2019/04/23 のログ
■サンザシ > 「そうそう異国の風体だそうで。昔よくあたしの主人が教えてくれました。」
……あ、今のもそうですよ。何でもこうして合掌して拝むのが礼儀正しいとかなんとか。
得物もそうですが、すっかりと身についてしまいまして」
異国の風体や所作について首が右へいったり左へいったり思案投首して答えが落ちて。
「流石に悪所と申しても、病肉など売るものならばお国も黙っちゃおりますまいか。
……にしてもまあ、随分と味が濃いもので……そうそう、劇の手合いでは人の肉を捌いて……等もありましょうが」
串焼きの正体について、屋台から離れたのを良い事に好き勝手に言葉が飛んでは落ちてと忙しない。
けれども合間に混ざる言葉は、如何にも悪人でござい、と言った風に笑み崩れるブレイドさんへの反撃と云うもの。
あたしも負けじと、猫のように笑ってやるのです。
「しかし生憎と出物は無さそうな感じでしょうかね──おや」
そうして奇妙な串焼きを頬張りつつ屋台通りとも言うべき所を歩いていると、一際通った声がしましてあたしの顔と、
周囲の幾人かの顔が其方へと。
「おやおや珍品奇品を謳う声、遠き鮮かに近きに美麗。真、真逆か見てみましょうや。
なに御見物だけで見料が入用という訳でもありますまい」
さあさあとまたもやブレイドさんの手を引いて参りますと、
そこに居るのは浅黒い肌に彫の深い顔。シェンヤンとも、王国人ともつかない不可思議な面相の男性が、
これまた不可思議な造形の刃物を掲げているではないですか。
「ははあ……なんでしょうかね、これ。護拳付きの短剣ですかね?」
H型の握り部分と垂直に打たれた分厚い刃。切るよりも刺突に向いた形状で、拳を突き出すだけで相手を深々と刺せる構造。
刃にはこれまた不可思議な、水波のような文様が浮かんでいて、見ようによっては美しいと言えるかもしれません。
■ブレイド > 「へぇ、サンザシの主人だったってやつは異国人かかぶれものか…
変わった挨拶だな。
まぁ、両手見せてくれてりゃ無手なのはわかるしいいかもな」
知らない国の変わった挨拶。
それを知ってる主人とやらも謎だがそれはそれ。
それに、こうは言ったものの、サンザシのように暗器使いの手練手管にかかれば
瞬きの間に武器が出てきそうではあるのだが。
「人の肉は流石に食ったことねぇな…味わいてぇとも思わねぇけど…
濃い味は嫌いじゃねぇんだが…………わざとだろ」
さすがに眉をひそめる。
が、彼女の方を見れば猫のように目を細めているのだから…
この野郎と額をつつくのであった。
串もカジカジと噛んでいると、何やら響く声。
気を取られ、そちらを向くサンザシに釣られるように声の方向に顔を向ける。
「ん?なんだ?っとととと…?」
こういうなんか…叩き売りみたいな、売り口上を並べ立てる感じの店。
引かれてたどり着けばやや胡散臭く見える。こういう店、好きなんだろうか?
ちょっと芝居がかった語り口、ちょっとにてる気がする。
「ふぅん、ああいうもんもあるんだな。
気になるか?」
■サンザシ > 「異国かぶれの方ですね。まったく今思い出しても変な人でした。ダイラスの良い所に御屋敷があるんですが……
カッツェンバイサという家名は御存じでしょうか。門構えから庭に調度は勿論の事、内装外装がらり一式異国風。
使用人にも奴隷にもこういった格好をさせて……いやあ、懐かしいですね。
もう身罷られて一年は経ちますが、良い思い出です」
ブレイドさんの興味を惹いたようで、少しばかり詳らかにしつつ思い出に浸り……
等としていると、額をつつかれて変な声が思い出を引き連れて何処かに転がっていきました。
「ふぎゃっ……いやいやわざとだなんてそんなそんな。さぁさ、今は品物を見ましょう見ましょう」
それを受けてにたぁりと笑って抗弁をし、場面は屋台へとなりまして。
──奇妙な刀剣は二つで一組。店主の男性が云うには二刀流が如く使うものだと知れましょう。
「どちらかと言うと剣使いよりは無手勝な喧嘩殺法な方向けに見えますなあ……ふぅむふむ……
悪くは無さそうですが、構造的に腕力に秀でていないと真価は発揮致しかねましょうや」
数々の御見物の一人となっている中、ちらりと傍らのブレイドさんの腕を見る。
どうみても剛力無双には見えず、さてはてと脳裏に浮かぶは長椅子を軽々と持ち上げるノーシス教徒の知り合いの姿。
流石にそれはと、頭を振って与太な思考を振り払おうものです。
「其方はどうでしょうか。こういった得物は得意でいらっしゃる?」
訊ねる傍で酔漢と思しき男性が使い方を問い、店主の男性があたしの予想通りに握って色々と説明をし始めもして。
■ブレイド > 「いや、貴族やなんだってやつの家名にゃ疎くてな。
そんな物好きがいたんだな。家屋敷は残ってたりすんのかね?
一年ってくらいだと微妙か?残ってんならみてみたいもんだがなぁ」
びすびすと、もう少し突っついていたかったが、変な声を漏らし笑う彼女に引っ張られ
店主の男のやたら立つ弁に耳を傾ける。
妙な形の武器だ。二本一組、両手で操る持つ妙な…剣?
「暗器って言うにはでかすぎるっつーか普通に目立つな。
なるほど…サンザシの言ったとおりだな。……なんだよ」
店主の実践を交えた説明に聞き入っていると…
なんか見られてる。腕力…たしかにそんなに自信のある方ではないが。
サンザシは何も言っていないのではあるが、目は口ほどになんとやらというあれ。
「見ての通り…力自慢ってわけでもねぇ。
ああいう、ダイレクトに腕力がモノを言うたぐいの武器はあまりだな。
こういう、重さと遠心力使うタイプだ。オレは」
腰の後に二本、鞘に入った大型ナイフ。先端だけが肉厚で太く、くの字に折れ曲がっているのが特徴だ。
■サンザシ > 「さてはてどうでしょうか。跡目を継いだお方はそういった事に塵一つの興味も無い方でしたから。
尤も御蔭で勝手に足抜けしても気にもされなかったんですが」
店主の宛ら独り芝居といった様子もそこそこに雑談が流れ行き、途中で視線に気付かれ唇が尖りましょう。
「おっと、これは失礼。いけませんね、普段隠しているものだから盗み視るのに慣れてませんで……。
成程成程、これはまた奇妙な得物でございますなあ。遠心力を仰るからには刃の端に重心があるものでしょうか。
あたしのほうはこういったものでして、後輪に鋼線を巡らして放つもよし、穴を掘るにも壁登りにも良しと簡便ながらに
便利な代物でして──」
舌を出して形ばかりの謝辞を添え、それからくるりと不満顔が消え失せて、ブレイドさんの得物を見てから此方もと、
腰袋に下げた大苦無を取り出して説明するのですが、大変困った事に人様のお店の前でそんな事をするなら、
それはそれは不興をお買い上げする事にもなりまして、店主の男性がじっとりと睨んでいる事に気付くわけです。
「──えーどうか鷹揚にと畏み申し……なんて場合じゃないですね。失礼致しました」
ははは、なんて声に出して如何にも笑って誤魔化して、一歩二歩と後ろに摺り足で下がっていくのです。
勿論、ブレイドさんの袖を引いているのは云うまでもなく。
「少しばかり喋り過ぎましたかね。あたしとした事がとんだ不調法で……」
雑然とした通りの只中に戻ると再び調子の良い売り文句が聞こえ始めて事なきを得たと知りましょう。
あたしの方は苦い物を食べたような顔だったりするのですが。
■ブレイド > 「残ったのはサンザシの…妙な喋り方とかくらいか。
それで自由まで手に入れたってなら、サンザシの一人勝ちみてーなもんだな」
その主人とうまくやってたかどうかは置いておく。
まぁ、嫌な思い出だけであれば
この口調をここまで引きずってはいないだろう。
「いいけどよ。みての通りのひょろいガキだしな。
サンザシのは…ナイフ…とはちょっと違うのか?いろいろ使えるって…
こんな形でか?へ…え……?」
店主の芝居風味の宣伝から耳も視線も外して
サンザシの方へと注目してたもんだから、じっとりとした視線が浴びせられているのに気づくには少し時間がかかった。
「あ、お…おう…わり…っとと、おお!?」
流石に、店の前で雑談など…しかも、自分の得物についての。
サンザシがあわてて引っ張るのも無理はなく、引きずられるように店の前から去るのであった。
「あー、いやきにすんなって。
ずっと聞いてたらかわされてたかもしんねーし…そんな顔してんじゃねーよ。
なんかあまいもんでも食うか?」
苦虫でも噛み潰したか?とからかいつつも、今度はまともなものでも奢ろうと袖を引かせたままに歩き出す。
どうせ聞くならおっさんの売り文句よりも、サンザシの軽快なトークのほうが気分がいいというものだと。
■サンザシ > 「む、妙とは酷い仰りよう。喋り過ぎたと述べた後には不調法とて重なろうものですが、
口中に水が満ちたが如くの有様も宜しくありますまい。開けたら何かが流れてしまうのでしょうか。
況や言の葉流れて散るのでしょうが、槿花一朝夢幻の如くとしましても、夕前気分で咲くのも佳き事かと」
口調を問われて咎めるのは言葉ばかり。抑揚は賑やか如く弾んで誰がどう見たって楽しんでいようと知れるもの。
「あまいもの。それは好い!あたしはバターと砂糖が沢山入ったものに目が無くて……さ、急ぎましょう急ぎましょう!
なに右や左にお店の数々売り文句、そのうち目当てに望まずとも当たりましょうや!」
そして、甘味を勧めるブレイドさんへの言葉はそれ以上に弾んだもの。諸手をぱあっと上げて、
その拍子に耳の長い長命種と思しき男性にぶつかり頭を下げて、等々忙しなくしてから夜市を颯爽と行くのです。
やはりというか、勿論というか、ブレイドさんの手をひったくっているのは言うまでも無く。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からサンザシさんが去りました。
■ブレイド > 妙だと聞いても起こった様子を見せるより
怒涛のごとくに語りだす。
そういうところが妙なのだと苦笑するも…まぁ、わるくない。
結局心地いいのだ。なんか、この喋りが。
「そうそう、あまいもんだ、あまいもん。
つか落ち着きねぇな!?」
甘いものと聞けば勢い2割増し。
手を取られれひかれていくままに、夜市をミレー二人がゆくのであった。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からブレイドさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にテリスさんが現れました。
■テリス > 「おう。そうそう。あの貴族のおっさん、なんかそういう事やってるらしいぜ。」
今日は真っ当に情報を売っている。
特ダネという程ではないが、貴族の一部が色々とやっているとか。
仕入れや政略。果ては悪事まで。耳に入れば何でも売る。
そうしなければ生きていけないわけで。
じゃらり、と相手の男から情報量を受け取る。
「まいどあり。出所は黙っといてくれよ。」
ふん、と侮るような笑みを受けて内心イラッ☆とするもののぐっとこらえる。
喧嘩でどうこうしてもどうせ負けるのはこちらだ。
細路地から去って行く男の背をげんなりと見送りつつ、腕っぷしも強くなりたいもんだな、とは思う。
ともあれ、今日の稼ぎは手に入った。
飯でも食いにいくか…?と少し思案しながら、路地の中で木箱に腰掛けて足をぶらぶらさせている…。
■テリス > 「…やっぱ飯だな。」
ぴょい、と身軽に飛び降りる。
そのまま路地を小走りにかけていった。
行く先は馴染みの酒場、と言ったところだろう。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からテリスさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にガラティルさんが現れました。
■ガラティル > 貧民地区の裏通り。
以前の失敗…肉を持ってきたため自分が我慢しにくくなってしまった、ということを克服するため
今回は、薬草や獣の皮などを主に。
彼がいる森では、奥地に貴重な薬草などがあり…人間としての知識もある彼はそれが需要があることも知っている
獣の皮は…皮の鎧などに使える魔獣のもの。
それらが、適当な値段設定…市場に比べれば低い値段を付けて並べ
ただ、また露店の端には…『いいもの、まだあります』と書かれており
食いついてきた人間を餌にするか、あるいは孕み袋にしようと画策して。
「――――――――」
声はあげず、ただ、獲物を待つ。