらの聖バルバロ騎士団副団長だし、
産まれながらの聖騎士だからねえ…個人って割り切れる物でもないのだけど。」

目に見えなくとも、必ず護衛が付いているのが当たり前の存在だけに、個人としての話をされると困惑してしまう。

「そうねえ…それじゃあ、今日は貴女の家にお邪魔しようかしら。
お供もなしの一人でね。
何かあったら貴女が守ってくれるでしょう?」

お互い、じっくりと話してみるのもいいかも知れない。
それに、明日は当方かぶれの貴族に呼ばれている。
ここらで当方の暮らしを直に体験するのも良いし、
アカサギの日常を見てみたくもあった。

アカサギ > 「可愛くない」

いや、可愛いんだけど。
この状況でそんな顔されても素直に受け取れません。

「そりゃこっちも。
 ウチにケンカ売ったらタダじゃあ済まないと思うよ」

どっちの組織が、てなると難しいんだけど。
多分規模的にはどっちの組織も痛い目見ると思うなぁ。

「……ん……そっかぁ……。
 ……え、っと、つまり。
 今まで、ネメシス個人としての何か、って。
 ほとんど経験したこと無い感じなの?」

相手の言葉に、少し考え込んでしまう。
なんというか、アタシには想像できない世界だけど。
ある意味では、個というものをもたないという意味では。
アタシと似ている部分があるのかもしれない。

「アタシの家? いや、アタシ基本的に宿暮らしなんだけど……。
 まぁ、いいや。じゃあ、アタシが良く使ってる宿に招待するよ。
 まぁ、守るくらいなら。いくらでも」

家、っていったって。アタシ自宅なんて無いわけで。
っていうか、この国で自分の家をもてるのって結構凄いことだとおもうんだよねぇ。
アタシみたいなヤツは、当然家なんて持ててないので。
とりあえず、良く拠点にしてる宿に招待くらいしかできない。

ネメシス > 「…は~い。

まあ、その話はやめておきましょう。」

そのうち、どっちの組織が凄いみたいな言い争いになりそうな気がしたので。
実際、王都内で派手にドンパチすることは避けたいし、ネメシスにとってはアカサギの機嫌を
損ねるようなことは更に避けたかった。

「そもそも一人の時間ってのがね。
産まれながらに人々を導く運命を課せられているわけ。
だから個人でって言われると本当に困るわね。
結局、私イコール騎士団みたいなところあるし。」

個人と言うより、全てにおいて騎士団のナンバーツーである。
それを当たり前と思って暮らしてきただけにこの問いかけには苦笑を浮かべてしまった。

「それじゃあ、今日は貴女が過ごしている宿でお世話になるわね。
何か飲み食い位はできるのよね?」

ひょっとしたら手料理なんて? などと期待を膨らませ、声が上ずっている。
団員達は二人の会話を聞いていただけに、後を付いてくるようなことはしなかった。
…恐らくは、別の団員がさりげなく何処かから見守っているのだろうが。

アカサギ > 「ま、そうだね……。
 アタシも、家の自慢をしたいわけでもないし」

っていうか、家自体は嫌いなんだよねぇ……。
いやいや、もしもそんなこと言ったら、余計なトラブルになる。
そこについては黙っておきましょう。

「は、そりゃ大変ですこと。
 ……でも、窮屈そうだね。
 女の子らしいこととか、したことないんじゃない?」

相手の立場を考えれば、まぁ納得できる話である。
とはいえ、それを幸不幸で判定するのは失礼だ。
人にはそれぞれ背負っているものがあるのだから。

「はいはい、わかりました。
 そりゃあまぁ、それくらいは。
 招待する以上、こちらからご馳走させていただきますよ」

なんだか、急な話だけど。
アタシとしては、立場に縛られないで会話できるいい機会だと判断。
そのまま、一緒に歩きつつ。
周囲で、ついてきてこそいないものの、監視するような気配を感じ取る。
……まぁ、邪魔しないなら、いいんですけど。

ネメシス > 「そりゃあ大変よ。
何せ、付き従う団員達が数え切れないほど居るし。
最近は海への進出も始めつつあるからそっちの面倒も見なきゃだし。
…女の子らしいことねえ、カフェや服屋にはたまに行くわよ?
あ、温泉旅館にも行ったわね。
だいぶ女の子してないかしら。」

道すがら、指折りながら一つずつ女の子らしいことを思い出し。
どれも途中、一般的な女の子からは外れた行動を伴うが。
とまあ、逸脱した人生を歩んでいるが、本人は気にした様子もなく。

「へえ~、楽しみね。
どんなのをご馳走してくれるのかしら。」

遠くからこちらを伺っているであろう護衛達。
いつものことなので、気にすることなく二人で会話を楽しんで。
部屋に案内されると、どっかりとその場に座り込む。

その後は、曲がりなりにも二人の時間を楽しめるだろうか。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からアカサギさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からネメシスさんが去りました。