2019/05/30 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区/酒場」にカインさんが現れました。
カイン > 騒々しい声の響く貧民地区の酒場のカウンターに一人陣取って、
エールのジョッキを煽る男の姿があった。

「ん、酒の美味い季節にようやくなってきたな。
 いつもこれくらいの過ごし安さだったらいいんだがなあ。
 寒い熱いの時期は用心棒稼業やら傭兵稼業やらには面倒だからなあ」

人目をはばかる事無く愚痴りながらも、ジョッキをカウンターに置き、
店主に次の酒を注文する迷惑な客であった。
団体客が多い酒場の中にあって個人客の利用が主なカウンター席は、
騒々しい店内の中でも人気の少ない空間になっている。
それもあってか、あるいはいつもの事なのか周りの客も店主も大した反応はしてこない。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区/酒場」にミユさんが現れました。
ミユ > ―――――カラン…店の入口の鐘が鳴る。

フードを深く被り、コートを被った外見からは背が低い事くらいしかわからないかもしれない。騒がしい店内。ふとカウンター席を見ると、なんとなく見かけた事がありそうな男が座っているのが見える。

ミユは興味をもち、男の席の2つ隣の席に座って、いつもの安酒を注文した。その声は男にとって聞き覚えのある声だったかもしれない…

カイン > 「…ん?」

すっかり人気が少なくなったか、あるいは酔っぱらいたちが力尽きたか。
いずれにしても静かになった店内の様子に耳をそばだてていた所に、
ふと聞こえたのは聞き覚えのある声である。
視線をそちらに向けてみれば見覚えのある顔が見て取れる。
そのまま軽い調子で気さくに声をかけ。

「いよう、ミユじゃないか。こんな所で合うとは奇遇だな?」

ミユ > 「…? あ、カインさん…」

あの日の事を思い出して、少し頬を赤らめるも…

「き…きぐう…ですねっ…」

恥ずかしいからか、顔をカインに向けつつも目をそらしながら答えてしまう。
いつのまにか酒場の喧騒は消えていた…酔いつぶれたり…楽しそうに仲間と出て行く冒険者たちが店を後にする様子が見えている…

カイン > 「ん?まあ、奇遇って言えば奇遇だな。
 どうした?何かまた困りごとか」

相手の様子に一瞬キョトンとした様子を見せたものの、
すぐに軽く笑いながらどこか楽しげに問いかける。
なにせ相手との出会いが中々に面白いシチュエーションだっただけに、
揶揄することを隠しもしない。

ミユ > 「あの…その…あの時は匿ってくれてありがと…」
ミユはさらに顔を赤くして、申し訳なさそうに頭を下げる…
匿ってはくれたが…その夜の事を考えるとまだ酒を煽ってもいないのに、
どんどん顔が赤くなってゆく…

「そ…そういえば、カインさん…今日はこんな地区でお酒ですか…?」
どうしても恥ずかしさを隠しきれず…少し上ずった声で問いかけた…

カイン > 「どういたしまして、というが割と俺も自分の利点があったから気にするな」

お互い様だと喉を鳴らして言い返しながらもぐいと酒を煽った所で、
相手の言葉に不思議そうに首を傾げ。

「ん。そりゃあ、割とこっちが根城だからな。
 やることがない時はここらで酒のんでる」

それがどうしたと不思議そうに問いながら相手をみやり。

ミユ > ふと問いかけに答えてない事に気付いたミユはすぐに顔をあげ…
「あ、今日は…何も困っていませんよ…ただ、身入りが少なくてやけ酒に来たって感じです…」
今日スリで手に入れた財布は3個、どれもお小遣い程度でしか無かった程度だって事を話すと…

「へぇ、こちらが根城だったのですね~…平民地区かと思っていました…」
意外といった口調で答え…目の前に置かれた安酒が並々と注がれたジョッキを手に取るとゴクゴクと喉を鳴らしながら半分位を一気に呑む。

カイン > 「なるほど、そりゃまた運がないな」

相変わらずと喉を鳴らして言い返しながらも、ぐいと酒を煽った所で首を傾げ。

「そりゃあ、な。俺だって訳ありだ。こっちのほうが都合がいい。
 …というか、話は方はそれで通すんだな」

最初あったときの突っかかられた様子を思い出してクックと喉を鳴らし。

「ま、若いうちから酒を呑むなとは言わないけど程々にしておけよ。
 俺としては酒飲める女性ってのは好きなんだが」

あんまりお世辞にだって体に良いと言えたものではない。
冗談めかして喉を鳴らし。

ミユ > 「ふぅ…」
半分程度一気飲みすると、少し俯き加減で吐息を漏らす…
「う~ん…もう少し、腕があればなぁ…」
天井を見上げて独り言の様に呟くミユ。実のところ最近スリにあまり成功していない。

訳ありの言葉に少し驚いた顔を見せ…
「そうなんですか…そのあたりはお互い色々あるわけですね~」
ちょっと声色が柔らかいものへ変わってゆく…

「お酒は…あまり強くないのですよ…でも、憂さ晴らしには欠かせないのです…」
冗談めかしての問いかけに、残りの酒をちびちびと飲みながら、真顔で答えるミユ。

カイン > 「ま、其処は地道に腕を磨いていくしかないだろうさ。
 ……ん。なるほど?」

憂さ晴らしには欠かせないという言葉に喉を鳴らしつつ、
そのまま相手の肩を軽くだこうと手を伸ばして見せながらゆっくり目を細め。

「それじゃあ、他の方法で稼いで見る気はないかい?」

今日は、と冗談めかして相手の顔を覗き込み。

ミユ > 「そだね~」
…納得した表情で答えるミユ…

肩を叩いたカインは顔を覗き込んでくる。
「他の方法って…?」
ミユは目を合わせながら、首を傾げる。
なんせ何も思いつかないからやってる盗賊稼業であって、色々な仕事を調べたり、試したりしてみた後だ…何が一体残ってるんだろうか?と心で呟く。

カイン > 「地道にやってればそのうち、な。
 …まあ、それまでに捕まらなかったらだが」

稼業が稼業だけにその危険はいつでもついて回ると喉を鳴らし。

「俺に抱かれてみる気はないか、ってことだ。
 幾らか出すしな?」

それでよければと相手の頬に指を這わせて問いかけ。

ミユ > 手が頬を伝わる感覚があったが、その言葉に一瞬戸惑う…
「ほむっ…」
カインの提案に俯いて腕を組み、少しほろ酔いがかった頭で思考しはじめる。
「うーん…」
考え込みながら、また一口…日に日にスリでの収入が減っていくのを感じ始めていたミユ…
とある考えが、ふと頭に過ぎる…
「それは…俺の女になれ?…ってことですか?」
目を細めながらも、見上げ、恐る恐る問いかける。

カイン > 「別にそれでも構わんけどな。ま、少なくとも今日付き合えば対価は払うぞって話だ」

割と飛躍したことをいいだした相手に思わず喉を鳴らして言い返しながら、
肩をすくめながら応じてみせる。
そのままゆっくりと目を細めてさてどうするかと相手の言葉を軽く待ち。

「ま、酔っ払ってる状態じゃあんまり考えもられんかもしれんが」

ミユ > 正直なところ、今日の身入りの少なさは生活にとって致命的だった…
対価をはらうというのであれば、それほど嬉しいことはない…
「あの…今日一晩…何ゴルドで買っていただけますか?」
目を開いてカインの瞳を見つめると…小さい声で尋ねる…
そのままジョッキを持ったまま恥ずかしすぎて完全に俯いてしまう。

カイン > 「んー、それはミユの頑張り次第かな」

幾らかという言葉に白々しく言い返して見せながら、
相手の体を軽く抱き寄せるままに顔を覗き込み。

「どうする?もちろん、ミユが頑張ったらその分ボーナスは出すさ」

クックと喉を鳴らして見せながらゆっくりと目を細め。

ミユ > 「なるほど…です…」
こんな誘われ方をしたのは始めてで…俯いたまま、胸の鼓動が昂ってゆく…

抱き寄せられるとびくっ躰を少し硬直させる。しかしカインには一度助けられた恩もある…
覗き込んだカインの顔を見つめ…意を決した様にコクンと頷いた…かと思うと、底に残った安酒を一気に飲み干した…

カイン > 「ん、それじゃあ交渉成立、だな」

相手の言葉に喉を鳴らしてうなずきながらも酒を飲み干した様子を見ると、
軽い少女の体をひょいと抱き上げて、そのまま店主に目配せして奥の階段から上階へと向かっていくのだった。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区/酒場」からカインさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区/酒場」からミユさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区 闇市場」にさんが現れました。
> 盗賊ギルドが主導する闇市を歩く女は、金色の髪を腰のあたりまで伸ばし、頭には分厚い布で作られたキトンヘルメット。
 肩には若草色のマントを羽織り、豊満な胸を強調するように、胸元開かれたレザージャケット。
 ズボンは肉感的でまろみを帯びた尻をしっかりと抑えてボリュームを感じさせるようにぱつんぱつんになっている。
 歩き方は音を感じさせない歩き方で、この界隈ではよくある盗賊であることがわかるだろう。
 とは言えども、盗賊ギルドに所属はしているものの名前だけを登録し、冒険者として活動している一般的な盗賊系の冒険者なのである。
 そんな女は垂れ目がちの目尻でどこか退屈そうに品物を眺め、陳列された品物の間をくぐり抜けるように歩く。
 実際な話、退屈なのである。

「んぅ……、どれもこれもぉ、あまり面白いものではないわねぇ……」

 どこか間延びした声で、女はポツリとつぶやいて、あふ、と欠伸をこぼす。
 女の盗賊としての目は、此処にあるものの大半は偽物であり、大した価値はない。
 盗品の販売は今回は二の次なのだろう。
 奥のほうで行われている人身売買や、麻薬といった、禁じられた品物の方が主力なのだと。
 当然そういったものに興味ない女としては、来なきゃよかった、をつぶやいた。

> では何故来たのか、という問題があるのだが……単純な話であり、盗賊ギルドになにか貢献しろという上からの有り難くもないお誘いなのであった。
 みかじめ料をちゃんと払ってるのに何て事だ、これだから闇系のギルドは碌でもない。
 というか、そもそも盗賊ギルドは犯罪者の集まりとも言えるから仕方があるまい、そこに入ったのが最後なのです。
 ということで、警備兼お客さんなのです、盗賊ギルドを告発するような頭のおかしい正義感で詰まった人を見つけてつまみ出すのがお仕事です。
 ちなみに、盗賊ギルド、多くの貴族の弱みを握ったり、お金を握らせたり、でズブズブの癒着状態。
 正義感で煮詰まった人が一人二人騒いでも……むしろ、騎士団であろうとも多分簡単には潰せないだろう。
 とはいえ、何が原因で火種が広がるかわからないので、女はやる気無さそうに……実際やる気ないままに周囲を警備するのだ。
 興味のわくようないいアイテムとか、そんなのがあればいいのになー。

「はぁ……。」

 大きなため息が漏れてしまう、モチベーションが全然上がらない。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区 闇市場」にセイン=ディバンさんが現れました。
セイン=ディバン > 「……なぁんだかなぁ」

盗賊ギルド主宰、本日の闇市。
そこに足を運んだ男は、明らかな落胆の色の浮かぶ声を上げる。
一通り商品を見てみたものの……。

「レベル低ぃ~……」

そう。男の求めるような商品は一切なく。
かといって男は麻薬や人身売買にも興味が無い。
というか奴隷を買うなら知り合いの店に行ったほうがよっぽど健全に労働力が手に入るわけで。
となると、正直この闇市に来た意味もないし、価値もない。
やれやれ、とんだ無駄骨だった、と考え。男はこの場を後にしようとしたのだが。
そこで、一人の女性が目に留まり。

「……おぉ?」

お、上玉。そう思って近づいてみる男だが。
近くに寄れば、相手の姿は男も見たことのある物であり。
と、いっても知人という訳でもなければ、相手のことを詳しく知っているわけでもない。
ただ、男は相手と同業であり。名前くらいは聞いたことがある、くらいの話なのだが。

「おい、そこのアンタ。確か、焔、だっけか?」

一応同業者だから、と。挨拶だけでもしておこうと、男は相手に声をかける。

> テンションダウン、テンションダウン、やる気さんがどっか遊びに出かけております。
 やる気スイッチをオンにしていただく必要がありますが、ここにやる気スイッチを上げてくれるブレーカー的なアイテムはありません。
 まあ、自分ひとりサボっていても恙無く進んでいくのでしょう、必要なのはメンツであり実利ではない。
 だからこの女がやる気なく歩いていてもほかの警備のシーフが注意に来ることもないのだ。

 そんな折―――――。

「あらぁ、セインおじさまじゃないですかぁ~?
 こんな所になにか御用でしょうかぁ~?」

 シーフギルドであれば、冒険者としても先輩にあたるおじさまがそこに立っていた。
 こういう場所には来ないと思っていたので、意外な姿に少しばかり金色の目を見開いて問い返す。
 先ほどの声を思い返し、ここの品物を見に来たのだろうか。
 碌でもないものしかないのは―――まあ、盗賊ギルドの誇張ばりばりの通告では仕方あるまい。
 それとも何か目的でもあって、品物はついでなのだろうか、と。
 首をコトンとかしいで、問いかける事にする。

セイン=ディバン > そもそも、盗賊ギルドの闇市だからといって良い物ばかり並んでいるわけでもない。
どちらかといえば、盗品大売出し、っていうのが一番近いかもしれないのだ。
なので、男の求めるような高レベルのマジックアイテム、だとかはまず並ぶはずがない。
そうなってしまうと男も買い物意欲は湧いてこないわけである。

「お、おじ……。
 いやぁ、ちょっと買い物に来たんだけど……。
 正直、期待はずれってやつでな」

おじさま、と言われれば面食らう男。
まぁ、初対面でなれなれしい口を聞かれるよりはいいのだが。
それでもおじさま、なんて呼ばれ方には慣れていない。
男は相手の問いに対し、ここに来た目的を口にするのだが。
そこで、相手の様子から、どこかやる気を感じないことに気付き。

「そういうそっちこそ、何してんの?
 買い物、って感じじゃなさそうだな?」

と、相手の質問をそのまま返す形。
退屈な場所でご同輩に出会ったからだろう。
男の興味は、闇市よりもすっかりと相手に向かっている。

> 良い物などは、基本ギルドの幹部が直接貴族に売りつけるだろう、本当に奇跡的な確率で彼らの鑑定から逃れた物が、転がることがある、という程度であろう。
 期待しても仕方がないというのが正しいのだ。

「ふふ、おじさまぁ。そんなに面食らってぇ。か・わ・い・い。

 ふふ、ふふふふ。
 
 とぉ、はなしをもどしましてぇ、それはぁ、そうでしょう?
 どっちかといえばぁ、こっちはぁ、目くらまし、ですもの?」

 面食らう様子、くすくす、女は軽く笑ってみせる。
 あの、セイン=ディバンが戸惑う姿は正直言って可愛らしいのだから。
 ひとしきり笑ったあとに、彼の言葉に対して返答してみせる。
 そこから、質問が自分に帰ってきて、それに対しては肩をすくめる。
 半ば開いているジャケットのなかで、二つの丸い柔らかい肉がポヨンと揺れるのだ。

「呼ばれたんですぅ。
 ギルドに貢献しなさいってぇ。
 ちゃんとみかじめ料だしてるのにぃ、貧乏くじ引いてしまったのぉ。
 警備してますので、痴漢したらぁ………

 もぎっとしちゃう……ゾ✩」

 自分に対しての返答に対し、にっこり笑ってから、視線は顔より下に。
 お腹のあたりよりも下がっていき、露骨に、股間の方に。
 直ぐに、金色の目は彼の方に戻っていくのだ。

「なのでぇ、本当に、やる気ぃおきないんですぅ。」

 ひどい話ですよねぇ、と世間話に興じるやる気無い系警備員(泥棒)。
 このまま時間潰してもいっかぁ、とか思い始めてる。

セイン=ディバン > 男も闇市に来たのは初めてではないが。
それにしても今回の商品に関しては本当にガッカリであった。
いつもなら、少しは興味がそそられたりもするのだが。

「おいおい、中年冒険者を捕まえて可愛いとか言うなよ。
 最近、そういう風にからかわれることが多くて、ちっと心に傷がな……。

 いやぁ、それは分かってるけどよ。その中で、掘り出し物でもあるかと思ってたんだが」

はぁ、とため息を吐きつつ苦笑する男。
最近のこの男の、女運。そんな星の巡りは……良い、とは言いがたいのだが。
相手の言葉に、同じように肩を竦める男は。目の前で見事な柔肉が揺れたのを見逃さず、というか。視線がそっちに引き寄せられてしまう。

「あー、そうなのか。そっかそっか、今回は焔が当番か。
 そりゃあ災難だったなぁ。
 おいおい、オレがそんなことするように見えるか?」

相手の宣言に苦笑を強める男。プレイならともかく、そういった性犯罪は……。
極力、しない主義である。あくまでも極力だが。
そこで相手のやる気無いです発言を聞けば。
男はにやり、と笑い。

「だったらよ、奥のスペースで、ちっと酒でもどうだ?
 ギルド幹部には、オレから心づけを渡しとくから。
 サボりにはならないと思うぜ?」

せっかくこうして話せたんだ。親睦でも深めないか? と提案する男。
何せ相手と男は、盗賊系スキル持ちの冒険者という共通点がある。
お互いの仕事の技術や、ちょっとした儲け話など、情報交換はできるだろうし。
なによりも。女好きのこの男が、美女を目の前に動かないハズもないのであった。

> 「うふふー。 か・わ・い・いのにはぁ。
 老若男女関係、ありませんよぉ?

 あらあらぁ、じゃあ、おねーさんが、いーこいーこしてあげましょうかぁ?

 今日は、残念ながらぁ、ハズレぇ~。」

 ため息を吐いての言葉に、女は、両手を広げておいでおいで、と。
 頭を差し込めばその胸に包み込んで文字通りいーこいーこすること請け合いである。
 むしろ、わかってて、挑発しているフシもあるのかもしれない。

「おもいますぅ。
 だって、可愛い子にぃ、所構わず、声かけてナンパしてるんでしょぅ?」

 にっこにっこ。
 彼の全てを知ってるわけではない、軟派な一面を聞きかじって、そう言うふうなことをするかもしれないという想像。
 いわゆる決めつけ、というやつなのかもしれない。

「えー。
 どうしようかなぁ……?お誘いは嬉しいのですがぁ。
 簡単にお仕事を放棄してはぁー。」

 きらん、お酒の二文字に目が輝く。が……やはりメンツとかを気にするのが盗賊ギルドなのだ。
 流石にやる気なくてもお仕事中に公然と酒に誘われて行くわけにはいかないのである。
 ということで、ポーズだけでも、お断りな雰囲気を出しておかねばなるまい。
 こう、権力とか振りかざして強引にとか、そんな形にして欲しいなー。
 狡い女であった。

セイン=ディバン > 「それもよく聞くんだけどさぁ。
 言われる方の身にもなってほしいわ……。
 逆に、こっちが頭撫でてやろうか~。

 まぁ、仕方ないよなぁ。こればっかりは」

本当に。女性相手の会話というのは時々疲れるなぁ、と笑う男。
相手が頭を撫でようか、なんて言ってくるのなら。
男は手の平を振り、丁重にお断り。
流石にこんな場所でそんなことをされては、男の面子も丸つぶれである。

「おいおい、誰がそんなウソ、デマカセを吹聴してんだ?
 オレは時と場合は選ぶし、相手も選ぶぞ。
 声をかけるのは、とびきりの美人か、魅力的な何かのある女性とかだけだ」

大げさに驚くような様子を見せる男。当然、ナンパはしまくるタイプの男ではあるが。
この場合、魅力的な何か、というのは容姿や性格だけではない。
魂の輝き、のようなもののことを言っているのだ。

「あら、つれないなぁ。
 ……あぁ、じゃあオレの仕事を手伝ってくれないか?
 この間冒険で手に入れた酒が大量にあってな?
 価値を調べたいんだが……人手が必要だろ?
 ほら、オレ一人だと酔っ払っちまうかもしれないからさ」

相手の発言に、少し考え込む男。しかし、ならば仕事ということで依頼すればいい、と男は考える。
相手の耳元近くで、余った酒を商品として提供すればウソにはならないだろ? なんて囁きつつ。
相手に向かって、男もイタズラを思いついた時のように笑う。

> 「私はぁ、言われるとぉ、とても、嬉しいわぁ?

 なでなでしてくださぁい、やる気でないんですぅ。」

 笑う彼に、お断りして反撃の一言に対してはすい、と頭を出す女。
 ちゃんとキトンヘルメット外して、金の髪の毛が見えますし、ばるんとした、乳が重力に従い砲弾のように、見えました。
 女は頭なでてもらって潰れるメンツなどはないので楽である。

「うーん……?
 噂と、推測と、小さじひと匙の……いたずらごころ?」

 大げさに驚く様子には、顎に指を当てて、ちょっと夜空を見上げるような天井を見るような、曖昧な視線。
 彼の選定基準はよく分からないので言及はしなかった。

「ふぅ、む。
 お仕事、ですかぁ……。なるほど、なるほどぉ。
 確かに、人手が足りなさそうなお仕事ですねぇ。
 仕方がありませんねぇ、先輩の顔を立ててお手伝いに行きましょうかぁ。

 ほんとう、仕方ありませんねぇ、ちょっと、報告してきますからぁ。」

 もう、仕方ない先輩ですねぇ、とそんなオーラを出しつつウキウキした足取りで女は現場の監督のもとへ。
 二言三言会話して、ほほにチュッ、とキスをして。
 戻ってくるのだった。

「大丈夫とのことですぅ~。」

 さあ、お酒が待ってますよぉ。
 案内してくださいなぁ、と彼の腕に抱きついていうのだ。

セイン=ディバン > 「そりゃあまぁ、そうだろうけど。
 そして焔は事実可愛らしいとは思うけど。
 おー、撫でてやるよ。ほんと、焔は偉いな」

会話しているうちに、相手が頭を出すのであれば。
男は、相手の頭を軽く撫でる。男は女性の頭を撫でるのが好きなので。
これは思わぬ役得であった。更に言えば、相手の胸が揺れるのを間近で確認。これも役得。

「おいおい、そんなんでオレの値打ちを貶めないでくれよ」

噂だの推測だのイタズラ心で評価されては溜まったものでは無いなぁ、と思う男。
とはいえ、女癖の悪さはかなり有名なので、仕方ないとも言える。

「そうそう、仕事仕事。
 そうなんだよ。人手が必要なんだよ。
 あぁ、行ってらっしゃい」

相手が報告に向かうのを見送る男であったが。
その足取りが軽やかなのを見れば、くす、と笑みを零してしまう。
そうして、相手が戻ってきたのであれば。

「お、そっかそっか。
 じゃあ早速行くとするか」

相手が腕に抱き付いてきても、まずそこで喜んだりはせず。
闇市奥のスペースへと向かい、個室になっている場所を見つければ。
そこで、男は物体転送の呪文を使い、自宅倉庫から大量の酒を転送する。
ワイン、モルト、麦酒、蜂蜜酒、霊酒、ありとあらゆる酒が、大量に出現しては、床に並んでいく。

「お好きなのからどうぞ、お嬢さん」

どうだ、と胸を張る男は、近く似合ったモルトに手をつけはじめる。

> 「わぁぃ。お仕事以外のやる気がわきますぅ。
 なでてなでて、うふ。」

 可愛らしいという言葉に撫でなでされて、嬉しそうに言葉を返すのだ。
 でも結局、お仕事のやる気は湧いてないという。
 それだけお仕事やりたくなーいというアレなのである。

「でもぉ、火のない所にぃ、煙は立たないってぇ、言うお言葉も、別の国にはありますよぉ?」

 にやにやぁ。女好きなのは知れ渡ってますしぃ?なんて、女は楽しそうに笑ってみせる。
 そして、彼の腕に抱きついてワクワクしながら、奥の個室。
 そこから始まる酒宴の匂い。
 たくさん出てくる酒、酒、酒、酒。
 古今東西選り取りみどりなお酒の羅列。
 魔法って便利ですねぇ、と感想を。

「ではでは……。
 お猪口とかないのは、残念、ですねぇ。」

 と、遠慮なく冷酒に手を伸ばし、一口。
 きりりとした、辛口の酒を軽く煽るのだった。

セイン=ディバン > 「そこは仕事のやる気を出せよ……。
 あぁでも。うん。マジに可愛いな、お前さん」

やれやれ、と苦笑しながらも。
相手の反応に、少し微笑ましい気持ちを覚える男。

「……そうかもしれないけれどもー、だ。
 ほら、やっぱり人ってのは、ちゃんとその中身を知らないと」

憶測で物を言うのはよくない、と引きつった笑顔で言う男。
たとえその憶測が当たっているとしても、だ。
そうして、相手と一緒に酒を堪能する流れになれば。
男もご陽気になるものの。

「オチョコ? あぁ、東の国の、酒用のグラスみたいなものだったか。
 ……あったかなぁ」

相手の言葉をしっかりと聞き、呪文発動。
奇跡的に、倉庫に眠っていた猪口が出てきたので、相手にそれを差し出す。
モルトを堪能しつつ、相手の姿を見る男。

「ふむ。焔は酒を飲む姿が似合うな」

そう、ぽそり、と呟くのであった。

> 「えー。
 だって、最初からいやいややらされてるお仕事ですよぅ?
 それに、報酬だって低いんですよぅ?」

 仕事をさせるなら、させるなりのものを出してもらわないと。
 仕事のやる気を起こせという言葉には、むりーと肩をすくめるのみで。

「中身を……?
 それは、あれですねぇ、ちゃんとお付き合いして会話していかないと、ですねぇ。」

 知らない人は憶測でしか言えませんしぃ?と顔を引きつらせる彼に言って笑う。
 とりあえずは今は酒を飲んでのんびりと会話して人となりを知ればいいのです、と。

「わぁ、い。
 冷酒には、これなのですよぉ……。」

 瓶から、お猪口にお酒を注ぎ。
 女は一口、口にする。酒精の混じる吐息をふぅ、と吐き出すのだ。

「ふふ、色気、むんむん、ですかぁ?」

 軽くウインクをしてみせて、くい、と酒を一口さらに。

セイン=ディバン > 「ハッキリ言うなぁ。誰に聞かれてるかわからないのに」

相手の直球な発言に男はくすくすと笑う。
ある意味、こういった真っ直ぐなことを言える人間というのは貴重だ。

「まぁ、そうなるよな。
 オレも焔のことは知りたいし。これも良い機会だと思うぜ?」

だからこそ、相手と一対一で話がしたかった。
仕事に対するスタイル、というものは別かもしれないが。
同業者という点だけでも、興味は尽きないワケで。

「そのオチョコ、ってのは使ったことがないが。
 酒の種類によって、適したグラスがあるのは分かるぜ」

酒によっては、グラスとの相性により味がぐっと変わってくるというのは。
男とて知っていることである。味、香り、温度。そういったものが酒には影響を及ぼすのだ、と。

「そう、だな。色気っつーか。
 東の国風に言うなら……艶? か?
 そういうのは感じるぜ」

モルトを飲み終えた男は、麦酒に手を伸ばす。
木でできたジョッキにそれを注ぎ、一気飲み。
ぶはぁ、と息を吐きつつ。

「それこそ、一晩お願いしたいくらいだ」

ぽろ、と。本音が漏れてしまった。酔っているわけではないが。
つい、油断したのだろう。

> 「聞かせてるんですよぅ」

 どうせ、聞いても何もしてくれないと思いますしぃ?
 女は軽く笑って酒を一口煽る。
 ちびり、ちびり、と煽りながら、彼のことを横目で眺める。

「何が、知りたいんですぅ?
 スリーサイズは秘密ではありませんけどぉ?」

 なにが知りたいのだろう。
 自分には秘密にするべき所は多いが、隠さないで置くところも多い。
 教えられるかどうかは聞かないとわからない。
 なので、何かしら、と問いかける。

「冷酒……東方のお酒は急に飲むと酔いが後から来るから。
 こうやって、ちびりちびりと飲むのがいいのよ。」

 確かに、お酒はこのほうが美味しいかもしれないけれど。
 女は軽く笑って、くい、とお猪口を傾けるのだ。

「一応、そっちの血もあるから、かしらね。
 ふふ、艶を目指すか、色気を目指すか。
 そこが難しいわね。」

 両方狙いたいところだけれども、なんて、赤い唇は、軽く傾けて。
 はぅ、と息を吐く。

「ざんねん、おねーさん、そんな時間ないの。
 そろそろ、別のシフトのお時間なのですぅ。」

 また別の時に、ね?
 女は軽くウインクしてみせた。

セイン=ディバン > 「あぁ、そうなの。
 だとすりゃあ、尚更凄いな」

結構いい性格してるなぁ、と笑いつつ。
相手と酒を楽しむ男。
思えば、こうしてのんびり飲める機会は最近なかったかもしれない。

「そうだなぁ。なんか良い儲け話とか、知らない?
 あるいは……焔の好みの男性のタイプ、とか」

くくっ、と笑いつつ。本来の目的の質問と。
冗談のような質問をしてみる男。

「へぇ、なるほどな。
 サケ、っていうのは飲んだことがないから。
 勉強になるぜ」

相手の説明に、男は感心したような表情を見せる。
自身の知らぬことを学べるのは、とても楽しいし、男にとっては重要なことである。

「……うん?」

相手の言葉に、男が首を傾げる。
艶、色気。そのどちらを目指すか。そこが引っかかったのではない。
しゃべり方が。いつの間にか、間延びしていなくないか? と気付いたのだが。

「ありゃ、そうか。
 まぁ、なら仕方ないよな。
 その代わり、次の時はぜひ相手してくれよ」

相手の事情を聞けば、男はやむなし、と残念そうな表情になる。
だが、何も機会は今日だけでは無いさ、と。
自分に言い聞かせつつ、一気に麦酒を呷る。

> 「んふ……。
 でもぉ、ちゃぁんと、言わないとダメだもの~」

 いい性格してなければ、盗賊なんて出来ませんよぉ?と彼を覗き見る。
 彼だって、自分とは違った点でいい性格しているのだろうし。
 くい、と酒を一口啜り、笑ってみせる。

「儲け話ぃ?
 冒険者として?それとも、シーフとしてぇ?

 好みのタイプはァ、父性と野生と、経験の入り混じったぁ、ナイスグレイな、お・じ・さ・ま。」

 稼ぎ話と言うのであれば、ネタは幾つかあるだろうけれど。
 彼の考えるものはどんなものなのだろうか、と。

「サケは、全部まとめての事だもの、それもぉ。あれもぉ。
 私が飲んでるのは、コメの酒、純米酒というものよぉ。」

 酒というのは種類の問題、ビアも、蒸留酒も、ワインも酒だ。
 細かく言うのが大事なのである、と。

「んふ、お酒がぁ、回っちゃったみたいねぇ?
 お仕事の時には、キビキビしゃべらないと、ダメな時多いでしょ?」

 ついつい、口が滑っちゃった、と笑って、舌を出してみる。
 まあ、どっちでもぉ、いいんだけど、ねぇ?と笑ってみせた。

「ええ、また、機会があればぁ。
 お酒、ご馳走様、ね?」

 すい、と立ち上がれば、彼の頬にちゅ、とキスマークを作って。
 スピリタスを二本ほど失敬して、またね?と。

セイン=ディバン > 「ははは、確かにな。
 ……つーか、この闇市の警備の持ち回り。
 やめて傭兵でも雇えばいいのにな?」

無理矢理働かされてもモチベーション上がらんよなぁ、と笑う男。
とはいえ、実際こういう場所に無関係の人間を雇うわけにもいかないだろうから。
話はそう簡単でもないのだろう、と思う。

「そりゃ冒険者として。シーフ絡みはリスクがデカいからなぁ。
 ……父性と野生って、同居するの?」

相手に話を聞こうとするのだが。
好みのタイプについて疑問が芽生えてしまう男。
その要素、同居しなくないか? と笑ってしまうが。

「いや、それは酒のことで……いや、あれ?
 サケ、避け、咲け……東の国の単語は、難しいな」

純米酒のことをサケと言っていた男だが。
どうにもイントネーションがおかしい。
発音に慣れていないのだろう。

「そっちの喋りが地か? やれやれ。お前さん。
 一筋縄じゃいかないみたいだな?
 ……あいよ。お粗末さま、だっけ?
 またの機会には、な」

相手がなにやら見た目と裏腹に色々と秘密がありそうで。
そんな相手と会話できたことを嬉しく思いつつ。男は相手に酒をプレゼントする。
そうして、頬に触れた唇の感触にちょっと赤面しつつ。
男も、残りの酒を商品として提供し、この闇市から去ったんだとか……。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区 闇市場」からさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区 闇市場」からセイン=ディバンさんが去りました。