2019/06/22 のログ
ピング > 治安が良いとは言えないが、それ故に安酒で大層楽しめる貧民街。
どこかで一杯ひっかけて来たのか、赤ら顔を緩ませながらのたのたと道を歩き。
さて次は娼館にでも顔を出すかと、妻帯者にあるまじき思いを抱きながら行く先を探す様に視線を巡らせ。

そんな折に目に留まったのは、一人の女性。
何処か酩酊したような装いを見せるその姿は、以前一度見た顔だ。
確か街のはずれにある、魔法具店の女店主。
――後日、その店に裏メニュ―なるものがあると知ったがまだ試してはいない。

「―――おおい、そこの嬢ちゃん。
 確かお前さん、あれだよな。ほれ、店をやってる。」

であれば、此処は声をかけるに決まっている。
酒精に緩んだ表情そのままに、気安い調子で声をかけ。
思わず視線が舐め回す様に相手の体に這ってしまうのは、滲み出す色香を感じ取ったが故か。

「こんな場所で会ったのも何かの縁だ。どうだい、ちょいとお話でも。
 あぁ、忙しいってんならまた日を改めるが――ユエル・ルナ、だったか?
 同業者でなぁ、ちょいと興味があるんだわ、オイラも。」

そして口に出すのは、符丁でもあるその単語。
取り扱う品を暗に持ち出すその下心は、隠す素振りも無い欲望に塗れたものだった。

ユエル > (ぼんやりとまるで酒にでも酔ったかのようにほんのりと赤い顔しながら甘い色香を振りまく魔女は酒を嗜み、欲を滾らせた男からすればとても目を引く存在であったかもしれない。)

はい・・・?

(声をかけられれば不思議そうに小首を傾げ足を止めようか。
もしかしたら面識があるのかもしれないが残念ながらハーフエルフの魔女は人の顔や名前を覚えるのがあまり得意ではない疑惑があり、残念ながら目の前の彼の事は魔女は覚えていないようであった。基本的に引きこもり、ひたすら薬を作っている弊害が、交流能力に関しては相当スペックが低い魔女である。

相手の視線については、気づいているのかいないのか 素知らぬ様である。)

――あぁ、そちらの方、ですか・・・。お話ならば、えぇ・・・私で宜しければ。

(ぞくり、とした感覚が背筋を走り一瞬期待にも似た感覚を覚えてしまうのは少女が熱に浮かされているからか。
強い欲望を感じるその視線は、普通の女であれば嫌悪を覚えるだろうし、素面であればきっと少女も恐怖を覚えたことであろう。けれど、今は・・・熱に浮かされる今は。胸の高鳴りを覚えたのであった。)

・・・それで。私に何の御用でしょう・・・?奥さんとの夜に悩み、でも・・・?それとも、お気に入りの女の子に試したいものでも・・・?

(ユエル・ルナ。それは秘密の暗号。魔女本人に自覚はないものの、相当知れ渡ってしまった秘密の暗号。大人の玩具などの性玩具を始め、性的な魔法薬や魔道具などを扱う秘密の商品を取り扱う為の暗号。それを示した、ということはそういうものを求めているのだろうか。
頭の中で今の材料の在庫を思い返しつつ、推察を1つ投げてみよう)

ピング >  
「おぉ、ありがとうなぁ!
 いや、噂に聞くに相当良いモンがあるってぇ話だからよ。
 っと、紹介が遅れたな。オイラぁ、ピングってんだ。しがない雑貨屋の店主でな。
 まぁ、そういう方面の品も取り扱ってるんだが…。」

一度店に行った程度だ。当然、相手も客の一々を覚えてはいまい。
自己紹介がてらに話を進めながら、視線は相手の顔から下へと下がり。
服越しに想像を働かせる様、無遠慮に欲に塗れた視線を這わせる。

それはそのまま、物理的な接触を持つ不可視の視線でもあり。
極々淡い、フェザータッチで肢体のラインを辿る様に相手の体へと絡みついていく。
行動の阻害にもなりはしない、ただただ、悪戯な視線だ。

「誰かに試したいってぇか、女性をひぃひぃ善がらせるようなえぇもんが無いかなぁって相談だ。
 仕入れのインスピレーションに繋がるかもしれんし、許可が貰えるんなら一部を卸売りでもできねぇかなとな。
 ―――そんでまぁ、良けりゃあ今からな。店にお邪魔して幾つか品を見せて欲しいんだが、どうだぇ?」

しゅり、と擦る様に服の上を滑る指の形をした何か。
胸の頂きを摩擦したそれは相手の顔へと移動するとその力を霧散させ。
にんまりと緩んだ助平面を浮かべ、ある意味で密室の、2人きりになれるだろう店へと案内を願い出た。
――仕事の話は堅苦しいってんなら酒のお誘いに変えるがね、とそれはそれで危うそうな代替案も口にするのだが。

ユエル > ・・・あくまで噂は噂ですよ。わたしはただの・・・しがない錬金術師、ですので・・・。

(少女は元来、気弱で奥手な少女だ。そうして正面から褒められるのは苦手であるし、そもその手の言葉はつい、疑ってしまう。お世辞、だと思ってしまう。少女の腕は実際、それなりの腕はあり、値段に反して一般流通よりも高い効果があるものが多いが・・・いかんせん、少女が世間知らずなこと、師匠が少女にとって偉大でとても、とても高い壁であり、それと比較してしまっていること、そもそも自分に自信がない・・・など様々な要因が重なり、少女を必要以上に小さく相手に見せていた。

彼が不可視の視線で触れてくるのならば、魔女に気づいた様子はなく。魔女風の衣装を纏うこともよくあるが、少女の本職はあくまで錬金術師。魔術を扱う魔術師ではない。それ故に魔術は専門外な所があり、何をされているかはわからないだろう。ただ、今日はなんだか風がくすぐったい、程度である。
――ただし、錬金術師といえど魔術の心得は外に一人で出る以上多少はある。正体が看破されればレジストされることもあるだろう。 なお、少女の扱う魔術は師がいない以上少しばかり、雑である。その上扱う属性は闇や呪といったおどろおどろしいもの。レジスト方法はなんて正堂なものは知らない。精神状態によってはとりあえず周囲を吹き飛ばす、なんて物騒な解決方法を選ぶことすらありえるのでご利用は計画的に。)

女性を悦ばせるもの・・・まぁ、相手の趣味にもよるのでもう少し話を聞かないとなんとも。
お店、ですか?えぇまぁ、構いません。少し歩きますけれど・・・よろしいですか?

(そうして了承を口にする。店で話すのは別に構わない。もう少し夜風に当たりたかったのもあるけれど・・・まぁ、誰かと一緒に話すのならば多少気が紛れるだろう。それでもだめだったら・・・また、ふらっと出かければ良い。 こちらです、なんて彼を先導し、店へ案内しようか。

――なお酒を選んだ場合開始一時間程度で出来上がるアルコールに凄まじく弱い姿が披露されたらしいがそれはそれである。)

ご案内:「王都マグメール 貧民地区 娯楽街」からユエルさんが去りました。
ピング > 謙遜にしてはどうにも自己評価の低い相手の態度に、おやぁ?と首を傾げる。
実際、知る人ぞ知る、という事でその手の道の評判はいいのだから此方としては不可思議で。
しかしてそれを突っ込むのは野暮なのだろう。
――悪戯に集中しているから、というのもあるのだが。

そしてそんな魔法的な悪戯も、実は地雷原を走破している、だなんてことは勿論気づいてはいない。
専門知識等無く、ただ欲望のままにいたずらに用いているいるだけなのだから。
素人って怖い。

「そこは、こう、色々と多方面から見てだなぁ。
 もちろん、ユエルちゃんの好みってのも大歓迎だ。
 いやはは、悪いねぇ。それじゃあちょいとお邪魔をするよぉ。」

あ、ちょいと酒を買ってって良いかい?
等と、道中に手土産だとでも言う様に酒を買い込む姿もありつつ。
相手の先導に従って、店までの道を進んでいくのだった。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区 娯楽街」からピングさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区 / 繁華街」にミユさんが現れました。
ミユ > 時は夕刻…そろそろ暗くなってくるかな?って時間帯。
ここは貧民地区の繁華街…

ミユは夕食の食材のお買い物をしていた。
しかし、余りに興が乗らない…ご主人様は今日も留守。
自分の分だけのお買い物はあまり面白くない。

(何を食べようかな~)
頭に何も浮かばない…正直もう外食で済ませようかななんて思い始めていて。
そんなことを思ってる最中…

ドンと目の前に衝撃が…思わず目を閉じてしまう…
なんだか誰かにぶつかってしまったらしい感触…

「きゃっ!」

ミユ尻餅をついたが、相手はどうだろうか…
「ちゃんと前みてなくて…ごめんなさい!」
とっさに謝る…

そして、薄く目を開く…

ご案内:「王都マグメール 貧民地区 / 繁華街」にリーゼさんが現れました。
リーゼ > 夕暮れの繁華街――貧民街の片隅であっても、比較的店の多いこの一角だけは活気がある。
それも夕刻となれば、その日暮らしの者たちも食事に出てくるのだから、人ごみも増えてくる。

今日も今日とて、近くの森で薬草採取に勤しんでいた少女は、野兎を1羽狩れたこともあって早めに帰ってきていた。
ギルドの解体屋に引き渡した結果、ちょっとした臨時収入に気分は上々。
貯金という手もなくはないけれど、ここは美味しいものを食べようと思い立ってきたのがこの通りだった。
富裕地区や平民地区に行かないあたりが、量も食べる少女らしいと言え。

「きゃ…!?」

そんな風に、辺りをきょろきょろとしていたものだから、誰かとぶつかってしまった。
さすがに一応は鍛えているから、転んでしまうということはなかったけれど、相手の方はそうはいかなかったらしい。
自分とそう変わらない感じの、華奢な女の子が目の前で尻餅をついているのを見ると、慌てて手を差し出して。

「ご、ごめんねっ! こっちこそ、前見てなかったから!」

ミユ > 宜しくお願いいたします(礼
ミユ > 後ろ髪を掻きながら、見上げ、手を引いてもらって、立ち上がる。
ん~、このあたりでは見ない格好した少女といってもミユと同じくらいかな?
ミユはポンポンとお尻についたホコリを払い…

「私も前向いてなかったから~」

と言って、ヘコヘコと頭を下げる。

それにしても、異国情緒溢れる目の前の少女は、少し惑わされる雰囲気がした。

「ん~ほんと、いつもの悪い癖なので、ごめんなさい」

と再度謝って…

リーゼ > 「怪我なかった? ほんとにごめんね!」

これで怪我をさせてしまったとあれば、本当に申し訳ない。
何しろ自分よりも華奢で可愛らしい女の子なのだから。
けれど、立ち上がった様子を見れば、痛いところなどはなさそうな感じ。
少し短めのスカートを汚してしまったのが気になるけれど。
この辺りではあまり見ない目立つ色合いのメイド服は、少女の仕事を示しているのだろう。

「お買い物だった?
 お詫びってわけじゃないけど、荷物持ちくらいはするよ?」

まだお腹がぺこぺこというわけでもなければ、食堂は逃げもしないので、そんな提案を口にしてみる。
いつもの癖と言われると、軽く首を傾げ。
そんなにいつも誰かとぶつかっているのかな、などとちょっとずれた感想を思い浮かべる。

ミユ > 「あ、はい、少し尻餅ついただけですから~」
クスっと笑って、照れるように少し頬を染めて…パタパタと片手を上下に振る。
ミユはすぐ転ぶ子なので、それに関しては特に気にして居ないらしい。

「あ、はい、お買い物だったのですけど…
 自分しか食べる人いないので、結局なにも買ってないのですよねぇ~」

と、お買い物袋の中身を見せる…見事になにも入っていないのが解るかもしれない…
そこでお腹がグゥっと鳴ってしまう…これではお腹がすいてるのバレバレなのですけども…ミユは普段から少しボケーっとしがちで、繁華街では走ってる方が人に当たりにくい程…特に考え事している時は、殆ど前が見えていない。

リーゼ > 自分しか、と言われると、あれ?と首を傾げてしまう。
どう見てもどこかにお仕えのメイドさんという格好なのだけれど…。
そんな疑問も少女の飼っている腹の虫の訴えに、とりあえず横に置いておくことにして。

「あららー……お腹ぺこだねー
 ん。じゃあ、どこか美味しいお店知らない? あたしもこれからご飯の予定だったし。
 この辺りのお店だったら奢っちゃうよ!」

ひとりで食べるよりは、ふたりで食べた方が美味しい。
お買い物もまだだというなら、知らないお店を開拓がてらお誘いしてみるのも良いかもしれない。
さすがに富裕地区のお店に連れていかれてしまうと、お財布から火が噴き出してしまうけれど。
そうでなければ大丈夫。臨時収入のおかけでちょっとばかり気が大きくなっている少女だった。

「……それとも、もしかして忙しかったりしちゃった?」

勢いでそこまで言ってから、迷惑だったかなと思い返して慌てて付け加えた。

ミユ > 「う…」
やっぱりバレちゃったかーなんて思いつつ…冷や汗…

「少し先に、古風だけど、美味しい大衆食堂があります。
 お値段もリーズナブル、それでいてそこそこに美味しい店ですよ~
 それに、私も自分のお夕食のお買い物だったので、外食すれば必要ありませんし
 それ以外の家事はもう済ませてきちゃいましたから…」

と、一考…考える仕草をする。ミユもただでご飯食べれるなら、それほど嬉しいものはない…ピョコピョコと嬉しそうに揺れる尻尾…尻尾はとても正直である…お仕えのメイドとはいえ、ご主人様は傭兵、殆どお留守番役である…

「いえっ、とても迷惑じゃないです!」

ちょっと変な言葉使いながらも、そう伝え、お店の方を指さすと、確かに少し離れた所にそれらしい看板が見えたかもしれない…

リーゼ > 「わっ♪ いいね、いいね、そういうお店好き~」

お勧めされたのは大衆食堂。
地元民厳選っぽい感じに、否応なしに期待も高まるというもので。
どうやらやっぱり少女はどこかにお仕えしているらしい。
とはいえ、お仕事の方に問題がなければ、良いのだけれど…。

少し考える素振りの少女――可愛らしい感じがとても好感が持てるのだけれど、
それよりも何よりも眼を引くのが、ぴこぴこと動く尻尾とお耳。
ちょっともふってみたいと思ってしまったけれど、口に出すのはさすがに自制した。

「そうと決まれば、席が埋まっちゃう前に突撃だね! 行くよー!」

どうやら問題ないらしいと分かると、にこっと嬉しそうな笑みを浮かべて見せ。
少女が指さしたお店の看板をロックオンすると、少女の手を掴んで、いざ出陣。
お腹も空いているだろうから、こういう時は行動あるのみで。
相変わらず人は多いけれども、さすがにそう何度もぶつかりはせずに、お目当てのお店の方へと向かっていって。

ミユ > 「あはは…お口に合えばとても嬉しいのですけど~」
なんて頭を掻きながら答える…ピンと立った耳が周囲の人の気配を感知するように動く、いつもはこうなんだけども、考え中は止まってしまうのも難点。嬉しそうに向かおうとする少女を微笑みながら見つめるも…

「え…?」
手を取られるとそのままに突撃~とばかりに連れられていくミユ…その少女の決断の速さに少し驚くもミユも早足で付いてゆく…ぶつかって最初みたときから快活な感じはしてはいたが、さすがにここまでとか思っていなかった。

この速度なら直ぐに店の前に到着するだろうか…

リーゼ > 「だいじょうぶ、だいじょうぶ!
 美味しいものは万国共通ってね?」

味付けに好き嫌いはあるだろうけれど、それはそれ。
何事もチャレンジしてみないと分からない。
ずんずんと人の多い通りを突き進んでいきながら、そういえばと振り返り。

「そうそう、あたしはリーゼね。メイドさんのお名前は?」

さすがに、この勢いで進んでいての余所見は先ほどの二の舞にしかならないので
少し速度を緩めて、視線もすぐに前へと戻すけれど。

そんなやり取りを挟んでも、あっという間にお店の前にまで辿り着く。
「こんばんはー! 2名だけど、行ける?」
店の中を窺うとかそんな余計な行動は挟まずに、真っ先に扉を開けると店内に向かって元気よく声を掛けた。

ミユ > 「あはは…」
大丈夫と胸を張って進む少女に、文字通り引っ張られていきながら…
チャレンジ!の言葉にミユも「チャレンジあるのみです!」なんて合わせてみる。
ミユも少し通行人に肩をぶつけるも、この喧騒では肩程度はぶつからない方がおかしいので、どちらも得に気にする事もなく。

突然、振り向かれると、なんだろうって不思議がるミユ…
リーゼ様の言葉に、そういえば、名前を聞いてないとミユも答える。

「私はミユ。見ての通り、とある傭兵の方にお仕えするメイドです。とはいえ、傭兵のご主人様は、殆ど遠征で帰ってこない…ので、結局屋敷で暇つぶしがメインのお仕事になりつつありますね~」

なんて、自分の現状も踏まえて、挨拶をする。

リーゼ様が扉を開くと店の中は既にお酒で出来上がった客が多く、満員気味、でも2人程度は確保できるか…店員は「いらっしゃいませー」という声と共に二人をテーブル席に誘うだろうか…

リーゼ > 「あー、やっぱりメイドさんなんだね。
 暇つぶしがメインって大変そうー!」

なるほどご主人様があまり家にいないのなら、外食が出来る理由も納得できる。
とはいえ、さすがに暇つぶしがメインというのは冗談だろうとは思う。
弾けるように笑ってから、背中に背負った大剣を見せ。

「あたしは、一応冒険者ってことになるのかな。まだまだ新米だけど。
 よろしくねー。」

お店に入ると、さすがオススメというだけあって満席状態。
それでもうまい具合に空いたテーブル席に案内されると、一息ついて。

「よーし、食べよう! じゃんじゃん頼むぞー!」

勢いだけは十二分。
とりあえず、冷たい果実水を注文すると、メニューに載ってるボリューム満点の品をいくつかピックアップし。

「ミユちゃんのオススメは何かある?
 好きなものとかでも良いんだけど。」

ミユ > 「えっと、冒険者なのですか、憧れます~
 メイドといっても専属ってわけでもなく、自由に行動させていただいているのでー
 他のお屋敷の通いメイドとか、居酒屋の雇われ店主なども時々しています。
 今日はどちらもないので、寝るまで暇過ぎて~」

 なんて笑いながら、ミユも向かい合わせで席に座る。

「ミユのオススメですかぁ」

 一緒に注文した果実水をちょびちょび飲みながら、少し考える。

「ん~ここは、日替わりメニューが一番オススメですよ。どんなのが出てくるかは
 その日によるけど、旬の食材を使ったものが多いのでとても美味しいです」

目の前の豪快なリーゼ様に少し心が押され気味なので、丁寧にそして、しっかりと
した口調で答え、流されまいと抵抗を試みる…

ちらっとオススメの書いた紙を見つめると、今日は旬の「蛸」がメインの料理らしい…

リーゼ > 人それぞれに事情があるだろうから、安易に勧めたりはしないけれど。
メイドの少女が言うその憧れには、すごく同意できる。
というか、外の世界に憧れて飛び出したのは、他ならぬ自分自身のことで。

「んー? 色々掛け持ちしてるって感じかな。
 たまに暇になっちゃうと、どうして良いのか分からなくなるよねー」

休みと決めていても、結局いつもと同じように過ごしてしまったり、
逆に一日中ごろごろしているだけで気づけば終わってしまったり。
こうやって一緒にご飯でも食べにいける友達がいると、それもまた違うのだろうけれど。

「旬かぁ~……今の時期だとなんだろ?」

定番の串焼きやサラダなどを注文すると、メインの料理を何にしようかと。
地方によって、採れるものも違えば、旬も異なるわけで。
壁に張り出されたお品書きを見てみると、どうやら今日は『蛸』が良いらしく。

「へぇー、蛸だって。ミユちゃんは食べたことある?
 あたしは北の方の出身だから、食べたことってないんだけど。」

ミユ > ミユは俊足ではあるけども、それ以外に特に取り柄がない。
元々盗賊だったのだからある程度のダガーの扱いにはなれてるけど、
王都近辺にいるか弱い食用モンスター程度しか戦えないので、
まあ、冒険者に憧れもなれる筈もなく…

「そうですね~、ホントに…」
リーゼ様の言葉にウンウンと頷いて答える。
たまには休暇ってのも良いけども、日頃は忙しいだけに、
突然の休みは手持ち無沙汰になってしまうのは仕方ない…

蛸って何か、という質問には少し驚く、このあたりではありふれた食材の一つなので。

「ん~コリコリしてて少し甘みもあって…どちらかといえば食感と味付けを愉しむ食材
 かな、甘辛く調理すれば、お酒にも合って。この時期になると、結構他のお店でも
 見かけるかもしれませんけど…食べた事がないのでしたら、揚げ蛸もオススメですね
 このお店は味付けが良いので、どちらもとても美味しいですし」

と、にこやかに笑って答える。ミユの猫耳はピンと立って、リーゼ様の言葉に集中している様子が伺えるかもしれず。
また尻尾は楽しそうに揺れているのが見えるかもしれず…

そして、ミユは店員に日替わりメニューのセットを注文したりしている。

リーゼ > 「へぇ~…コリコリ食感かぁ
 じゃあ、ミユちゃんお勧めの揚げ蛸にしようかなっ!」

山の方の食材ならば、結構食べてはきたのだけれど、北の方まで海産物が届くことは少ない。
干物とかならあるのはあるのだけれども。
そんなわけだから、新たな食材に出会ってしまったのは運命だろう。
迷う程のこともなく、メイドさんのオススメを注文に加えてお願いする。

尻尾がふりふりと揺れているのを見れば、かわいいなーと思ってしまう。
こんな子をメイドさんにしているご主人様のことも気にはなるけれど、
それよりは少女自身のことのに興味はそそられる。

「ミユはさっき居酒屋もやってるって言ってたよね?
 じゃあ、やっぱり料理とか得意だったりするの?」

贖罪の説明がとても分かりやすくというのもあったけれど、、
何よりも視点がどちらかというと食べる側より料理する側っぽい。
今日はお休みなのだろうけれど、今度そちらのお店の方にお邪魔してみるのも良いかもしれない。

ミユ > うんうんと嬉しそうに頷いて…

王都には色々な国や場所から色々な食材が運ばれてくるから、
知らない場合もあるだろうと、ミユは一瞬考え。
知らない食材とあらばミユもそうしてただろうと頷ける…

ミユはリーゼ様を見て、やはりそこらの冒険者と少し雰囲気が違うなと感じる。
自由奔放な話し方の割には、椅子への座り方等に気品を感じるから…

「ん~料理は軽食程度かな…居酒屋なのであまり重いものはおいてありませんし…
 ちょっとだけ得意…かなぁ…居酒屋さんの常連さんには受けは良いです」

と、少し上をみて、考えながら答える。
やはりメイドはメイドであるし、仕事としてのお食事も作らないといけないのだから、
ある程度は料理はできるが…ミユは少し控えめに表現してそう伝える。

そして、運ばれてくる二人が注文した料理…辛めに出汁の効いた感じで調理された蛸は、
良い香りを漂わせている…食指が動くだろうか…

そして、ミユはテーブルに置かれた日替わりセットを食べ始める。
しかし、あまり躾られたミユではないので、お世辞にも上品な食べ方…とは言えない。
ガツガツ食べるミユ、お皿を飾っていた日替わりセットはあっという間に平らげてしまうだろう…

リーゼ > 「そうなんだ? まぁ、確かにお酒が中心だよね。
 じゃあ、今度お店に行くから、お酒が弱くても大丈夫なのを見繕って貰おうかなぁー」

ちょっとだけ得意と謙遜するメイドさんだけれど、受けが良いというからにはやっぱり常連さんが納得する程度に腕は良いのだろう。
とは言え、居酒屋さんにご飯だけを食べに行くというのも申し訳ないから、お酒もセットで予約する。
グラス半分でふわふわになってしまう少女としては、雰囲気だけ楽しめればそれでも十分なのだけれど、美味しいお酒というのも楽しんでみたい。

「おー、来た来た。美味しそう♪ いただきまーす!」

運ばれてきた一品料理の数々。
いろんなものをちょっとずつという感じに選んだら、皿数だけは多くなってしまった。
次々に運ばれてくるそれを前に、嬉々として手を合わせ。
それは大衆食堂での食べ方としては上品な部類に入るのかもしれないけれど、
少女としては場に合わせているつもりのもの。

「んー、これが蛸かぁ……ほんとにコリコリしてて美味しい!」

酸っぱい果実を搾って粗塩でいただくと、口の中が幸せになる。
満面の笑みを浮かべながら、向かい合う少女にもいくつか勧めてみたり。
上機嫌のその様子からは、相手の食べ方がどうとかは気にしている様子もなく。

ミユ > 「うん、お酒の種類の多さには自信はありますよ~
 仕入れ先がいっぱい種類揃えているので、その中から一つ一つ色々並べている感じで
 色々なお酒をそろえているものの、一つ一つの量は1瓶とかなので、
 例えば高級なワイン一気飲みするような人だと、ちょっと物足りないお店かも
 しれません… 勿論、軽くて飲みやすいお酒もありますよ。
 それに合うおつまみもご用意できます。ぜひぜひ、何でしたらこの後にでも!」

 少し得意そうに答える…
 誘った意味は、やっぱり目前のリーゼ様に色々な意味で興味があるから…

「えへっ…私はこのお店の料理は一通り食べてるので、リーゼ様がごゆるりと
 ご堪能いただければ…」

 おすすめされるのをミユなりに丁寧にお断りするも、食べてる仕草にはつい見蕩れる
 程にミユにとっては洗練されたものの様に感じた。

 先に食べ終えちゃうミユ…
 「ん~美味しかった~ とくにタダとかなると…ね?」
 なんて、ミユは背伸びしながら満面の笑みでそう伝える。

リーゼ > さすがお仕事のこととなると、説明も細やかだ。
もぐもぐとごぼうとレンコンのサラダを摘まみながら、少女の説明に耳を傾ける。
お財布の方ががんばってくれるかどうかという問題はあるけれども、
そもそもワインを一気飲みなんてしたら、それこそ倒れてしまうのは目に見えているわけで。

「んー、でも今日ってお休みだったんだよね?
 それなのに、お仕事させちゃ悪いよー」

誘ってもらったことは嬉しいけれど、相手の都合が一番大事。
こっちは後日でも全然良いんだよー、と付け加え。

じっと食べているところを見られていると、やっぱり欲しいのかなと何度か勧めてみたりする。
そんな勘違いを繰り返しつつも、ようやく出てきた少し砕けた口調に、嬉しそうに笑って。

「うん、美味しいお店紹介してもらったお礼だよ。
 あとそんなに丁寧な話し方じゃなくて良いからね? こぅ、何だかムズムズしちゃう」

ミユ > 勿論ワインといってもその度数は様々、ほろ酔い程度のものから、ガッツリ呑みたい人
のワインまで…特に度数の低いお酒はジュース感覚で飲めるので弱い人には人気のお酒
庶民向けのエールも樽でしっかりと置いてある。居酒屋だから当たり前なのですけども。

「まっ…でも、気分でOPENしてるお店だからーお休みでも気分が乗れば開く感じで…
 勿論、後日でもぜひぜひ! 元々、雇い主が趣味で開いてるようなお店ですから、
 このお礼も含めてね?」

なんて、少し前のめりになりながら、楽しそうに話すミユ。
尻尾も耳もピンと立って、特に尻尾は先端が揺れるほど嬉しい。

「うん、じゃあ気楽にお話しますね?といっても、私の口調。元から丁寧語になりがち
 なので、むず痒かったら言ってね?」

リーゼ様のちょっと困った様子に、クスクスと笑いながら答えるミユ。
ま、出自がお嬢様だったら、冒険者なんてやってないだろうと考え、
リーゼ様もそういったタイプなのかなぁとか勝手に考えちゃって…

リーゼ > ご主人様といい、雇い主さんといい、かなり自由な感じっぽい。
もちろん、そういうのは嫌いじゃない。
当の本人が良いというのなら、そこはあまり遠慮するのも吝かだろう。

「ん。じゃあ、お邪魔しちゃおっかな。」

前のめりになりながら、尻尾を揺らす少女と話すのはやっぱり楽しい。
思わずおでこをツンと突いて、そんなに身を乗り出さなくても大丈夫と笑って見せる。

「口調なら仕方ないけど、せめて「様」は止めてね? そういう柄でもないし。
 もうお腹いっぱい! ごちそうさまでした!」

可愛い女の子に、そんな風に傅かれてしまうと、どうして良いのか焦ってしまう。
一応は実家にはお世話係なんていう人もいたけれど、母よりも年上だったし、躾もそれなりに厳しかった。
つまりはどちらかと言えば、お世話係というよりも教育係。
そんなわけだから、メイドさんも捨てがたいけれど、やっぱり同世代の友達の方が欲しいわけで。

「ミユちゃんのお店って、ここから遠いの?」

美味しかったー、と満足そうにしながら、さっそくとばかり尋ねてみる。

ミユ > ミユの酒場の雇主は二階の連れ込み宿であって、
お客さんが「致す」前にムードを盛り上げてくれれば
二階もさらに繁盛するだろうという論見なお店、
ずっとCLOSEでは怒られてしまうけども、あまり重要視はされていない。

「あは、そう言って貰えるととても嬉しいです~♪」
上機嫌で答えるミユ。

まあ、ミユの目論見は大体きまっているのだが、はたして…

頭をコツンと突かれると、自分が前のめりになってることに気付いて…

「ちょっと力が入りすぎてしまいました~特にお店の事になると夢中になって」
なんて、ちょっと舌をだしてテヘッと笑い。上体を起こして元に戻る…

「様はつい癖で~ じゃあ呼び捨て?それともリーゼちゃん?それとも、
 リーゼさん?どれがいいかなぁ?」
なんて、人差し指を顎に乗せて、上を見ながら呟く…
猫耳も尻尾もちょっと垂れ下がっていて…

「ううん、ここからでも、人がいなければ普通に見える距離…繁華街の端って感じ
 かな…二階の宿屋はそれなりの年数は経ってるのですけど、一階の一室を改造して
 作られた居酒屋はまだまだ新しい趣のあるお店ですよ。ミユの不慣れもあって、
 こじんまりとしたお店ですけど、一人で呑みたいって人も訪れる。そういうお店
 ですよ~」

そこで、残ってる果実水で喉を潤し…ミユはまたも嬉しそうに答える。
お店のことになるとどうしても嬉しさがこみ上げてきて夢中になるらしい…

リーゼ > お店のことが好きなんだなぁ、というのが良く伝わってくる。
気分でと言いながらも、色々お酒を揃えるのも大変だろう。
それだけ打ち込めるものがあるというのも、何だかとっても眩しいもので。
にこにことそんな少女の様子を見つめていて。

「夢中なのは良いけど、働き過ぎにならないようにしてね?
 んー、そうだなぁ……ちゃんでも呼び捨てでも。様じゃなければ良いかなー」

細かい呼び方に関しては、お任せで。
3つほど挙げられた選択肢のなかなら、特に問題はないのだけれど、
まさか殿とかそういうだったら、さすがに却下にせざるを得ない。

「よし、じゃあミユちゃんのお店で二次会だね!
 今日はお休み予定だったってことは、貸し切りで!」

お店の人にお勘定をお願いして立ち上がる。
二人分だけれども、貧民地区のお店だけあってリーズナブル。
思ったよりも高くはなかったおかげで、お財布の方はまだ元気だ。

席の方へと戻ってくると、来た時と同じように手を引いて。
けれども歩調はのんびりとしたもの。
日もすっかり暮れて人通りもかなり落ち着いてきた街を並んで歩いていく。

「二階が宿屋なら、酔いつぶれても大丈夫だね。
 いざというときはお世話になろうかなー」

ミユのチョイスを疑ってはいないけれど、今日は調子に乗って飲み過ぎてしまいそう。
そんな自覚をしつつも、抑えるつもりはあまりないらしく。

ミユ > まあ、そんなお店が開けるのも、贔屓にしていただけてる商会があるからできる事。
ただ、ミユの打ち込み様はちょっと行き過ぎ感は否めない。とはいえこれ以上夢中
に話しても相手が引いてしまいそうな思いがして、それ以上はお店の話は控えめに。

「うん、そこはいつも気をつけてます。倒れたら色々迷惑かけちゃうから…、じゃあ
 様以外でその時々で使い分けるかも?」

と、にこにこ笑って答える。

「うん~二次会~二次会~♪勿論貸切で♪」
ミユも立ち上がりながら答えるが、その仕草はまるで子供である…

誘われるがままに店を出るミユ…
ミユは、あっち、こっち、と誘導しながらお店の前までくる。

みるからに狭そうなお店が目の前にある。

「さっ、ご遠慮なさらずに~」

なんて店員口調でいうと、手を引いて、店内へと導いてゆくのであった…

ご案内:「王都マグメール 貧民地区 / 繁華街」からミユさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区 / 繁華街」からリーゼさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区/酒場」にカインさんが現れました。
カイン > 騒々しい声の響く貧民地区の酒場の扉を押し開けて、
濡れた外套片手に男が足を踏み入れる。
稀に興味を惹かれるものもいた様子だが、大半の意識が喧騒に飲まれる中、
躊躇うこと無くカウンターの端に陣取ると先程まで外を賑わせていた雨の仕業だろう外套をカウンターの端に引っ掛け。

「ったく、雨季はこれだからなあ…マスター、エール…いや、ワイン。少し良いやつを」

普段は躊躇うこと無く安酒を注文するところだが、
今日は気が乗らぬと少しは上等な酒を注文してみせる。
待ち時間の間に頬杖をつきながら周囲を見回してみると、
どうやら短時間降った雨とは無縁の人間が多い様子に肩をすくめ。

「俺もさっさと酒場に引っ込んどけばよかったな」

仕事が少し長引いたせいでこうなっているだけに愚痴が口をつく。
肩をすくめてゆっくりと目を細め。

カイン > 「お、来た来た。これがないと始まらないよな」

上機嫌に運ばれてきたワインを手に取れば、
それをグイと煽って味に満足した様子で息を吐く。
元々安酒のみの気のある男だが、やはり美味いに越したことはない。

「んー、やっぱこの季節は良い酒が出回るのが良いことだ。
 この後夏になると色々と準備が大変にはなるが…酒飲む楽しみが増えることだけは良いことだ」

傭兵稼業なんてやってると何をするにつけても面倒事の連続だ。
それをひとりやった後の一杯は格別の味わいなのもまた事実だが。
ぐいとと酒をもう一口煽って酒のお替りを注文しながら周りを見回し。

「…毎度のことだが、女っ気無いことだけが問題だな」

それこそ華として女性を雇っている酒場など数多いが、
残念ながらこの店はそうではない。
ジロリと店主から一瞥されれば、肩をすくめる事でごまかしにかかり。