2019/05/02 のログ
■コデ > 四たび吸殻を捨てれば、風に浮いた帽子を深くかぶり直し
粗末な壁から背を離した。同じく風に乱れたマントと髪を直すと
振り返るマントの動きは大きく、風に乗せられ大きく靡いた。
静かな貧民地区に一瞬だけ雪のような物を吹き込みながら
奥の暗がりに向かって男は歩き出した
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からコデさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にコデさんが現れました。
■コデ > 朝を迎えた貧民地区。仕事も家もない浮浪者に混じって夜明けから、朝から
外に出て人の往来を煙草を吸って眺めている男。
手巻きの為にちょっと貧乏たらしくよれた手巻きたばこを斜口にくわえながら
浮浪者の集まりの端に座って時折手持ち無沙汰に持っている刀の柄を指で叩いたり
足音の大きな警備の兵士達にふいに目を向け眺めたりしていた。
男の装備は特徴的であっても貧民地区をうろつく装備には見えない。
しかし、この辺を根城にする貧しい者達に男の装備品から金目の物を探す者はいなかった
不思議と何も無い者達に馴染む男は、流石に楽をしたいのか角の使われなくなった
小屋だったものに背を倒して、足を延ばして腰かけていた
■コデ > しかし隣には薬草が幾つか、それと道具を置いていた。鎮痛作用と炎症を抑える
そして果糖から僅かに栄養の摂れるようにした抗菌作用のある薬草の溶液を揃えていた。
しばらくすると荷車を引く音がする、動けなくなった身売りの娘が浮浪者の集まりの端で
無造作に転がされると荷車は去っていく。
「…………………」
男はゆっくりと立ち上がり浮浪者が娘を運んでいる所に向かってくる。
動けなくなり、体じゅうに傷のある娘の様子を変わらない表情で見ながら。
隣に置いていた薬と道具、溶液を置くと。まず娘に溶液を飲ませた。
■コデ > 力が無い為、飲む速さはゆっくりであるので、その間に薬草を指先で混ぜ
すりつぶしながら、ソレを終えると濡らした布で娘の身体を拭いている。
少し布で叩いて乾かすと、酒で僅かに薄めた薬草を傷や痣などの患部に塗り
小さな赤い実を一粒口に押し込んでから、一枚の葉を噛ませる。
患部に薬を塗る頃には、娘の表情から険しさが消え、よほど疲れた夜を味わったのか
そのまま泥の様に眠った。住人達はそのまま娘を運んであばら家の中に消えていく。
心配そうに見ていた老人は男を見ていて、対して男は老人に対して手を伸ばす
「…俺はその辺のシスターじゃない。タダでやったら際限なく群がってくるからな…形式上でも良いから何かくれ」
言葉を聞き、老人は販売用に作った粗末な煙草葉と炊き出しでシスターから受け取っていた
パンの半分を男に手渡した。
「…今度は骨灰の混じってない煙草にしてくれ、何時になるかは分からないが」
貰った煙草葉を素早く紙で巻くとたばこにして燻らせながらまた元の場所に戻る
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にサナさんが現れました。
■サナ > 気紛れに売り歩く石は昼用の嗜好品の癖して、夜行のさががずっと抜けない。珍しく陽の昇る時間に出歩くと、少量の光にも灼き尽くされそうな感覚がある。
眩む目を掌でごしりと擦り、疎らに行き交う人に辛うじてぶつからない程度の呆けた足取りが、傍観者のよう、風景の一部のように空気に溶け込んでいた男の横をすり抜けようとしてふと止まる。
朝の空気に微かに紛れた匂いの元。探すようにぐるりと頭を巡らせる、布が人型を模ったような容姿が男のほうを向く。
煙草から、手元のパンへと。視線が落ちる。
■コデ > 「うぅぅ…う"ぅぅぅぅう」
朝から雑用に駆り出された男は眠気に凝り固まった背筋を低い唸り声をあげて伸びる。
その中で一つの何時もの行きかう人間になるハズだった、子供の一人が自分の近くに立ち止まるのを
伸びの後涙目になった目尻を擦りながら、見下ろす。最初死体袋でも通りかかったのかと思ったが
どうやらローブを纏っているようだった。覗く顔はどうやら女性の、少女のようであった。
一つ紫煙を吸い込み、空に吐き出せば。少女の視線のパンに気付く。
「………………こんな場所でライ麦でなく白パンを持っているのが珍しいか?」
■サナ > 全身から絞り出すような唸り声は、座っているとは云え身丈の高さと相俟って少々迫力を感じられた。半歩踵が地面を擦ったが、伸びの後幾らか戻る姿勢に身体が縮んで見える。
生憎袋を引いて歩く者もおらず、自律で動いてきた布の塊。
燻る煙が透明に溶け込むのが目端に映る。
フィルタがかったような貌の輪郭が、煙が溶けると明瞭に。
「……ウン。柔らかそうで、美味しそうだね。
…………どこで売っていたの、」
目深に被ったフードから鼻筋と口元が言葉を紡ぐ。
正面で足が止まり、日差しを遮るような影が男の足のつま先から天辺まで被る。所々、遮られない所があるだろうが。
今日は暖かい日らしくて、背中が少し温い。日陰になれば冷たいかもしれないけれど。
■コデ > 「夜が大分厳しかったようでな…死にかけた娘の手当でその同居人から貰っただけだ。
…恐らく神聖都市のシスターが炊き出しで配っていたものだろう…」
伸びて乱れたマントを肩を揺らして直せば、地面の脚を付け少女の方を見る。
少女と同じく男は黒いパトロールキャップを被り、目元が暗く見えなくなっているが
紅い瞳だけが初夏も近い日の光に反射している。
男は粗末な元々小屋だった場所、その上にかろうじで残った屋根の日陰にその身を被せている。
「タダで何かやってやると連中も無限に群がってくるからな、形だけ見返りを求めただけの物だ。」
「別に腹も減っているワケじゃないから、欲しいなら譲るぞ」
■サナ > 「夜が……。」
生き延びる手を貸した、対価だと聞こえた。ふっくらと美味しそうな白パンが渡った手を思えば違う様相を呈してくるから不思議なもので。
声の抑揚が薄そうな男の声も、見えがたい目元も、感情を分かりにくくさせていた、けれど、そもそも波立ちがたく、フラットなのだろう、と。
思いと裏腹に、紅い瞳は苛烈な色を秘めていそうに見えた。
つ、と伸びた生白い手は、パンでなく、男の目元に向かう。
日陰に己の影を被せて。
「そうなの。……炊き出しのパンも、その人にとっては命をつなぐ種だったかもしれないよ。
…………ただでくれるって、聞こえる。」
医者にかかるよりも何十倍も助かったのだろう、けれど。立場で価値は変わる。
ふる、と小さく頭を横に振る。
■コデ > 「そういう事になるな、実際そうなった…」
すっかり短くなった煙草を遠くの焚火の中へ軽く投げ入れる男。
目深のフードと違い、少し顔を上げれば顔が見える。20代後半の整った容姿。
しかし薄い表情の枯れた雰囲気が、目に見える年齢よりも年上を思わせる。
「話し相手になった、タダじゃない。」
白パンを取り出した包み紙に素早く包むと自分の隣に置いた。
「それとも隣にいてくれるか?初夏が近いとはいえ雲が多いと冷えるからな」
それも男が日差しの中にいなかっただけなのだが、こんな場所で日光の生命力を
感じるのは億劫だった。
■サナ > 煙草の匂いが一瞬、ひときわ強まって、他の香りに紛れて消えた。
遮られることも無く、伸ばした手が目元に淡く触れる。
頬の輪郭を僅かにたどり、離れる。
「話し相手は、パンの価値があるの。……隣にいて暖かい?
…風よけ?」
影を落としこんでいた体が正面からそれ、パンが置かれたのと逆側--男の隣にすとんと腰を下ろす。
冷えるのが緩和されるとも思い難く、軽く眉根を寄せるけれど。悪くない提案だったから頷いてその通りに。
触れなくても、傍らにいれば、腕が仄かな温みを感じるような気はする。
伸ばした両腕で膝を抱えて小さく纏まり。
■コデ > 「場合によっては金ほどの価値がある。まぁそうそうある事じゃないが」
隣に腰かける少女、ソレを見ると男は煙草を燻らせながら男は本当に僅かに
腰を持ちあげ、小さくまとまる少女の近くに寄る。
男の体温はかなり高く初夏の風が吹くと僅かな熱気が少女の方にかかるかもしれない
「着てる物はそのローブだけか?」
ある程度の厚さがあるのかもしれないが、僅かな布の動きだけで見えた輪郭から
ふと感じた事を何も考えずに口にした。
この辺では着の身も困るような人間が多いのだが、そういう場合もっと
逞しく今日生きるのに必要とする物をかき集めてるからだ。
人の事を言えたクチではないが、少女からその様子は感じなかった
■サナ > 「…どんな話をしたら、そんな価値が出るの」
跳ね上がる価値に肩を震わせて笑う。そうそうあることじゃない、ということは、そんな日もあったということだ。
少し冷えた肌に、布地越しに掛かる熱気は、触れられた時の体温を想起させられる。
男からの問いかけは、思いついたその直後、
思わず肩を揺らした。
「……なんで、見ただけでわかるの。」
他愛のない世間話の続きだった、きっと男にとっては。
揶揄を含めて、感覚を散らす。裾野を摘まんで手慰みに揺らし。
■コデ > 「軽く200年は一人で過ごしていれば、もしかしたらそんな金銀財宝を払うかもしれないな」
笑う少女に紅眼を細めて僅かに口角を上げる男。
「ん、風が当たると輪郭が少し見えるからな…随分クッキリ移っていたから」
また短くなった煙草を焚火に捨てる。包み紙にあった白パンをバッグパックに収めながら
細身ではあるが鎧の隙間から見える男の腕は筋骨隆々という訳ではない。
しかし何か別の目的の為、筋肉から感じる荒々しさや力強ささえすべて排した
奇妙な鍛え方をした肉体を持っていた。そして高い体温はその身体から発される
「否定はしないんだな…まぁ、ココでは何の事は無い話振りだ、それさえ無い奴もいるから」
「普通布一枚被ってる物はもっと食べ物を探して走り回ってる物なんだがな」
■サナ > 「……貴方がそれだけの月日を過ごしている、ということ?」
具体的な例えは、比喩というよりも実体験に聞こえた。
「前に過ごした場所の名残だね、これは。
人に触れたくなる時も、あるけれど」
小さく頷いて、大分高くなった陽を仰ぐ。
そろそろ時間だ、と腰を上げ
「パンはやっぱり、貴方が食べるのが良いと思う。
ひと時をありがとう。」
柔らかく告げて、人込みに紛れるように歩いていく
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からサナさんが去りました。
■コデ > 「まぁ、そうともいう…何が価値など分からなくなってくるもんだな…っと」
「そうか…気を付けてな」
男は立ち上げる少女を見ながら頷き、歩いていく後ろ姿に微笑で返して
見送った。男は再び包み紙に入れた白パンを広げ、それをおもむろに齧る
「…そういえば昼飯時だったな」
男も立ち上がると今度は街の方へ歩いて行った。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からコデさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にカーレルさんが現れました。
■カーレル > 「はいはい、10年経ったらおじさんの事を思い出して頂戴ね…」
倉庫が立ち並ぶ一角。檻の中に囚われた少女たちを開放していく
奴隷狩りに囚われた少年、少女たちを次々に開放するべく錠前を外し、お礼を述べる彼ら彼女らに
そんな風に軽口を叩いた
頻発する誘拐事件の犯人に懸賞金が掛けられ、犯人を追ううちにこの倉庫にたどり着いたというわけである
檻から解放された子供たちは一目散に倉庫の外へと駆け出していった
ちなみに頭に麻袋を被され両手両足を拘束されたでっぷりとした男が誘拐犯兼、奴隷商人で
懸賞金の掛けられた人物である…と思われる。と言うのも、倉庫に忍び込んだ際に、
この男が見張りをしていたから適当に拘束しておいた
「妙齢の御婦人でもいれば良かったんだけどね…
いや、まあ…未来ある若者たちを助けられたって事で良しとしますか…」
誘拐犯が何やら喚いているので、ごん、と頭を蹴りつけておく
先程から数発は頭部を殴りつけているが中々タフな男らしく口数が減らず
殴りすぎてどうにかなってしまわないか心配ではあるが、さておき。他にも囚われた人物がいないか、
倉庫の中を探索し始める
■カーレル > 倉庫の中を探索するが他に人影はなく、囚われた子供たちも全て逃したようであった
他に何か、と探していれば鍵付きの箱の中に隠された紙の束を見つけ出しそれに目を通す
「…取引相手のリストか…あぁ…これ、名門貴族じゃねえか
人の良さそうな顔してやることやってんのな…いい趣味してるわ…」
リストには名家に傍流王族なんかの名前もあり、詳細な取引人数だったり、
何時、どんな奴隷を誰に売ったかなんて情報も事細かに記載されている
これがあればしばらく食うに困ることはなさそうな気さえしてくる
「…取り扱い方、1つ間違えると俺が消されそうだな…これ…
見なかったことにするか…俺のポケットには大きすぎらあ…」
それら書類の束の端に火をつければ燃やしてしまう事にする
燃え上がった書類の火で咥えた煙草に火をつけ、炎が大きくなる前に手放した
「…これ見て義憤に駆られるほど命知らずじゃないしなあ
どっかの貴族なんかに売り渡せば結構な金になったかもしれんケド…」
賞金首は確保してある。欲張ると碌なことにならないのは判っているのですっぱりと忘れてしまえば
踵を返して、縛り上げた賞金首の方へ戻り、肩に抱えるようにして
縛り上げられた男を衛兵詰所に持っていくため、倉庫を後にするのだった
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からカーレルさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にコデさんが現れました。
■コデ > 海をうろついていた後に、一件の仕事があったのでソレを済ませてまたこの貧民地区の
何時もの人気のない空地へと戻ってきた。興味がある訳ではなかったが立っているだけで良い
商人の馬車を護衛をして、予想通りただ立っているだけで済んでいた上に金までいくらか手に入った。
宣伝も兼ねていたのか幾つかの酒と3匹のマスを貰っていてこの仕事の金額から考えると
普段の暮らしでは男にとってはこっちの方が充実した報酬だった。
「…焚火のスペース少し貰うぞ」
■コデ > 昨日から突然フラッと現れた男だが、何人かとは顔なじみになっていた。
浮浪者達が男に一つ分の鉄樽を譲ると、その辺に落ちてた枝をマスに刺し、樽の中で燃える火に炙る。
「……ぁああ」
男はマスを焼いているのを眺めながら腕を組み大きな欠伸をすれば、やっと一日が終わったと
バックパックから取り出す煙草葉を巻紙を器用に巻いて、何時もの手回し式の着火具ではなく
近くにあった簡素なランプの熱から火を取る。
■コデ > ゆっくりと炙られた煙草の先端からは細い煙が昇り、男はソレを吸い込むと
一時、息を止めて王城の方を眺めゆっくりと紫煙を吐き出す。
男が一人佇むのを見て、浮浪者達はゆっくりと場所を変えていく。
今は一人になった空き地に静かに佇み、遠くへ持ち物を持って移っていく貧民地区の人々を眺めた
「……そういえば神聖都市からのシスターの出入りが最近多いな…」
「何かあったのか…」
■コデ > 表面からゆっくり焼けていくマスを眺めながら、向けられる視線は王城の方。
神聖都市からやってくるシスターは大体その方向へ向かっていく。
ギルドに向かう為、平民地区に足を運ぶと何だか昼夜祝い事をしている様子だったし
きっと王国中枢の身内で愛でたい事でもあったのだろうかと考えながら
今はそれを詳しく調べようとする気力も無いので明日辺りに広報でも見ようかと
そう考えながら、すっかり表面の乾いたマスを見ながら煙草を燻らせている
「……………風が夜でも生ぬるくなったな」
■コデ > 良い頃合いに焼けてきたマスを立てかけた火から取り出すとその腹の身を齧る。
元々売り物であったために味付けが成されていた。塩だけではなく商人らの
独自で調合した香草に付けてあるのが売りだったという。
「……………」
それ以上だと焦げるので他のマスも取り出す。特に何も感じる事無く無言で
食べているようだが、ある程度口に含んだ所で手を止める
「……次まだあの商会の仕事受けるか」
意外と好みの味だったようで、今度は購入も検討していた
■コデ > 2匹で思いのほか腹が膨れたので、一匹は火を焚く木を持ってきてもらう代わりに
その辺をうろついていた少年に1匹は食わせた。
持ってきた薪で一晩は樽の中の火は燃える。男はまた煙草を吸い始めると
何時もの夜と同じくその火を眺めていた、空き地には浮浪者もおらず
今日は一人で何も考えずソレを見ている
「……………」
■コデ > 今日は一人でいる男。時折浮浪者が空き地に顔をのぞかせる時がある。
男は気配だけ感じるものの特に動く程ではないので目線は合わせない。
何も変わらず佇んでいるのを暫く見れば、人々はすぐに空き地から引っこんでいった。
小さい路地、それもこの夜の時間では人がひしめく貧民地区だが
鉄の樽の中で燃える焚火を前に一人座り込み、男は佇んでいた。
「……………」
目線は焚火を超えるとこの時間ではまだまだ明るい王城の方に目をやりながら
■コデ > 「何やってるんだろうな…王城」
数本目の煙草を焚火に投げ入れながら、王城にシスターが続々と集まってくるのを見てみたくなる
今度知り合いから仕事を貰って王城をうろついてみてもいいかもしれないと
しみじみ考えているが、今は遠くで映る富裕地区と王城の明かりを眺める。
「……………………」
ようやっと見つけた食べ物を取り合う子供達と力なくソレを眺めている貧しい人々
力の無い目で何も見えない空を眺める道端で寝たきりになる老人
「…清貧を尊ぶ割に、随分と金持ちの物に聖なる者達が集まったな」
「…知らない間に実は俺は聖職者だったりしてな」
誰も聞こえない冗談を呟くと僅かに肩を上げる