2018/09/23 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区/路地裏」にカインさんが現れました。
■カイン > 薄暗い貧民地区の路地の一つ。
様々な商品を商う露天商たちの集う通りの中で、
露店の一つの前に足を止めて品物を眺めて思案顔の男がいた。
その露店で商われているのは荒事に従事している物ならば、
一度は目にしたことがあるだろう治癒や気付けの薬品類や消耗品の類。
そしてそれらの商品から隔離されるように置かれた怪しげなラベルの瓶である。
「えーと、これとこれと…後はそうだな…あー…。
もう少し負からん?買う量増やしてもいいし」
商品を指定し多後、男とも女とも解らぬ全身をローブで
隠した怪しげな店の主を一瞥しそう交渉を持ち掛けるも素気無く断られる。
残念そうに肩を揺らしながらも一旦そこで注文を区切って再び思案を始める。
傍目には随分と怪しげな、少しはた迷惑な客に見える事だろう。
■カイン > 「よし。こいつを頼む。
全く、少しくらいは色をつけてくれてもいいだろうに」
常連相手に連れない事だとぼやきながら金を先に渡すと、
店主が目の前でそれなりの量の荷物を包み始めるのを眺めて肩を竦める。
「消耗品の類は平民地区とかだとちと足が付きかねんからなあ。
全く世知辛い。昔はもう少し大雑把だったんだがな、この国」
自分の身の上的に考えていた仕方のない所ではある。
大手を振って歩ける身分では本来ない以上はどうにもならないが。
商品を用意してもらう間に周りを見回せば俄かに人の増えた様子。
それでもちっとも賑やかと思えないのがなんとも陰気である。
■カイン > 「この当たりは物騒な反面、物取りはあまり出ないのだけは救いじゃあるな。
何せこの辺の商人敵に回すようなやつもあまりこの辺の住人には居ないしな」
この周辺に屯しているのはそれだけ厄介な連中であるということである。
それこそ、定期的に騎士の周回等あるはずで、
一発で摘発されそうなものだが商人の数が減ったという話はとんと聞かない。
どういうことだろうかと少し考えながら胡乱げに周辺を見回し。
「得体のしれなさでは俺も人のことどうこう言えたものじゃないが、どこから仕入れてんだか」
■カイン > 「全く、出てくるのが遅いぞ」
暫く待たされた後に漸く用意された道具の数々を手に取って渋い顔。
仕方がないとばかりにぼやきつつもそのまま手を振って踵を貸して去っていくのだった。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区/路地裏」からカインさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にグスタフさんが現れました。
■グスタフ > 王都の影、貧民地区。
王都の神の信徒はこちらの地域に寄っていた。
神に縋るのは持たざる者たちばかりだ。教会の鐘が遠く近く響く。
ことさらに聖服を来て歩くことはしないが、巡礼者めいた足取りで貧民地区にある教会を回る。
最近は率先的に異教徒を狩ることもなくなった。人の信仰を守るには敵が多すぎるというわけだ。
包帯を巻いた左の掌を擦りながら、路地裏を行く。
■グスタフ > 時折、闇市が開かれたり、この界隈も賑わってはいるが。
その顔触れも大分かわってしまった。それは王都の在りようにも表れる。
「こんな場所が鉄火場になることもありうるか」
西方の騒ぎを見れば、それも遠くないことのように思えた。
対岸の火の粉はこちらにだって降りかかってきているのだから。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からグスタフさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にホウセンさんが現れました。
■ホウセン > 本日は、この小さな存在にとっても休日であった。
とはいえ、人に紛れて人の営みを観察し、干渉し、結果を愛でるというのが趣味であるから、商人としての振る舞いは遊興と生計とを両立させているに等しい。
だからこそ、勤勉という単語に決して近しくない存在であっても、休みを寄越せと不貞寝を決め込まずに済んでいるのだけれど。
さりとて、休みであろうが無かろうが、この人外の行動原理は変わらない。
食う寝る遊ぶに、付帯物が少々という自堕落さは揺るがず。
「ふむ、あのまま泊まりでも良かったのじゃが、娘がああも気を遣ってしもうてはのぅ。」
治安が宜しくない貧民地区の、それも夜間に見聞きするような者ではない風体。
齢二桁少々の幼く非力そうな身体つきと、少女と聞き間違えても致しかたのない変声期前の声。
それが、風変わりではあるが、相応に高価と知れる装束に身を包み、単身で歩いているのだ。
駄目押しに、小股で進むのは娼館が建ち並ぶ区画で、その内の一軒から出てきて十分少々。
至近距離なら、妖仙由来の花の香気以外に、何処となく甘ったるい香料の臭いを嗅ぎ取れるかもしれない。
はたと歩を止めて、そう広くもない道の端に避ける。
「酒食か色か。
いつまで経っても、こればかりは悩むことを止められぬ。」
見目どおりの子供にあるまじき、俗物発言だった。