2019/04/30 のログ
イグナス > 「サーシャ、…サーシャ・ゼロ?
 なら、サーシャとそう、呼ばせてもらおうか。」

そこで、ふむ、と首を傾ける。聞いたことがある、確か、サーシャ。
そうそうこのあたりに詳しいわけでもないが、それでも。
ああ、と少し驚いて、改めて彼女を見遣る。

「…名前聞いたことあるが、こんなちっこい女だとはなァ。」

はあ、と少し驚いたように。
名前のお陰で、その雌のにおいに理由がつく。
つい強めに吸いこんで、くると欲望が首をもたげる。

サーシャ・ゼロ > 「ん?何のこと?」

相手のつぶやきの理由がわからずに首を傾げ。
歩みはそのままに進んでいけば徐々に地区の奥へと進んでいき。
まだ活気のある中層のエリアとは異なりよりガラの悪い面々が増えていき、人通りも少なくなる。

自分もこのあたりはあまり来ないが、それでも普通に歩けるのは日々の'活動'のおかげと言えるだろうか。

イグナス > 「名前、聞いたことがあンだよ。
 貧民地区の、サーシャゼロ。どうも、だいぶいい噂じゃァねえけども。」

別にそれを隠す必要もない、というか彼女自身承知のことだろう。
平然と伝えつつ、しかして、周囲に視線を回す。
ガラの悪い空間。
…だがどうやら、己の体躯以外に、この少女を目にして剣呑な空気を収めてるようにも見えた。
ほうと少し驚いて、それにも感心するように息を吐いた。

「はあ、……。詳しいってのはさすがだな。
 このあたりの連中も、お前の事知ってるみてェな。」

サーシャ・ゼロ > 「そうなの?私は普通に遊んでるだけなんだけど」

自分に対するこのあたりの噂を知らないことは無い。
しかし幼いころからこのあたりで暮らし。
母親やそれ以外の女性の姿を見て育ったゆえにそれの何がいけないのかさっぱりわからないといった感じで。

「まぁ、みんな友達だからね。
 顔も覚えてない人いるけど」

ゆえに屈託ない笑みでそんなことを言いながら。
店の前まで案内し。

「ここであってるかな?」

イグナス > ああ、なるほど。そういう感覚。納得して、そンならいい、と一言。
このあたりのガラの悪い連中すら、この幼く見える少女が、友達と言い放つのだ。
中々剛毅で、つい楽しくて、くくと笑ってしまう。

――そうこう話をしていたら、店の前。おお、と見上げて。

「ここ、ここ。名前ァ聞いてたンだが、一度きてみたかったんだよなァ。」

貧民地区じゃ、それなりに質のいい品を揃える冒険系の店。
ここまでの場所、改めて記憶の中で反芻して。

「よ、し、覚えた。
 それじゃあ、悪いが、もう一軒。頼めるか。」

このすぐ近くにあるはずの、宿屋兼食事処。
そこも教えてもらいたい、と。

サーシャ・ゼロ > 「うんわかった」

相手が言う所の店はここからそう離れてはいないためすぐに到着できるだろう。
再び歩きだせば時折道をすれ違う男たちに向けられる視線にゾクリと背中が震える。
いつもであればすぐに声なり手を出してくるだろうが、今日は後ろに歩く大男のお陰で遠慮を見せているようだ。

そんなことを考えている間に目的の店に到着し。

「付いたよ、ここのご飯結構美味しいよね。
 すごく安いし、私もたまに食べるよ」

イグナス > 男たちの視線は明らかに目の前の少女に注がれていた。
ストレートな欲望の塊、己がいるせいで、それを出し切れてはいないようだが。
案内人をいきなり襲われても困る。
軽く意識でけん制しつつ――着いた宿兼飯屋。
おう、とその店の看板を見上げて。

「そうなのか?そりゃ楽しみだ。
 ―——で、だ。礼はどうすっかな。メシでも金でもいいんだが。」

どちらにしたって、すぐに礼は出せる状態だ。
メシ屋なら、彼女が気に入ってるここでもよかろうし。

サーシャ・ゼロ > 「ん~私は別にいいんだけど」

実際のところ食事は帰路に就く前に澄ましてきたし。
お金を貰ってもそれほどほしいものもない。
少し考えるように顎に手を当てて唸るもすぐに視線を上げて相手を見上げ。

「じゃあ、私で遊んでほしいな」

自分の噂を聞いたことがあるというのなら察してくれるだろうか。
家に帰ったところでやることもないし相手に誘いをかけてみて

イグナス > 「いいつっても、ま、貰って悪ィもんじゃ――んん。」

少女からの提案にわずかに目を見開いた。
彼女の方からそう、提案してくるとは。あいや、彼女にとってはそれこそ、ただの遊びか。
く、と喉を鳴らして、笑って。

「お前が、サーシャがそれでいンなら、おれはいーぞ。
 礼になるンかは知らないけどな。」

お互いの同意があるならば、それじゃあ行くかと店の中へ。
なにせほら、ここ、飯屋なだけじゃあなくて宿にもなっているし――

ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からイグナスさんが去りました。
サーシャ・ゼロ > 「うん、わかった」

この店の店員であれば自分も顔見知りである。
自分の扱い方もよくわかってくれているだろうと相手の後をついて宿の中へと入っていった。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からサーシャ・ゼロさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区 裏路地」にシスター・マルレーンさんが現れました。
シスター・マルレーン > 金色の髪をした修道服の女性が、とぼりとぼりと裏路地を歩く。
普段よりも背を曲げ、視線を下に落として、物憂げに。

依頼を受けて出向いた酒場で、シスターであることが分かった瞬間にグラスを投げつけられた。
甘んじて、そのグラスを頭で受け止め、酒を全身に浴びる。

よく、あることだ。この町でシスターをしていて、軽蔑の眼差しを受けたことは二度や三度ではない。
神聖都市からこちらに着いたシスターがやらされていることは、娼婦と何ら変わりがないと聞く。
むしろ、娼婦に比べて守られるべき立場の存在も無いに等しい。

見下され、軽蔑されても仕方ない行為だ。

「………。ふー……。」

少しだけ、それでも溜息は出る。
グラスが当たった額が痛い。それよりももっと心が痛い。

普段より、ずっとずっと足取りもおぼつかないまま、路地をぼんやりと歩く。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区 裏路地」にミヤビさんが現れました。