2018/11/24 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にセイン=ディバンさんが現れました。
セイン=ディバン > 「……」

貧民地区。一人の男が、路地にて壁に寄りかかり。
愛飲の細巻を味わっていた。
ぷかぁ、煙を吐く。どこか退屈そうに。

「……はぁ」

寒さに首をすくめながら、息を吐く。
普段もまぁ、大概ではあるが。
今宵の男の様子は、見事に冴えないものだ。

「……んあぁ」

口に広がる煙の味を堪能しながらも。
どこか、生気を感じさせない様子のまま。
男は、ただ空を見ていた。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にハーティリアさんが現れました。
ハーティリア > あてどなく、暇を潰しているといわんばかりに、ぶらりぶらりと路地を通りかかる人影一つ。
月明りに照らされれば、髪の長い美女といって差し支えない風貌が、鼻唄交じりにやってくる。

「あーかいつーきーあかいつきー、つーみを……っと?」

上機嫌に口から洩れていた鼻唄が止まるのは、暗闇にぼんやりと灯る煙草の火を見つけてか。
しかし、そもそも暗闇をものともしない視界には、なにやら気だるげにしている男の姿が見えていて。

「……ごきげんよう、なんだか調子が悪そうだぁね。……お薬でもいかが?」

ゆらりと、目に入ったところで足を止めて、肩からかけた鞄から、ポーションの入ったフラスコを出して、なんとはなしに売り文句のような言葉を投げてかけてみようか。

セイン=ディバン > 「ん?」

何かをする当てもない。ただここでこうして時間を潰していただけ。
だから、そろそろ帰ろうか。そう思っていれば。
男の耳に歌が聞こえてきて。

「……あぁ? いや、調子は悪くねぇよ。
 ただ、暇で暇で死にそうってだけだ」

気付けば。いつの間にか歌声の主が近くに居た。
だが、男はそんな相手の突然な出現に関しても、特に何も感じず。
ただ、差し出されたポーションに関しては、丁重にお断り。

「……ん? ……んんん~?」

そこで、相手の姿を目が捉える。美女、と言って間違いはない。
だが、男の嗅覚が、何かを訴えている。
この人物。どうにも違和感。そして面白そうな相手だ、と。
男は、鼻をすんすんと鳴らしながら、相手へと近づいていく。

ハーティリア > 「ふむ、なら良いやね。まあ退屈は人を殺すとは言うけれど。」

丁重に断られたポーションを鞄に戻しつつ、大丈夫ならとゆるく微笑みを浮かべ。
鞄のベルトに引っかかった髪をはらりと払いのければ、鼻を鳴らす男の鼻腔を甘い香りがふわりとかすめる。

「あー、あんまり嗅がない方が良いと思うけど。」

忠告のように苦笑いしながら告げる「男」に近づいて鼻を鳴らすたびに、意識が蕩けるような甘い香りが強くなる。
魔術の研鑽の末に生まれた淫魔にして不死者の王。それが纏う魔力は、術という形を取らずとも、香りや仕草、視線……ありとあらゆる形で雄を魅了する呪いとして周囲へと振りまかれている。
今は街中なので程々に抑えているが、それでも甘ったるい香りが誘うようにただよっていて。

セイン=ディバン > 「んむ。そりゃ真理。
 退屈ってのはどうも……なぁ」

冒険者なんてやっているこの男にしてみれば。
退屈というのは一番避けたい事態なのだ。
そのまま、相手の臭いを嗅いでいた男だが。

「うん? そりゃあどういう意味……」

そこで、男は何かに気付き、後ろへと跳躍し、距離を取る。
相手から感じた臭い。ソレは、男も経験があった香り。
いや、香り、と表現するのは正しくない。
より正確に言えば、それは純粋な魔力のようなもの。
しかも、魅了効果を持つ力。その顕現のようなものであった。

「……お前さん、人間じゃあねぇなぁ。
 何者だ? っていうか、そもそも何だ? あんた」

その力の強さ。気配。それに気付き男は尋ねる。
なにせ男はここ数年で、超越者に出会いすぎた。
自然、ヤバ事、不穏な気配・存在については勘が鋭くもなる。

ハーティリア > 「まあ、心が死んだら体が生きてても意味ないってのは真理だな、確かに。多少の暇は享受する余裕は持っていたいが。」

人間、そうそう成熟はできねぇよなぁ、と肩を竦めて。
気付いたように下がったのはまあ、良かったような残念なような気分だが、飛びのいてまで下がられると、少しだけ傷ついたように眉根を寄せる。

「そこまで飛びのかなくても良いじゃねぇの、ったく……一応、しがない花売り兼冒険者のつもりだけど……まあまずは、お互い名乗るのが先か。」

一発で見通されると、それはそれでなんだかむず痒い気分になって、頬をポリポリと掻きつつも、とりあえず素性どうこうより、名前くらいは先に言おうと提案して。

「ってわけで、まずは俺から……俺はハーティリアっていうしがない花売りよ。……あとは強いて言うなら、淫魔の端くれだぁね。」

セイン=ディバン > 「カハハッ、良い事を言う。実にその通り」

相手の言葉に男は笑うが。そこで微かに違和感。
言葉遣い。それまで以上に、男性らしさを感じ。
そのタイミングでバックステップを行ったのは幸か不幸か。

「いや、すまん。つい、な……。
 ココ最近、油断しててバックリ、ってのを経験しまくったんで」

相手の言葉に軽く頭を下げる男。そのまま、相手が名乗るのであれば。
男は服装には似合い、雰囲気には似合わない一礼をしてみせる。

「冒険者のセイン=ディバンだ。以後お見知りおきを。
 ……端くれ、ね。そうとは思えないけど」

相手の名乗りに苦笑しつつ、男は再度相手と距離を詰める。
そのまま右手を差し出し、握手を求めつつ。

「花売り、っても。アンタ、男みたいだけど、女っぽくもあるな。
 どっちに売るのがメインなんだ?」

なんて、不躾にも聞いてみたり。

ハーティリア > 「まあ、一応長生きしてるからねぃ、年の甲って奴よ。」

にししっ、とまるで悪戯坊主のような笑みを浮かべるも、油断しててパックリ、のパターンを既に体験しているらしい彼に、少しだけ、つまらなそうな顔をして。

「良いじゃねぇか、油断しててパックリ。死ななきゃ安いし、イイ目見たんだろ?」

俺みたいなのに警戒するってことは、と当てずっぽうを口にして首を傾げ。
無理強いするのも嫌いではない、嫌いではないが……まあ、今はこの会話を楽しむことにしたらしい。

「よろしくセイン。まあ、少なくともこの国では無名も無名、知名度0だから嘘じゃねぇんだけどなぁ……地元ではまあ、ちょっとした有名人だった気はするが。」

求められた握手に応じれば、指貫グローブから出た指先が、触れるだけで心地いい程しっとりとした肌ざわりで握り返し。
まあ、背中に金属製の箒を背負った風体なので、警戒されても仕方ないのかもしれないが。

「一応男相手がメインだねぇ、この姿はまぁ……大げさに言うと世界の呪いみたいな奴だな。なんていうか、あるだろ?ほら、一定以上の人数に信じられた噂に魔力が宿るとかそういうの。」

そういう類よ、とひらひら手を振って苦笑を深め……ついでにように、試しに買ってみる?なんて問いかけてみよう。

セイン=ディバン > 「そういうもんか……見た目は若そうなのにな」

相手の言葉に思わず突っ込んでしまう男。
見た目年齢なら、相手のほうが若いくらいだろう。

「……呪われてフタナリ少女にされるわ出産を経験するわ。
 そんなのがイイ目だと言えるかね?」

じろり、と相手を見つめる男。過去の経験に関しては、本当に酷いもので。
とはいえ、実際イイ目を見た部分もあるので、その辺は良し悪しである。

「あぁ、よろしくな。……ほれ見たことか。
 地元で有名なら、ある程度実力者なんじゃねぇか」

握手をしつつ相手にそう言う男。触れた手の冷たさに、僅かに驚くが。
だからといって、手は離さない。

「……ふ、む。なるほど。なんとなくだが理解できるぜ。
 ……買う、ったってなぁ。俺ぁ、そっちの趣味は……。
 ……いや、無くもねぇが。それにしたって、もうちっとガキな見た目の男をたまに買うくらいだしな。
 ……ふ~む」

などと長々と言い訳しつつも、相手の体を興味深く見てしまっている男。

ハーティリア > 「まあ、魔族って大半そんなもんだろ?」

俺は元魔族の不死者だけど、とまでは口にせず、しかしあっけらかんと彼のツッコミをかわして。

「おや、子持ちか。まあ良いんじゃねぇか?……お前さんも、油断させてパックリ、やったことありそうだし。まあ、性別無理に変えられる、ってのはあんまり良い気はしねぇのはわかるけどなぁ。」

やったらやられる、てもんだろ?なんてケラケラ笑いながらも、ある程度は理解を示すように頷いて。

「まあ、一応二つ名がつくくらいは、かね。俺より強い奴なんて探せば掃いて捨てるほどいらぁな。まあでもそうだな、魔法や薬品関係で困った事がありゃ、助けてやれなくもねぇ、かも?」

ひんやりとした人の生のぬくもりを失った手を離さない彼に、そういえば忘れてたとうかつな自分と、内心の感心を隠すように笑みをにぃっと浮かべ。

「これでも、淫魔の娼婦だからねぇ……具合のヨさは折り紙付きの病み付きだぜ?まあ、無理にとは言わねぇけど。」

薄手の、花の刺繍が施された貫頭衣の隙間から、むっちりと抱き心地のよさそうな肉付きの良い肢体が覗き、抑えてはいるものの、誘うような甘ったるさがセインの周りに漂っている。

セイン=ディバン > 「はっきりと言うなよ。こちとら純正人間だっつー」

そんな尺度の違うコメントされたら言い返せないではないか、と訴えるも。
そもそもこの男もぼちぼち純正人間か怪しい部分がある。

「うっせー。やるのは良くてもやられるのはごめんだ」

相手の指摘には苦い顔。何せ、相手の読みも当たっている部分があるのだから。
素行不良の男としては、痛いところを突かれている訳だ。

「そりゃあ上を見りゃあきりがないってやつだろ……。
 あぁ、そういう意味なら。仕事柄、買い物に行かせて貰うことはあるかもな」

冒険者にとって、必需品のポーションなどを安定して入手する経路というのは貴重である。
男は、相手のポーションに興味を持ちつつも。

「……う、ん。う~ん……。
 いや、ぶっちゃけ俺としても、溜まってはいるわけなんだが……」

相手の言葉にいよいよ迷う男。
そのまま、相手に近づき、する、と。髪に触れようと。

「……質問。ちなみに幾ら?
 あと、淫魔、って名乗ってるんだしさ。
 こぅ……オレに幻覚見せるでもいいからさ。ちっと、こう。ほら。
 分かるだろ? ……もう、ほんの少しでも、女らしい見た目っつーか」

と、言い訳更に重ねるものの。
男のズボンの中では、股間が堅くなり始めていて。