2018/09/04 のログ
ホウセン > ”でぇと”なるものは、もう少し糖蜜が如き甘さを宿した行為で、肉欲一直線の代物ではなかったような気がしたのだが。
そんな疑問も、顎先に突きつけられた冷ややかな感触の銃器によって、霧散する。
無論、恐怖によってではない。
その苛々した感情の発露が、非常に精神の骨格に迫るものだったから、興味を惹かれたのだ。
だからといって、温情を与える輩では断じてない。

「呵々!気に入らぬことがあったからと言うて、凶器を突き付けるのも取引の流儀ではあるまいよ。
 それに”知らぬ”、”気付かぬ”は、お主の側の落ち度ぞ。
 端から知る者と知らぬ者が、全くの同じ立ち位置である筈が無かろう?」

己の内側の変質に気を取られているらしい冒険者を他所に、カラン、コロンと下駄を鳴らす。
行為としては足踏みだけれども、”呪”を練るための予備動作であり、解呪の為の物では無い。

「それ以前に、儂に対する不敬じゃ、痴れ者め。
 少しばかり”躾け”てやらねばなるまい。」

本来であれば、この程度の簡易な呪の練り方でどうなるものでもないのだが、幸か不幸か、似たような存在の魂は精査した経験がある。
似ているとか、瓜二つというか、ほぼ同一存在というか。
故に、”呪”の浸透も、それの影響を効率的に引き起こす為の癖も熟知しており――

――その路地裏で何が起きたのか、特に冒険者の側は決して口を開こうとしなかったことだろう。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からセイン=ディバンさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からホウセンさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にカシオペアさんが現れました。
カシオペア > 夜更け──
まだ、街が寝静まるには早い。
これと言った理由は無く、遠く聞こえる喧噪を聞きながら裏通りを歩く妖魔の姿。
裏通りに用がある、という訳ではなく…
繁華街に向かって歩いている途中で、通り掛かった。
道幅は狭く、時々客引きをしている娼婦やならず者とすれ違う。
すぐに彼らの気配は遠ざかり。
聞こえるのは、ひたひたという自分の足音だけ。
左右を建物に挟まれているので周囲は暗い──
裏通りの出口は、見えない。
しかし、無限に続いてもいないだろう。
いずれ、大通りの方に出るはず。
急ぐ必要は無い…妖魔は、緩やかな足取りで歩を進めて。

カシオペア > そのまま、妖魔の姿は路地の向こうに消える。
後に残るのは、遠くから響いて来る喧噪のみ…

ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からカシオペアさんが去りました。