2019/09/16 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にクウさんが現れました。
■クウ > 貧民地区の治安があまり良いといえない一角。
いくつかの店や露店が並ぶ路地の通りで壁に背中を預けて目を閉じる。
この通りにある店の護衛として雇われた訳だが何かが起きる訳でもなく平和そのもの。
「……平和……」
護衛ではあるがあまりの暇さに覆わず言葉にしてしまう。
それが聞こえたのか近くの露店の店主の苦笑の声が聞こえて顔を赤く染め。
それを誤魔化すように首を振り、通りを眺めるように見回して。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にセヴンさんが現れました。
■セヴン > ごった返すという程人気の多い場所ではない。
それも当然であり、貧民地区は総じて治安が宜しくはないのだ。
しかして露店が並ぶ程度には、貧民地区にしてはという言葉がつくが、まだ秩序がある方だろう。
「平和じゃない貧民地区となると、もう少し先行って路地に入らないと無いだろうな」
彼女が背を預ける壁の脇、一見すれば同じく暗い壁に見える様な暗がりの小路よりぬるりと姿を現した。
その両手に幾らか重そうな木箱を抱えて。
■クウ > 用心棒がいれば物騒な場所でもそれなりには安全。
この場所はそんな一角なのかもと何度も来ていればわかってくるもの。
思わず気が抜けそうになっていれば突然の声に驚き。
「……あっちは……専門外…。私は…この辺りだけ…」
すぐ脇の小路からの声に思わずに振り返ると人の姿。
重そうな木箱を持った姿を上から下と見つめて。
「配達……?」
思わずそんなことを問いかけてしまう、場所だけに。
■セヴン > どうやら気を抜いていた所への不意打ちとなってしまっていたらしい事に、遅まきながらに気付きはしたが、如何せんこの通りで起こる危険な出来事など、良くて強盗程度。
一瞥して、その近く、彼女に苦笑を投げた露天商を、彼女の頭上より覗き込んで。
「それが良い。
あっちは寧ろ俺が専門だ」
目当ての人物である事を確認する為、前を失礼して露天商の前まで。
木箱を置き、懐から便箋を取り出して一言二言。
「…あぁ、貧民が集まる場所でも、富豪が常用する様な物を好き好んで買う奴も居てな。
――――…ん、じゃあ確かに届けたぞ」
露天商が木箱を開けば、中にあるのは貧民地区にあっては上質と言える酒瓶が数本だけ。
■クウ > 「……斬った張ったは専門……だけど…用はない」
より奥に行けばどうしても刀を振る機会は増えるはず。
それは専門ではあるが今はやるつもりはなく首を振り、専門という彼に任せるというように見つめて。
自分の前を通り過ぎてそばの露天商に近寄り木箱を置き何かのやり取りを眺め。
「…ン、それは知ってる。ここは…何でも買えるし…揃う場所、だから。
……お酒……?」
何を運んできたのか時になり露天商が明けた木箱を覗けばお酒。
しかもこの辺りで出回る安酒や密造酒ではない本物の高級品。
それを見ては目を丸くし、酒瓶と運んできた彼を交互に見てしまう。
■セヴン > 「寧ろ殺るか殺られるか……が近いか」
治安の悪さ、という言葉では言い表せない位秩序の無い区画も存在する。
そして貧民地区の怖い所は、今居る比較的安全な区画や危険な区画が、法則無しに点在している事だろう。
さておき、露天商からは礼のつもりか、それとも成功報酬か。
何本か転がっている内の一本を手渡されていた。
貧民地区ではかなり上等な、しかし表に出れば比較的普通程度の。
「あんまり質が良いのはそれこそもっと奥だけどよ。
…あぁ、この旦那、区画別で売るモン買えてんだよ。
酒はまた別の区画だ」
流石に荷物を増やして商売を続ける訳にはいかないのだろう。
露天商は広げていた商品を片付け、木箱を抱えてその場を後にして。
「………出来れば金で払ってくれた方が良かったんだが……どうするか、これ」
売値が分かっていても、普段商売していない人間からは買わないだろう。
僅かばかり困った様に後頭部を掻けば、彼女の視線に気付き。
「――…………いるか?」
軽く掲げて問いかけた。
■クウ > 「斬れば後は……そうなる。刀…そうだから」
それは判っていると言うように頷き。
貧民地区は安全と危険が混じる場所、それだけに仕方なくでも刀を抜いた数は判らない。
だからこそそれは判ると小さく頷いて。
この場所でお酒を見るの初めてで驚いていれば露天商が酒瓶を渡しているのが見える。
銘柄や酒の良し悪いは大体しかわからないが…自分にはいいものにと見えて。
「そうなの……?十分…よく見える。
この人…ほかでも……やってるんだ…」
てっきりこの場所だけだと思ってたのだがそうではない様子。
やり手なのかなと思っていればあっという間に商品を片付け去って行ってしまい。
「……用心棒代……もらってない……」
一応は露天商に雇われていた身。
危険も何もなかった訳だが報酬を貰いそびれてしまった事には肩を落として。
「……飲まないの?」
軽く掲げられた酒瓶を見て、いいの?と問いかけて。
■セヴン > 「…ま、そりゃそうか」
互いに刃物をこれ見よがしに提げる身。
そうなれば当たり前だが言わずもがなであったか。
改めて抜く必要性の薄いこの通りの有難みというのを実感しつつ、目利きの良い彼女へと酒瓶を差し出した。
「割とそういう商人は此処ら辺多いんだ。
…この一本でその代金の代わりになれば良いんだが……」
秩序と法で守られている表通りとは違って、隙を見せれば損をするのが貧民地区。
苦笑いを浮かべはするものの、彼女とてそうした事実は知っているだろうと、同情まではせずに。
「そりゃ勿論飲みたいが、暇なままずぅっと立ち続けた報酬位はあって然るべきだろ?」
ほら、と今度は軽く横に振って、中身が濁らない事を証明してみせた。
■クウ > 刀は持つが必要以外は抜かないと決めている身。
彼はどうかは判らないがお互いに武器を持つだけにすぐに抜く人でないといいなと考え。
貧民地区でも平和といえる場所では出きれば斬り合いはしたくないと見つめていれば、差し出された酒瓶に首を傾げ。
「いつも……くれてたから…油断した……。
でも‥私がもらうと……そっちが…無報酬……だよ?」
今までは少額とはいえ貰えていただけの油断、次は気を付けないとと誓い。
「……そう…?でも…私……お酒、弱いから……全部飲めない…」
揺らされた酒は濁りがないから混じりものもないように見え。
貰ってもきっと全部は飲めないのでどうしようと悩んでしまう。
■セヴン > 果たして彼女の願いに沿う価値観か、はたまたまったくの逆か。
少なくとも、こうして真っ当な報酬を貰い損ねた状況ではそれを確かめる様な事態には至らない。
「オオカミ少年でも相手にしてる、って思っておけば良いさ。
…………それも、そうか…」
続く言葉には眉根を寄せていた。
信頼が必要なのが商人との契約だが、割と少なくない確率で逃げられたりもする訳で。
現金でないとはいえ、折角得た報酬が完全に無くなるのはやはり惜しくもある。
「じゃあこうしよう。
俺も一緒に飲めば良い。
そうすれば、お互い報酬は貰えて、酒も飲み干せて、問題無いだろ?」
方や酒に弱く、方や無報酬は惜しく、そうなれば自然と取れる手段は限られるというもので。
■クウ > 「オオカミ?それだと……食べられる?
私……はいいけど……あなたが…損、するよ」
今日は逃げられてしまったのは運の悪さと油断。
彼はそこを現物とはいえ報酬を貰った運がいい人。
それを受け取れた彼は運がいいと見てしまって。
「一緒に?
それなら……損は……ない?私は…それでも…いい。
どこで……飲む?」
おそらくコップ一杯でダメになってしまう自分、残りは彼が飲めばちょうどいいかな?
そんな考えてその提案に頷き、どこでと問いかけして。
■セヴン > 「俺は貧民地区出身だからな、この程度なら損って程じゃない。
ただ次会った時に胸倉掴んで報酬上乗せさせるだけさ」
大袈裟に肩を竦めては見せるものの、続ける言葉は存外直情的なものであった。
運も実力の内ならば、実際の腕力で示すのも有効といえば有効ではある訳で。
「交渉成立だな。
ふむ…どこで、か……。 一応空き家ばっかだし、好きなボロ屋借りれば良いんじゃないか?
家無い奴等も普通にそうやって寝てるし、鍵さえ掛ければ侵入もされない」
貧民地区で持ち家を持つのは逆に盗みや強盗に入られる要因になる。
その為通りを作る建物のほとんどは持ち主無しの空き家。
そんな事情もあって、自由勝手に使える無料の宿に等しい。
■クウ > 「そう……なんだ。私、旅人だったから…もらえないと…困るから。
それ……いいかも…ね」
きっと自分では出来ない事を口にする彼に思わず笑みをこぼし。
ここではそれも有りなんだと新しい世界を見た気分になってしまう。
「ん……成立。
それで……いいの?
えと……問題ないなら……それでいい」
この辺りは仕事と教会に行く以外はあまり来ない。
だからその言葉には戸惑いを隠せないが、この地区出身の彼が言うならそれでいいのだろうと。
それに腕に自信のある二人なら少々の事でも大丈夫だろうと考えて頷く。
■セヴン > 「あぁ旅人……確かにそれならそうか。
今度からは紐か何か結んで、逃げない様に掴んでおくべきかもな」
冗談混じりではあれど、確実性という意味ではきっとこれ以上無い方法であろう。
そして貧民地区であるならば、それも案外気にされずに罷り通りそうでもあった。
「たまぁに住んでる所もあるが、ドア開けようとすればそれも分かる。
判断材料は、鍵が掛かっているか……いないかだ」
無駄に溜めて、核心をついたかの様に厳かに言い放った。
しかし実際問題それが一番確実であるのに代わりは無い。
言うだけ言ってしまえば、さて空いているのはどこだろうか、と手近な建物の扉の確認作業へと入っていくのであった。
■クウ > 「路銀……ないと…困るから……。
それ、いいかも……次から…やってみる…」
紐は掴めるか判らないが逃げれないようにするのはいい案。
次に雇われた時にはそれで対処してみようと考えて。
「それで…わかるんだ……慣れてる…から?
鍵…かかっていなくて……いたら…どうする…の?」
それは確かにわかりやすい、ただかかっていなくていた場合を一応の確認。
それを聞けば彼の真似をして建物の扉を確認していくのであって。