2019/07/14 のログ
カイン > 「…ん。酒もそろそろ潮時かね」

ふと気が付けば随分と夜が更けた気配がする。
人よりも随分と頑丈な体を持っている自負はあるが、
かといってほかの全ての部分が人間以上かといえばそんなこともない。
悪酔いしない程度に終わらせようかと緩く息を吐いて考えながら、
立ち上がってその場を後にしていくのだった。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区/酒場」からカインさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にレンチェフさんが現れました。
レンチェフ > 客待ちの娼婦が立ち怪しげな露店の並ぶ貧民地区の通り。
見た目が怪しいと言える住人を縫うように歩くのはミレー族の特徴を隠さない男。
普通ならば絡まれても仕方のない場所を歩くのにそれがないというのは、この辺りではそれなりに知られている証拠か。

時折に人にぶつかりはするがそのままに歩いて知った顔の娼婦に軽い挨拶をしたり、睨みつけてくるチンピラを不意に殴り倒したりとして歩き。

「あったあった」

少し先に目的の露店を見つければ近づき早速商品を眺める。
並ぶいかにも使い古した武器を眺め…金はあるはこの辺りは節約、後で遊ぶ金を残す為に中古ではあるが新しい武器を眺める。

レンチェフ > 「これとそれ…それとそいつを貰うわ」

しばらく眺め、大剣を一本、そして投げナイフを選んで購入して店を離れ。
適当になじみの娼婦を買い安宿へと入っていくことに…。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からレンチェフさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にポチさんが現れました。
ポチ > 「くぅ、くぅ・・・」


貧民地区の少年の塒。
風通しが良い公園のベンチの上に横たわり、蛇のような尻尾をゆらゆらとさせながら小さな寝息を立てる少年。

場所が場所であるにもかかわらず、無防備な寝姿を晒している。

ポチ > 家無し、宿無しではあるが、街の掃除などをして稼いだお金で定期的にお風呂に入っている為、体は清潔であるが、栄養が足りないため、腕も細く、体も細い。

お昼寝のつもりが意外とよく眠ってしまって…
少年の幸せな眠りを妨げたのは空腹感。


「んぅ…」

目を覚ましながらもぽけーっとした少年。
ぼんやりとした視界のままもぞもぞとベンチに手をつき体を起こす。

「お腹すいた… お腹一杯ご飯食べて、ふわふわの柔らかいベッドで寝たいなぁ…」

ぽそっと小さく呟き、自分の小さな手でお腹のあたりを軽く撫でる。

ポチ > 寝起きでしばらくぼーっとしてはいたが、このままじっとしていてもお腹が満たされる事も無い。
少年は小さくため息を漏らすと、素足を地面につける様におろし、ゆっくりと立ち上がる。

ポチ > 「…どっちに行こう…。」

そう小さくつぶやくと公園の中に視線を這わせ、体を解す様に屈伸運動をして、一息。

今日は何処のレストランの裏に行こうか、等と考えながら背伸びをしたり膝を負ける様に屈伸をしたり。

ポチ > 少年は悩みながらもペタ、ペタと素足に地面の熱を感じながら歩み始める。

とりあえず、向かう先はそこそこおいしいレストランの裏。 今の時間であれば、新鮮な?残飯が出てくる頃合い。

それとも町を出て川で魚でも取ろうか…。
等と考えながら、たどり着いた目的の場所。
すでに先客の犬や猫たちが残飯を漁り終えており…。
「むぅ…失策…」

はふと小さくなるお腹を撫でながらため息が一つ自然にこぼれた。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にアラミルさんが現れました。
アラミル > …仕事の合間に、たまにここを訪れることがある。
やはり、自分が目覚めた場所だからだろうか。
今では遠い昔に思える買えれど、それでも懐かしさを感じて。
ふらりふらりと…根城にしていた場所を巡っていたが…その一つでため息を漏らす声を聴く。

ゆっくりと…足音を響かせながら近寄って。

「……わたし、も……よく、そうしてた。」

少年の後ろから、小さな声がかかるだろう。
振り向けば…こんなところに来るはずもない、豪奢な衣装をまとった女性がいる。
上から覗き込むように…残飯を漁る相手を見ていて。

ポチ > 動物では届かない奥の方に何かないか等とごそごそしている少年。
今日はめぼしい物も無く、ため息がもう一つ。

耳に届く足音にピクリと体が揺れる様に反応すると、背後から声を掛けられる…。

剥けた視線の先、貧民地区のレストランの路地裏で見るにはあまりにも浮いた豪華な衣装をまとった女性。

「? お姉さんも昔はご飯漁り…してたの?」

収穫が無ければ、いつまでもごみ箱を漁っていても仕方がないと身を起こし、汚れた手の平に視線を落とすと、自身の身に纏う襤褸の裾で手を拭う。

豪華な衣装であり、美しい相手、どこか信じられず、少年はじっと相手を観察する様に見上げるのだった。

アラミル > 「うん……ごはん。…けど…あなたの、とはちょっと違うかも…」

相手の質問に、くすり、と笑いながら。
ともすれば聞こえてくる微かなレストランの喧騒に紛れてしまいそうな声。
観察するなら、大人の女性としての身長。
さらりと揺れる銀の髪と…近づいたため良く見える薄い青の瞳が見つめ返す。
豪奢な衣装に包まれた肢体は肉感的で、とても貧民地区に居たようには思えないだろう。
少年に嘘と思われても仕方ないが、彼女にとっては事実だ。

「…おなか、すいてる…?」

返す言葉で聞くのは、半ば答えがわかり切っている質問。
首を傾げた拍子に、さらりと長髪が揺れて。

ポチ > 「?ちょっと違う?」

相手の言葉に不思議な表情を浮かべた少年、小さい頭を軽く傾け考えるそぶり。
なれど分かるはずもなく、数瞬でその疑問は横に置き、店から漏れる光によって照らされる銀色のさらりと流れる髪も、薄い青い目も綺麗。等と考えながらも、相手が紡いだ言葉。

口で応える前にお腹が小さくキュルルと鳴いて答え…。
「…うん…、ペコペコ…。」

横にかしげた相手に対して少年は頭を前後に揺らし答えてから…、はたと、相手がもしかしたらご飯を食べさせてくれるかもしれないと目をキラキラと輝かせ。

「ポチにご飯食べさせてくれるなら、ポチにできる事、何でもするよ?」

そして、ただ貰うわけにもいかない事を知っている少年目を輝かせながら胸の前でぐっとこぶしを握り小さくやる気ポーズを相手に見せた。

アラミル > なぞかけのような言葉だったが、特に答えは出さず。
相手のお腹が鳴るのを聞けば、またくすりと笑い。

「そ……。おなか、空くのは…辛い、よね…」

実感のこもった言葉。
彼女も…ここで『ごはん』を食べていた時、ありつけなければ、飢餓感に襲われていた。
それを思い出し…ぐ、と拳を握る少年の手を握り…少し引っ張り。

「…じゃあ……なんでも、してもらう…。…その、前に……行こ…?」

そのままゆっくりと歩きだし。
少年が残飯を探していたレストランの入り口へと引っ張っていこう。
扉を開ければ…奇異の視線が突き刺さるだろうが、少なくとも女は気にしておらず。

「……なんでも、……いいよ。」

引っ張って…、例え少年が戸惑っていたとしても、共に席に座ろうと。
そうすれば、にこ、と笑って…少年に、なんでも頼んでいいと伝えよう。

ポチ > お腹が鳴った時相手が小さく薬と笑えば少し恥ずかしそうに体を揺らし。
白い肌に話わずかに朱が混じる。

「ん…雨の日とかお店がたくさんお休みの日とか… お腹がキュゥキュゥ言うし、元気なくなるの…」

そして重ねられた手、その暖かさに戸惑いながらも少年も小さな手できゅと握り返して…。

「ふぇ…でもこんな格好じゃぁ追い出されちゃうよ…。」

そんな呟きを漏らしながらも相手に連れられ、扉が開き、奇異の視線が突き刺されば小さな体を相手の身体の方へと寄せ…。

それでも相手の服装がしっかりしている為、物好きな金持ちが浮浪児に食事を与えるのかと、納得した者達から嫉妬の視線を向けられたりもするが、少年は相手と共に席に座るが、向かい合うよりも距離が近い事を選ぶように隣に腰を下ろす。

覗き込まれれば、痩せながらもしなやかで幼さのあるぷにぷにの胸元が上からちらりと見えるだろうが、本人はそんな事は気にしておらず。何でもいいという言葉と、見上げた時の笑顔に嬉しそうに満面の笑みを向け…。

メニューとにらめっこを始める。
「えっとね… じゃぁね…  このハンバーグと、野菜スープとパンのセットが食べたい! あ…あと…この果物のジュースも…いい?」

果物のジュース。それは残飯あさりではほぼありつけず、街の外の果物も自分一人の力では危険で取ることができずに少年にとっての一番の贅沢品。

目をキラキラと輝かせながら、隣にいる相手を見上げおねだりをして、足や、尻尾は嬉しさに揺れている。

アラミル > どこか超然とした彼女の雰囲気が、陰口程度からレストランの内部の雰囲気を進ませず。
この街では、貴族が奴隷を連れていることもままあり、更にこういった女には大抵店の外に護衛が付いていることも知っているレストランの者たちは特に口出しもしてこないだろう。

少年が隣に座ってくれば、じ、と…先ほどのお返しのように相手を見る。
幼い、瘦せっぽちの相手。けれど…自分も、そんな体の事があったため、特には気にしない。

「…いい、よ。……残ったら食べてあげる、から…、これも…どう?」

少年の注文に笑いながら、す、とメニューから横入りしてきたのは、女の細い指。
それが指したのは、主に食後に提供される…魔法が籠った器で冷やされた、動物の乳。
暑い季節にぴったりの甘いそれは…流石に富裕地区などの高級店には及ばないが、この店での一押し、かつ高級な品だ。

女は、少年が見た目通りの嗜好らしいと判断し…娼館の同僚から聞いた甘味を勧めてみる。
少年が頷くにしても、断るとしても…近くを通った気前の良さそうな男を引き止め、それらを注文する。

「………しっぽ、かわいいね…」

そうした後、料理が来るまでの少しの間、相手の事を観察し始める。
ただ、出した言葉は…おべっかを使っているような調子ではなく凪いだ水面のような瞳には、少年に対しての興味の色が覗いていて。

ポチ > じっと見つめられれば、ふと見上げた少年の蒼い瞳が相手を見詰め、小首を傾げ…。

「大丈夫。 お残しなんてしないもの。」

相手が承諾すれば、少年は嬉しそうにうなずき、相手が指差す物…食べた事も無ければ想像もつかないが…勧められるがままにこくんと頷き。

ふと相手に尻尾を褒められれば、矢じりの様な先端を持つ蛇のような尻尾は嬉しそうに揺らめき。

「えへへ、有難うです。 便利な尻尾、思うが儘。」
褒められれば少年はんふーと嬉しそうにその小さな胸を張って、ゆらゆらと尻尾を器用に揺らし、その先端を相手の手に絡めようと動かしていく。

アラミル > 「…、ごはん、探す時も便利そう…。」

絡まってきた尻尾をしげしげと眺めた後
くに、とその先端を摘まんでみたり。
人外であることは察したが、自分もそうであるため、拒絶はしないようだ。
くすぐったいのかな?と、思ったりもして、かりかりと指先で掻いてみようとする。

そんな風にじゃれているうちに、まずは野菜スープとパン、果物のジュースが運ばれてくる。
ハンバーグは時間がかかるため先に簡単なものを出して客を不満にさせないように、ということらしい。

「どうぞ…、私の事は気にしなくていいから、ね…」

一人で食べれる?と聞いて…様子を見よう。

ポチ > 「うん。 ちょっと便利。 …っ… ちょっと擽ったい…かも。」

しげしげと眺められる尻尾。 摘ままれたり指先でカリカリと掻かれれば手の中で揺らめきその指先に絡みつく様に摺り寄せていく。

「頂きます。」

こくんと頷きまずは果物のジュース、コップを大事そうに持ち上げてから、口元に運び細い喉を鳴らしこくりと一口。

酸味の強い甘みに幸せそうな笑みを浮かべ。
さっぱりしたところでパンを一口分千切ると、野菜スープに軽くつけてから一口。

それだけでも少年は幸せそうに満面の笑みでニコニコしながら足や体を揺らしながら味わっていく。

程なくして目の前に置かれたハンバーグ。その大きさと香りに感動したように目を輝かせ。

「すごい 温かくて、美味しそうな匂いがして… すっごい幸せ♪
えっと、あらためて、お姉さん有難う…」

ふわぁぁっと少年はある意味で幸せの絶頂。
ナイフとフォークを持ち、ナイフでハンバーグを一口切り分けると溢れる肉汁にわぁっと、小さく歓声を漏らした。