2019/12/09 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にプリムさんが現れました。
プリム > 「えっと……この先…のはず」

薄暗い貧民地区の路地の一つを抱えるような荷物を持ちよたよたと歩く人影。
普段は絶対に近づかない場所であるが受けた仕事がこの場所への配達、しかも内容をよく見ないで飛びついた仕事なのでキャンセルもできずに足を運び。

そうして地図の通りに来た訳だが…目的地近くのはずなのに届け先は見つからず。
何度か往復したりとして今度こそ付くはずと周囲を気にしながら新たな路地にと足を踏み入れていく。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にヴェンディさんが現れました。
ヴェンディ > 「…む?」

特に目的もなく、今日もいつもの遊びをしていたところ。
何やらふらふら、よたよたと歩く影を見つける。

全く、人というのはどうしてこう無茶をするのか。
愚かすぎて愛おしさが見るたびに湧いてくる。
ふ、と笑った後、大股で相手の正面から近づいていき。

「おい、そこの女。少し貸せ。そのままだとコケても知らんぞ」

尊大な口調で言いながら。
ひょい、と指先だけでその荷物を持ちあげようと。
異様な雰囲気の男だが、やけに優し気な声だ。

プリム > 少々外装に傷がついても大丈夫と聞いていたのでふらふらとと歩く間に荷物はぼろっちくなり。
そんな見た目になったせいで運よく物取りにも遭遇せずに届け先を探し歩けて。

それでも何往復かしていればいい加減疲れもして更に歩く様子はフラフラに。
そろそろ何処かで一度休憩でもと考えていると前から足音が聞こえ視線を向ける。
視線の先には貧民地区には似つかわしくない服装の人影。

「ふえ?え?あ、ありがとうございます」

唐突で尊大な言葉に何?と目を丸くしてしまい。
その間に荷物は、驚いたことに指先だけで持ち上げられてしまう。
荷物の重さがなくなればふらつくこともなくなり、驚いた顔のままにお礼を口にし慌てて頭を何度も下げる。

ヴェンディ > 「よいよい。脆弱な人間が潰されるのを見るのは忍びない」

瞳を通して強化の魔法を瞬時に発動させ、自分の膂力を強化している。
魔力の流れなどが見えれば、それも見えるかもしれない。

「で?愛い娘よ、こんなものを持ってどこに行くつもりだった?」

指先でつまんだまま、荷物は青年の側面へ。
正面から相手を見れば、彼の基準で言うと可愛らしい顔をしている。
あっさりと愛い、などと言いつつ、目的を聞いてみよう。
姿の割にやけに尊大な口調だ。

「いくら襤褸とはいえ、荷物があればこんな場所で襲われても文句は言えぬぞ」

言葉はたしなめるようだが、視線には柔らかな気持ちが含まれている。

プリム > 「つぶれませんよ。これでも鍛えてますから」

そうは言うが見た目は華奢に見えとても鍛えているようには見えず。
また魔法もさっぱりなので指先だけで持ちあげる姿は凄いと驚いた眼で見ている。

「愛い娘じゃなくてプリムですよ。それはこの辺りにある届け先へ配達するんです」

どうやればあんなに簡単に持てるのかと側面に移される荷物と青年を交互に見つめ。
愛い娘ではないとつい聞かれたわけでもないのに名前を告げて無意味に胸を張って見せ。
仕事ゆえの秘密保持があるというのにあっさりと告げてしまう抜け具合。
このせいで未だに冒険者としては低級なのだが…。

「それはそうですけど仕事ですから。でも襲われていないので大丈夫です」

尊大な口調だが言ってくれているのは自分を心配する言葉。
それに言葉はたしなめてるが視線は柔らかく、きっといい人なのだろうと勝手に考えて。