2019/02/06 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にイグナスさんが現れました。
イグナス > 夜の貧民地区、その路地裏――。ひんやりとした空気と月明かりの中で、男のぼやく声が、響いた。

「ありゃあ、——こりゃ、こっちは間違いだったかねェ。」

大きな大きな男が、ぽりぽりと頭をかいて路地の出口にたたずんでいた。
遠くでは、喧騒。
今宵の大騒ぎはどうやら、王都にて死霊術の軍団を使い、大暴動を起こそうとした大魔術師がいた――という触れ込み。
当然のように事前に察知されたらば、冒険者やら騎士団にぼこぼこにされて、
今は這う這うの体で逃げ回っているんだとか、なんだとか。
捕まえれば懸賞金が出る――酒場で聞いた与太話を片手にお祭り参加で探し回ってみたものの、だ。

「やれ、まあ、そーうまくいくもんでもねェわな。」

ふんす、と息を吐いて軽く肩を落とした。
さあて、こうなったらば仕方ない、飲みなおすかと路地を出たところで――

「んあ、おう、…悪い、だいじょうぶか。」

どすん、出頭に何かにぶつかった。大体こういうやつではじかれるのは、相手の方。
はんぶん反射的に言葉を出して。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にハーティリアさんが現れました。
ハーティリア > 「……なんだこれ。」

夜の散歩を楽しんでいたら、「お前、死霊術師だな!」とかなんとか言われていきなり追いかけられた男。
まあ、流石にあばれるのもアレかと思ったので尻尾を巻いて逃げ隠れしてるわけだが。

「俺は死霊術師ってより呪術師だっつーの……どわ、っ!?」

後ろを見ながら早歩きをしてたフードを深くかぶったローブ姿は、出会い頭に何かやたらとごっついのに衝突して弾き飛ばされた。

「い、ったた……あー、こっちこそ前見てなかったわ、そっちは大丈夫かい?」

尻もちをついた形の良い尻を撫でながら取れたフードを払って立ち上がるのは、粗っぽい口調だが、絶世の…といっても過言ではない美女めいた風貌で。

「……おや?」

なんか、前に焼き肉ご馳走した覚えがある声と、デカい影に、数秒遅れて疑問符を。

イグナス > 「おう、大丈夫そうだな、良かった。」

んむ、と相手の様子に満足そうにうなずいて
それじゃあと立ち去ろうとしたが――、見知った顔だ。
はて、いや、どこでだ。
カクリ、と首を傾けて、少しして、おう?と疑問符を口に。

「ああ、いや、覚えてる。
 ———あー………にくの。」

そう、確か肉、肉を食わせてもらった。あれは美味かった。
ぼう、と思考がそちらに向かいそうになるのを、軽くふるりと首を振って。
改めて相手へと視線を向ければ、久しぶりだな、って手を振った。

ハーティリア > 「大雑把だな…いや、俺も肉までしか思い出せてなかったけど。俺は……」

お互いに肉しか思い出せない事にクスリと笑みを零し、改めて名乗ろうとしたところで……ドタドタとした足音が追い付いてくる音に眉根を寄せる。
『見つけたぞ、死霊術師め、覚悟しろ!』
おそらくイグナスと同業だろう。意気揚々と、正義感?に燃える男がこちらに剣を突き付けて宣言すれば。

「だぁから、ただ散歩してただけなのに誰が覚悟するかスカタン!」

と言い返せば、取り調べれば分かる事だと鼻で笑う。
でもまあ、取り調べられたら困るのだ、なんせ自分は不死者【アンデット】だから、体温も鼓動もない、一発アウトもいいところである。

イグナス > 「おう、いや、覚えてるぞ、肉のだろ、にくの。」

名前はぜんぜんでてこないけども。肉は覚えてる、それは結構おいしかったなあっていう、やつ。
くくくと中途半端な知識に自分で笑う。
改めて相手の名前を聞こうとしたらば――。

「あン?」

首を傾いで、視線を向ける。同業者、少なくとも今回に限っては同じ仕事のやつ。
ふむ、とその男と「肉くわせてくれたやつ」を見比べて。

「あー、…おい、お前。こいつは今回の獲物じゃあねエよ。
 だからまァ、ひけ、ひけ。」

って言葉にしたはいいけれど、『貴様も仲間か!!』なんて言い始めたから
ぶん殴って黙らせた。どご、って人間が出してはあんまりよくない音を立てて、近くの壁にめり込んでる。

「…おう、邪魔が入った、悪かったな。」

って、なんでもないようにまた、向きなおって。

ハーティリア > 「あんま肉肉言ってたらなんかシモい話に聞こえなくもねぇな。」

なんて、甘い香りを纏ってクツクツと、喉を鳴らして笑う。
さて、この状況どうしようか、なんて考えていれば…ドゴォッ!とか盛大に音がして。

「おい待て、待て……今人間からしたら明らかにヤバい音がしたんだが。」

大丈夫、死んでねぇ?って壁にめり込んだ男が逆に心配になったので、そっと壁の傍に回復薬を置いておこう。
まあ、ちょっとはいい気味だという気持ちもあるので、その場で回復はしてやらないらしい。

「いや、俺は別に良いけど……あ、俺はハーティリアな。ハティとかハーティって良く呼ばれてる。」

サンキューな、と向き合った彼にひらひら手を振って礼を言い、名の名乗る。

イグナス > 「ん、まァ、ほら。動いてるってェことは、死んでねえってことだろ。」

きっぱりと言い切った。こう、反射的にぴくぴくとうごめいてるだけのようにも見えるが。
とりあえずは生きている?ようだ。
すぐにその気に入らないやつからは意識を離して。

「ハーティリア、ハティか。…んー?あれ、なんだ、前ンときは名前もまだだったな。
 おう、こりゃあ悪ィ。俺はイグナス、冒険者のイグナスだ。」

改めて己の胸に手を置いて、挨拶を。こないだのは美味かったよ、と、へらり笑いつつ付け加えた。

ハーティリア > 「大雑把だなぁお前さん。」

今際の際だったらどうするよ、とは言いつつも、自分の見立てでもまあ、全身打撲くらいだろう、鼻はもしかしたら折れてるかもしれないが。

「そうそう、ハティ。ん、イグナスな。よろしく。……あれ、イグナス……?」

名前を聞くと、何か記憶に引っかかる気がして、記憶の底を漁ると……脳裏にちらつく、骸骨姿。

「あ、あのリッチロードに転化して調子乗りすぎて人間の街1個支配した子の鼻っ柱圧し折ったって冒険者も確かイグナスっつったよーな。」

ふと、結構昔に話題になった、というよりリッチロード本人がボロボロになりながら自分のところに来た記憶がよみがえって、ポツリと呟く。

イグナス > 染んだら死んだ時だとばかりに、いいんだいいんだと手を振って。
それを最後にもう完全にさっきの男については忘れていった。
名前を名乗ってまた料理をせびろうかとでも思案したところで。

「おう?」

相手の言葉に、はてと首を傾けた。でもああ、なるほど。
すぐに、くくくと笑って。

「そりゃァ、おれだ、おれ。
 ありゃでも、そんな自慢できる話でもねエかなあ。
 あいつたぶんあれだ、”なりたて”だったンだろうな。」

平押しばっかで芸がなかったなあー、って思い出しながらうん、うん、と。
それでも普通、リッチロードなんて高位のアンデッド、
一介の冒険者がひとりでどうこうなんてものじゃあないんだが。
きっとたぶん、リッチロード本人からは、でかい男が斧をぶん回しながら物理で押し進んでくる姿も話されたろうか。

ハーティリア > 「あー……ごっついオーガみたいな男が斧振り回してやってきて死ぬかと思ったって言ってたもんなぁ。なるほどアンタか。
 そうだなぁ、なりたてで調子づいてヘコまされるって、割とアンデットロードとしてはよくある事だな。滅ばなかっただけマシだけど。」

そして、100年くらいたったところで「あれ、俺なにしてんだろ」と我に返って10年くらい悶絶してそのままダンジョンに引きこもるのだ。

「そもそも、なりたてじゃないリッチは大抵、魔法の研究一辺倒でダンジョンに引きこもってるから、人間に大規模な迷惑かけねぇからなぁ。……っと、まあそんなことはさておき……何、また腹減ってんの?それともベッドのお誘い?」

なんか、物欲しげな目で見られている気がして、首をかしげてゆるりと笑い問いかける。

イグナス > 「んあ、なんだ、知り合いか。おう、そりゃ悪ィことしたな。
 面倒ごと起こさねえならまあ、そのうち酒でも飲もうって伝えといてくれ。」

相手にしてみれば一生で会いたくないやつかもしれないが。
こちらはこちらで、気にした様子なく、からからと笑い声。

「まァ、ンなもんか。——お、そうそう、腹ぁ減ってる。今日の捕り物は空振りくさいしな。
 にくがいい、にく。……ベッドはそうさなァ、お前がメスならよかったンだが。」

なんて冗談めいて笑った。
相手はしっかり美形で、これが女だったらなァと軽口も。

ハーティリア > 「いや、別に。あんまり目に余るなら俺がシバこうかと思ってたから、むしろやってくれてありがたかったさね。」

別にこちらが恨む筋でもなし、とひらひら手を振って苦笑いして返せば、カラカラと笑う男にクツクツとこちらも喉を鳴らすように笑い。

「また肉か、まあ良いけど……じゃあ、ステーキでもがっつり食うか? ん~?あー、まあメスになれなくはねぇけど……このままでもそこらのメスより具合良い自信あるんだけどなぁ。」

ってか、よく今男だってわかったなぁ、大抵の奴は女だって思うのに、と冗談めいて笑う男に、長い髪としなやかだがふっくらした体躯の小柄な男は肩を竦めて小さく笑う。

イグナス > リッチロードについては問題なかったみたい、そりゃあよかった、と。
――とりあえず美味い肉なら、なんでもいい。
ステーキ肉という単語にはなかなか心を動かされつつだ。

「おン?おう、——…っくく、なんだなんだ、お前。それこそ誘ってンのか、ハーティ。
 …ま、いいさな。とりあえず肉だ、食いにいこうぜ、なあ?」

美味そうな顔つきではある。
それを食べてしまうとかどうかはひとまずとして、メシでもくれ、と提案を。
相変わらずというか、遠慮なしだ

ハーティリア > リッチロードについては、単に思い出しただけで、特段何かというわけでもない。でもなりたてとはいえリッチを単独でボコした男を見れたのは、ちょっとした満足感だ。

「ん~?散歩してたのも夜遊びしたかったからだしなー。」

誘ってるのか、と聞かれるとニィッと笑みを浮かべながら……雄を引き付けるサキュバスの甘い魅了の香りを纏った男は、愉しげに笑みを浮かべ。

「はいはい、まあ、良い肉この間手に入ったし、腐らせるよりはいいからたっぷり食わしてやるよ。郊外まで歩くけどいいか?」

屋敷手に入れたんで、と提案に聞き返せば、背中に背負っていた箒に乗るようにふわりと、魔女のように宙に浮かんで彼を誘う。

イグナス > 成程、この甘い匂い、さっきから漂ってくるのは、それを誘発するものか。
普通の人間でもなさそうな相手、改めていじいと見やるも――
肉の言葉に、おう、と嬉しそうに。

「なに、問題ねェ、いこういこう。——お、便利だなァ。」

そら飛ぶのはちょっと羨ましそうに。でも場所さえ聞けばそちらに向かうだろう。
ひとまず目的は、肉を食べに。場合によってはその男も、かもしれないが。
ともあれ、捕り物の話はいつの間にやら忘れてしまって、ご飯をせびりに行くのだった――

ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からイグナスさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からハーティリアさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区 娼館通り」にチェシャ=ベルベットさんが現れました。
チェシャ=ベルベット > 夕方を過ぎた頃、娼館通りは人気が増える。
それはどの地区でも一緒だが、ひときわ風景が異なるのが貧民地区だった。
客引きの娼婦やポン引きの男たちが一斉に表に出て
身なりの多少いい相手を選んでは袖を引いて娼館へ招く。

通りの角、はちみつ色のランプの灯る軒先でチェシャはぼんやりと立ちながら
往来の人々を眺めていた。
小汚い通りではあるが、この人の行き交う様が一番生々しくて貧民街は好きだった。

チェシャ=ベルベット > ふぁ、とあくびをして、伸びをするとくるんとその場で体を翻す。
小さな黒猫に変身するとその場を去っていった。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区 娼館通り」からチェシャ=ベルベットさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区 裏メイド風俗」にハルルさんが現れました。
ハルル > そこは、貧民地区の物件としてはややきらびやかで上質さを伺わせる佇まいをしていた
玄関口の辺りには客寄せのメイドのような若娘が通りを行く男に手招きしている。その対象は
どうやら身なりのよい紳士のみならず、みずぼらしい少年やガラの悪い野郎にまで及んでいて、あまり
娼館の類としてみるなら評判はよくないらしい。

そんな若者多い風俗の裏口から慣れた足取りで出勤してきたのが、ハルルである。いや、勤めてまだ一ヶ月も
経ってはいないらしいが―

「おはようございますのー、んー、もう食べたよー。胃袋は、おっけー。今日もお勤めがんばるよー
っと、着替え着替え……、んーちゃんと洗ったこれ?まだちょっと男の臭いするよー?」

そこに勤める少女は、皆若くかわいらしくみえる。小遣い稼ぎの奴隷身分もいれば嗜好がために働きにきた貴族
もいるようだ。ハルルはというと、そんな彼女達から見れば性において先輩である。
ロビーの開けた間にある椅子に座り、窓辺を覗いて客を待つ。招きの案内には以下のような事が書かれている

―かわいいメイドの性を開花させてみませんか?
 色んな男性女性募集中、はじめてをしたい少年少女も歓迎
 料金は”あんまり”取りません!―

ご案内:「王都マグメール 貧民地区 裏メイド風俗」にジアさんが現れました。