2018/09/27 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にクロイツさんが現れました。
クロイツ > 貧民地区の一角、怪しげな道具や薬品を扱う露店が並ぶ通りを歩く姿。
こんな場所では珍しく見える仕立ての良い衣服に身を包んで歩く姿はある意味目立ち。
それでも住人に襲われないのはこの地区で仲間として見られている証なのか…。
ともあれそんな襲撃も何もない中で面白いものがあればと露店を眺めて歩く。

「最近は店もいろいろ入れ替わったみたいだね。手入れでもあったかな…」

不真面目な王国の役人が手入れをするとは考え難いが稀に例外もある。
もしかしたらそれかもと思いながら見慣れない露店で商品を眺める。
扱っている商品は奴隷に使うような道具や薬品、使う当ては今はないのだが興味本位で手に取り色々と眺める。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にエシル・アルトワーズさんが現れました。
エシル・アルトワーズ > ちりん、ちりん。

怪しげな露店に立ち入っては適当に物色し、戻す。
端から見えるそれは、自分向けのものではない――奴隷や虜囚に扱う類のもの。
興味深そうな目で繁々と眺める横顔を、なんとなくぼんやりと眺める。

ちりん、ちりん。

次へ次へと進む彼について行けば、歩く度に9尾もとの鈴が鳴り――周りの視線を否応なく集める。
鈴の音もそうだが、今の衣装――まるで舞踏会にでも行くのかのようなナイトドレスはやはり人目を引く。
デート、というには余りにも淡白なそれは、やはりデートではなく。

『露店巡りに行ってくる』

と聞いた時に理由もなくついて行くと答えはしたが。

「・・・何か面白いものでもあるのか?」

正直、未だに何を考えているのか分からないところが多過ぎて。
今彼は何を思ってそれを手に取り、どう扱おうと考えているのだろうか。
その“何か”を手に取り興味深そうに眺める彼を横から覗き込むようにして聞いてみる。

クロイツ > ちょっとした露店の冷やかしのつもりでの外出。
それを妻である少女に告げ、ついてくるという答えに拒否するわけでもなく同行を許し。
澄んだ鐘の音を立てながら貧民地区には不似合いと言えるナイトドレスでついてくる少女の速度に合わせて歩き。

奴隷逃亡用の道具もあれば、趣味で使う玩具の様なものまで並ぶ露店で吟味するように眺め。
ふと横顔を眺められているのに気が付けば道具を手にしたままシ専務を向け。

「そうだね…時々面白い発想の物はあるよ。それをベースに魔道具を作ったりね。そういうネタ集めかな」

正直気まぐれな行動の多い自分。
真面目な姿など少女を愛し共にいる時ぐらいしか見せない事も多い。
今手にしているのも張り型に似た道具、それを手にしたまま覗き込むように問う事に答える。

エシル・アルトワーズ > 「ふぅん、ネタ集めねぇ――ってそれナニに使うつもりだよ!?」

視線を向ければそれは、なんとも形容しがたい――ナニのようなモノ。
見たまんまの道具なのか、それとも別物なのか、見当もつかない。
元々気まぐれが強い性格はよく知っているが、本当に何を考えているのかほとんど分からない。
ベッドの上だとなぜか考えていることがよく分かるのに――と余計なことを考えればカァ、と頬に熱が入り視線をそらす。

とその先に。

「なにこれ・・・ピアス・・・違う、イヤリングかな?」

手に取るそれは黒水晶の耳飾。
なんとなくだが魔力を感じるそれが妙に気になり。
店主にアイコンタクトで許可を得れば、早速試着。

「ねぇ、クロイツ・・・似合う、かな・・・?」

普段しないアクセサリーを身に着け、問いかける声音は緊張しているのだろうか。

クロイツ > 「完全にオリジナルで作るのって結構難しいんだよね。これ?エシルが寂しくないようにどうかなって」

大きさ的には少々小さいが見た目は限りなく男性のアレ。
見たままの道具だというように、さらりとそんなことを告げて笑みを見せる。
ベッドの上でははっきりと少女を大事にして愛しく思っている事を見せるが外ではそんな姿は見えず。
頬を赤くして視線を逸らせる姿に意地悪な笑みを浮かべ、人前だというのにお尻を撫でてみせて。

「へぇ、黒水晶なんて珍しいね」

少女が見つけた耳飾り、デザインも凝っていて黒水晶という事もあり興味を引き。
早速試着をして見せる姿をじっと笑顔のまま見つめて。

「うん、良く似合ってるよ。これと同じのってある?」

アクセサリーを身に着け緊張した声の少女によく似合うと素直に答え。
小さいが魔力を感じるソレ、もしかして同じものがあるのかと問いかけ。
店主が同じデザインのものを用意すれば、早速試着してみせ。

「折角だしお揃いでつけてみる?」

名案とばかりにそんな提案を笑みを浮かべて告げる。

エシル・アルトワーズ > 「それはもちろんいいけどさ・・・人前でセクハラするのはどうかと思うぞ。あ、あと俺は別にそういうのいらないからな!」

自分と同じアクセサリを身につけこちらを向くさまは黒い洋服にマッチしていて魔王よりは貴族のようでもある。
正直、かっこいい。

が、それとこれとは別物ということで半眼になって睨み。
ほんのりと火照る身体が恨めしいけども。

『へぇ、あんたらお目が高い。そいつぁ“共鳴晶”って名前の双子石なのさ。文字通り、番になっている石が近付けば共鳴してお互いの存在を知らせてくれるのさ。お嬢さんとニィさんがつけてるそれが夫婦石なのさ』

聞いてもいないのに店主が得意げに語り出す。
もしかしてこういうのが好きなのだろうか。

「夫婦石かぁ、指輪の代わりにはいいのかもなぁ」

ぼんやりと、そんなことを呟いてみる。

クロイツ > 「エシルが可愛いからついね。本当に?」

こうして人目を惹く少女は宝であり自慢の一つ、そして人前でこうすれば誰のものかとこの辺りのチンピラに知らしめる意味もあり。
揃いのアクセサリーを着けて少女にと見せれば、その様子で悪くはないのだと感じ取り。

ただこれとセクハラは別というように睨まれて、軽い様子で謝り。

「へぇ、それはまた珍しいの使ってるんだ。この辺りだとほとんど出回ってないのにさ。しかも夫婦石なんて」

店主の説明に思わず感心してしまい。
滅多に出回らないものを見つけることが出来、いい事を思いついたという顔をしてみえて。

「そうだね、指輪も用意しないとッて思ってたんだけど…。その前にこれを贈るよ」

少女の呟きが聞こえれば指輪とは別にこれも贈ると囁き。
店主にこのままでいいと代金を多めに支払い購入して。

「エシル、いいイヤリング見つけてくれてありがとうね」

一人ではきっと見落としていた、それだけに見つけてくれた少女には感謝しかなく。
人前にも関わらずに腰に手をまわして抱き寄せ、耳元に囁く。

エシル・アルトワーズ > 「あ、いや、そんなつもりで言ったわけじゃなくて・・・
うん、ありがと・・・」

何の気なしに呟いた言葉に囁かれればわたわたと慌てて否定する。
が、腰を抱き寄せられ感謝の念と共に送られればお礼の言葉しか出なく、
顔を赤らめて小さく頷く。
こうしてエスコートされるような格好であれば遠巻きに見られることこそあれど、実際に声をかけられたり絡まれるようなことがないのは、やはり彼がいるからこそか。

「でもわたしばかりじゃ不公平だからさ、今度はわたしが何かプレゼントしてあげないとね」

隣を見上げて何がほしいか言外に訊ねてみたり。

クロイツ > 「何か贈りたいって思ってたからね。エシルが良い物を見つけてくれたんだよ。ありがとうね」

慌てて否定する少女に軽く首を左右に振り、元からそのつもりはあったと囁き。
抱き寄せれば顔を赤くして小さく頷く少女にお礼を囁く。
もし一緒にいる時に声をかけてくるものがいれば、笑みなど引っ込み機嫌を悪くしてしまう。
しかし自分がどういう物なのか知っている住人は声をかけてこないが、少女一人ではどうなるかは今は分からず。

「エシルが?んー……そうだね。一番の物は貰っちゃったし…」

見上げられての少女の言葉、少女という一番のものを貰っているだけに改めてプレゼントと言われると悩んでしまって。

エシル・アルトワーズ > 「欲が深いのかないのか・・・まぁいいや、考えておいてよ」

悩む彼に苦笑いで返す。
正直なところ少し意外で、案外色々言ってくるものかと思っていたこともあり尚更。

ふとお腹の中で蠢く命が、くすぐったそうに動くのを感じて。

「ん、・・・ちょっとはしゃぎ過ぎでしょ」

そっとお腹に手を持っていく。
魔王の魔法によって外見は普段と変わらないけれども、わたしの身体は
新たな命を宿し、抱えている。
魔王の花嫁、この魔王とは違う――弟、らしい魔王によって刻まれた呪い。本来であればその魔王のモノになっているか、はたまた打ち倒しのろいを解いていたのか。
ともあれ、なかば簒奪のような形でわたしを手に入れ、モノにした男。
だからか、ふと気になって。

「ねぇ、わたしは身も心ももうクロイツのものだけど、結局のところこれって横取り・簒奪になるんじゃない?報復とかないのかな」

クロイツ > 「欲深い方だと思うよ。エシルも、家で待ってる三人も手放すつもりはないからね。
判ったよ、考えてくよ」

欲しいものは手に入れてきた今まで、そして今も宝と言える家族を得ている。
これ以上のものというと直ぐには浮かばず、少女の言葉に考えておくと頷き。

「ん……もしかして動いたの?」

少女がお腹に手を当て、聞こえた言葉に顔を覗き込み。
そして自分も少女のお腹に手を当てて優しく撫でていく。
ここには自分が少女に宿した命がある。
元は弟血の魔王が自分の楽しみに少女に呪いをかけ準備をしていたようだが、偶然とはいえ横から掻っ攫った形。
それを幾度となく少女を可愛がり、自分に染めてモノにし一番大事な存在となって。

「そうなるけどね、欲しいものは奪い取るは当然でしょ?報復に来たら……消すだけだよ」

横取りだろうが少女は自分にとっては大事な存在。
逃げて姿をくらました弟血が現れたとしても渡すつもりなどはなく。
その時は少女を守るために血縁でも始末すると告げて、普段見せない獰猛な笑みを一瞬だけ浮かべる。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にアラミルさんが現れました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からアラミルさんが去りました。
エシル・アルトワーズ > 「ホント言えば、わたしだってやり返してやろうかとは思うんだけどね
――でも、もうそれは出来ないかな。今はこの子を護ってあげなくちゃ。
でもそれはクロイツも同じだよ。勝手に居なくなったら赦さないからね」

普段とは違う笑みを浮かべ、物騒な言葉を告げる彼に力を抜き。

「そういえば、この子の名前どうしようか。まだ決まってなくてさ」

命の芽吹きを感じてからというもの、未だ決まらない悩みがひとつ。
どうもこの手の命名には苦手意識がある。
真剣に考えれば考えるほど迷走していく気がする。
そもそも男の子か女の子かもわかっていないのだが。
問いかけつつ顔を見上げ。

クロイツ > 「エシルの手で倒したいなら探してくるよ?
そうだね、今はその子がいるからね。ついうっかりしてた、絶対に無理は駄目だよ。
勿論だよ、もしどこかに行くときは皆一緒だよ」

一瞬の物騒な表情と言葉の後は直ぐに何時ものにこやかな笑みにと戻り。
居なくなる時は一緒に連れていくと言い切る。

「んー…そうだね。どうしよっか……」

大事な子供だからいい名前は付けてあげたい。
だが少女と同じくこういうことはどうにも苦手。
今は図書室で本で調べながら考えてはいるが今一つピンとこない名前ばかり。

「男の子か女の子か判れば決めやすいんだけど…んー…」

流石にこればかりは魔王でも生まれてくる子供の性別までは分からず。
どうしようかと見下ろして珍しく困った表情に。

エシル・アルトワーズ > 「っ、あはは、どっちも困り顔でどうするのさ」

見上げる顔と見下ろす顔、どちらも眉尻を下げて困った顔。
それがなんだか面白くて、嬉しくて。
つい笑いが漏れてしまう。
そう遠くないが、今ではない。もう少し悩めばいいかと思えば不思議と楽しみになる。

「にしても便利な呪いよね。悪阻もなければ流産もないなんて。
魔王の優しさか執念かな」

お腹を摩りながら益体もないこと。
とはいえ、看過できない出来事もあり。

「・・・とはいえ、こればっかりは趣味なんだろとしか言えないけどね」

空いている片腕を掴み、こそっと自分の胸――ドレスの内側へと手を招く。
いつも以上に張った薄い胸は、筋肉とは違う硬さを持っていて、その先端から溢れた白蜜が肌を、ドレスを濡らし――甘い匂いと共にその手を包み込む。

受胎して少したった後から胸が張り出して、つい最近からはまだ生まれてもないのに母乳が出るようになってしまった。
子供を宿すことと関係ないその体質は、恐らくは呪いの主か、はたまた命の主の趣味か。

時折擦れる甘い刺激に溜息を零しつつ、微熱交じりの視線で見上げその瞳を見つめる。

クロイツ > 「だってさ。魔王が子供の名前を考えるなんて普通はないんだよ?」

色々な魔王がいるがイメージは、魔王と言えば悪役と言うもの。
それが子供を作り名前を考えるなど普通はあり得ない。
だから困り悩んでしまうと真剣な顔を見せて、笑いを漏らす少女を見ては同じように笑てしまい。

「どういうつもりでそんな呪いをかけたのかはアレに聞かないとね。
でもお陰で元気ないい子が産まれるからよしとしておこうよ」

早く産まれないかな、本当に望んだ子だけにそんな期待を持ってお腹を摩り。

「普通はもっと後なんだろうけどね……アレの趣味なのか、それとも俺が横取りして呪いに変化でも出たのかな…お?」

空いた手を掴まれたと思えばドレスの内側へと導かれ。
何度も撫でた薄い胸に張った感触、筋肉ではない硬い感触に先端に触れると濡れた感触を感じ、甘い香りを感じればつい鼻を鳴らしてしまい。

この体質になった原因はどっちが元なのだろうと考えてしまい。
しかしそれよりもあることが頭に浮かび。

「ちょっと喉が渇いたね。甘いのが飲みたくない?」

吐息を零し、微熱交じりの視線を向ける少女にそう小さく囁き先端を撫でて手をドレスからそっと抜き。
今度は自分から少女の手を取り、路地の一つへと軽く引っ張る様に導いていくことに。