2018/09/10 のログ
ご案内:「貧民地区の安宿」にムメイさんが現れました。
ご案内:「貧民地区の安宿」にアリゼさんが現れました。
■ムメイ > (そろそろ待ち人との待ち合わせの時間である。 そう思えば宿になっている二階から降りてくると適当に注文した。 食事をとる必要など厳密には無いが、生憎と習慣として付けている。 人間に混ざって生きる、とは色々と面倒だが)
……呪い、ねぇ
(水を飲みながらぽつりと零す。 こと不死と言うだけあってそういったものの知識は大量にある。 今回の相手に手紙を送ったのも単純に気まぐれからではあるのだが)
ま、見てみなきゃ判らんか
(これで大したことが無かったらどうするか、などと内心で笑いつつ。 適当に頼んだら芋の揚げ物が出てきた。 まるごと揚げてある。 近くには、これはバターか? よくわからん料理だなー、とか思いながらいそいそとフォークとナイフで切り分けて、待ち人が来るまで待つ。 幸い、この店だと武装していても不審がられない程度にはガラは悪いので大丈夫だろう)
■アリゼ > 宿のドアが軋む音を立てて開けられ、頭から足まで黒い甲冑に身を包んだアリゼが現れる。
フルフェイスの兜を脱げば炎を思わせる赤髪が露になり、ふわりと肩まで伸びていく。
すると兜は鎧に吸い込まれるように消えていき、アリゼは宿の一階を見渡して待ち人を探す。
「……あなたがムメイか?私が手紙をもらったアリゼだ。」
テーブルに座るムメイと視線が合うと、もらった手紙を見せる。
■ムメイ > (自分と視線が合った、のだろう。 フルフェイスヘルムの人物。
やがてそれが吸い込まれるように消えながら伸びるのは髪
赤いそれに炎の様な、と言うのが印象になるのだろうが
――何故だかイメージしたのは、夕日だった)
おう、俺がムメイだ。 何でも屋みたいなもんだが――悪いな、こんな所までご足労願ってよ
(立ち上がると手招きして自分の向かいを示す。 女だと判った途端に立ち上がるゴロツキ共に、笑顔を向けてやると――目を逸らして黙った。 正確には黙らせたのだが)
話はするが……取り敢えずなんか飲むか?
後、あいつらは取り敢えず気にするな
(話をするのに必要だろ、とも付け加える
何分、彼女の出で立ちは貧民街では大分噂になっていて掴むのは容易かった
暫く彼女の鎧を見ていて、首を傾げながら)
ところで不躾で悪いが……お前さん、何処の出身だい?
言いたくなけりゃ言わなくていいが
(ふと、そんな問いかけを行った
呪詛に関する事でも何でもなく、最初にそんな質問を向けたのだ)
■アリゼ > 「なに、宿というのはどこもこのようなものだ。
……それでは薄めたエールを。先程まで剣を振っていたものでな、少々身体が熱いんだ」
ムメイの向かいに座り、宿の主人に注文を頼む。
しばし手持ち無沙汰になったところで、ムメイから質問が飛んできた。
その質問にどう答えるか、アリゼはしばらく考えた後ゆっくりと口を開く。
「生まれはウォールセーズ、アルクール伯爵領……と言って信じてくれるか?
ここから西に遠く離れた地にあったのだが、魔族どもに滅ぼされてしまってな」
そこでこの話題は終わりにしてくれと、手を振って暗に示す。
ちょうどテーブルに置かれたエールがなみなみと注がれた木のコップを持ち、一気に飲み干していく。
「本題に入ろう。呪いに詳しいとのことだが――魔族が命を賭けた呪いは、どれほどのものだ?」
■ムメイ > (主人に注文をした彼女、支払いは後で自分がやっておくことにする
彼女は拒むだろうが、こんな場所に呼び立てたのは自分だ
義理位は通したい
そうして、彼女の出身を聞けば――ほう、と息を吐いた
あそこには遠い知人がいる……いや、今となっては「いた」となるのか
そして、本題を聞きながら頷いて)
……「人を呪わば穴二つ」、って知ってるか?
東洋の言葉だがな、自分の命を賭けた呪いってのは正にそれだ
手前と自分の墓穴を掘る、上手くいって生き延びても――遠からず死ぬ形でな
(そう言ってから彼女に視線を向け。 しげしげとみてから)
ただ、恐らくその魔族は呪詛にはそこまで詳しくなかったみたいだな
綻びがあるから、きっちりとした祭司に頼れば――それでも半月は解呪にかかりそうだ
軽く見て判るが……呪印系のもんだろうそれ?
寧ろ、直接戦うのが大分手強かったんじゃないか?
(どうだ、と聞く。 まるで、彼女へ呪った相手を知っている様にも聞こえるかもしれない)
■アリゼ > 「その諺に習えば、奴は死神の手間を少しでも減らすために、自分の墓穴を掘っていたことになるな」
ふふっと軽く笑い、魔族を仕留めたときのことを話し始めた。
アリゼが二年に渡る追跡の末に魔族を追い詰め、その首を切り落とした瞬間のことだ。
彼はまるで人生最大の博打に勝ったように、ニヤリと大きく笑って死んでいった。
その瞬間身に着けていたもの全てが呪詛を受け、今も肌を這いまわるタトゥーと一体化してしまったのだ。
「ああ、死ぬ一歩手前まで剣術しか使わなかったが腕前は見事なものだった。
友人の助けがなければ今頃私は奴隷だったろうな……」
そこまで言うと、過去を思い出すかのようにテーブルを眺める。
■ムメイ > (そうして、彼女の話を聞く。
かつて友と呼んだ――自分とも武を交わした――者の最期の話、そうして話を聞き終え
テーブルを眺める彼女に、納得したように笑って見せて)
――最期まで魔族らしい魔族だった、か
ただまぁ、流石に勝ったお前さんに最後まで迷惑をかけるのは
なんつーか、なぁ……昔にやりあったけどよ、よく勝ったもんだ
(その頃の俺は引き分け、とつぶやく
自分と同じく物理を極めればどうとでもなるの塊の様な奴だったが
最後の最期にそうなったのは――そこで思考を止めて)
ともあれ、腕の良い神官の所へ向かう
解呪薬っつーのもあるが、効くだろうけど……多分、一時的じゃねぇか?
或いは――まぁ、あんまりお薦めしないが眷属になるっつーのもなくはない
(気が付けば、頼んでいた食事は食べ終えていた
水をのんびりと飲み干しつつ、彼女に視線を向けて)
とまぁ、こんな感じだが……
生憎と、俺は術や呪詛を扱うのは下手糞でね
代わりに知識があるからこうして伝えた、って次第さ
(少しは希望が持てたかい、と笑いかける
厳つい顔だが、何処か人懐っこい様にも見えるかも知れず)
■アリゼ > 「神官に解呪の薬、眷属か……最後は論外だとして、
薬の商人に聞いた時も同じような答えが返ってきた」
ふむふむとアリゼは頷き、ムメイの微笑みに彼女も微笑で返す。
違う立場の人間から同じアドバイスをもらったのなら、それはまず正しいことだろう。
少なくとも今までの行商人や旅人のように、こちらを騙すつもりではないということは分かった。
「あなたの知識は確かなもののようだ。
あの魔族も、あなたのように人の世に溶け込めていたならば……
いや、それは今考えるべきではないな」
魔族を友人に持つとは変わった人だ、とアリゼは思いつつ
ムメイを眺める。よく鍛えられた身体に、厳つい顔。
戦士の見本のような肉体に、タトゥーが突然反応した。
「……んっ♥」
ビクッと身体のそこかしこを鎧の内側から舐め解され、
アリゼはつい声を漏らしてしまう。幾度となく繰り返されたこの愛撫は、
常に場所や力を変えるため慣れるということがないのだ。
■ムメイ > だろうな、呪い――まじないってのは、突き詰めればそういうもんだ
効果が強けりゃ強い程、おかしなものに縛られるようになる
或いは単純化する、っつってもいいかもしれんな
(魔法も似たようなもんではあるのか、とも付け加え締め括る
そうして紡がれた言葉には、ああ。 と声を出して)
東で「武」と呼ぶ技術っつーのは、矛を止めると書いてそう読む
その在り方は、制する事で誰かや何かを守る為のものだ
けどな、我流でも流派でも古ければ旧い程に必ず色濃くあるんだよ
制するのではなく、殺す為に磨かれた業がな
俺ぁ生まれてこのかた、強さっつーものの果てを見ようと鍛えちゃいるが
自分が進んでるのか、退いているのか、停まっているのか判らん
(偽りではなく、そう思うのだ
自分が何処にいるのか、どうなっているのか
故に武を比べる事を好む、のだが)
ふむ、調子が優れない訳じゃないなら、俺と比べてみるかい?
強さって奴を
(突然、そんな問いかけを彼女に向ける
恐らくは呪印の影響だろう、と思いながら漏れた声には……反応しなかった
聞こえているのは自分くらいだし、それも優しさだ)
■アリゼ > 「仮にも騎士を名乗る者として腕比べは望むところだが……
今の私は呪われた身だ、実力を存分に発揮できるとは言い難い。
呪いが身体を動かすことすらあるのだ、これでは勝ち負けどころではない」
騎士としてそれなりの実力があると自負しているだけに、申し出を断るときに
アリゼはムメイから申し訳なさそうに顔を背けた。
「だが、共に戦う機会があればできる限りの実力を見せると誓おう」
強さの果てを追求しようとするムメイの在り方を見習いたいとアリゼは思い、
ムメイに顔を向き直して答える。