2018/08/08 のログ
ご案内:「王都マグメール貧民地区・教会」にジュリアンナさんが現れました。
■ジュリアンナ > 心が乱れた時、安らげる場所として思いつくのは、未だ屋敷ではない。
実際に訪れてみれば、神餐節とやらの炊き出しが行われていたりして、
とても安らぐどころの騒ぎでは無かったが――――其れなら其れで、
忙しく立ち働くのは決して嫌いではなく。
夕食の炊き出しがひと段落ついた頃合い、少し休憩しなさい、と院長に言われ、
炊き出し会場の喧騒を離れて、古びた礼拝堂へ向かう。
幼い頃から毎日、朝に夕に祈りを捧げていた場所は、今宵も変わらぬ穏やかな空気で、
優しく己を包み込んでくれる。
知らず、ほっと肩の力が抜けてくるのを感じながら、以前はいつも其処に座っていた、
最前列、右端の席へ腰を下ろし――――色褪せたフレスコ画に彩られた丸い天井を仰ぎ見て、
深く、ゆっくりと息を吐き出す。
「――――少し休んだら、戻らなくちゃね。
何だか、変なのが紛れ込んでるみたいだったし……」
炊き出しを求めて並ぶ人々の中に、明らかに栄養は足りているような、
ゴロツキじみた連中が紛れ込んでいたように見えた。
年老いた院長とシスターだけでは、何かあった時に対処し切れないだろう、と、
少し休憩したら戻って目を光らせているつもりで。
■ジュリアンナ > 「―――――……?」
何だか急に、外が騒がしくなった気がする。
寝不足だった所為か、うとうとし始めていた己の耳にも聞き取れるほど、
大きな声を上げている者が居るらしい。
其の声が明らかに男のものであると思えば、無意識に背筋がざわついたが――――
「……行か、なきゃ。
院長先生が、困ってるかも……」
態々、そう声に出して言わなければ、立ち上がることも出来なかった。
長い髪を勢い良く揺らして頭を振り女としては雑な所作で立ち上がる。
「……しっかりしろ、あたし」
ぺちん、と己が手で両頬を同時に軽く叩き、気合を入れて歩き出す。
木の扉をぐっと押し開けて、外の喧騒の中へ―――――。
ご案内:「王都マグメール貧民地区・教会」からジュリアンナさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にテリスさんが現れました。
■テリス > 「毎度。また来てくれ。」
もう来ねぇよ、と男の冒険者が叫ぶ。
どうせまた来るくせに、とひねた笑みを浮かべる少年。
もらった硬貨はすでに数え終わっている。ここでの取引は正確にしないとね、という事だ。
暴力に訴えられたらどうしようもないが、少年はそれなりに長い事やっているせいか最近はそういう事も減っている。
ま、いい事だよな、と腰掛けていた木箱からぴょいと飛び降りる。
飯でも食うかなー、と貧民区にある安くて味は普通なパン屋を目指して歩き始めた。
さっさという足取りはすでに通り慣れている事を示す。
その代わり、慣れによる油断はあるので急に出て来られたりしたらぶつかったりはあるかもしれない。
■テリス > 「おばちゃーん、パンくれー。」
てこてこと歩いて普通に気兼ねなく声をかける。
またアンタかい、とあきれ顔の女性から黒パンを2つ購入する。
硬貨を手渡し、あんがとなー、と気楽な様子で声をかけてまた歩き出す。
貧民地区にも飲める水はある。
ひとまずそこにいくか、とトットコ。
やってきたのは公園らしき何もない広場から少し離れた場所。
くみ上げるための井戸が放置されていた。
そこでがっしゃがっしゃとレバーを上げ下げして水を吐き出させる。
流れ出て来た水に口をつけてごくごく…。
最近は暑いから、余計美味く感じるよなー、と考えつつパンをひと齧り。
固いパンだが、無いよりはマシ。そう考えながらもぐもぐと咀嚼していく。
■テリス > むぐむぐとパンを食べながら通りを眺めている。
通行人は総じて下を向いて歩く貧民か、
それとも肩で風を切って歩くガラと風体の悪い連中か。
この辺りは娼婦などは少ない。
というかいても目の毒であるわけで。
「…ま、王都も暮らしづらくなってるよな。」
ぼそり、と呟けば残りのパンを口に押し込んでしまう。
ぱさついた味気ないパンを咀嚼し、最後に井戸水を一口飲んで口の中を潤す。
さて、ネタでも仕入れにいくかなー、と一つ伸びをすれば少年は駆けだしていく。
行先は、平民地区か、富裕地区か。
紛れ込んでも阿呆な衛兵くらいなら簡単に撒ける、と裏道へ走り去っていく。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からテリスさんが去りました。