2019/06/30 のログ
ご案内:「貧民地区 『Bar 』」にジェルヴェさんが現れました。
■ジェルヴェ > 「気ィ付けて。まっすぐ帰れよ」
(最後の客が千鳥足で通りに向かい歩いていくのを軒下から見送って、名もない酒場の店主は今夜の業務のひと段落をようやっと実感した。
息を吐いてドアを閉めると、空いたグラスやら皿やらが残ったままのテーブル席を総スルーでカウンターへ。
片付けを始める前に小休憩、そんなつもりで酒瓶がずらりと並んだ棚の前で立ち止まる。
上から下まで、端から端まであっちこっちへ顔を向けた瓶のラベルに視線を走らせて、そこからウォッカを選び手に取った。
ついでにグラスを用意して作業台へ並べ、食糧庫からもボトルとレモンを一つ取り出しカウンターへ追加。
一杯飲んだらやる。これを飲んだら片付ける。誰にともなく呪文めいた言い訳を頭の中で唱える店主はどうやらすっかり終業気分でいるようだが、店のドアプレートを閉店中表記にひっくり返すことを忘れたままだ。)
■ジェルヴェ > (食糧庫から取り出されたボトルは赤々と彩り鮮やかで、よく冷えていた。既に容量の半分ほどまで減っているが気にしない。
数日前に赤いジュースの材料であるトマトを貰ったのは店にというよりも自分だから自分が飲んでやるのだと、また誰にともなく言い分けて酒瓶と一緒に栓を抜く。
グラス―図らずしもジョッキだ―に氷を満たして突き刺したマドラーで数度回転、グラスを冷やしてトマトジュースとウォッカを注ぎ入れ、最後に絞ったレモン汁を少量加えて更に混ぜ―――
今夜の飲み納め、もとい仕事の合間の小休憩、その供の完成。
さっき客に出した分は申し訳程度の見栄え用にセロリを突っ込んでやったりレモンを絞らず縁に添えて飾ってやったりしていたが、自分の為にそれを行った所で黄色い声で喜んでくれる女子はいないので気軽なものだ。)
■ジェルヴェ > (ジョッキを手に取り一口。トマトの酸味よりウォッカの鋭さが先に舌を捉えたが、酒の分量を少々多めにしたのはわざとでなく目測を誤ったせいである。このまま飲み干したきりカウンターやテーブルを片付けないまますんなり寝付けるため、だとか。そういった怠惰な狙いは決して無い。
本日三度目の言い訳だった。
軽く味見をした後で、唇についた赤を舌で舐め取りながら棚を漁ってブラックペッパーの小瓶を取り出す。そこから粒を一つまみ、二つまみ。ジョッキの中へ振りかけて再び軽くステアすると、マドラーを引き抜きシンクの上へ無造作に転がしてもう一口。
好みに味付けを整えて、片手にジョッキを携えたまま店主はカウンターを回り込んで席が並ぶ側へと移動する。使われていない端の席を選んで片手でスツールを引いて腰を掛け、脚を組んで長く深い嘆息を吐いた。)
■ジェルヴェ > (―――どれくらいか時間が経って。
本来出番となるはずの時刻になっても、分厚い雨雲に覆われて太陽が役も果たせないような明け方の雨模様。その中で。
その日のある酒場は、普段と変わらず朝方過ぎまで店を開けたままでいたと言う。
翌日マリーを気に入った客が店で同じ注文をしたらしいが、あいにくトマトジュースは品切れになったとか。
店主がひとりで飲み干した―とは、その客には内緒だ。)
ご案内:「貧民地区 『Bar 』」からジェルヴェさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にセイン=ディバンさんが現れました。
■セイン=ディバン > 「……酷いもんだ」
貧民地区のとある路地にて、男が空を見ながら呟く。
本日は生憎の天気。強く降る雨に、思わず憂鬱な気分になる。
「どうするか……適当に酒場にでも行くかな」
このまま外にはいたくないな、と思い。
男はどこで雨を凌ぐかを考える。酒場、冒険者ギルド、シーフギルド、娼館。
この辺りが無難か、と思いつつ、今いる位置からの地図を頭に描く。
「……どうせなら、長居できるような場所の方が良いな」
この雨がいつまで続くか分からない以上、長居しやすい場所の方が良いと思い。
男は、近くにあった空き家の軒下に身を躍らせ、考えをまとめようとする。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にハーティリアさんが現れました。
■ハーティリア > ざぁとふりしきる雨の匂いに混じり…路地の奥からふわりと…セインの鼻を掠める、覚えの在る甘い匂い。
路地の奥…雨ざらしの袋小路にある木箱の上に腰掛け…壁に背を預けるように目をつむり、微動だにしない影一つ…。
「……。」
いっそ、張り付いた雨水の方が凍りそうな冷たい肌を晒したまま、目を瞑って動かないそれは…確かに彼の知った顔で。
つぅ…と人形のように白い肌を、雨水が滴るように伝っていた。
■セイン=ディバン > 「……んあ?」
ひく、と。鼻に香った匂いに、男が周囲を見る。
通り、ではない、と。きょろきょろと周りを見ながら。
路地の奥の方を見れば、そこに、人影が一つ。
その姿を認めれば、男は、とことこと相手に近づき。
「風邪ひくぞ」
そう言って、相手の上半身に、自身のコートを着せる。
男のバトラーコートは特別製であり、雨が染みることなどはありえない。
そのまま、相手の顔を覗きこみつつ。
「どうした? ハーティ。なんかあったか?」
と、尋ねてみる。なんだか、いつもとは様子が違うように見えた。
■ハーティリア > 「……ん、ぁ…?」
コートが己の身体に触れる外からの刺激に…うちに沈んでいた意識が浮き上がる。ぼんやりと開いた視界に入ってくるのは、見知った顔。
「……セイン?…あぁ、もう夜なのか。 最近は記憶の整理に時間がかかっていけねぇなぁ。」
覗き込む男の顔…戯れにチュ、とこちらから唇を触れさせてやろうとしながらも、クツリと笑いながらグッと身体を伸ばすと…バキバキッ、と長時間同じ体勢でいたせいか、派手に関節が音を立てて。
「ん~?いや、なんつーか…仮眠みたいなもんだよ、いわゆる。あと、俺は風邪引かないって、しってるだろ?」
睡眠というより、瞑想に近い行為だが、他に適当な言い回しを思いつかずに答え…彼の注意じみた言葉には苦笑いして肩を竦めよう、死体が風邪をひくなんて、それこそ笑い話にしかならない。
■セイン=ディバン > 「よぉ」
相手の、どこかのっそりした様子を気にしつつも、挨拶する男。
「あぁ、もうだいぶ遅いぞ」
記憶の整理? と首を傾げていれば、唇を軽く奪われ。
おぉ? と思いつつ、相手が体を解すのを見届ける。
「仮眠、ねぇ。まぁ、そりゃあ知ってるが。
……ふむ。暇してるなら、メシでもどうだ?」
相手の物言いに疑問を抱きつつも、まずはどこかで一息つきたいな、と思い。
相手を食事に誘う。もちろん、相手が食事をそこまで必要としていないのは知ってのことだ。
■ハーティリア > 「おはようセイン。」
濡れた身体をグッ、グッと伸ばせば…ハッ、と吐いた吐息がほんの少しだけ白いのは、内蔵まで冷え切っているせいか。
「心配かけて悪いねぇ。 なに、記憶の要不要を振り分けておかねぇとな、記憶に優先順位付けて、忘れる忘れないの差をつけるっていうか……人間が寝てる間にやってることの真似みたいなもんだよ。」
あくまで、みたいなもの…と表現しながら解した身体を慣らすように身体を少しずつ動かしていけば、のっそりとした印象が少しずつ、薄れていき。
「ほう、メシ?…『喰わせて』くれるのかい?…冗談だよ、じゃあ、お任せしようかね。」
彼にはわかるだろう言い回しでニヤリと笑みを浮かべながらも…手をパタパタと振って軽く笑えば、まるでエスコートを頼むように、しなやかな手を彼に差し出し。
■セイン=ディバン > 「どっちかって言うと、おそよう、だな?」
クク、と笑いつつ、相手の目の前で懐から石を取り出し、それを割る。
男が仕込んでおいた、即席の暖房器具もどきであり、炎魔術を封じた石だ。
ぽかぽかと発熱するそれを、相手に手渡し。
「へぇ。超越者はそんなことをしないとダメなのか。
長生きも不便だな? ……そう思うなら、心配するようなことはしないでくれな?」
なるほど、と相手の説明に納得し、男は心配そうな表情になる。
相手が手を差し出してくれば。
「強欲だねぇ~。ま、それはまた今度。
たっぷり時間がある時に、な?
よし、んじゃ行くか」
相手の手を掴み、男は歩き始める。
なにせ相手が雨に随分と打たれているようなので。
近場の酒場に適当に入り、すぐに席へと向かう。
「ま、いつも通り適当にやってくれや。
奢るからよ」
男はそう告げ、いつも通りに黒麦酒を注文する。
細巻を咥えつつ、じぃ、と相手を見ながら。
ん~、と何かを考え込む仕草。
■ハーティリア > 「揚げ足取るんじゃねぇの、ったく。」
笑う彼にピッピッ、と指先の水を飛ばすように掛けてちょっとした意地悪をすれば、発熱する魔石を渡されて、自然と受け取る。
じわぁ…と染み込む熱に、強張っていた身体が少しだけ緩むように、また吐息を一つ。
「いや、多分俺だけじゃねぇか?リッチって普通はほら、身体にガタが来たら他の奴の身体奪って乗り換えたりするからなぁ…。」
俺はそれしてないから、とは言うものの、心配そうな表情には夢見てるみたいなもんだよ、と手をヒラヒラ。
「寝起きで腹減ってる(気がする)時に来るのが悪い。
っと、おいおい、ちょっと急ぎすぎだって。」
掴まれた手、歩き始める彼に引っ張られるように進めば、目についた酒場に入っていく彼と共に店内へ…一瞬、白磁めいた濡れた美貌に店内の視線が数秒あつまった、ように見えたかもしれぬ。
「はいはい…つっても、そうだなぁ…ちょっと甘いもん食いたい気分だけど、あるかねぇ。」
彼と対面するように席に腰掛け、小さく考えるようにつぶやいてから…くるりと、指を回せば、謳うように唇を動かした。
『火よ風よ 其は暖かき熱風 砂の如き乾きの風 我に滴る雫を拭い去れ』
物を乾燥させる魔法で、自分にまとわりついた水気を10秒で払い、ふぅ…と一心地ついて。
■セイン=ディバン > 「なぁんだよ。間違ってねぇだろ」
このねぼすけめ、と笑いつつ、相手からの水飛ばし攻撃を避ける男。
相手が石を受け取るのを見れば、うんうん、と頷き。
「それでも、記憶って脳よりも魂依存な気がしないか?
いや、俺も最近の論文を読んでそう思っただけなんだけど」
肉体を変えても、記憶は継承されるのが普通。
となれば、脳ではなく魂が記憶を所持している、と考えるべきでは、なんて思う。
「ボク、キミの餌違いますから。
ちゃんとした食事を望むなら、オードブルからしっかりと、だろ?」
笑いながら言う男だが、ぎじっ、と脳の奥が痛む。
以前この相手によって進んだ契約は、刻印された呪いのような形となり。
男自身に、自分が相手の奴隷であり、餌である、と思わせようとする。
痛っ、と呟く男だが、すぐさまその痛みは消えうせ、自分が何を言ったかも消えうせる。
「あるんじゃないか? ……おぉ、器用なことするな」
注文してみれば? と言いながら、相手の詠唱に、パチパチと拍手する男。
男は、基本的な四大元素呪文は不得手だし、ましてや属性魔術の複合やらなど、まったく使えない。
その変わりに、物体転送や空間跳躍などの変り種呪文は得意なのだから、どうにも変な男である。
■ハーティリア > 「うっせぇばぁかばぁか。」
ピッピッ、と水を執拗にかけながら文句を言うも、顔は案外楽しげで。
「だから、魂に残す記憶と、脳…肉体に残す記憶を振り分けてんだよ。よっぽど思い入れあるならともかく、昨日の晩飯の献立とか、魂に残しといてもアレだろ?人間はこういうの、寝てる間に勝手にやってるんだよ。俺はほら、睡眠必要ないから、代わりに手動でやってたってだけよ。」
肉体に残した記憶は、脳の容量を超えれば古いものから順番に消えていくのだと、そんなざっくばらんな説明を交えて…。
ぎしり、と己との契約で意識が軋んだような感覚が、ほのかに自分にも伝わるとゆるく眉根を寄せて…。
「じゃあ、オードブルになっておくれ?…ふふ、褒めてくれてどうも、まあさして難しくない調律術だけどなぁ…精霊が多いこの世界だとちょっと不安定なんだよな。」
まあ、使うのに支障はねぇけど、とボヤきながらも…首を傾げてそんな要求めいたことを口にして…賞賛されたらされたで、少しばかりくすぐったそうな顔をするのである。
■セイン=ディバン > 「わぁ、珍しく知能レベルが低下していらっしゃる」
はっはっは、と笑いながら更に水を避ける男。
本当に珍しく、可愛らしいものだ、と思う。
「……うん? その場合、捨てる肉体に残した記憶は忘却?
魂に残した記憶は継承だろ? だったら他のリッチってのも同じようなことやってるんじゃないのか?」
う~ん? と相手の説明に、自分なりの解釈からの疑問を更に投げる男。
この辺り、男は頭でっかちなので、事実から的を外したことを口走ることも多い。
「相応しい時に、な? その代わり、オードブルからデザートまでだから、腹一杯になってもらうけどな。
……俺ぁそっち系統の術、まったく使えないからなぁ」
くっくっく、と笑いつつも、相手の術を羨ましそうに見る男。
この男の場合、火炎魔術を使えば種火みたいな火しか出ず。
雷撃を放とうとすれば自分が感電するような有様。
武器への属性付与だけは使えたが、それも正直実戦レベルではなかったのだ。
「……質問なんだけどさ。腕を切り落とされた人間がいて。
腕の保全が万全だったばあい。再生呪文と、回復呪文による腕の接合。
どっちがローリスク?」
そこで、男が相手にいきなりそんなことを質問した。
表情は真剣であり、かつ、生徒が教師に質問するような雰囲気があった。
■ハーティリア > 「ちっ、すばしっこい奴め。」
今日はこのくらいにしといてやる、と負け惜しみ。
流石に向きになって周囲に水しぶき飛ばすような下品な真似はしたくないらしい。
「あー、俺の言い方が悪かったな。俺は『わざと』してるんだよ、普通は起きたまま平行してやれるんだけど…あれやると、夢を見てるような感じになれるからねぇ。
大体リッチになるやつは、効率厨の研究者気質ばっかだから、そういうのやらない、って話。」
淫魔としては、そういう感覚も恋しいものなのか、半ば習慣になっているのだと、捕捉する。
眠らなくて良いからといって、微睡むのが嫌いな奴はそうそう居ないとか、そういう話…気分の問題らしい。
「えー、今欲しいんだけどなぁ…っち、しゃあねぇなぁ…あ、ドライフルーツあるのか、じゃあこれで。あとは…蜂蜜酒でいいか。」
ぶー、と少しだけむくれて我儘を言うが…それでも相手が譲らないなら渋々ながらも諦めるだろうか。
己の使った術を羨ましそうに見る彼に…少しばかり考える仕草をすれば。
「魔術方面で属性適正ないなら、俺の調律術習ってみるか?…まあ、こっちでいう精霊魔法みたいな奴だから、知識よりなんていうか、付き合いの良さとか周りの状況に左右されるけど。」
コミュ力が高い彼なら、案外いいところまでいけるんじゃないか、なんて…ちょっと思ったのだ。
そんな中…投げられた質問に…ゆるりと眉根を寄せる。
「腕の保全が万全かつ、斬られてからの経過時間が短いなら接合した方が腕が感覚取り戻す時間が早い。
斬られてから時間がある程度以上経過してるなら、身体の方の切断面の方が劣化してる可能性が高いから、再生させた方が後遺症が残りにくい、ただこの場合は、新しく生えた腕が身体に馴染むまで時間がかかる。
あとはまあ…斬られて5分以内なら物理的に縫合しても間に合うぞ、医学の腕がある程度以上あるのが前提になるが。」
と、注文しながらも…彼の質問は己の知識の中をあさり、なるべく希望に添えられるよう返答したつもりで。
■セイン=ディバン > 「そりゃあ、それが売りだもん」
ふへへ、と笑いつつ、相手の頭を撫でる男。
男にしてみれば、こういう触れあいは割と好物である。
単純に、楽しいのだ。
「……なるほど、そういうことか。
つまるところ、超越者級の存在はそういうのをやるのは普通で。
そんな中、お前さんはあえてそれを強調してやってる、ってことか?」
ふむふむ、と相手の説明に更に確認を重ねる男。
なんともはや、と。相手の説明に唸る。所詮ただの人間である男には、埒外の話であった。
「あんまりがっついてもいいことないぞー?」
くく、と笑いつつ、相手の注文にまた笑う。
なんとも、可愛らしいな、と思ってしまった。
「そうだな。教われるなら、一回試してみるのもいいかもな」
素質あるなしは別として、手札を増やすのは大事だ、と。乗り気の男。
「なるほどな……。なぁ、ついでだ。
もうちっと質問いいか?」
相手の的確な返答に、男は頷くが。
どうせなら、と更に相手に色々と魔術的質問をするだろう。
それは、きっとお互いが納得するまで続いて……。
■ハーティリア > 「魔法でずぶぬれにしてやろうかこの野郎。」
ついでに身体も洗えて綺麗になるぞ、なんて頭を撫でられながら。
ふれあい、じゃれあうような時間は、己も嫌いではなくクツクツと笑みを漏らして。
「あー、普通かは知らないけど、俺はやってるって話だな。正直他のリッチとかとは滅多に会わねぇし、会ったからってこういう話とかするわけでもねぇからなぁ。
今話したのはあくまで『俺の体験』な、そもそも俺はこの世界の外の存在だし。」
元居た世界では、上の下と、探せば要る程度の力量でしかなかったし、それはこちらでもそう変わらないだろう。
それに己は生まれ持っての超越種でもないから、そういう意味でのしわ寄せがあるのかもしれないし…と、可能性をあげれば暇がない。
「あーん?吸い殺して下僕にしてやろうか?ん?」
笑う彼に、冗談めかして鼻っ面を指でピンッ、と弾こうとしながら、物騒な台詞を告げる。
「あ…悪い駄目だ、あいつら『鉄が大嫌い』だから、銃使いとは根本的に相性悪い。銃を手放してる時や持ってても銀とかミスリルとかなら、いけるけど。」
乗り気の彼、教えるのもやぶさかではないが…ふっと大事なことを思い出して頭を抱えた。精霊などの霊的存在によくある嗜好…「鉄嫌い」 調律術で使役する星霊も、その嗜好を持っているのを思い出したので。
「ん~?しょうがねぇなぁ、ハティ先生が教えてやろうじゃねぇか。」
その後も、次々と来る質問に目を細めれば…酒の肴にその質問に答えつつ、ドライフルーツを口に放り込もうか。