2019/05/01 のログ
シスター・マルレーン > 普段なら間違いなく避けられる人の波も、どん、と肩がぶつかって、少しだけ頭を下げる。
ああ、ダメダメ、こんなんじゃ。

頬を何度もぴしゃん、と叩いて。
気持ちを強く持つように、何度も自分に言い聞かせる。
基本的には不屈の女。何があっても身体が動く限りは歩き続けるのだけれど。

「……ふー。」

今日はため息が少し多くなる。

ミヤビ > 「~♪」

裏路地をぽてぽてと歩く、場に不似合いな少女。金の髪に薄紅色の透けた羽織という、無駄に目立つ格好のミヤビは、家に帰るべくのんびりと歩いていた。

薬の卸をして帰る途中である。貧民街だから需要がないというわけではない。むしろ医者にかからずに直接薬を求める人も多いのだ。

そんな卸した帰り、ふらと歩いていたミヤビは、シスターに正面からぶつかった。

「ぶへっ!」

身長差ゆえ、顔が胸に埋まる。

シスター・マルレーン > 「……っと。」

ぽふん、とぶつかってしまえば、反射的に軽く頭に手を添えて受け止めてあげ。
ぼうっとしていた自分に気が付いて、自責の念にかられる。
ややこしくなるから、詳しく説明はせずにぼやかすけれど。

「ごめんなさいね、大丈夫?
 ちょっと考え事をしていて、ごめんなさいね?」

穏やかに微笑みかけながら、頭をそろりと撫でてあげて。
手つきはただひたすらに優しいそれ。

修道服を身に纏った、いわゆる普通の金髪シスター。
少しだけ違うところは、長い棍を手にしていることと、酒をはでに服にぶちまけられていることか。

ミヤビ > 「ふみゅぅ、すいません、私こそよそ見をしていました」

頭をなでるとふわふわの髪に、モフモフの耳がぴょこぴょこと動いている。ミレー族にも見えるその耳は、本物のようだ。

「シスター、お酒に濡れていますね。大丈夫ですか?」

なでられながら、上目遣いで見上げ、酒の匂いと濡れている服を感じながらそう心配そうに。

「うちで服を洗いましょうか? 平民地区ですが、近いですし」

そんな風に、不用心にもシスターを家に誘う。

シスター・マルレーン > 「ふふ、じゃあお互い様ですね。
 ああ、大丈夫です。 こう見えてお酒も飲めるんですよね。なんて。」

てへ、と舌を出して冗談のように笑って見せて。
ウィンクを交え、大丈夫だ、とおどけて見せる。

「あはは、大丈夫大丈夫。
 それに、私これしかないんです。

 ……ここの人をそうやって招くのは、控えた方がよいですよ。」

なんて、最後だけ少し声を落として、逆に心配をする。

ミヤビ > 「服ならすぐ乾くでしょうし、何なら貸しますよ? 私のは…… 入らないでしょうけど娘のなら入ると思いますし」

そういいながらシスターの袖を握って、じーっと心配そうに見つめる。
梃子でも動かない、そんな気持ちが伝わってくる。

「大丈夫ですよ、私人を見る目はあるんです。家に人を呼んでひどいことされたことないですし」

無駄に胸を張る狐娘。その姿は幼くて、余計心配に見えるだろう。

シスター・マルレーン > 「大丈夫ですよ、歩いていれば乾きます。
 それよりも、ここで止まっていては私も貴方もよろしくありません。
 道行く人の邪魔にもなるでしょう。
 せっかくですから、家までお送りしましょう。 そうやって歩いているうちに、きっと乾いてしまうでしょうしね。」

微笑みながら優しい声がさらりと出る。ここは安全ではない、と伝えても聞かないタイプと見て、一緒に歩くことを促す。

「………ええ、そうでしょう。
 貴方を見て、そういう美徳をきっと娘さんも覚えると思います。」

うん、と穏やかにうなずきながら、少しだけ目を細める。
眩いばかりの善良さに、注意すら憚られ。

「私はシスター・マルレーン。 マリーでいいですよ。 こう見えて冒険者もやっているんです。」

穏やかに会話を始める。

ミヤビ > 「私はミヤビ。薬師です。そこの狐喫茶の店主でもあります」

送られながら、ぴょんぴょんと跳ねて、体全体でアピールをする。
柔かな尻尾と髪がふわんっふわんっと揺れる。

「基本はお薬で生計を立ています。マリーさんは、何かご入用なお薬とかありませんか?」

一緒に歩きながら、楽しそうにそんなことを聞く。
裏路地を抜け、貧民地区を抜ければ安全な場所にたどり着くだろうが、それまで何も起きないかどうかはわからない。

シスター・マルレーン > 「店主……自分のお店をお持ちなんですね。
 立派だなあ………。」

とほほ、と遠い目をする。
自分の教会を持って、穏やかに暮らす暮らしがいつ頃手に入ることやら。
……その夢も、今や怪しいもの。

「……薬、薬ですか。 ………………かかるお金次第ですけれど、貧民地区東にある礼拝堂で司祭様とシスターが流行り病に伏せられているんですよね。
 まあ、命に別状はないと思うんですけど。」

薬、と言われてまず思い出す。 うーんうーん、と考えれば考えるほど、必要な人は浮かんでくる。
自分は気合で治すからいいの。

「……あと、しばらくはお静かに。
 何かあったらお守りしますからね。」

注意を促しつつ、危険地域を二人で歩く。

ミヤビ > 「立派じゃないですよ。半分以上もらったお金で立てたものですから」

照れくさそうにするミヤビ。実際店の改装費用は、恋人の二人程からの援助で賄っている。そんな自慢をするほどのことではなかった。

「流行病ですか? いくつかありますが…… 最近だと淫感冒ですか?」

薬師ギルドからの通達が来ていた流行病を思い出す。

「それなら私が明日、伺いますね。東の礼拝堂ですか。わかりました」

誇らしげに胸を張りながら、話を聞き、明日の予定を立てていく。

シスター・マルレーン > 「人の縁というものですね。 そういうものを引き寄せるのですから、それも大切なものだと思いますよ。」

照れる相手に微笑みかけながら、歩く。

「……いや、多分違うと思いますね。」

視線をそらしながら、多分違う、ええ、きっと違う、と二回ほど呟く。
見舞いに行けるのが自分だけだったから行ったし。
いや違っていて欲しい。

「……ええ、お願いしますね。
 ただ、料金の問題もありますから、ちゃんと相手側に伝えてからでお願いします。
 まあ、ある程度なら私が何とかしますけどね。」

こういう時、大体お金は出してもらえない。
とほほい、と遠くを見ながら、私に任せろとばかりに胸を叩く。 行動だけは頼もしかった。

ミヤビ > 「お金はいつでもいいですよ。教会の方から取ろうとおも思いませんし。
何ならマリーさんが体で払っていただければ」

ニコニコとそんなことを言うミヤビ。

「たのもしいですね~ たよりにしちゃいますよ~」

シスターの腕に抱き着く。薄手のレオタード越しに、柔らかい感触が腕に伝わる。

シスター・マルレーン > 「あはは、………あれですか、私は屋根の修理から橋の修理からなんでもしますから、まあお任せいただければ。
 土地の開墾もしましたからね!
 なんでもこーい、ですよ。」

はっはー、と笑って、身体で払う話にのっかる。
とても分かりやすい身体での支払い方だった。 ウィンクをつけて笑いかけ。

「あはは、そうですね、頼ってください。
 そうそう負けませんよ。」

ぎゅっと抱き着かれれば、よしよし、と頭を撫でながら、えへんと胸を張る。
この少女がいるなら、落ち込んでもいられないし、危機感を持たなければならない。
そんな立場が彼女を無理やり奮い立たせて、気合が入る。

ミヤビ > 「うちだとあれですね、メイドさんとかですかねー。喫茶店ありますから」

メイドマリーさんが誕生しそうである。

「んー♪」

頭をなでられて嬉しそうに尻尾を振る。
もっふもっふである。癖になる手触りであった。

そんな感じに裏路地を抜けていく。果たしてトラブルが起きるかどうか……

シスター・マルレーン > 「いやいやいやいや、それはちょっと。
 ちゃんと支払いますからね! 支払いますからね!?」

よしよし、と頭を撫でながら念押しを二回。
大切なことだから二回言いました。

「大丈夫ですよ、何があっても。
 私がいますからね。」

全く心配していなさそうな彼女をただただ送り届ける。
それは、心が軋んだ彼女をもう一度奮い立たせるには十分なことで。

ミヤビ > 「えー、かわいいんですよ、今度来てくださいよ。自慢の娘たちも紹介しますから」

そういってゆっくりと二人はミヤビ宅にたどり着く。
再三寄るようにミヤビは言うが、マリーは……

ご案内:「王都マグメール 貧民地区 裏路地」からシスター・マルレーンさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区 裏路地」からミヤビさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区 安酒場」にシャーロットさんが現れました。
シャーロット > 貧民地区の安酒場。そこには犯罪者や地元のゴロツキだけでなく、懐の寂しい冒険者などが出入りする。華やかな王都マグメールにも、貧民街があり、自分の生まれを呪いながら、安い酒しか知らずに朽ちていく者たちもいるのだろう。
シャーロット > そんな酒場のテーブルを一つ占領し、革財布からなけなしのコインを転がしては一つ一つを丁寧に数える女戦士の姿は、場になじんでいるだろうか。それとも、やや浮いているだろうか。少なくとも、安酒を喉に通すその姿からは、この女戦士が「元貴族」だと看破できるものは少ないに違いない。とはいっても、もう10年以上は流浪の身なので、それはそれで当然なのだといえる。
シャーロット > 地元の老いたゴロツキが、もはや何を言ってるのかわからない呂律で話しかけてくるのを、ジロリと睨んで凄み追い払う。「失せろジジィ」みたいな、汚い言葉も使ったが、本人はやさぐれているつもりは一切ない。もって生まれたガサツな性格故に、冒険者として安宿の清潔とはお世辞にも言えないベッドで寝る生活の中でも発狂せずにすんでいる。空腹で倒れたことは何度もあれど、黙っていれば食事が並んでいたあの頃の生活に戻りたいとはあまり願っていない。今のほうが、生きている実感がある──世の中の一員としてちゃんと生活している──そんな感覚があるのだ。ぶっちゃけ、さっきの老ゴロツキとのやり取りも、そこまで嫌だったわけではなかった。
シャーロット > テーブルの上のコインは何度数えても、もってあと数日分しかない。割のいい仕事はもちろん、割の悪い仕事もない。最後の銀貨を使い切るまで、あまり悩まないようにしているが、たどり着いた王都で乾いて死ぬのは嫌なので、仕事探し半分現実逃避半分に、酒場中を見回して人を観察したり、うわさ話に聞き耳を立てたりしながら時を過ごす。今のところ、景気の好さそうなお話は耳に届いてこない。思えば昨日もこんな感じで1日が終わっていた。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区 安酒場」にヒューさんが現れました。
シャーロット > 何か行動を起こすべきなのだろう。例えばそこらの輩に賭け事勝負を持ち掛けるとか、なんでもいい。しかし、特別得意なゲームがあるわけでもないので、「弱そうな相手」か「ゲームしてて楽しそうな相手」でも見つからない限り、勝負を持ち掛ける気にならない。そしてもう一つの動けない理由は、万が一負けた時の支払いをどうするか。もともとギャンブルは元手の多いほうが勝つようにできているのだから、お金に窮して一発逆転を狙うプレイヤーは、基本的にただのカモであるのが常識なのだ。
ヒュー > 安酒場の上から降りてくる足音。
連れ込みや、酔っぱらった客が泊まったりもするその部屋からのそのそと出てきた男。
大きなあくびをしながら姿を現す。

「酒。」

とだけ一言告げると、なにやらテーブルの上で効果を稼ぐ肉付きの良い女。

「嬢ちゃん、こんな自分から金勘定なんてして暇なのか?」

等となんの遠慮も無く片方の目を向けながら揶揄う様に笑いながら問いかけ近づいていく。

シャーロット > 彼がこちらに来る前から、その存在に気づいていた。筋骨逞しい大男で、好きな人は好きだろうけど嫌いな人にとってはもう生理的に嫌悪できるようなタイプの男子だ、などと失礼なことを考えていたら、彼はほぼノータイムでこちらにやってきた。そのあまり感じよくない笑い顔で核心を突かれたことがなぜだかとても癇に障った。
シャーロット > 「お金が有り余ってて使い道に困ってるように見える?」 と毒づいて、その笑顔に嫌悪を隠さない視線を向ける。見れば見るほど大きな男だ。そのいくつもの傷が、歴戦の雄であることを漂わせている。しかし、物怖じはしない。
ヒュー > 相手からの値踏みされる様な眼も気にせずウィスキーの入っている瓶を受け取り、かわりに店主に金を渡す。

「くく。図星だからって怒るなよ、いい女に磨きがかかるだけだぞ?」

蓋を指先で捻り蓋を開けながらさらに距離を詰めていく。
相手の怒気を孕む視線も気の強い目をより惹きたてるもので…。
そんな相手が口を開けば毒づかれど、男は豪快に笑い。
「ということは、逆か。 
どうせなら一発逆転ギャンブルにでもつぎ込むか、パーっと使って諦めて働くか、
俺ならその辺に転がってる悪党ぶちのめすがな?」

喉を鳴らしながら笑い、ウィスキーの瓶に直接口をつけ流しこんでいく。
上げる提案はどれも人間としてはダメなものではあるが、男は豪快に楽しそうに笑い飛ばしている。

シャーロット > 豪放にして豪快。やっぱり「好きな人は骨まで好きだけどダメって人はもう肌が泡立つほど嫌い」な男性だ。軽口紛れに容姿を誉められ、うれしく思ったが、喜んじゃったら負けなのでフンっと明後日を見て胡麻化した。 「へぇ。じゃあ目の前に立ってる悪党から、お金を巻き上げるなんてのも、イイかもね?」 彼はこちらに喧嘩を売ってるわけではなく、彼なりの価値観から親切に助言してくれているのだろうけど、なんだか根の深いところで女をなめているような態度に感じられ、そのせいで無駄にトゲトゲしい返事を返してしまう。多分、この男ならいきなりブチキレて怒鳴り始めたりしないだろう、と、そんな甘い予測があっての喧嘩腰でもあった。
ヒュー > 誤魔化す様に明後日の方を眺めてからこちらに向き直り、己から金を巻き上げるという発言。
虚勢でも打算でも、男に向けられる喧嘩腰。

「くく。 はーっはっは。 あぁ、寝起きの酔っぱらいの「大」悪党から金を巻き上げるときたか。面白い嬢ちゃんだ。」

ひとしきり笑うと、真顔になり相手を片方だけの瞳が見詰める。
何処からともなく取り出した金貨の入った袋、ドンっとテーブルの上に置き。

「吹っ掛けたんだ…。 今更降りるなんてつまらない事するなよ?で、拳でもいいが、俺に喧嘩で勝てないと思ったらカードでもサイコロでも良いぞ?」

獰猛な笑みを相手に向け、椅子を引くとドカッと腰を下ろす。
巨躯の男を支えることになった椅子は軋み悲鳴を上げて。
血が疼く男。できれば喧嘩したいものだと、あえて相手を挑発するのであった。

シャーロット > 予想よりもずっとマジな反応を返してきた相手に、気圧されそうになる。もちろん、相手にしないという選択肢もあったが……。 「泣くまで殴り倒してあげてもいいけど、それだとスッキリするだけで懐は温まらないしね! いいでしょ、じゃあダイスで勝負しましょうか?」 余裕を演じた流し目を飛ばし、反り返るように背板に体を預け、あまり意味はないかもしれないけど足を組む。やや体が汗ばんできてるけど、ぐっとコブシを握って大男の碧眼をにらみ返す。 「その金貨を巻き上げられて、泣きべそかくことになるんでしょうから、ルールはそっちで決めてどうぞ」 相手の金袋に対して、チャリンと投げ出しだこちらの全財産があまりにも貧相ですこし悲しかった。
ヒュー > 相手は男の喧嘩の誘いをあっさり外してダイス勝負。
残念ではあるが、冷静に判断する相手に男はべつに怒るわけもないが、小さく舌打ちをする。

「ちっ、意外と冷静だな。 俺を泣かせた上に総取りできる自信がなかったのなら仕方がないな。」

汗ばみながらも余裕を見せる相手。
楽しそうに唇の端をゆがめると店主に向け。

「おう 親父! ダイス二個もってこい。
あぁ、それと、掛け金が足りない分は嬢ちゃんな。」

男は店主からサイコロを受け取るとまず確かめるように手で転がしながら、賭けの対象に相手を付け加える。それは少なくとも相手にそれを掛けるだけの価値があると言外に伝え。手の中のダイス二つを確かめろとばかりに相手にぽいと放り投げる。

「金を稼ぐのはどうにでもなるが、俺は嬢ちゃんが欲しいからな。 ルールは簡単。ダイス二つをテーブルの上で転がして、出目がでかいほうの総取りよ。」

かなりの大金をさらっとかけた挙句に非常に単純なギャンブル。
人から見たら狂っているとしか思えない小細工が一切無いものであった。

シャーロット > 「はい。ちょっと待って。いまなんか飛躍したから」   そう。話が飛んだ。ダイス一発総どり勝負。それはわかりやすい。お互いの掛け金も違う以上、こちらが何かを上乗せするしかない。しかし、なんか、相手の要求は「お前が欲しい」だった。 その要求をすんなりと呑むわけにはいかなかった。もちろん「欲しい」の意味をちゃんと確認する必要があるのだけど、あえてそこは確認をせずに無視する。 「……負けたら……裸になって……お酌します……そ、それが嫌ならその金袋を大事に抱えて帰りなさい……」 歯切れは悪い。すごく悪い。しかし、悪びれない。店のおやじに手渡されたダイスを汗ばむ手のひらでニギニギしながら、顔を火照らせポーカーフェイスを決める。そう、この強気の姿勢とあつかましさこそ、ギャンブルの神を味方につける秘策なのだ。
ヒュー > 「待たんぞ。 そら、ちゃっちゃと覚悟を決めろ」
口ではそういいながらも、男は愉しそうに笑いながらそんな相手を肴に瓶を煽り。
「嫌なわけないだろう?全裸の嬢ちゃんに酌をしてもらって酒か…。うむ。美味そうだ。 その胸の谷間に酒を注いで飲むのもまた美味そうだ。
ほら、早くダイスをよこせ、それとも先に振るか?」

自身が負けるなど一切思っていない男。
汗をかき汗ばむ手でダイスをにぎにぎする相手を肴に男は酒を飲み楽しんでいる。ポーカーフェイスなのだろうが、男はさらに相手の心を揺さぶるように、言葉を続けながら手を差し出すのであった。

シャーロット > 相手が勝利の妄想を口にする。嫌が応でも、彼に負けて人前で裸になり、寄せた胸で酒を彼に差し出す自分を想像して羞恥に目が回る。やっぱ無し!と逃げ出したくなった。先攻後攻、そこも戦略としては無視できない大事なところだけれども、なんかもう物凄く馬鹿な勝負なのだから、勢いでがーっといったほうが勝つような気がする。安酒を一気飲みして景気をつけ、ダイスを握りつぶすほどに握りしめ、シェイクするように動かす。 「負けたら暴れて有耶無耶にしようとかしたら、町中に情けないギャンブラーの伝説を流してあげるからね。ええと、はい、名前を答えなさい! 情けない伝説のギャンブラーの名前を!」 そう叫ぶと魂を込めて運命のダイスを振るった。 [2d6→4+5=9]
ご案内:「王都マグメール 貧民地区 安酒場」からシャーロットさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区 安酒場」にシャーロットさんが現れました。
シャーロット > 必要以上に騒々しく出したダイスの出目は……「9」! 耳を塞いでいる他の客達が見守る中、はぁはぁと息を弾ませながら、まだ名前を聞いていなかった大男を前に胸をそらした。
ヒュー > 相手の何だかものすごく気合の入った投擲。
コロンっと転がった結果出目は9
意外と高い値で男も楽しくなる。

「うむうむ。 良い気迫だったな。
俺の名前はヒューだ 情けないかどうかも全てはダイスにかけよう」
相手の汗で湿るダイスを手に取ると、一度ふっと、吐息を吹き込み。
ダイスを放り投げる。
白いダイスはテーブルの上を転がり、二人の運命が決まるのであった。
[2d6→1+6=7]
ヒュー > 「くっ。はーっははは。仕方がない。ダイスがすべてだお前さんの勝ちだ。 勝利した女神の名前ぐらいは教えてもらおうか。」
テーブルの上の金貨の入った皮袋を相手に差し出すのであった。
勝負は相手の勝ち。

シャーロット > うごおおお!みたいな大声でダイスを振るでもなく、すこしカッコいい、なんだかダンディなしぐさで彼が出した出目は「7」。

 9対7! 

勝敗にどよめきが起こるか。
何度見でも私の勝利。間違いなく彼は7で私は9! 
総どりの快感に、脳内麻薬がわーっと分泌されて、恍惚となる。
豪放に笑い負けを認めた相手は、賭け事にはまじめな性分なのか。その紳士的な敗北の弁に、ずっしりと重たい金袋を引き寄せながら、調子に乗ってお返事する。

「はい。これでヒューくんの金貨は私のもの。折角だから勝利者の名前をおしえてあげましょう。シャーロット。思い出して今晩は枕を咥えて悔し泣きしなさい」

キラッとポーズをとり、これ見よがしに勝利の美酒を注文する。

ヒュー > 調子に乗った相手。
男は愉しそうに笑みを浮かべる。

「あぁ二言は無い。その金貨の入った袋は シャーロット。お前のものだ。」

そして、男はポーズをとる相手に楽し気に笑いパチパチと節くれだった傷だらけの手で拍手を送り…。

「だがな、シャーロット。俺は力で手に入れるぞ。
金貨を抱いた勝利の女神をな。
そして、今晩は、金貨を抱いた勝利の女神を枕に嬉し涙だ。」

そう言葉を紡ぐと、立ち上がり、はしゃぐ相手に腕を伸ばし腰を引き寄せ、金貨を抱く相手を男の胸に強引に唇を奪おうとする。

シャーロット > どこまでも紳士な大男。多少は他の客からの喝さいもあるか。
すごく気分がいい。とても気分がいい。
可哀想だから普通にお酌してあげましょう、とか笑って返事をしていたら、彼が何か言いだした。

力でどうしたとか。

「な……!?」

腰を抱かれて引き寄せられる。体格の差は歴然。力で抵抗できるはずもなく、宙を飛ぶように引き寄せられた。金袋を抱っこしていたので、口付けを阻止する反応が遅れ、皆の前で接吻をする。

「~~~~っ!?」

別にキスが気持ちよかったとかではなく、その場でビクビクンとお尻を上下に跳ね動かした。

ヒュー > 酒場は喝采がさらに大きくなる。
理由は当然男のあまりにも乱暴な行為に。
その欲望にまっすぐすぎる姿勢に。
ここが上品な飲み屋ではあるが、貧民街の飲み屋である。
客層は言わずもがな…。

それはあっという間の出来事。
女は中を飛ぶように引き寄せられ禁袋を抱っこしたまま、男の丸太の様に太い腕が相手を捕え唇を重ねる。
舌を相手の唇に強引に捻じ込み、口内を吸い上げる。
キスで尻が跳ね動けば、腰を抱いた手はその尻たぶへ滑り指を沈めながら揉み。
長い長いキス。

「んっ…ちゅ…ぷは…」

ようやく離れた唇。片手で尻を揉み相手の身体を引き寄せながら、片手を相手の頬に添え相手の碧眼を漆黒の隻眼が覗き込む。

「さすが勝利の女神のキスだ。安酒だったのに美味いな。
俺はシャーロットの全てを奪う事に決めたぞ。」

と、唇の端を持ち上げ、にやりと獰猛な笑みで相手を見詰めるのであった。

シャーロット > 目を見開いたまま、口の中には男の舌を感じる。
周りの視線と喝采が羞恥を加速させて身体をより敏感に変える。

「はっ…うぅ…ふぅ……ん!」

いつの間にかお尻を揉まれて感じてしまう。
脳内麻薬と、お酒と、微妙な酸欠と、羞恥で世界がぐるぐるする。
長いキスの間に、夢とうつつを行ったり来たり。
唾液を絡ませるように解放され、はぁはぁと息を乱す間も、ヒューの碧眼に視線で射抜かれ、無意識にお尻を踊らせ続けていた。

気持ちいい。

流石にこんな簡単にお持ち帰りされたら笑いものになる。
そうわかっているのに、全身の力が抜け、それが全部熱に代わって自分を溶かそうとしているように感じる。
実際、キス1発と愛撫で、下着はぐちょぐちょになっていた。身体は、もう彼を求めている。
しかし、それが幸い。心はその事実をヒューに知られまいと、ギャラリーに知られまいとして、この場から逃げようと考え直すことができた。

「ず、ずるいでしょ!さっきの勝負は私が無事に金貨を持ち帰るまで有効!それを覆すのは反則!」

一応の正論を盾に彼の腕から逃れようとあがいた。

ヒュー > 「んっ…ちゅ…」
あまりにも長く熱いキス。
ブーイングをしたりもっと城とはやし立てる男たちやら娼婦に男は固めを開け殺気ををぶつけ黙らせる。

そしてようやく離れた相手の唇。
相手の唾液で僅かに光を帯びる二人の唇。
頬に添えた手で、抗議の声を上げる相手の唇を拭うように撫で…。

「じゃぁ勝利の女神はまずこの店にいるやつらにご祝儀を出してやらないとな…」
言うや否や、店主は心得たとばかりに酒だるを持ってきて、店の中はさらに湧き上がる。
しょせん安酒の酒、樽一つ程度では金貨一枚にも及ばないであろうが…。
勝手に勝者の金貨を食いつぶしていく。

「ん? 身の安全など賭けに入れた記憶はないな。
無事に帰りたいのであれば、最初から賭けの中にいれなければだめだな。
俺が賭けたのは金貨、シャーロットはその体と硬貨が少々それだけだ。」

相手の正論を男はばっさりと切り捨てる。

「だが安心しろ、俺がシャーロットを手に入れれば当然守ってやる。」

賭けに真摯な男はある意味で契約にも真摯であった。

男はテーブルに運ばれた勝利の酒を口に含むと、相手の顎に手を添え、男に顔を向けさせるように持ち上げ、そのまま手を滑らせ相手の首後ろに添えると逃れようとする相手をがっちり捕らえ、再び口づけを重ね、勝利の酒を強引に流しこんでいく。

柔らかい尻を揉みながら、相手を抱え上げ壁際のボックス席のソファーに押倒していく。
抱えていくとき柔らかい尻に男の指がより食い込むのは仕方がない事。

「んっ…ん…」

シャーロット > 一度拒絶し、ヒューを袖にして帰ろうと決意したことすらもが奇跡の産物。
まさかの悪戯続行に、もはや成す術はありませんでした。

「ち、ちょぅと!あ!私のお金…!」

ヒューの口車に乗せられ悪乗りを始めた他の客達。それを咎めようとするけれど、今何とかしなければならないのは目の前の我儘な大男。命の次に大事なお金が目減りしていくのにやや涙目になる。

「守るも何も!脅威はヒュー自身でしょうが!」

彼の理不尽に怒る。愛撫は気持ちいいけど、そこはちゃんと本気で怒れた。
しかし、再びの口付けされてビクンと身を震わせて黙り、口移しの酒におぼれて、彼のシャツにしがみつくように爪を立てながらたまらずのけ反る。

抵抗できたのはそこまでだった。
その場でボックス席に連れ込まれ、心細い衝立の向こうに皆がいる状況で、ソファーに押し倒される頃には、羞恥に泣きながらも自分でチュニックスカートの裾をまくって、濡れた下腹を彼に見せていた……くらいまでは、死んでしまうほどに恥ずかしい記憶として残っている。

その先は、イクところまでイッたのだとわかってるけど、どれほどの痴態を晒したのかはわからない。

それは、もう二度とこの酒場には近寄らず、ヒューをみたら飛び蹴りしたい衝動を抑えて全力で逃げ出すくらいのトラウマになったに違いありません……。

そして超ムカつく大男で全然好みの見た目でも性格でもないヒューに教え込まれた快楽のせいで、夜に一人で枕を抱いて大泣きしながら自慰に耽る日々が暫く続いたこともまた、間違いありません……。

ヒュー > 豪快すぎる男の金の使い方。
すでに他人の財布にはなっているが一切気にせずに。

「ははは。それは諦めろ。」

本気で怒られても男はかまわず相手に口移しで酒を注ぎ熱いキス。
ボックス席に押し込むと尻を揉んでいた手は滑り、相手を包み込んでいく。
濡れた下腹、賑やかな喧騒に包まれる店でたっぷりと相手を犯し、しゃぶりつくすのであった。

「忘れられない様に、たっぷりとシャーロットに俺を刻まなければな…。」

どれほどの事をしたのかをしるのはこの二人のみ。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区 安酒場」からシャーロットさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区 安酒場」からヒューさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にコデさんが現れました。
コデ > 夜が更け始める貧民地区の一角。特に好んでいるわけでもないが人気も少ない場所を夜風で靡くマントを
少し手の甲で押さえながら歩いている男がいる。傷はなく非常に手入れが行き届いた装備だが
至極真新しい使用の痕があり、それが仕事帰りを伺わせる。

「…………」

バックパックから取り出す黒皮の袋から煙草葉と巻紙を取り出すと、やや強い風の中でも問題なく
手際よく煙草を巻く。手回し式の火起こし道具が僅かに火花を散らすと、先端は燃え上がり
男の斜口からは僅かな紫煙が昇って風に消えて行った

「…風が強い時はコレが良い」

コデ > 人気が無いとはいえ真ん中で手巻きの煙草を吸う男はぼんやりと輪郭の曇った月を見ながら
粗末な壁に背を倒して煙草を吸っていた。ふと目に入る年老いた浮浪者が目に入ると
何も言わずに2本の煙草にはなる葉を巻紙を投げて寄越す。

「火は其処のランプから取れ」

よろよろとした挙動だが手慣れた手つきでタバコを巻き、喫煙する浮浪者を見ては自分も
紫煙を吸い込み、夜空に吐き出した。

「毎日ご苦労だな」

コデ > 通りにはもう殆ど明かり用途だけになった鉄樽の火を浮浪者や親の帰らない子供
今は仕事が無い身売りの娘、壁の端で寝たきりになった老人と
男は全く同じ目付きで弱弱しく燃え揚げる火を眺めていた。

黒いマントとフルプレートの鎧を身にまとった。装備だけ聞くなら王都の騎士を想像させる
出で立ちの男は、人気の少ない通りに何時の間にか集まる貧しい者達の輪の中に
少し外れて立っていたが、彼のその僅かに枯れた雰囲気は、その空間に驚く程馴染んでいた。

「もうそろそろこんなデカい樽の火は要らなくなるな」
煙草を燻らせながら籠手で覆われた人差し指が腰に携えている帝国、東洋風の刀の柄を
トントンと叩いていた。

コデ > 貧民地区に集まる彼ら、この夜に彼らの出来る事は何も無い、其処の端に立つこの男も含めて
やる事も特になく、だた今にも消えそうな炎を生気の全く無い目で眺めている。
それぞれ、老若男女、誰もが変わらず力の無い目で炎を眺めている。

「……」

しかし、少年少女となれば流石にまだ若い。男の出で立ちに興味を持った子供達が何人か
男の方を見ている。男は煙草が既に吸えない程短くなったのを手の熱で感じると
人々の方にある焚火を燃やす鉄の樽の中に軽く吸殻を投げ込み、新しい煙草を巻く

「今日はちょっと違う事があったな」
子供達にそう言葉を投げかけると、少しずつ子供が寄ってきた。
話しかけてくるわけではないが、恰好に反してこの場に随分と馴染んでいる男に
抱く警戒心は比較的早く解かれるようだった

コデ > コレだけ子供が集まれば中にはひったくりもいるだろうが、そんな様子があるようにも見えない
ただ、そぐわない姿の男でありながら空気の様にこの場所に馴染む男が不思議であり
ただただ眺めている子供が3か4人。

「暇ならちょっと預かっててくれ」

一番小さな子供に自分の黒いパトロールキャップを被せながら煙草を巻き終えた男が
再び火をつけ、喫煙具をバックパックに仕舞いながらいつの間にやら集まった子供を眺める

「…別に座っててもいいんだぞ、俺は場所を取るから立ってるだけで。お前らは普通にしてていい」
「一服分けてくれっていうなら持ち合わせがあるが」

コデ > 一番年のいった少年が反応する。一歩近づくと、袋にまとめた数本分の煙草葉と巻紙を投げて渡す。
少年はさっと煙草を巻けば、集まる貧しい者達の間で何時もの夜よりいくらかマシな一服をする。
他の子供達は煙草に反応すると男は柄を叩いた。

「お前らはもう少し待ってろ、背丈が伸びないぞ」
よれた煙草を一口吸い込む
「…食い物は無い…其れだけは何時もと同じだ」

コデ > 「そう…何時もの夜と同じだ。だから何も期待せずに…火だけ眺めてる」
少年たちと共に振り返れば揺らめく炎も弱々しい

「もう冬も完全に終わるな…また新しい問題と戦うようになるわけだ…」
じりじりと焼ける煙草の音だけが響く静かな空間で
再び子供達は通りへと戻っていく

コデ > 「ぉっと、帽子だけは返せ。すまないな」
一番小さな子供がトコトコと帰っていこうとする所をスイと片腕を振れば
滑らかに帽子は男の手の中にあり、目元の隠れる程にその帽子を深くかぶった。

「……………」
再びまばらな人影の通り、最初と同じように弱い樽の火を静かに眺めている。
二振りの名前の無い刀を指の腹でコンコンと叩きながら

コデ > 樽の中に吸殻を投げ入れ、また新しい煙草に手を付ける。
ココには既に数時間居座っているが、未だに其処から動く気配も見せない。
他に行く場所の無い者達と同じく煙草を斜口に寂れた広場に佇んでいる

娘たちは兵士達と話を始める。これもまた何時もの光景だ。
その後どうなるかも、この王国の情勢を見ればおおよそ検討が付いた