2019/02/09 のログ
ノア > 仕事ともなれば、 顔色なんて簡単に作ってみせる貴方だけれど

「 …………… 」

さらっと返した短い言葉の合間にも、 微かに笑みが伺える。
そんな表情を見せるものだから つい、 女も澄ましていられなくなって
貴方の肩に ぽんと頭を預けた。

一方 下半身事情については、 貴方の言葉と、 風の噂の数が釣り合わない。
よって「はいはい」と、 目を細めて聞き流し

「 ん……… 」

全てを話して、 泣きついてしまおうか。
カッコつけて、 何事もなかったように振る舞うか。
女は葛藤し、 数秒の沈黙の後 ──

「 絶対に勝てない相手に、 負けて… 」

慎重に、 言葉を選びながら話し始めた結果

「 それで……… 負けた。」

残念なくらい意味不明な愚痴が、 完成。

セイン=ディバン > 「……え、何笑ってらっしゃるの?」

相手に微笑まれれば、恥ずかしくなったのか、そう尋ねるのだが。
頭が肩に乗ってくれば、それ以上は何も言えなくなり。
ゆっくりと酒を飲み直す。

「……」

何か考え込むような相手の様子に、男は何も言わない。
話したくないのならば、無理に聞かない。いつもの男の振る舞いだ。

「……うん? なんとも難しい話だな」

相手の言葉に微かに首傾げつつ、グラスを空け、更にお代わりを注文。

「まぁ、勝てない相手には戦いを挑まないのが一番だ。
 じゃないと俺みたいに、クソみてぇな呪いとかかけられるからな」

相手の頭をゆっくりと撫でながら、ちょっとしたアドバイスをする男。

「どうしても戦わなきゃいけないなら、逃げ道を確保しておく。
 あるいは、勝てる領域に相手を引きずりこむ。
 その二つが無理ならまぁ……腹ァ括るしかねぇからなぁ」

経験からのアドバイスをしつつ、苦笑する男。
男自身、そんな条件を整えた状態での勝負などできたほうが稀だから。

ノア > 自分で発した言葉の あまりに拙い表現に、 溜め息が漏れる。
これでは、 何も伝わらない。

「 ん……… そう、 だけど… 」

せっかくくれたアドバイスに対する相槌も、 歯切れが悪い。
そうじゃない、 と… 女は ぽつり、 小さな声を漏らして

「 子供 に…… いや、 子供に見えるけど、 子供じゃなくて…
  現実じゃないみたいな、 変なトコ連れてかれて……… 」

話せば話す程、 説明しようと思えば思う程、 厄介な出来事だった。
きっと、 また伝わらない。

「 ………それ で、      」

それ以上は悔しくて、 情けなくて、 恥ずかしくて、 口を閉ざした。

セイン=ディバン > 「……うん?」

相手の様子が、どこかおかしいことに気がつき。
男は首をかしげていたが。
更に語られた言葉に、ふむ、と顎をさする。

「……子供に見えるけど、子供じゃない。
 そんな相手、オレ何人か知ってるなぁ~……」

というか、その手の相手は男の天敵ばかりだが。
もしかして、などと思いつつ、いやいや、と首を振る男。

「……あー、よしよし。
 言いたくねぇことなら言わなくていいんだぞ?」

相手が口を閉ざしたのを受け、男は相手の頭をゆっくりと撫でる。
どうにも、相手の語った言葉が気になるが。
まずは落ち着かせようと。
しかして、子供のようで子供でなく、変な場所に相手を連れて行く。
なんとも、男が蛇蝎の如く嫌っている存在に似ている話であった。

ノア > 相手が、 貴方の存在を知っているように匂わせていたから。
もし事実であれば、 例え説明不足であったとしても伝わる可能性はある。
とは云え、 其れ以上は何も語らず

「 ………ごめん、 みっともない。 酒がマズくなるね。」

多少落ち着きを取り戻し、 ふぅ と細く長く息を吐き出した。
心地好い手のひらに撫でられ、 丁度良い高さの肩に凭れる。
其れだけで充分だと、 自身に言い聞かせる。

「 だから…… 何かしてないと落ち着かなくて、
  便利屋再開するのも、 そんな理由。」

小さく、 少し情けない笑みを溢して。
みっともない部分を見せてしまったと、 後悔もする。

セイン=ディバン > 「いや、別にいいさ。
 お前の弱った姿ってのはレアだし……。
 色っぽいからな」

ふ、と笑い、相手にそう言うと。
男はそのまま、酒を飲み干し。
ただただ、黙って相手の言葉を聞いていた。

「そうか。……まぁ、無茶はするなよ?
 またお前が攫われでもしたら……。
 今度こそ、オレぁブチ切れてその組織とか滅ぼしかねないからな?」

ちら、と相手を見つつそう言う男。
相手に無茶してほしくないという思いはあるが。
それでも、相手が自分から行動しているのもジャマはできない。

「……さて、だいぶ飲んだからな。
 オレぁ上の部屋を借りて仮眠するつもりだが。
 一緒にくるか?」

男は相手に向かい、そう提案する。
男にしては珍しい、下心の無い提案だ。
それに乗るかどうかは……相手次第だろう。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区 酒場」からセイン=ディバンさんが去りました。
ノア > 「 はい。」

無茶はするな と言う貴方の言葉には、 珍しく、 素直な返答を。
これだから、 余計に言えなくなるんじゃない… なんて、
そんな言葉は、 心の中にしまった。

誘われれば 断る訳もなく、 貴方と共に立ち上がり。
左手にコートを掛け、 右腕を貴方の腕に絡めて歩き出す。

きっと 貴方は、
話せば、 最後まで聞いてくれる。
話さなければ、 そっとしておいてくれる。
寄り添えば、 受け入れてくれる。

そんな貴方に、 今夜は甘えよう ───

ご案内:「王都マグメール 貧民地区 酒場」からノアさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区/路地裏」にカインさんが現れました。
カイン > 薄暗い貧民地区の路地の一つ。
様々な商品を商う露天商たちの集う通りの中で、
露店の一つの前に足を止めて品物を眺めて思案顔の男がいた。
その露店で商われているのは荒事に従事している物ならば、
一度は目にしたことがあるだろう治癒や気付けの薬品類や消耗品の類。
そしてそれらの商品から隔離されるように置かれた怪しげなラベルの瓶である。

「えーと、これとこれと…後はそうだな…あー…。
 もう少し負からん?買う量増やしてもいいし」

商品を指定し多後、男とも女とも解らぬ全身をローブで
隠した怪しげな店の主を一瞥しそう交渉を持ち掛けるも素気無く断られる。
残念そうに肩を揺らしながらも一旦そこで注文を区切って再び思案を始める。
傍目には随分と怪しげな、少しはた迷惑な客に見える事だろう。

カイン > 「よし、これで決めておこう。
 全く、少しくらいは色をつけてくれてもいいだろうに」

常連相手に連れない事だとぼやきながら金を先に渡すと、
店主が目の前でそれなりの量の荷物を包み始めるのを眺めて肩を竦める。

「消耗品の類は平民地区とかだとちと足が付きかねんからなあ。
 全く世知辛い。昔はもう少し大雑把だったんだがな、この国」

自分の身の上的に考えていた仕方のない所ではある。
大手を振って歩ける身分では本来ない以上はどうにもならないが。
商品を用意してもらう間に周りを見回せば俄かに人の増えた様子。
それでもちっとも賑やかと思えないのがなんとも陰気である