2020/01/13 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区・路地裏」にメリル・クルーガーさんが現れました。
メリル・クルーガー >  
「いいですねぇ。ここは良い匂いがしますねぇ」

だゆんぱゆんと強烈なモノを揺らしながら人気のない路地裏を歩く女性。
こんな場所に似付かわしくないにこにことした笑みを浮かべながら、黒に包まれた身体を見せびらかすように。
背負った十字架が地面を擦り、ゴドンゴリンと重そうな音を立てる。

「ここなら、我が主に喜んで頂けるかもしれませんねぇ」

うっとりとした表情で頬に手を当て、ぐるりと辺りを見回しながら歩く。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区・路地裏」にマリカさんが現れました。
マリカ > 「んむ……。」

幸せそうに骨付きチキンを頬張りながら歩いてくるのは一人の民族風の
衣装を着た一人の女。歩くたびに惜しげもなく引き締まった足をさらし
ながら歩いてくる。

「おっと、ごめんなさい」

路地の曲がり角、メリルとぶつかりそうになり、非礼を詫びる言葉を
告げながら軽く頭を下げる。小柄な女性だ、こちらの巫女さん、確か
修道女といったか、そんな格好だが、なんだかやけに重そうな荷車だ
小柄な女性なのに大丈夫かな?そんなことを考えて何気なく声をかける

「重そうですけど、大丈夫ですか?」

メリル・クルーガー >  
「あらぁ」

ぶつかりそうになったが、相手が直前で避けてくれた。
――もしぶつかっていたら、見た目よりもかなり重い衝撃が返っていただろう。

「こちらこそごめんなさいねぇ。大丈夫よぉ、見た目よりも力持ちだからぁ」

荷車どころか直接背負って歩いている。
十字架の方が重いので、どうしても引きずってしまうのだ。

「ありがとぉ、優しいのねぇ貴女」

にこにこと嬉しそうに笑いながらお礼の言葉。

マリカ > 「そうですか?方向によってはお手伝いしますけど。私が言うのもなんです
けど、このあたりあんまり治安良くないですし、危ないですよ?」

特に女の一人歩きは。自分も女だが一応武装もしている。だが目の前の女性は
武装どうこう以前に身動きするのも大変そうだ。大事なものなら置いて逃げる
事もできないだろうし、と余計な心配をしたのだ。

「教会、近くなんですか?お手伝いしますよ?」

教会に荷物を運ぶのだろうか、と少し勘違いしながら背後に回り、拒否されなければ
荷運びを手伝おうとするだろう。

メリル・クルーガー >  
「治安? こんなにいいにおいが沢山するんだから、大丈夫よぉ」

何かの香りが漂っているわけではない。
むしろ貧民街の路地裏だ、どちらかと言わずとも臭いと言えるだろう。
だと言うのに、にこにこ笑いながら。

「教会? そんなところ行かないわよぉ」

こてんと首を傾げて。
荷物運びを手伝ってくれることには特に拒否もせず。
後ろに回った彼女が荷物――十字架に手を伸ばすのを見て、

「――貴女に持てるかしらぁ」

と困ったように告げるだけ。

マリカ > マリカはメリルの言葉に不思議そうに眼をしばたかせると、小鼻を動か
しながら周囲の匂いを嗅いで、最終的に手元の鳥の骨に視線を落とし、
最後に残った鶏肉を齧った。

「いい匂い、って何ですか?」

私には何も感じない、ただ埃っぽいにおいがするだけだ。

「特別力が強いわけじゃないですけど、一人で運ぶよりは断然楽だと
思いますよ?」

目の前の小柄な彼女が引きずるとはいえ運んでいるのだ、自分にもできるだろう。
そんなことを考えながら、腰を入れてよいしょ、と十字架を持ち上げようとした。

メリル・クルーガー >  
「わからない? こんなに濃厚に漂ってるのにぃ」

それは気配。
未来への不安だとか、治安の悪さへの恐れだとか、暗闇の怖さだとか。
つまるところ、

「恐怖のにおいよぉ」

一点の曇りもない笑顔で。

彼女が持ち上げようとした十字架は、成人男性二人分ほどの重さ。
こちらが片方持っていても、彼女の腕と腰には成人男性一人分の重さが伸し掛かるだろう。

マリカ > 「恐怖……って……んっ!?」

メリルの言葉にあっけにとられるマリカだったが、次の瞬間全身にかかる負荷に目を剥く。
何という重量。びっくりして思わず手を放す。腰がきしむのを感じ思わず手を伸ばしながら
信じられないといった顔でメリルを見つめる。

「人間、じゃないんですか?」

こう見えて亜人なのだろうか?それならそれで相手の力の強さも理解が
出来るのだが……。

メリル・クルーガー >  
「さぁ、どうだったかしらぁ。忘れちゃったわぁ」

困ったわねぇ、なんて笑いながら。
自分が人間かどうかなど、気にしたのはいつ以来だっただろうか。

「大丈夫? 腰とか、痛めてない? ――あらぁ?」

十字架の重量に驚いた彼女へ手を伸ばし、しかし何かに気付いたように。

「貴女からも、ちょっとだけいいにおいする、かもぉ?」

顔を近付けてすんすんと。
未知のものに出会った恐怖を感じていたのなら、それをかぎ取ったのかもしれない。
彼女の顔に近付いたことで、修道服がわずかに脈動するような動きをしているのがわかるかもしれない。

マリカ > 「……?」

初めはちょっとした手助けのつもりだった。だが、忘れたというのはど
ういう意味か、その怪力は何なのか、そもそも目の前の彼女は本当に
ただの修道女なのだろうか。市街地の中で出会った目の前の女性が
何か人間でも亜人でもない怪物なのではないだろうかと、メリルの
つかみどころのない対応に不安が広がっていく。メリルの言ういい匂い
はじわじわと広がり濃くなっていく。

「あの……」

声をかけながらも思わず手が武器に伸びそうになる。

「お手伝い、出来そうにないですね」

腰、痛めちゃいましたし、なんて笑いながら立ち上がろうとして