2019/03/09 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にタマモさんが現れました。
タマモ > ここは貧民地区、裏通り。
狭い通路が入り組み、知らぬ者が入り込めば、迷う事間違いなしである。
まぁ、道を知ってる者にとっては、近道になるかもしれないが。
どちらにせよ、場所が場所だ、そんな通路にそうそう人が居る訳でもない。

そんな通路、挟むように建つ建物の屋根の上。
そこに、少女の姿はあった。

「ふむ…やはり、もう少し良い場所を探すべきじゃろうか…?」

首を傾げて考えるような仕草、その手には、幾つもの風船。
正確には、小さな水風船が握られていた。
………賢明でない者でも、少女が何をしようとしているのか、明白な事だろう。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にユキさんが現れました。
ユキ > そんな路地裏を一人の巫女が歩む。
場所に見合わぬ清楚な服装で。
そこには一片の汚れもなく。

あまりにも場所に不相応な白亜の衣を纏ったまま。
白い髪の少女は路地裏を行き。
ちょうど、少女が佇む建物の真下あたりを歩いていた。

タマモ > ぴくん、と少女の耳が揺れる。
鋭い聴覚は、小さな足音さえ聞き逃さない。
よいせ、と体を屈めて下を眺めれば…

「………おぉ、やっと人が来たようじゃのぅ」

眼下に見える、巫女服姿。
違和感ある服装?いえいえ、場所がどこだろうと、服装がどうだろうと、少女は気にしない。
もちろん、これからの行動を起こすか起こさないかも。

しゅた、と水風船を手に構えを取る。
さて、今回の獲物はどんな反応をしてくれるのか…
そんな期待を胸に、ていっ、と水風船を投げた。
ひゅるるるる…と落下する水風船。
反応出来れば、対して回避する事に難は無い。
反応出来なければ…まぁ、うん、普通に当たって水浸しになるだけだ。

ユキ > 「……?」

落下音に怪訝そうに上を見上げる。
何か降ってきたのに、首を傾げて。
そんな風にのんびりしているせいで水風船が顔面に直撃する。
パンッ、と言う破裂音と共に中にたまった水が弾け飛ぶ。

「…………」

全身がびしょ濡れになってしまって。
白亜の衣は、白く、薄いせいでその我儘なボディが丸わかり。
濡れ鼠になったまま、無言。

「………………」

どうしよう、と言わんばかりに呆然と佇んでいた。

タマモ > 見事に当たった、それを見て取れば、ぐっ、とガッツポーズ。
…するのだが、相手の反応が…微妙だった。
とにもかくにも、ひょい、と屋根から飛び降りる。
姿を見せれば、少しはあれか…と思ったのだが、さてはて。
しゅたん、と呆然と佇む少女の前に、とりあえず着地してみた。

ユキ > 「……」

眼の前に降りてきた少女を見やれば。
小首をかしげてから、深々とお辞儀をして。

「……みずふうせん、降ってくるみたいです」

気をつけて、と眼前の少女に告げながら。
振袖部分を雑巾のようにぎゅぅ、と絞る。
落とした主とも思ってもいない様子。

タマモ > あ、うん、犯人と気付いてないし、反応が鈍い。
ちくしょう、驚きもしない、とか何とか考えていた。
失礼な?そんな事、気にしてたら悪戯なんて出来やしない。

「あー…そうか、それは気を付けねばのぅ?
………それにしても、こんな場所で何をしておるのじゃ、お主?」

悪戯を出来たのは良かったのだが、何とも言えぬ結果。
と言う訳で、問いながら、そんな相手を見遣る。

ユキ > 「……?」

何とも言えない表情を浮かべているのに、怪訝そうにしてから。
すけすけになった巫女服を見下ろしてどうしようかな、と考える。

「……こんな場所……?」

そう問われ、周りを見回せば、嗚呼、と呟いて。
紅の視線は緩慢な様子で少女に戻す。

「……花、売り……?」

また、小さく首を傾げて自分でも疑問そうに答えた。
東洋の衣を纏った清楚そうな娘が花売り、と。

タマモ > 何だろう、困っているように見えるのだが…やはり、微妙。
もっとこう、派手に驚いたり恥ずかしがったりしないものか。
…なんて考えたところで、仕方無いか。

そして、問いに対する少女の答えに、かくん?と首傾げ。

「花売り、そうかそうか、花売りか………ん?
いやいや、待て、待つのじゃ。
お主、もっとこう、何か出来そうな感じがあるのじゃが…」

己の姿を見ても驚かない。
なにやら、妙な気配を感じる…主に、強さとかそんな面で。
…いやほら、己は存在的に、一応は邪悪な部類だし?
まぁ、そんな存在が、こんな相手にそんな問いするな、と言われそうだが。

ユキ > 「……?」

かくん、と首を傾げられては、こちらもかくん、と首を傾げ返し。
恥ずかしぶる素振りも、驚く素振りもなく。
なんと言うか全体的におっとり、と言うかのんびりと言うか。
非常にマイペースな雰囲気を放っていて。

「……? ……ユキは、孕巫女、だから」

――――孕むのが、仕事です。
そう告げながら、首を傾げて。
邪悪を払う力は"一応"巫女なので有する。
故に邪悪に対しては滅法強いのだが。
それ以上に、彼女は自身をそう定義づけている。

「だから……花を売ってる……」

タマモ > なんだか、当然のように、妙な言葉が耳に届いた気がする。
孕巫女?はて、聞き覚えの無い単語だ。

「ふむふむ、そんな仕事もあるものなんじゃのぅ。
………いや、待て、それも待て。
孕むのが仕事なのは分かったが、それは需要あるのか?ん?」

普通に子を産むならば、何となく分かる気はする。
だが、仕事で子を産む?それってどうなの?的な。
そうぽんぽんと子を産んでも、得があるのか、そう疑問に思った。
そして、そう思ったら聞く、いやほら気になるし。

ユキ > 「……?」

なんで疑問そうなのかがよくわからず。
首を傾げてから、疑問そうに返して。

「……需要……?」

今まで仕事だからこなしてきただけで。
需要とか供給と言われてもこの方学問を学んでいない少女には何それ、と言わんばかり。
きょとん、として首を傾げたまま、心底疑問そうな眼差し。
ぴちょん、ぴちょん、と濡れ鼠のままの衣服と髪から滴り落ちる水滴の音ばかりが無情に響いた。

タマモ > 少女の反応に、はふん、と溜息。

「妾にはよぅ分からんが、孕む事を仕事にするってのはどうなのじゃ?
もっとこう、やりたい事とかないのか?ん?
探せば、そんなものよりも良さそうな仕事なんぞ見付かるものじゃろうが」

ぽむ、と少女の肩を叩き、続けて問う。
悪戯しておいて、何を言ってるんだ?なんて言葉は受け付けません。
さて、問うてはみたが…何となく、答えが予想出来ていた。

しかし…うん、自分で濡らしておいてあれだが…
つい視線が少女の体に向けられるのは、きっと気のせい。

ユキ > 「……?」

何がわからないのか、これがわからないと言った顔。
ぽふん、と肩を叩かれながらまた首をかしげる。
濡れすけの巫女服からはずいぶんとご立派な乳肉がちらちらと見える。

「……神の御子を……孕むのが役目……だから」

ぽつ、ぽつ、と途切れ途切れに話しつつ。
何がおかしいのだろう、と首を傾げる。
そうやって身を捧げてきた少女には。
身を捧げ、胎を捧げる事は、仕事でしかない。

タマモ > あ、これちょっと物事の考え方がずれてるタイプだ。
人の事は言えないが、そう思った…己は人じゃないが。

「なるほど、神の御子を孕むか。
………で、花を買いに来る神なんぞ、居るのか?
ここで花なんぞ求めるのは、愉しむ為に来る人間やら何やらばかりじゃろう?
後は、あれじゃ…花売りなんぞ関係なしに、襲おうとする者くらいじゃ、違うか?」

少女の言葉に、そう返す。
まぁ、己は後者の部類だが、とか、ついでに伝えておこう。
言わない方が良い?うん、これに対する反応も見たいだけだ。

ユキ > 「……?」

首を傾げてから、何を言っているんだろう、と言う怪訝そうに。
はてなマークをいっぱい浮かべながらきょとんとしている。

「……神の御子を孕む役割を、終えたゆえ……
身の生計を立ててる術として、花を売って、る……?
子はいらない、と言う人が多い、のが、よくわからない……」

あらゆる種の子を孕み、産む事ことこそが彼女の役目であり仕事。
故に交わることで愉しむと言う感覚はどうにも理解しづらく。
子をいらぬ、と言われる事もまた理解しづらい様で。

タマモ > 少女の言葉に、あ、なるほど、と納得した。
役目はあったが、もうそれは終えているらしかった。
が、それ以外に出来る事がないのか、今の仕事をと言う訳だ。

「うん?考えれば、分かる事じゃろう?
子を得れば、その子を育てねばならん…放棄する者も居るがな。
育てるには、環境も金も必要となったりと、面倒事が多い。
それだけを望む者なんぞ、居りはしまい?
勝手に育つ、そんな訳でもないしのぅ」

あぁ、説明苦手なのに、なぜ説明を…
内心で頭を抱えながらも、とりあえず、拙くも説明をしてみた。
通じないなら通じないで、それはもういいや、そんな感じ。

ユキ > 「……そう……」

子は面倒だからいらない、と問われてまた首を傾げて。
孕み、産んだ事はあれど、子育ての経験は無い娘は首を傾げ。
孕む事を望まれて、孕む為の道具として育てられ、子を宿す道具とされた少女。
子を育てる為の道具ではなく、孕むだけの道具故にそこまで考えは及んでいない様子で。

「……なる、ほど……?」

それでも首を傾げ、真紅の伏せがちの瞳で見つめ。
もともとマイペースでのんびりでおっとりな気質のせいもあるのだろう。
だが、それに加えて役目以外を知らぬ箱入り娘な様子。

「……ありがと……」

丁寧に説明してくれるこの少女はきっと良い人だ、と。
巫女なのに。邪悪を払うものなのに。
眼の前の少女のそれに気づかないまま。

タマモ > …納得をしてくれた、か?
まぁ、それが仕事としてきたのだ、いきなり全部を理解しろ、までは言わない。
感謝の言葉に、うんうんと頷きながら、ぽんぽんとまた肩を叩いた。

「さて、それが分かったところで…」

改めて、少女を見遣る。
分かったところで、これからを変えねば、意味はない。
しかし…うん、すぐに変えるのは勿体無い、そんな事を考える。
いやほら、だって、目の前に可愛らしい女子が居るのだ。
しかも、色々と疎そうな。

と言う訳で、そろそろ一度調子を戻そう。
肩に手を置いたまま、ずい、と顔を寄せて。

「お主には、色々と教える事もあるようじゃ。
何が出来るか、何をしたいのか、理解すれば道も広がろう。
じゃからな、行く場所もないなら、妾に付いて来ると良い。
………その前に、少々つまみ食いでもしてみようかのぅ」

くす、と笑うと、そのまま唇を重ねようと。
避けようと思えば、簡単に出来る動きで。

ユキ > 「……?」

改めて佇まいを正されれば首を傾げ。
色々教える必要もあると言われてはまた首を傾げ。
顔を寄せられれば、嗚呼、と理解が及んだ様子。

「……一回、一宿、ご飯付き……」

そのまま唇を重ね、舌を割って絡ませようとする。
花を買いにきた、そう思った様子で。

タマモ > 「ふふ…一度では終わらん、故に、一宿とは言えんか。
お主、しばらくは妾の元で暮らすと良いじゃろう。
もちろん食事は付くし、普段は好きにして構わん。
………拒否権は無い、良いな?」

ちゅ、と唇が重なり、軽く舌を絡め…離してから、言葉を。
実際には、拒否権は無いなんて訳でもない、言ってみただけだ。
腕を伸ばし、少女の腰に回せば、抱き寄せる。
少女がどう思うも、その辺りは…後でまた、説明をしよう。

ユキ > 「……ん……」

小さく頷いてから。
一度ではない、と言う事は何回もお代をくれるのだろうか。
そう思いながら首を傾げるも抱き寄せられて。

「……どうぞ、お使い、ください……?」

買われた時の常套句を使いながら。
真紅の瞳で見つめて、その身を預ける。

タマモ > 「ふむ、では行こうか」

少女を抱いたまま、通りの先へと視線を向ける。
…うん、道は分からないが、適当に行けば何とかなるか。
そう、悪戯をする事だけ考え、場所の確認なんてしていない。
行き当たりばったり、だがそれが良い。
と言う訳で、少女を連れて通りへと消えて行くのであった。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からタマモさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からユキさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区/酒場」にカインさんが現れました。
カイン > 騒々しい声の響く貧民地区の酒場のカウンターに一人陣取って、
エールのジョッキを煽る男の姿があった。

「ん、酒の美味い季節にようやくなってきたな。
 いつもこれくらいの過ごし安さだったらいいんだがなあ。
 寒い熱いの時期は用心棒稼業やら傭兵稼業やらには面倒だからなあ」

人目をはばかる事無く愚痴りながらも、ジョッキをカウンターに置き、
店主に次の酒を注文する迷惑な客であった。
団体客が多い酒場の中にあって個人客の利用が主なカウンター席は、
騒々しい店内の中でも人気の少ない空間になっている。
それもあってか、あるいはいつもの事なのか周りの客も店主も大した反応はしてこない。

カイン > 「衣装をどうにかするだけでは限界もあるしな。
 寒いぶんは酒でなんとかごまかせるんだが暑いのはそうもいかない」

世の中自由自在に温度を操って自分の過ごしやすい環境を作り出す輩などもいると聞く。
残念ながらそんな小器用な真似は自分自身には到底できそうにないのだが。
その代わりにと渡されたエールを手に取り軽く煽れば体の冷えていく感覚に人心地つき、
酒場の中を見回すと遅くまで飲んで潰れている者、一人で静かに飲むものなど客の様子は様々。
時折新しい客も訪れる様子に皆元気な物だと肩を揺らす。